大往生したと思ったら星見雅に良く似た妖狐の魔人に転生した件 作:レイギス
豚頭帝討伐を引き受けた私達は、会議を続ける中、やはりリザードマン達との同盟をリムル達が検討していると。
「ふむ、リムル、アレはそんなに調子に乗っていたのか?」
「あぁ…レイギスが来たのはゴブタとの一騎打ちの時だったな、いきなり来て配下に加えてやろうと偉そうに言ったり、嵐牙達を従えているのも、なんか騙されているって決め付けた態度がな…本当に調子に乗ってる奴感半端無かったよ…。」
「俺…本当に燃やし尽くしてやろうかと思いましたよ。」
「リムル様に対するあの態度…許せません!」
ふむ、紅丸と紫苑から怒りの妖気が出ているな…まぁ気持ちは分からんでもないな…私が初めてアレと会った時も、妖気を抑えていたせいもあって、私が暴風竜の弟子、レイギス・エミリオンである事を信じず、偽物を騙る不届き者と断じようとしたからな…。
「シズやジンから見ても同意見か?」
「そうだね…悪人って訳じゃないと思うんだけど、何て言うか…本当にお調子者なんだなぁって思ったよ。」
「僕も概ね同じですね…レイさんが居たら多少は変わったのでしょうか…。」
「さぁな…アレは調子に乗っていると、悪い意味で面倒でな…となると首領に直接同盟の話を持ち掛けねば、またややこしい事になるかもしれんな。」
「そうだよな…でも首領と話すにしろどうするか。」
「リムル様、自分が交渉に向かいます。」
「お前だけじゃ、リムル様を侮った奴が出た時殺しそうだから、俺も着いて行きます…良いですよね?レイギスさん。」
「出来るのか?」
「はい。」
「風乱、任せる…だが蒼影も覚えておけ、私達は同盟を結びに向かうのであって、たとえリムルを知らずに侮った相手が居たとしてもその場では殺すな…あくまで力を見せつけ、侮りを無くす程度に留めろ、その為なら何をしようと構わん…首領が何か言ってきたなら私がそう言ったと名を出して構わん。」
「分かりました…蒼影頼むから、殺すなよ?」
「それはこちらの台詞だ、お前こそレイギス様を侮られた時、真っ先に殺しそうだが。」
「私の事を知らぬ者が居るなどないと思いたいが…万が一居た場合もいきなり殺そうとはするな…面倒だろうが、対等な交渉の場で、それはやってはならんからな…最悪は私とリムルの顔に泥を塗る行為だと自分を戒め、抑えてくれ…ただし。」
「そうみなまで言わないでも大丈夫ですよレイギスさん…舐められたまま帰るなんてしませんから。」
「ご安心下さい、レイギス様。」
「そうか…では、行ってこい。」
「「は!」」
そうして蒼影と風乱は首領の元へ向かった…だが念の為、私の分身を別働隊で向かわせておこう…ガビル達の事も気掛かりだしな…さて。
「ジン、シズ、お前達は万が一に備えてここを守って欲しい…負ける気はないが、別働隊が居ないとも限らないからな、頼めるか?」
「うん、大丈夫だよ、レイさん。」
「僕も問題ありません、レイさん。」
そうして私は、一人森に来た。
「さて…そろそろ話をしようかトレイニー。」
私がそう言うと、風が吹き、トレイニーと背後に他の樹妖精も居た…確か妹だったか?
「私の要望に応えて下さり、感謝しております、レイギス様。」
トレイニーがそう言うと背後の妹と共に私に跪いた。
「いつも言うが、私に対してそこまで畏まらなくとも良いのだぞ?…それと後ろに居る者はお前の妹の…。」
「いいえ、そう言う訳には参りません、暴風竜ヴェルドラ様は彷徨っていた私達を拾って下さった方、そのお弟子さんである貴女様にも以前、樹人族の集落を守って貰いましたから。」
「はい、以前一度だけお会いしました、トライアです。」
「同じく、ドリスです。」
「そうか、頭を上げろ、それと、今より話す事は内密にしてくれると助かる…あと今の私はレイギス・T・エミリオンだ。」
「成程、でしたら次から正式に依頼などする際は其方で呼ばせて貰いますね…それと秘密にする件、構いませんわ。」
そうしてトレイニー達は顔を上げ、私の言葉に同意した。
「感謝する…さて、私が魔王ミリムと出会った話からだったな…。」
そうして私は語り出した、私がまだ、修行の腕試しと称して、様々な所を旅していた時の事を。
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…さて、粗方この一帯に住む、上位種族達とは修行が出来た…が、まだまだヴェルドラの鱗を素の状態では砕けていない、このままでは停滞したままとなってしまうな…何かないだろうか…。
【告、強大な魔素を持った者が接近中です。】
なに?…確かに上空から迫る者が居るな…それに凄まじい魔素だ、幼子の見た目であれ程とは…もしかしたらヴェルドラに匹敵するやもしれんな…そうして私が思考しているとその者…魔王ミリムがやって来た。
「初めまして、私は魔王ミリム・ナーヴァだぞ、最近強い者が出てきたと聞いて、挨拶に来てやったのだ!」
「そうか、私はレイギス・エミリオン、暴風竜ヴェルドラの弟子だ…それで、魔王ミリム・ナーヴァよ、私には挨拶に来ただけか?…一応今は、魔素を完全に隠していた筈だが。」
「この
「成程、私を見つけたのはそう言う理由か…して、本当に挨拶に来ただけか?」
「うむ、そうであったが…お前、それ程強いなら魔王にならないか?」
「魔王?」
「うむ!魔王になれば魔人や人間に威張れたり出来るぞ!」
「ふむ、今の所名乗る気はないな…私はまだまだ弱い…今もこうして師匠で竜種の、暴風竜ヴェルドラの鱗を、素の状態で斬り裂く事が出来ずにいるからな…。」
「…ふむ、つまり強くなれば、魔王を名乗るという事か?」
「それは強くなってから考えるさ…しかし、どうしたものかな…こうして腕試しの旅に出てはその成果をヴェルドラ相手に確かめているが、いい加減停滞気味だ、新たな刺激が欲しい所ではある。」
そうして私が思案していると、ミリムが一つの提案をしてきた。
「では私が特訓してやるのだ!お前が強くなった後にまた魔王に誘いたいからな!」
「私としては渡りに船だが…構わないのか?利点などないぞ?」
「私は強い奴と戦うのが好きなのだ!それにお前を鍛えたら面白くなりそうだと思ったから鍛えるのだ!」
「ふふ、そうか、感謝する魔王ミリム・ナーヴァよ。」
「私の事はミリムと呼んで良いぞ?お前には特別なのだ!」
「そうかでは、宜しく頼むミリム……だが、ここでは狭いな…特訓するなら場所を変えよう。」
「うむ!」
そうして、私達はジュラの大森林の奥に向かい、付近に上位種族達が居ないのを確認した後、意思無き魔物達を一掃し、簡易の修行場を作った。
「では、宜しく頼む。」
「うむ!行くのだ!」
そうミリムが言った瞬間、私の目の前に拳が飛び、咄嗟に左腕で受け流した…が、腕の感覚が無くなったな。
「おお!凄いのだ!私の攻撃を腕を犠牲にしたが受け流すとは!お前は本当に面白いぞレイギス!」
「それは光栄だ。」
そうして私も、超速再生で戻った左腕に魔素を纏わせ、ミリム目掛けて振るう…が簡単に受け止められた。
「お前も中々良い攻撃だぞ、だが…まだ本気ではないのだろう?」
「…一応、今の状態では本気だったのだがな…コレを使った後は暫く動けなくなるから、最後の手段として常に取ってある。」
「成程、奥の手と言う訳か…であれば使って良いぞ!動けない間は私が守ってやるのだ!」
ミリムが笑みを浮かべながら私に言ってきた後、右の拳で私を殴り、私も防御し、何とか後ろに吹き飛ばされる程度ですんだ…が、また感覚が無くなったな…さて、魔素を使いスキルの速度も上げて、再生も終えた…私も動こう…メーティス、アレを試すぞ。
【了、しかし未だ制御が未完の為、数分が限界であり、魔素を巡らせた場合、痛覚無効が機能しない激痛がはしります。】
充分だ、さて、未だヴェルドラ相手には試せていない技を試すとしよう!
「霧雨流…未完神奥…滅竜神化。」
私はそう言い、メーティスと共に全身に魔素を無理矢理巡らせて行く…体中から引き裂かれそうな程の激痛が走る…だが、これならば!私は駆け、ミリムの目の前まで動いた後、左腕で殴る…ミリムが右腕で防御するが、大きく後ろに動かされた。
「凄いのだ!腕が痺れたのは久しぶりだぞ!…だが、それでは直ぐに動けなくなるなぁ。」
「ああ、故に、この一撃に総てを込める!」
私は今自分が打てる最高の技を使い、ミリムに傷を負わせる事を目標として、全身に巡らせている魔素を利き腕である左腕に総て回していく…血が吹き出て、今にも弾けそうだが、気にせず回し…最終的には、左腕のある空間だけ歪んでいるような状態になった、ミリムも獰猛な笑みを浮かべ、それを今か今かと待っている…。
「行くぞ!魔王ミリム!これが今の私の総てだぁ!…
そうして私は魔王ミリムに絶技・崩拳をくらわせた後、意識を失った…目覚めた私は知らぬ天井が出迎えた。
「…ここは?」
「目覚めたのだな!レイギス!」
私が辺りを見回していると、ミリムが私に抱き着いて来た…一体どれだけ寝ていたんだ私は、体中が、鉛の様だ。
「…私はどれだけ眠っていたんだ?」
「1ヶ月寝込んだのだ!私も心配したのだぞ?お前の技を両腕で止めた後、急に倒れるのだからな…ギィに頼んでここに置いて貰ったのだ。」
「…ギィ?」
「目が覚めたみたいだな。」
声のする方に顔を向けると、赤い髪の男が私を見ていた…あの者ミリムやヴェルドラに匹敵する程の強者だな…私がそう思っていると。
「いきなりミリムの奴がお前をここに連れて来て、どうにかしてくれと言いやがるから仕方なくやってやったが…お前に興味が湧いた、もう動けるだろ?着いてこい。」
ミリムがギィと呼ぶ者が言い、私もそれに応じ、未だ鉛の様に重い体に鞭を打って共に向かって行き、扉の前に行くと、青い髪のメイド服を着た女と緑の髪のメイド服を着た女が出迎え、扉を開き、中にある椅子にギィとミリムが腰掛けた。
「お前も座れよ、ミリムに深い傷を与える程の攻撃をしたんだ、話を聞きたい。」
私はそれに応じ付近にあった椅子に腰掛けた…。
「さて、お前には色々聞きたい事もあるが、名前を知らんままでは不便だな…特別に自己紹介してやる、俺は暗黒皇帝、ギィ・クリムゾンだ、ミリムと同じ最古の魔王の一人でもある。」
「私は暴風竜ヴェルドラの弟子のレイギス・エミリオンだ…しかし、あの技を打った直後から意識を失ったが、私はミリムに深手を負わせていたのか…。」
「うむ!私も驚いたぞ!まさか受けた腕から血が吹き出るとは思わなかったのだ!」
ミリムがそう言うと、二人のメイドが一瞬驚いたような様子を見せていた。
「それで?どうやってお前はあれだけの力を得た?単にヴェルドラの弟子ってだけじゃそれだけの力は手に入らないだろ。」
ギィがそう言い、私に嘘は許さぬ眼差しを向ける…隠す事でもなし、話すとしよう。
「私は嘗て、こことは違う世界で生き、そしてこの体に転生してな…その際、偶然ヴェルドラの封印されていた洞窟で目覚めた、その後は前世の経験や体を慣らし、時には腕試しをしていく中で、ここまで強くなれた…私が複数ユニークスキルを持っているのも要因だろうがな。」
「成程、生まれから特殊だった訳か…ミリムが興味を持つから面白い奴だとは思っていたが…予想以上だな。」
その後も様々な事を聞かれた…ヴェルドラとのこれまでの事、無限牢獄を拡張した事…そして、ヴェルドラとの修行の日々の中で、劣化した爪や鱗であれば斬る事も出来る事を伝えていき、最終的に私がヴェルドラによって名付けを受け、私もヴェルドラにミドルネームを付けた話をした…そうして話しているとギィからある事を言われた。
「レイギス、お前魔王になれ。」
「ミリムにも言ったが、私はまだ魔王に成る気はない…師であるヴェルドラにも、まだまだダメージと呼べる程のものを与えられていないからな。」
「謙遜はよせ、ミリム相手に使ったアレを使えば、充分やれるだろ、何より…竜種相手にそこまで出来るなら充分過ぎる強者だ。」
「と、言われてもな…未だ実感がないのが本音だ…それにまだ私は魔王種?とやらも持っていない。」
その言葉にギィは動きを止め、私に聞く。
「…まさか魔王種すら持ってなくて尚その強さとはな…益々気に入った…お前が納得出来るまで、俺自ら鍛えてやっても良いが…どうする?」
「いや、それは辞めておこう…私は、出来る限り私自身で強くなりたくてな…それと、勘違いしないで欲しいが、魔王を名乗る気はあくまで「まだ」ないだけだ。」
「ほう?その言い方だと何れ魔王を名乗る気でいると聞こえるが?」
「強くなった後、面倒に駆られれば名乗るのもやぶさかではないだけだな…魔王と言うのだから、下手に手を出される事もないのだろう?」
「そうだな、先ず魔王を名乗れば余計な連中からは手を出されにくくはなるだろうよ。」
「そうか、では魔王を名乗る事はまだ保留にさせてくれ。」
「だったら魔王を名乗る気になったら、俺に言えよ?お前が魔王になるなら歓迎してやるからな…後、俺の事をギィと呼ぶ事を特別に許してやる…一時的な強化とは言え、ミリムに深手を負わせたのは事実だからな。」
「む!ギィだけ狡いのだ!私も歓迎したいのだ!」
「ふふ、ミリムも歓迎してくれるのだな、それは嬉しい…それと、そこまで私を認めてくれた事、感謝する、ギィよ…この話は誰にも話さぬ方が良いか?」
「いや、お前が話しても良いと思った相手には話しても構わない…しかし、お前とヴェルドラが師弟であり、同格とはな…ヴェルザードの奴が起きていたら、間違いなくお前に興味を持っていただろうよ。」
「ヴェルザード?」
「ヴェルドラの姉だ、お前の師であるあいつから聞いてるだろうが、四種居る竜種の内二番目に生まれた奴だ。」
「成程、覚えておこう…ヴェルドラの姉なのだから当然ヴェルドラよりも、強いだろうからな…会える機会があれば、是非とも修行を付けて貰いたいものだ。」
「そんなに修行したいなら、俺が付けてやろうか?」
「良いのか?では暫しの間、あの技を弱くしたものの制御の修行に付き合ってくれるか?」
「良いだろう、ミリム、お前はどうする?」
「私も付き合うのだ!あんな凄い技を何時でも使える様になれば、私とも本気で戦えるかもしれないからな!」
そうして、私とギィとミリムは、暫しの談笑から一転、二人に修行を付けて貰い、未完であった滅竜神化を完成させるヒントを貰い、回復した後、ミザリーと呼ばれる緑髪のメイドにジュラの大森林まで送って貰った。
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「と、この様な経緯でギィとミリムと出会い、今呼んでいる名で呼ぶ事を許された訳だ。」
三人は余りの情報量に沈黙していた…トレイニーが先に回復し私に言う。
「…流石にこれは、そう容易く言える話ではありませんね…まさか最古の魔王の二人から力を認められ、あの暴風竜ヴェルドラと同格、しかも前世の記憶をお持ちだったとは…。」
「そうだな、前世の事はシズやジン、先程言った二人とヴェルドラとリムル以外知らない…これについては然るべき時に話したいので、私の配下達の前では秘密にしてくれ。」
「約束しましょう…それと、他にもまだあるのでしょう?」
トレイニーがそう私に聞いてきた。
「そうだな…お前にだから話すが、豚頭帝…もし失わすに惜しい魂であれば、私の配下として加えたいと思ってな…里を滅ぼした事は事実であり、許せぬ事であり、外道であれば消す…だが、事情があり、仕方なくコレをやっていたならば・私は一考の余地ありと考える…まぁ、私自身面白い者が消えるのは勿体無いと思っているだけだがな。」
「はぁ、それが理由の殆どでしょうに…まぁ良いでしょう、貴女様の事です、止めてもやるのでしょうからこの際、不問とします、何より、貴女様が今、この森で最も強い者なのですから。」
「今は、だがな…リムルも経験を積み、強くなっていけば、私とも対等以上に戦える様になるだろう…今はまだ、経験や技、魔素の量で勝てているがな。」
そうしてトレイニー達と話し終え、一人になった後、タマモが言った。
『マスターの仰ったスキル達、作成が完了しましてございます。』
ああ、感謝する、タマモ…権能も私が言った内容に近いものとなっているか?
『抜かりありませんわ、作成したユニークスキル
ふふ、良い仕事だ、タマモ…リムル達の前ではああ言ったが、幾らかあの者達には八つ当たりさせて貰わねばな。
『うふふ、敵には同情してしまいますね…知らなかったとは言え、マスターの配下の者の故郷を滅ぼし、それによって踏んではならぬ尾を踏んでしまったのですから。』
…そうだな、アレらは決して踏んではならぬ狐の尾を九本纏めて踏んでしまった…タマモ、今回はお前にも出て貰う、豚頭族共に二度と侵攻などという事が浮かばぬ様徹底的に恐怖を植え付けるぞ…甘さは、リムル達で充分過ぎる程あるからな。
『そうですわね、マスター…ですがどうか、くれぐれもご無理はなさらないで下さいまし…最期までお供はさせて頂きますが、その結末が…どうか悔いはないものであって下さいね…珍しき縁によってマスターとなりしレイギス・T・エミリオンよ。』
ああ、そのつもりだよ…前世は悔いのある結果を遺してしまった…だが今世では、そんな結果にはなって欲しくないものだよ。
最後まで読んで下さり誠にありがとうございます。
要約、ここまで来ました、一応予定としまして、アニメ版三期終了時点まで書ききる事を目標としております…その後に関してはその時に決めたいと思っております、読者の皆様、こんな私で宜しければ今後とも私の作品をお楽しみ下さいませ、
では、また次回にお会いしましょう。