大往生したと思ったら星見雅に良く似た妖狐の魔人に転生した件 作:レイギス
これからも面白く書けるよう精進して参りますので皆様も是非私の作品を楽しんでいってください。
さて、改めて暴風竜ヴェルドラ殿…いやあえてヴェルドラと呼ぼう、そのヴェルドラと友になった後ある事を言ってきた。
「そう言えば色々と話していたが改めて名を付けてやろう、その代わり我にも名を付けよ」
「ふむ?」
「同格という事を魂に刻むのだ、人間で言うファミリーネームみたいなものだが我がお前に名付けるのは加護になる、お前はまだ名無しの魔物だから、名持ちの魔物の仲間入りになれる」
「そうしてくれるなら私としても助かるな…だが、付けたい名はもう決めていてなそれを付けてくれると私としてはありがたい」
「うむ、ではそうするとしよう」
「それと私からヴェルドラに送る名はあくまでミドルネームという事にしてはくれないか?何故だかお前のラストネームを付ける者は私以外にいるという半ば感のようなものがあってな。」
「ほう?ではそのミドルネームとやらを我に名付けてくれ」
「感謝する…では改めて、私にレギウス・エミリオンの名を、私のユニークスキル求叡者にメーティスの名を、そしてヴェルドラにはEのミドルネームを贈ろう」
「良かろう今日より我はヴェルドラ・E、お前はこれよりレギウス・エミリオンを、そしてお前のスキル求叡者はメーティスの名を名乗るが良い」
その時私の中で何かが変化するのを感じたレギウス・エミリオンの名が魂に刻まれたのと同時に私のユニークスキル求叡者にも変化はおこらなかった。
【告、個体名ヴェルドラ・Eからの名付けが発生しましたが対象がいなかった為失敗しました】
「何?スキルへの名付けが失敗した?対象がいないとはどういう事だ。」
「ふむ、やはり名付けをする際は魔物や精霊、それに悪魔と言った存在でなければならないようだな、それにお前自身にも原因があるのやもしれん」
「ふむ、確かに名付けをされた事で私の魔素量は更に上がったようだが他に変化は余り感じられないな」
「うむ、本来名付けを受けた魔物は魔物としての格を上げ進化するものもおる、だがお前はまだ進化の時ではなかったようだな」
「む?そうなのか?」
「あぁ、本来この封印の洞窟中の魔素に加え我から直接名付けされ我の魔素も加わった事により少なからず進化する筈だ、未だそれがないのであるならば何か別の要因があるのだろうな。」
「成程…となるとこの世界にも魔王は存在するのか?」
「当然だ、昔我と互角に戦い終ぞ決着がつかなかった魔王がいるからなぁ、名は巨人族の魔王ダグリュールという」
「ヴェルドラと互角とは…今の私ではまだまだ及ばないな…だからこそ修行のしがいがある」
私が瞳に闘志を燃やしているとヴェルドラは笑った。
「クアーッハッハッハッハ!!まさかそのような事を言ってのけるとはな、流石は我が盟友よ!」
「…だから声を抑えてくれと…近くにいたせいで片耳が逝ったぞ…」
私が顔を顰め左耳を抑えているとヴェルドラは慌てだした。
「すっすまぬ!大丈夫なのか!?すぐに治るのであろうな!?」
「問題ない、固有スキルに超速再生があるからな…だが、今後は私の近くにいるときはいつもよりも数段声を落としてくれると助かる…」
私がそうジト目を向けながらヴェルドラに言うと申し訳なさそうにウ、ウムと呟いた。
「しかし、一口に修行と言ってもどうしたものか、この洞窟に要る魔物達と粗方戦
ってみたがどれも修行になる程の相手ではなかったな…」
「我が修行相手になれれば良かったのだがな…生憎無限牢獄がある以上我でもどうにもならぬのだ…」
ヴェルドラがそう残念そうに呟いたのを聞いて一つ聞いてみる事にした。
「…その無限牢獄とやら、強度は如何程か試し斬りしても良いだろうか?」
「良いぞ、しかし生半可な攻撃ではこれは斬れぬと思うが…」
その言葉に触発され私は今持てる技、魔素、力全てを使って無限牢獄斬る事を決めた。
(ふむ、今の私が使える技で最大の結界破壊に特化した技を使って果たしてどこまで効くのか、楽しみだ)
そう心の中で呟くと同時に微笑を浮かべ私は愛刀を持ち抜刀術の構えを取る。
(エイチモトメルモノよ、いやメーティスよ…今の私が制御出来る限界まで魔素を刀に込めろそこからは私がやる)
【了、天月に魔素の充填を開始します】
そう求叡者が言うと同時に私の体から魔素が刀に向かって入り込んでいく、そうしてみるみるうちに刀が変化していくその様はまるで刀に意思でもあるかのようであった。
黒かった鞘は若干の紅味を帯び、柄は深紅に染まった瞬間私の空間が歪み出す…あぁ、久しぶりの感覚だ…体が衰えてからはここまでの力は使えなかったからな…そう思い笑みを深めているとヴェルドラが心配そうな表情を向けて言った。
「ほ、本当に大丈夫なのだろうな…お前の魔素の余りの濃さに辺りの空間が歪んでいるぞ…」
「安心しろ、お前を斬る事はない…ただそこを決して動くなよ?…この技は…空間を断ち斬るからな」
そう言った瞬間空間の歪みが消え、私は刀を抜き無限牢獄目掛けてふるう。
「霧雨流…虚空断」
そうして極限まで込められた魔素とスキルの上乗せで放った技は無限牢獄を破壊…出来なかった…。
「やはりダメであったか。」
「すまない、まだ私にはそれを断てる程の力はないようだ…せいぜい…ヒビを入れるので精一杯だった。」
そう言った瞬間無限牢獄の結界に刀を一太刀受けたようなヒビが浮かんだ。
「ば、馬鹿な!?今まで一度足りとて傷一つつかなかった無限牢獄に傷を付けるなどと…一体どんな技を使ったと言うのだ!?」
ヴェルドラは驚きを隠せない表情を向け私に聞いてきた。
「ふむ、どうと言ってもな…私の世界ではお前程の強者は居なかったが、その代わりに普通の人には見えぬ怪異と呼ぶ者共がいたからな、それらを滅する為に作った技だ、しかし人の身であったならここまでの威力は出なかっただろうがな」
私が淡々と答えるとヴェルドラは信じられないものを見る目で私を見た。
「お前の世界にはそのような者たちがいたのか…というより見えぬものを斬る為に空間を斬る等余りにも脳筋過ぎやしないか?」
「仕方ないだろう、私以外に見える者は一族の者達にも居なかったのだから…これを使えるものも私以外では次代の当主となるものにしか受け継げなかったしな」
「当たり前だ…そんな技がほいほい使える人間がいてたまるか」
ヴェルドラが呆れながらそう言ってきた。
「しかし、見事に綺麗な傷が出来たものだな、私一人くらいならどうにか入れそうだ」
私がそう言うとヴェルドラも何か考え出した。
「…レイギスの攻撃をくらい幾らか経つが未だ再生する気配がないな、これならば多少はいけるか?うーむしかし」
「どうした?何か出来そうな事でもあるのか?」
私がそう聞くとヴェルドラ一つ意を決した様子で話した。
「うむ、レイギスよお前の攻撃を受け無限牢獄は不安定になっている、これを上手く使えば我が封印されている領域を拡張し且つお前が自在にこの領域に入れるようになるやもしれん」
「何?それが出来ればお前と修行が出来るようになるのか?」
私がそう聞くとヴェルドラも頷いたのを見て、即座に他に何をすれば良いのかを聞いた、曰く私が先程攻撃した場所を中心に私とヴェルドラ、両方の力をぶつけ合わせこの無限牢獄の結界その物を拡張させようと言う魂胆らしい、メーティスに聞き、私が無限牢獄から脱出出来なくならないか聞いたがその可能性はないようだ、何故なら
【解、先程のマスターが放った虚空断の影響でマスターのみではありますが、無限牢獄の内外を自由に行き来出来るようになりました、原理については解析中です】
というお墨付きを貰ったからだ、拡張させた後も同じ状態になり続けるらしくそれならばさっさと拡げてしまおうという事になった。
「ヴェルドラ、メーティスから合図が来たら私がお前に声をかけるその時に魔素を全開で解放してくれ、後はこちらで受け持つ」
「うむ、頼むぞ、だが…我の全開の魔素を受けて死んでくれるなよ?」
「ふ、問題ない、お前の友を信じろ」
私が笑みを浮かべながら言うとヴェルドラも笑みを浮かべ頷いた。
(メーティス、タイミングは任せた、お前の合図で私はまた虚空断を放つ)
【了】
そうメーティスに言い私は目を瞑り刀を構える、先程よりももっと深く、集中し力を研ぎ澄ませる…そうして一瞬とも永遠とも言える時間が過ぎたとき、その瞬間は来た。
【今です!】
「ヴェルドラ!!」
「うむ!!!行くぞぉぉぉぉ!!」
そうして私の虚空断とヴェルドラの魔素を合わせた技をヒビに向かって放ち、辺りは光に包まれた。
光が収まり目を覆っていた手を開けると…そこには私が修行しても問題ないと思える程のスペースに拡張された無限牢獄の結界が拡がっていた。
「成功したぞレイギスよ!!今まで一度足りとてこの結界に干渉出来なかったのが嘘のようだ!!」
「そのようだな、これでお前と共に修行が出来る」
「うむ!!我もお前の使う霧雨流とやらに興味が湧いたぞ!我がこの世界での力の使い方を教えるのでレイギスは我に霧雨流の技を教えてくれ!」
「あぁ、分かった…久方ぶりの修行…心が踊りそうだ」
私は獰猛な笑みを浮かべながらヴェルドラのまつ無限牢獄の中に入っていった後、封印の洞窟内からは凄まじい轟音や地震が連日連夜起こり続けたという…。途中やり過ぎて危うく洞窟が崩落しかけてしまった…精進せねばな。
そうして修行の日々を続けて100年、私はとうとう…力を一極集中させ且つ劣化した鱗限定ではあるが斬り裂く事が出来るようになった。
そうして切り裂いた鱗は、私の愛刀天月の強化の為使わせて貰う事にした。
仮にも鱗を斬られて痛くは無いのかと聞いたがヴェルドラ曰く…痛いどころか痒かった場所にあった鱗を取ってくれて感謝すると伝えられた…それを聞いた後その余裕を崩せるようより一層の精進をこの身を焦がす悔しさと共に誓った。
決して私はヴェルドラの孫の手ではないと言っておく…一体私は誰に対してこれを言っているのかは分からないが、言わないといけない気がした、異論があるならこの刀で斬る。