時間軸的には冬期限定ボンボンショコラ事件の少し後になっておりますが、夢シーンは春期限定いちごタルト事件より前です。
高校時代での事件の終わり
疲労感に襲われて、ぼくはベッドの上で横たわっている。疲れているのはさっきまで日坂……三浦くんと日坂栄子さんに関する事件。いや、ぼくの過去の過ちに蹴りをつけてきたところだったから。
これからのことを考えたいのは山々だけど、そうはいかないみたいだ。仕方ないので睡眠をとろう。あけましておめでとう。おやすみ。
小鳩くんと堂島くんと女の子
ぼくはさっき、難解な事件を解決してしまった!確かに君にしては考えた。実際少し手間取った。けれども、ぼくには及ばない。それほどまでに差があるのだよ。
それはそうと、少し甘いものを食べたい。一回家に帰ってコンビニに行こう。
一度家に帰り、家から徒歩五分にあるコンビニへ向かった。さて、何を買おうかな。プリンとかもいいけど、期間限定品とかもたまにあるからね。今からいくコンビニはセブンイレブンのようなチェーン店ではなく、地元に二店舗しか展開していないからレアなものがおいてあったりする。
何を買おうか考えているうちに着いてしまった。とりあえず中に入る。「チリンチリン」この店のドアを開けるとこのような音がなる。入った中には女性店員二人と、ぼくと同じような年齢のガタイの良い少年とぼくより少し年が低そうなボブヘアの少女がいた。
ボブヘアの女の子がスイーツを見ている。丁度いい。スイーツを買いに来たんだ。詳しそうだし聞いてみよう。一歩二歩、近づく。
「ねぇ」
声をかけてみた。女の子は少し驚いたのか膠着しているように見える。
「な、なんですか?」
すこし警戒しているように見える。それはそうだ。ぼくも知らない人に声をかけられたら少し怖い。同い年だとしても。
「スイーツを見ていたよね。ぼくもスイーツを食べたいんだけどね、あいにくそのへんの知識が薄くて、おすすめは何かな?」
女の子は少し驚いた顔をして、かすかに微笑みをみせた。
「なら、この冬期限定ボンボンショコラがいいと思います。この店は通年でボンボンショコラは売っていますが、この冬期限定ボンボンショコラは特別です。」
ボンボンショコラ?ショコラっていうからチョコレートか。
「うん、ありがとう。助言通りボンボンショコラを買うよ。」
「冬期限定ボンボンショコラです。」
冬期限定を強調して言った。確かに冬季限定があるのとないのじゃあ違う商品を指しているか。失敬。
「わかった、冬季限定だね。」
女の子は頷いた。とても嬉しそうに。
「何か面白そうな話をしているな?混ぜろ」
後ろから男の声がした。この店には今、ぼく以外に男はガタイが良い人しかいない。他に人が入ってきたら特徴的な音でわかるはずだ。
「特段面白そうな話はしていないよ」
「ふ〜ん。そうか。悪かったな。」
「じゃあぼくはこれで。ボブヘアの女の子、ありがとう。」
感謝の意を示して立ち去ろうとした。
「おさn......」
「おい待て。お前、もしかして木良小学校に通っているか?」
なんで知っているんだ。それはそうとボブヘアの女の子何か言おうとしていなかったかな?
「なんで知っているのかな?言ってないはずだけど。」
とりあえずガタイの良い男の子に問い返した。
「なんでって……。あの事件のことは知っている。校内じゃあ有名だろう。確か名前は……。大鳩常参朗だったか」
小さいし、参じゃなくて悟だけど。
「小鳩常悟朗だけど。」
「あぁ、そうだった。常悟朗だったな。同じ小学校だからこれから世話になるかもしれん。堂島健吾だ。五年二組だ。よろしく」
隣のクラスだったのか。
「五年一組。よろしく。」
そういい、ぼくは会計を済ませにレジに向かった。
先程の女の子はいなくなっていた。そりゃあ、別に仲良くないし待ってくれるはずもない。感謝はまた次会ったときでいいだろう。
小市民は飛ぶ準備をする
夢を見ていた。小学校のころ、健吾と出会ったころの。あのときは驚いたなぁ、急に声をかけてきたんだもの。でも、その点で言うとぼくも同じか。ぼくもボブヘアの女の子に声をかけた。お互い知らないのに。今思えば、あれは小佐内さんだったのかもしれない。よく考えてみると二人とも顔も髪型も似ているしスイーツも好きだったし。それに加えて声も話し方も似ている気がする。本人に聞いてみてもいいけど、七年前、仮にあそこにいたとしてもきっと忘れているだろう。
そういえば、あのときの冬期限定ボンボンショコラは今冬、小佐内からもらったのと同じものなのだろうか?流石のぼくでも七年前の冬期限定ボンボンショコラの包装や味を覚えていない。今度小佐内さんにどこで買ったか聞いてみよう。
あぁ、忙しくなりそうだ。受験も甘いものも。