大往生したと思ったら星見雅に良く似た妖狐の魔人に転生した件 作:レイギス
紫苑の料理の早急な改善の為、修行と称して料理を教える事にした後、私は蒼影、風乱と共に、森を歩いていた。
「悪いな二人共、急に共に来いと言って。」
「いえ、調査に関しちゃ分身達に任せてますんで、問題ないですよレイギスさん。」
「…風乱、前からそうだが、レイギス様への軽々しい態度、改める気はないのか?」
蒼影が聞き、風乱はやれやれと言いたげな顔で言う。
「雷丸と同じ事言うじゃねぇか…第一そのレイギスさん自体が呼び方なんて気にしちゃいないってそれこそ、進化前から言ってくれてたから、お言葉に甘えてるだけだっつの…お前はその辺、あの雷野郎よりは分かってると思ってたが。」
「別にあいつ程どうこう言う気はない、だがレイギス様が公の場に立つ際、その言葉遣いを改められるならば文句はないだけだ。」
「そんなヘマはしねぇよ、それこそレイギスさんに恥をかかせちまう。」
「さて、そろそろお前達に私が同行するよう言った要件を言おうか。」
私がそう言うと、二人も雰囲気を変える。
「豚頭族単体での強さを見た場合、進化前のお前達でも十分倒せるのか否かを聞きたい。」
私は、来たる戦に備え、豚頭族単体の戦力を聞く事にし、蒼影と風乱を呼んだのだ。
風乱は答える。
「アイツら単体なら、進化前の俺らでも全然勝てます…唯、何十と来られると、その限りじゃないっすね、現に俺も、雷丸が来てくれなきゃ今頃、あの世でしたし。」
それに蒼影が同意し、言う。
「風乱の言う通り、豚頭族単体ならば、進化前の我らでも十分倒せました…数が多過ぎて、対処が追い付きませんでしたが…。」
「そうか、教えてくれて感謝する。」
「嫌々、それが俺らの仕事ですんで…ん?」
「どうした?」
風乱が急に止まり、疑問の声を上げたので私が聞くと、蒼影も同様に止まっていた。
「いや、分身から報告がありまして、何でもリザードマンの連中がリムル様のとこに来たと。」
「そうか、戻るぞ、お前達。」
「「は。」」
そうして私達は一路、リムル達の元へ向かった…辿り着くと、何やらゴブタから、唯ならぬ気迫を感じさせ、首領の息子と一騎討ちをしていた…槍を投げ、息子の注意を引いた後、影移動で蹴りを打ち込み気絶させた…確かあの蹴りの仕方は以前、リムルに不適切な言葉を吐いた時に、ゴブタがくらったものだったな。
「決まりだな、勝負有り、勝者ゴブタ!」
嵐牙がそう言うと、ゴブタはリグルドと嵐牙により胴上げを受け、リムルは倒れた息子を連れ、帰るように言っていた、さて、私も一応あの者らに言っておくか、私はそう考え、リザードマン達が去る前に声を掛ける事にした。
「お前達、息災だったか?」
「れっレイギス様!?」
確か、あの水色の服を着た緑のリザードマンは、息子を慕う者の一人であったな、その者が言った後、リザードマン達も慌てて私に跪いた…アレは放置して良いのか?…まぁ良い、首領にも伝えたい事があったからな。
「首領に伝えよ、私達と友誼を結びたくば、後程私が送る使いを無下に扱うなとな…間違っても侮り、不遜な物言いをしたならば、そやつは死ぬと思え。」
私のその言葉にリザードマン達は必死に頷き、今度こそ去って行った…リムル達が呆気にとられる中私はリムルに、先程の事を聞いた。
「それでリムルよ、あの茶番は何だったのだ?」
「あっあぁ、実はな…。」
そうしてリムルが言うには、使者として、息子、改めガビルという名を貰ったあやつがリムルを配下としてやろうと言い、…嵐牙が仕え、私の友でもあるリムルを見下し、挙句の果てに、騙されているなどと言った事を吐いたそうだ…そして先程の茶番に勝っていたなら、話は聞いてやると言ったという内容だった…ふふふ、あの阿呆め…まだ懲りていなかったらしい…私が笑みを浮かべているとリムルが言った。
「なっなぁ、俺はあんま気にしてないから…そんな怖い笑顔すんの止めてくれないか?皆怖がってるからさ。」
「…それもそうだな、だがリムル、一つだけ言っておく…戯れは許しても、侮りは許すな…以前にも言った事だがな。」
「前々から思ってたんだが、そんなにお前にとって重要なのか?舐められない事って。」
「当たり前だ、唯でさえヴェルドラの弟子という事実が広がり出した頃、その事実を信じず、私を侮った輩達が私を討ち、名声を得ようとやって来たからな…面倒だったので、そいつらの種族を全滅させた…その後は、そう言った輩は来なくなったな。」
私の言葉に皆が沈黙していたが、リムルだけは違った。
「…種族を滅ばしたのはやり過ぎなんじゃないか?」
「…ほう?お前は四六時中鬱陶しい連中から、命を狙われる事を良しとせよと…私にそう言うのか?」
私は久しぶりに玉藻覇気を使い、リムル達を少し威圧しながら言った…。
「いや、そう言うつもりで言ったんじゃないんだ…悪かったよレイギス…。」
「……ふん、許してやる…タマモも良いな?」
「マスターがそう仰るなら。」
私がそう言うと、タマモは既にリムルの背後で印を結び終えており、私が指示していれば紅丸達諸共消すまではいかずとも、致命傷を与えうる呪法を使っていただろう。
「いつの間に…。」
「隙だらけでしたから。」
紅丸の呟きにタマモは笑みを浮かべながら返し、私も覇気を解き、威圧を止める、それによって張り詰めていた空気もほぐれた。
「リムル、一つ先達として忠告しておく…この程度の威圧に気圧されていては、自身の理想を叶える事は出来ないぞ…お前はピエロではない事を私に証明してくれ…
さてゴブタ、侮られていたとは言え、お前はガビルに勝った、故に私から褒美を渡そう…このスキルを以て、より一層修行に励むが良い。」
私はそう言い、ゴブタの額に触れ、玉藻の権能の一つに納まった創作者の創造を使い、エクストラスキル身体電流操作を与えた。
「有難うございますっす!でもこのスキル、どう使うんすか?」
「それは後程、私が固有空間内で教えてやる。」
私の言葉を聞き、白老とタマモ以外の全員が顔を青くし、ゴブタも先程と一転しリムルを見て、手を伸ばしていた…リムルは目を逸らし、白老とタマモはゴブタの肩を掴み言う。
「ゴブタよ、レイギス様直々の修行で、見事そのスキル、ものにしてみせい。」
「ゴブタ、マスターが直々に修行して下さるのです…逃げようなどと思わないで下さいね。」
白老は真剣な表情で、タマモは笑顔でゴブタに告げたその日の晩、風乱と蒼影から報告を聞いていた。
「20万か…斬り尽くすには面倒な数だな、となると紅丸達の里を襲った者達は別働隊だろう。」
「いや面倒なんてもんじゃないだろう…20万だぞ?」
「私が滅ぼした種族達の総数に比べればまだマシな数だ…言っただろう?四六時中鬱陶しい連中が居たと…最初こそ少なかった…だが、私がそれなりに強者だと認識を改めた者達は、私に手を出すのを止めるもの、それでも名声を求める者に分かれた…その者達は欲深く、私が当時大切にしていた者を、私が離れていた隙に殺し、死体に動揺している隙に殺そうとしたものも居た…そんな日々が続けば、そやつらを滅ぼしたくもなろう。」
私の言葉に皆が沈黙した…はぁ、過去を語ると何故かこうなるから嫌いだ。
「私の事などは今はどうでも良いだろう、風乱、説明を。」
「…分かりました、今のところ
「そもそも豚頭族の目的って何なんだろうな。」
リムルがそう呟くと、カイジンが答える。
「ふむ…豚頭族はそもそも、余り知能の高い魔物じゃねぇ、この侵攻に本能以外の目的があるってんなら、バックの存在を疑うべきだろうな。」
「例えば魔王…とかか?」
リムルがそう言い、沈黙が流れる中、私は一つ伝えそびれていた事をリムル達に伝えた。
「私の知る魔王達は、この様な面倒はせず、直接動く者たちだがな。」
その言葉に皆が一斉に私の方を向き、驚愕していた。
「お前魔王の知り合い居んのか!?ってかそんな重要な事どうして早く言わなかったんだよ!」
「一番は聞かれなかったからな…私が伝え忘れたのもあるが。」
「嘘だろお前…他にはないだろうな…。」
リムルが呆れながら私に聞いてきた。
「無いな…いや、一つだけあったか、風の噂で聞いた事だが、ここ最近豚頭族達の国は大飢饉に陥っていると聞く…侵攻の理由の一つとしては充分だろうな…。」
「他にもあるって言うのか?」
「それは侵攻を企てた者本人に聞くしかあるまい…シズ、ジンお前達から見てもこれは異常なのだろう?」
「うん、そうだね私も何度か豚頭族とは戦ったことはあるけど、こんな大軍勢での侵攻は私の知る限りないから…レイさんも知らないなら、そうだと思うよ。」
「僕もシズさんと同意見ですね…それ以上に僕は、レイさんに魔王の知り合いが居た事に驚いてますけど…ちなみに、その魔王の名前は何て言うんですか?」
ジンが私に問い、私は教えても問題は無いだろうと思い、二つ名と名を口にした。
「
ギィ・クリムゾンだな。」
その言葉を聞き、リムルとタマモ以外の皆が目を見開いていた…まぁそれもそうか最古の魔王、その二人なのだから。
「一体どうやってその二人と知り合ったんですか!?レイさん!あの最古の魔王の二人と。」
「まぁ、話すと長くなるが…まぁ良いか、腕試しの途中に偶然ミリムと出会い、会うなり魔王にならないか?と誘われ、断った後、理由を問われ、私はまだまだ弱いからなと言ったら特訓をしてやろうと一方的に攻撃されてな…当時の私では受け流し、致命傷にならぬよう立ち回り、私が編み出した神奥の一つである滅竜神化を使い、ミリムと一時的に互角に殴り合った後満足したのか帰って行ってな…その後ミリムがギィに私の事を話し、配下の者が私を白氷宮なる居城に招待され、今度は魔王になれと言われ、同様に断ったのだが…ミリムと戦える奴が弱い訳ねぇだろと言われ、強引に魔王にされかけたが…まだ成る気はないと強引に納得させた…その後、魔王に成る気になったら教えろと言われたな。」
私の言葉に皆が驚愕し過ぎて思考が止まってしまったな…これでは話が進まない、そう思い、空気を切り替えようとした時、風乱と蒼影の二人の様子が変わった。
「どうした?」
「偵察中の分身体に接触して来たものが居ます。」
「レイギスさんとリムル様に取り次いで欲しいって言ってますね。」
「ふむ、二人共、もしやその者は樹妖精《ドライアド》ではないか?」
「そうですね…通しますか?」
「うむ、そうしてくれ。」
「俺も構わない。」
私とリムルがそう言うと、風が吹き、樹妖精のトレイニーが現れた。
「初めまして、魔物を統べる者、及びその従者達…そしてお久しぶりです、レイギスさん、突然の訪問、相すみません、私は樹妖精のトレイニーと申します、どうぞお見知りおき下さい。」
「俺はリムル・テンペストです、初めまして、トレイニーさん。」
「久しいな、トレイニー…大方、私達に豚頭帝の討伐でも依頼に来たか?」
「えぇ、そうです、毎度話が早くて助かります…レイギス・エミリオン、リムル・テンペスト…魔物を統べる者よ、あなた方に豚頭帝討伐を依頼したいのです。」
トレイニーがそう言うと紅丸がトレイニーに言う。
「いきなり現れて、随分身勝手な物言いじゃないか樹妖精のトレイニーとやら、何故この街に来た?ゴブリンよりも有力な種族は居るだろう。」
「そうですわね、あなた方…元大鬼族の里が健在でしたら、其方に出向いていたかもしれません…まぁそうであったとしても、この方とレイギスさんの存在を無視する事は出来ないのですけど。」
トレイニーは続ける。
「樹人族《トレント》の集落が豚頭帝に狙われれば、樹妖精だけでは対抗出来ませんの…ですからこうして、強き者に助力を願いに来たのです。」
トレイニーはそう言い、リムルが言葉を返す…とは言え、トレイニーが来た時点で、豚頭帝は居ると断定出来るがな…さて、豚頭族共はやり過ぎた…故に最低でも半数近くは…だが、豚頭帝が失わすには惜しい魂ならば…そうして私が思考しているとリムルが言った。
「…トレイニーさん、とりあえず返事は保留にさせてくれ、こう見えてもここの主なんでな、鬼人達の援護はするが、率先して薮をつくつもりは無いんだ…レイギスも良いよな?」
「お前がそう言うならば私としても構わない…すまないが、整理させる時間をくれ。」
「…承知しました。」
そしてリムル達はトレイニーを加え、改めて会議を再開した、そんな中、朱菜が一つ思い当たる事があると言った。
「蒼影、私達の里の跡地は調査して来ましたか?」
「…はい。」
「…その様子ではやはり…無かったのですね?」
「はい…同胞の者も豚頭族共の者もただの一つも。」
………あぁ…最悪だ、20万をどう食い繋いでいたのか…その疑問が、最悪の形で解決された。
「無かったって何がだ?」
リムルは気付いていないようだな、それもそうか平和な時代を生きていたのなら、気付けぬのも仕方ない。
「死体です。」
「死体!?」
「リムル、そう驚く程でもない…20万も居る者たちを食い繋ぐ為ならば、たとえ仲間の死体であろうと、餌なのだろう、白老、豚頭族達に兵站の概念はあるのか?」
「無いでしょうな。」
「そうか…ふふふ…あぁ…そうか…遺品の一つでもあればそれを墓に入れてやれたのだがな…我が愛おしき配下の故郷の者達…知らぬ者も居なかった…必ず、無念は晴らすぞ。」
「レイギス様…。」
「ふ、案ずるな雷丸…激情に支配されはしない。」
私が雷丸の方を向き返事をするが、何故か不安そうな表情から変わらない…はて、私はそこまで酷い顔をしているのか?私が疑問に思っていると、ジンが言った。
「……レイさん、そんな目で言われても…説得力がありませんよ…そんな、全てを呑み込むような目で見られては…。」
「ふむ、以前お前には、似た事を言われたな…だが、本当に激情に支配されてはいないんだ…ただの事実として、受け止めているだけだよ。」
「なっなぁレイギス…こんな事聞くのもどうかと思うけど、里の人達にはお前の知り合いだって大勢居たんだろ?…本当に事実としか思ってないのか?」
リムルが代表して、私に聞いてきた…そうだな、ジン以外でコレを知るのはタマモとキリのみだからな。
「…私は、嘗てのある一件があって以来、物事を事実としてしか、認識出来なくなっていてな…私にとってどれ程辛い事であったとしても…私は涙を流せず、表情を変える事すら無くなってしまった…人でなしだと思うか?リムル。」
「いや、そんな事は思ってないよ…悲しむ気持ち自体はあるんだろ?…変な事聞いて悪かった。」
「構わんさ、何れ話さなければならないと思っていたからな…さて、トレイニー、豚頭帝について、何か知っているのだろ?」
私がそう言うとトレイニーは語り出す、ユニークスキル飢餓者《ウエルモノ》…豚頭帝が生まれた際、必ず保有するスキルらしい…食らった魔物の性質を己の物とする力だが、リムルや私が持つ捕食者とは違い、回数を重ねなければ完全にものには出来ない…故に、豚頭族達の狙いは森の上位種族達の力を奪う事だと推測された。
「…となると内も安全では言い難いな、嵐牙狼族に鬼人、雷鬼人、風鬼人にホブゴブリン…何よりレイギスも居るし、豚頭族達の欲しがりそうな餌ばかりだ。」
「ふふ、他にも食いつきそうな餌が居る事を忘れてないか?リムル。」
「…調子出てきたみたいだな…さっきまでのお前、何かいつもと違って、余裕無さそうだったからさ。」
「…ふむ、そうであったか…でだ、ここには、私の知る限り最も強いスライムが居るぞ?…連中にとって、興味は尽きない筈だ。」
それを見計らった様にトレイニーが言う。
「…他人事では無くなったのでは?」
トレイニーは続ける。
「それに…この度の豚頭帝誕生の切っ掛けに、魔人の存在も確認しております、貴方様は放っておけない相手かと思いますけれど、何故ならその魔人は、何れかの魔王の手の者ですので。」
「だが、ギィやミリムでは無いだろうがな。」
「…シズさん、魔王レオンって奴は、こんな事する奴なのか?」
「いいえ、レオンはこんな事するような魔王じゃなかった…筈だと思う。」
「…貴女様は貴女様でどうやってそのお二人と知り合ったのか後程伺いたいですね。」
「では後程、私に付き合え、時間ならばあるだろう?」
「ええ、構いませんわ…では改めて、豚頭帝の討伐を依頼します、暴風竜の加護を受け、牙狼族を下し、鬼人や新たな種族達を庇護し…何より暴風竜の弟子である、貴女様方なら、豚頭帝に後れを取る事もないでしょう。」
そうしてトレイニーが言うと。
「当然です!リムル様とレイギス様ならば豚頭帝など敵ではありません!」
「まぁ!やはりそうですよね。」
…はぁ、調子の良い者達だな。
「豚頭族の件は俺達が引き受ける…レイギスも良いよな?」
「元より私はそのつもりだ…豚頭族達はやり過ぎた…故に、たとえお前がやらぬと言っても、私はやり遂げる気で居たよ…里の者達の無念を晴らさねばならないからな。」
「そうなれば我らも着いて行きますよ…そうだろ?風乱、炎牙、ジン。」
雷丸がそう言うと、風乱と影から出てきた炎牙、そしてジンも大きく同意した…全く、阿呆達め…ふふふ、タマモよ、創造の権能で創って欲しいスキルがある
『それは何でございましょうか、マスター。』
あぁ、それは…相手を侵食し心核《こころ》を掌握するスキルと掌握した者達を狂わせるスキル、そして、相手の心核から、問答無用で情報を抜き出すスキルだ…可能か?
『ええ、問題ございません、直ぐに作成に取り掛かりますね。』
そうして私達は準備に取り掛かり、着々と豚頭帝討伐へ向け、動き出すのであった。
最後まで見て下さり、有難うございます。
そして、今まで多機能フォームの使い方が分からず、ルピを/で代用していましたが、今回から多機能フォームのルピ生成を使わせて頂きます…唯、適用していくのはあくまでこの話を含めた後の話からとさせて頂きます、それについてはどうかご了承くださいませ…では次回のお話でまたお会いしましょう。