大往生したと思ったら星見雅に良く似た妖狐の魔人に転生した件   作:レイギス

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さて、レイギス達一行は一路ドワルゴンへ向けて出発しました、果たして入国前にトラブルに巻き込まれずに済むのだろうか…ここで一つ、もしレイギスを侮っただけでなく下賎な手で彼女の耳や尻尾に触れようとする愚か者が現れたら……その者は地獄を見る事でしょう……。


第七話 武装国家ドワルゴンへの入国と鍛冶師達との邂逅

レイギス達はアメルド大河に沿って北上していた、レイギスに頼らず、村で服や家を作る為の技術者を探しにドワーフの王国武装国家ドワルゴンへ向かっていた。

同行者はリグルと他二名に一度ドワルゴンへ行った事のあるゴブタと修行名目で何度か入国した事のあるレイギスが道案内していた。

牙狼族から嵐牙狼族に進化した、嵐牙達の移動速度は風のように速い、だが、一際速い者が一人と一匹の姿があった…レイギスと炎牙である。

何故レイギスが炎牙と同等以上の速度で走れているのかは、元々進化前の段階でも最高時速200キロをマークしていたのが、進化し更に速くなったからであった…走っている理由についてはたまには体を動かさないと鈍ってしまうからだと言う理由らしい…ゴブリン村から出発してからずっとレイギスは走り続けていた。

 

「炎牙、無理はするなよ?私は体が鈍らないようにする為に走っているが、お前はまだ新生して間もないからな…体に慣れてきても油断禁物だ。」

 

「はい!レイギス様!…自分でも信じられない程体に馴染んでおります…今も力が漲っており、まだまだ共に走れますぞ!」

 

「ふ、そうか…であればもう少し速度を上げるぞ?新生した体を慣らし使い方を更に馴染ませていけ。」

 

「はい!!」

 

そうして、更に加速していくレイギスと炎牙に必死で炎牙の隣を走る嵐牙、背に乗っているリムルが吹っ飛ばされないよう必死にしがみついていた。

 

日がかけてきたので、川の近くで休む事にしたリムルはレイギスに呆れながら言ってきた。

 

「レイギス、お前なぁ…まさか炎牙の背に乗らずここまでずっと走るなんて思わなかったぞ…大体、体自体はずっと動かしてただろ?」

 

「あれはただのウォーミングアップであって修行ではない…いや、私自身ずっと前世含めて、修行をしてきた狐生だったせいで、体を動かしていないと落ち着かないらしい…鈍らないようにしていたのは本当だが、次からは気をつけよう…道中お前を森に吹き飛ばしてしまっては探すのに苦労しそうだからな。」

 

そうレイギスが揶揄うとリムルも言った。

 

「いや、ほんとそうしてくれ…何度落ちそうになったか分からないんだ…しかもお前ら最終的には物凄いスピードで走り出して途中から俺達追い付けなかったんだぞ?魔力感知があるからどうにか追えたけどさぁ…」

 

「ふふ、ついつい炎牙共々はしゃいでしまってな…許せ。」

 

「ほんとに許してくれって思ってるかぁそれ…まぁ許すけどさ。」

 

そうレイギスが上目遣いでリムルに対し言うとリムルも満更ではなさそうな顔で許していた…最近何かリムルに文句を言われたらこうすればかなりの頻度で許して貰えると味をしめているのは内緒なレイギスである。

 

そうこうしている内にリグルの兄が誰に名付けをされたかの話に移り、リグルによれば、リグルの兄は通りすがりの魔王軍の幹部である魔族のゲルミュッドに名を貰ったらしい…レイギスはヴェルドラとの話で魔王が居る事を知っていたが、リムルは初耳だったようだ。

 

そしてまた、次の日の夜、リムルはレイギスにドワルゴンについて聞いていた。

 

「レイギス、ドワルゴンってのはどんなとこなんだ?」

 

「正式名称、武装国家ドワルゴン、天然の大洞窟を改造した美しき都で、ドワーフのみならず、エルフや人間達も多数住んでいる。」

 

「エルフ!!」

 

「…何故鼻の下を伸ばしているのか知らないが、目的を忘れてはいないだろうな?」

 

そうジト目を向けながらレイギスはリムルに言いリムルも慌てて背筋を正した。

 

「ドワルゴンを統べる英雄王ガゼル・ドワルゴ、民からも慕われる良き王であると同時に、剣の達人でもある…昔私が霧雨流の手解きをしてやったが、見事に当時の私が会得していた技全てを習得していた…英雄王と言う異名は伊達ではない。」

 

「そ、そうか…そんなに凄い王様が居るんだな…そうだ、俺達みたいな魔物が入っても大丈夫なのか?」

 

そうリムルが問うとレイギスは言った。

 

「その時々としか言いようがないな…運が良ければ何事もなく入れるが、たまに面倒な輩に絡まれる、何度斬り殺してやろうかと思った程だ…耳と尻尾に不用意に触れようとしてきた者達は全て玉無しにしてやったが。」

 

「おま…怖い事をサラッと言うなよ…ないはずなのに何かが萎んだ気がするぞ……。」

 

サラッとレイギスが恐ろしい事を言った為リムルは体を震わせリグル達は顔を真っ青にさせていたが、レイギスは首を傾げながら言った。

 

「?別にいきなり触ろうとしたり毛をぐしゃぐしゃにしたりしなければ触れても構わないぞ?…一声かけてくれれば私も玉を潰さずに済むしな。」

 

「だから一々怖い事言うなって!!」

 

そうリムルが言うとリグル達も頷いていたがレイギスは、よく分からず首を傾げるばかりだったが…一つ咳払いをし、強引に話を戻した。

 

「まぁ、先程言ったような事もあるが…基本は中立な自由貿易都市だ、国内での争いは、ガゼル王の名の元固く禁じられている。」

 

「それなら大丈夫そうだな。」

 

「オマケに、あの国はそれを可能にする程の軍事力を持っている、ここ1000年負け無しだそうだ。」

 

「1000年!?…ってか淡々と言い過ぎだろ…もっとこう、なんかあるだろ…。」

 

「そう言われてもな、私は唯事実を言っているだけだ。」

 

「はぁ、お前ってマイペースだよなぁ。」

 

そうリムルがため息を零しながら言うとレイギスは首を傾げていた。

 

「ふむ?そう言うものか?…一先ずはドワルゴンについての情報はこんな所だな、だが…毎度私が通ろうとすると何かしら引っかかったりするので…トラブルになる事前提で考えておいてくれ…。」

 

レイギスが何処か遠い目をしながらリムルにそう言った、それを見たリムルもそ、そうか…と引き攣った声で応えた…そんな二人の話を聞いたリグルが自信満々で言ってきた。

 

「問題ありませんよ、レイギス様、リムル様…トラブルなんて起こりませんよ。」

 

「……ん?」

 

「………はぁ…。」

 

リムルはリグルが言った事に何処かフラグめいた事を感じたが大丈夫だろう…多分と思う事にし、レイギスは…また絡まれそうだな…と盛大なため息を吐いていた。

 

ゴブリンの村からカナート大山脈を越え、武装国家ドワルゴンについた…本来ならゴブリンの足で二ヶ月かかる距離を、レイギスと炎牙、嵐牙達によって、三日で走破した。

 

そしてドワルゴンには先に案内役のゴブタと共にリムルが行く事になった。

 

「本当にリムル様とゴブタだけで行かれるのですか。」

 

「あぁ、あんまり大勢で行って、目立たない方が良いだろ。」

 

「しかし!」

 

食い下がろうとするリグルにレイギスが言った。

 

「落ち着けリグル…トラブルが起こらぬと言ったのはお前だろう?」

 

「……はい。」

 

「我が主…。」

 

「それじゃあ行ってくる、レイギス、皆の事を頼む。」

 

「あぁ、気を付けろよ。」

 

こうしてリムルとゴブタはドワルゴンに向かった…まぁ見た目は唯のスライムとゴブリンでもあるし最悪問題が起きてもまぁリムルが何とかするだろうと思っていた…。

 

 

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そうして私達はリムルを見送って、暫く経ったが…どうやら私の予感は当たってしまったようだ…ドワルゴンの方から、森へと逃げて来る者達がいたからだ…その者達は逃げながら、"スライムがでかい魔物になった!!"や、"恐ろしい咆哮だった…"だの、食われるだの…普通の者が聞けば正気を疑うような事を言いながら、去って行った。

 

「レイギス様!!リムル様は大丈夫でしょうか!?」

 

「落ち着けリグル、リムルが無駄に騒ぎを起こす事はあるまい…が、輩に絡まれた事は確かだろうな、しかしお前達が行けば一緒に向かったゴブタの仲間と思われ余計ややこしくなるだろう…故、私が様子を見に行く。」

 

私がそう言うとリグルは、不安そうに言ってきた。

 

「しかし、レイギス様にまでもしもの事があれば!!」

 

「問題ない、それに、どちらにせよ様子を見に行かねば始まるまい、私がリムル達と戻るまで、皆は任せるぞ、リグル。」

 

「レイギス様……はい!どうかお気を付けて!」

 

「あぁ、炎牙、嵐牙と共にリグルに協力してくれ。」

 

「心得ました。」

 

私はそう言い、リムル達の様子を見にドワルゴンへ向かった…やがて入り口前までつくと、商人や他の人々が並んでいたのだが…何かを話し合っていたり倒れている者がいたり、他にも錯乱、失禁している者達までいた…その時点でリムル達におこった出来事を察しはしたが、門番にも話を聞く事にしようとしていたのだが…

 

「なぁ姉ちゃん、一人か?良ければ俺達と何処かお茶でもしようぜ?」

 

…何故毎回、この国の玄関口で私は下賎な視線を向ける輩共に声を掛けられるのだろうか…私がそれを無視し通り過ぎようとしていると徐ろに私の肩を掴んできた。

 

「聞こえなかったのか?姉ちゃん、俺達とお茶でも。」

 

「興味がない。」

 

私がそう言いながら男の手を払うとその態度にイラついたのか男が声を荒らげながら言ってきた。

 

「てめぇ!女だからって何もしねぇと思ってんなら痛い目に…」

 

「ふん。」

 

私は話し続けている男目掛けて金的を入れた…その時何かを潰したような感触がしたが…まぁ一つだけだし生殖行為に問題あるまい。

 

男が悶絶しているのをよそに向かおうとし、仲間と思われる輩達が立ち塞がろうとした為同様の刑に処してやった、その光景を見ていた男達は何故か"ヒュッ"と言う声を出していたが気にせず、門番に話し掛けた。

 

「すまない、ここで何かあったのか?」

 

「あ、あぁあれか…実は少し前にならず者の冒険者がゴブリンとスライムにちょっかいをかけたらしいんだが…そのスライムが突然大きな牙狼の姿になって咆哮し、追っ払おうとした結果がこの有様だ…と言うか、あんたも絡まれてた筈だが、中々エグい事するな…。」

 

「そうか?あぁすれば直ぐに大人しくなるからお勧めだぞ?」

 

「あ、ありがとな…考えとくよ。」

 

私がそう言うと門番が顔を引き攣らせていた…何か間違いでもあっただろうか?…そう考えているうちに検査を終え、久方ぶりのドワルゴンを訪れた。

 

「…やはり、良き所だなこの国は。」

 

私がドワルゴンの街を歩いていると、私の前を樽を抱えた、警備員らしき人物が走って行った。

 

「ふむ、何かあったか?」

 

私は気になり気配を偽り後を付けて行くと、行き先は鉱山だった、そこで先程の人物が樽の中に入っていた液体をかけていた。

 

「あれはリムルの回復薬か…そしてあの警備員…牢にでも入れられたか?」

 

私がそう考え込んでいると、薬をかけた警備員と思しき人物は、その回復力に驚いているようだった、三人は立ち上がり、喜びあっていた時…反対側から以前洞窟で斬った個体よりも一回り大きな甲殻トカゲが現れた。

 

どうやらこの洞窟で暴れていた個体のようで討伐隊と思われる者達が必死に戦っていた、その戦いの中で甲殻トカゲの尻尾より弾かれた、岩や瓦礫が迫っていた為、全て斬った、突然の私が現れた事に警備員が驚いている様子だったが、気にせず甲殻トカゲに歩いて行き、斬った…いい加減強者と斬り合いたいものだと思っていると、それを見ていた討伐隊の面々や周りの人物達が喜びの声を上げていた。

 

討伐隊の者達が礼を言っていく中、先程の警備員が近付いていた。

 

「助けてくれてありがとう、お前さんのおかげで助かったよ。」

 

「気にするな、この街の景色にアレは邪魔だったから斬っただけだ。」

 

私が助けた人物は警備隊隊長のカイドウという者だった、カイドウ殿の話によると、スライムの事情聴取中に、兄弟同然の仲間が、重傷を負ったという知らせを聞き、その時取り調べしていたスライムから先程の回復薬を貰ったようだ。

 

「そのスライムは私の友だな。」

 

「え!本当か!?」

 

私はカイドウの案内にそのスライム…もといリムル達が収監されている牢屋に向かった、そこに着くと、リムルがいた…何故か逆さに吊るされグルグル巻きにされていたゴブタと共に、私に気づいたリムルは驚愕した様子を浮かべながら言った。

 

「レイギス!?」

 

「リムル、大事ないようだな、森から逃げ惑う人々から、明らかにお前だと思われる事件があったと聞いてな、念の為来たぞ…お互い災難だったな…。」

 

「お互い?」

 

「あぁ、ここに来る前、下賎な輩達に絡まれてな、面倒だったので、金的を入れたのだが、行き過ぎて玉を潰してしまった。」

 

「o……oh…。」

 

「?誰に合掌を捧げているんだ?」

 

「お前が玉を潰した奴らにだよ…お前に女にされちまって…。」

 

「案ずるな、確かに潰してしまったが一つだけだ、もう一つさえあれば男の機能として、問題はあるまい。」

 

「そう言う事じゃねぇよ!!…っていうか、後ろにいる三人は?」

 

「お前の回復薬で助かった者達だ、礼が言いたいそうだぞ?」

 

私が下がると三人は礼を言い始めた。

 

「あんたが薬くれたんだってな!ありがとうよ!」

 

「いえいえ。」

 

「腕が千切れかけてて、生き残れても仕事が無くなるとこだった、ありがとうよ。」

 

「どういたしまして。」

 

「うん、うん…うん、うん。」

 

「なんか言えよ!?」

 

最後の者は何故か無口だった……何か修行の為にしているのだろうか。

 

礼を言った三人は去って行き、カイドウ殿が牢の扉を開けた。

 

「釈放すか。」

 

「もちろんだ。」

 

どうやらこの騒動でカイドウ殿はリムルを信用したようだ、既に夜となっていた為、カイドウ殿が一晩泊めてくれる事になった。

 

「いやホントにあんな凄い薬初めて見たぜ、礼と言っちゃなんだが、俺に出来る事ならなんでも言ってくれ。」

 

「それは助かる。」

 

「ならば早速頼みたいのだが。」

 

私達はこの国に来た目的をカイドウ殿に話した。

 

「成程、そう言う事なら腕の良い鍛冶師を紹介しよう。」

 

「感謝する。」

 

「礼など不要だ、任せておけ。」

 

そして翌日カイドウ殿の案内の元、その鍛冶師のいる、鍛冶屋に向かっていた。

 

「…凄いな。」

 

「そうだな、私でもこれ程のものは、かなり時間をかけねば創れん。」

 

「創れると言える辺りやっぱお前のスキルぶっ飛び過ぎだろ…。」

 

「だが、無機物限定の力だ、私としては魂までは無理でも有機物が創れれば尚良かったのだがな。」

 

「お前は何を創る気なんだよ…。」

 

リムルが引きながら私にそう言っていると、ある武器屋にある、一本の剣に私は目が行った。

 

「なんだあの剣!!薄らと光ってる!?魔力か!?」

 

「あぁ、あれあれ、あれを作った奴だよ。」

 

「え?」

 

「これから合う鍛冶師。」

 

私はカイドウ殿のその言葉に目の色が変わった。

 

「ほう?…それは実に楽しみだ…是非とも技術を比べ合いたいものだ。」

 

「お?あんたも鍛冶師なのかい?…見た所そうは見えないが。」

 

「あぁ、これでもそこらの武器よりも強力なものを打てる自信がある、あれ程の剣を打てるものなら私も知ってみたいものだ。」

 

そうして話しているうちに鍛冶師の居る店に着いた。

 

「おい兄貴!いるかい?」

 

「兄貴?」

 

「カイドウか、少し待ってくれ。」

 

店に入ると丁度その鍛冶師が剣を打っていた、これを見るだけで分かる、あの者は相当の腕だな…と同時に鋼の如き頑固さも合わせ持ってそうだ。

 

「「「あ!」」」

 

そこには昨日リムルの薬で助かった者達がいた、此処で働いていたのだな、意外な偶然だ。

 

「あ?スライム…お前達知り合いか?」

 

「カイジンさん、このスライムとそこの姉ちゃんですよ。」

 

「昨日大怪我した俺達と甲殻トカゲを倒したのは。」

 

「うんうん。」

 

「おぉ!そうなのか、ありがとう、感謝する。」

 

そう言いカイジン殿が頭を下げてきた。

 

「気にするな、あれは私が勝手にやった事だ、それに三人が助かったのはリムルのおかげだからな。」

 

「まぁな。」

 

「そうか、それで何か用事か?」

 

私達は此処に来た目的を話した…私は後で個人的に互いの技術を交換する約束を取り付けた。

 

「ふむ、成程話は分かった…だがすまん、今ちょっと立て込んでてな、何処ぞの馬鹿大臣が無茶な注文をしてきてなぁ。」

 

「無茶な注文?」

 

カイジン殿の話によると、戦争があるやもしれぬと言う事で、長剣を今週中に20本打たなければならないらしい、しかし材料である魔鉱石が足りないとの事…カイジン殿は無理だと言ったが、ベスターと言う大臣が、カイジン殿を挑発し、それにカイジン殿が乗ってしまったのだと言う。

それにより昨日三人が鉱山で材料を取りに行っていた折り、甲殻トカゲが現れたと、しかもその鉱山は殆ど掘り尽くしており、残っていない、たとえ材料があろうとも、後5日でガゼル王に届けねばならないと。

 

「国で請け負い、各職人に割り当てられた仕事だ、出来なければ職人の資格の剥奪も有り得る。」

 

ふむ…それならばと私が思っていると、リムルが笑い出した。

 

「フフフ・・・ファーハッハッハッハッ!」

 

「リムル、急に笑い出してどうした?何処か頭でも打ったか?」

 

「違ぇよ!…ンン!親父これ使えるかい?」

 

リムルはそう言いながら魔鉱塊を出した。

 

魔鉱塊を見たカイジン殿は驚くがゴーグルがあるからか魔鉱石と勘違いしていた。

 

「おいおい親父、あんたの目は節穴かい?」

 

「え!?……どあぁ!?魔鉱石じゃない!既に加工された魔鉱塊だぁ!」

 

ゴーグルを外したカイジン殿は更に驚愕していた。

 

「リムルに先を越されてしまったが、足りぬなら私が新たに創るこれも使うか?」

 

私はそう言いながら魔鉱塊のインゴッド四本に自身の魔素を注入していくと、魔鉱塊のインゴッドの色が変わり始めた、四属性を象徴する色にそれぞれが変わり私は説明した。

 

「私のスキルを使って四属性にした魔素を魔鉱塊のインゴッドに込めて創った…炎、風、水、地属性を宿した魔鉱塊のインゴッド達だ。」

 

「おぉ!?こっちはインゴッドどころか属性まで宿ってやがる!更に強力な剣を作る事が出来る!そんな、このインゴッド達と塊が全て…はっ!こ、これを譲ってくれるのか!?金なら言い値で払うぞ!」

 

「さて、どうしたもんかね?」

 

「ふふ、そうだな…どうしたものか?」

 

そう言いながら口笛を吹くリムルと微笑む私。

 

「くぅ!何が望みだ!?俺に出来る事ならなんでもする!」

 

「その言葉が聞きたかった。」

 

そう言い、リムルがカイジン殿の前へ行き、辺りが沈黙する中、リムルがカイジン殿に言う。

 

「誰か親父さんの知り合いで、俺達の村にまで技術指導しに来てくれる人を探して欲しい。」

 

それを聞いたカイジン殿は目を瞬きさせていた。

 

「そんな事で良いのか?」

 

「俺達にとって最優先なのは衣食住の衣と住なんだよ。」

 

「あぁ、創る事自体は私が出来るが皆はそうではないからな、しっかりとした地盤を整えたい。」

 

「まぁそれと、今後の衣類の調達や、武具なんかも頼みたい。」

 

カイジン殿は優しい笑みを浮かべながら言った。

 

「お安い御用だ。」

 

「だけど。」

 

「今から剣を揃えようとしても。」

 

「うーん。」

 

20本の内まだ一本しか出来ていなかったな…私のスキルならば直ぐに創れるだろう、早速見せて貰おうとしたとき、リムルが先にカイジン殿に完成した剣を見せて欲しいと言っていた。

 

どうやらリムルと大賢者は私と同じ事を思ったらしい、完成している剣を見せて貰ったが、改めて見て、カイジン殿の腕の良さに関心した…この剣の効能として、使い手のイメージに従い成長するようだ…良い剣だ。

 

その剣をリムルが突如取り込み皆が驚く。

 

「リムルの旦那!?」

 

「まぁ待て、今はリムルに任せてやってくれ…打って作る方が私としては好きなのだがな。」

 

私がそう言い、皆を落ち着かせているとリムルの解析が完了し、次々と長剣が作られ、出されていきその光景に皆が目を見開いていた。

 

「魔鉱塊の長剣20本完成だ!」

 

「「「「えぇぇぇぇ!?/うーーーー!?」」」」

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こうして納品を終え、カイジン殿達の資格剥奪の危機は去り…その夜、カイジン殿はリムルを夜の店に誘っていた。

 

「別にそんな事しなくても。」

 

「まぁまぁ、エルフの綺麗なお姉ちゃん達もいっぱいいるから。」

 

「エルフ!!」

 

「そそ、夜の蝶って店で、若い子から熟女まで紳士御用達の店なんだよ。」

 

「じょ。」

 

「うんうん!」

 

「喋れよ!」

 

「まぁまぁ、リムルの旦那が来ないと始まらないぜ…流石にレイギスの姐さんは別の店になっちまったけどな。」

 

「ま、まぁそこまで言うならしょうがないなぁ。」

 

そして、リムル達はエルフの店、夜の蝶に来た。

 

「「「「いらっしゃいませ〜♡」」」」

 

そこには薄い服装のエルフの美女達と…薄い服装でこそないものの色気を感じる服を着た…狐耳と九本の尻尾が生えた美女がいた…が狐耳と尻尾のある美女にリムル達は気付いていなかった…無論正体はレイギスである、上手く気配を偽っている為、いくらリムルでも大賢者の全力補佐でなければ見破れないのであった…それがなくとも見破れなかったかもしれないが…何故なら今まで余り表情を変えてこなかったレイギスが全力の笑顔で応対していたからである…そうしていると一人のエルフがリムルに向かって駆け出した。

 

「うわ〜!可愛い〜♡」

 

そう言いながらリムルを抱き締めると、リムルのスライムスマイルが緩んだ表情になっているように見える、…レイギスはそれを遠巻きにニコニコした顔で見ていた、その後も店のエルフ達にもみくちゃにされながら幸せそうな顔をしていた。

 

そうして一人でいたレイギスはわざと気配の偽りを解き普段通りの顔と声でカイジン達に声をかける。

 

「水臭いぞ?カイジン殿私も呼んでくれて構わなかったのに。」

 

「レ、レイギスの姐さん!?なんで此処に!?」

 

「以前この国に来て、偶然この店を見つけてな、美味な酒に舌鼓を打っていた時、ここの店主からスカウトされてな、丁度良かったので今回限定のキャストに入ってみた訳だ。」

 

「そ、そうだったのか…。」

 

カイジンは引き攣った笑みを浮かべながら言い、レイギスは未だ溶けているリムルに一つ悪戯をしてやろうと企みリムルの元へ向かい抱き上げ…それは良い笑顔でリムルに言った。

 

「リムルよ、随分惚けているな?…それ程までにこの店が気に入ったか?…しかし、私に気付かず堪能しているのを見て…少々寂しかったのだぞ?」

 

そう言い耳をペタっと下げながらレイギスが言うと、みるみるうちに冷や汗をかいているような表情へと変わるリムルがいた。

 

「れ、レレレレ、レイギス!?なんでここに!?ていうかその服は何だよ!?」

 

「これか?ここの店主が私にと頼んでくれたものでな、似合っているか?」

 

「そ、そりゃあめちゃくちゃ似合ってるし、正直ドキッとした…って何言わせんだ!」

 

「いや、言ったのはお前だ。」

 

「と、とにかく、何でお前までこの店に居るんだ?説明してくれよ。」

 

そうしてレイギスはリムルを近くの席に下ろし、先程カイジンにしたものと同じ事をリムルに言った。

 

「へ〜そう言う経緯でなぁ…って言うかここには唯酒呑みに来ただけかよ。」

 

「当たり前だ、ここの酒は美味だ…それに…私のボトルをくれ。」

 

「は〜い。」

 

そうレイギスが言うと一人のエルフが一本のボトルをレイギスの前に置いた。

 

「これって?」

 

「私の魔素を直接注ぎ込んだ酒だ、リムルも一杯どうだ?」

 

「お、それじゃあ遠慮なく。」

 

そう言いレイギスはリムルのグラスに酒を注ぎリムルが呑んだ、すると。

 

《警告、異常な濃度の魔素が体内に侵入したのを確認しました、急ぎ中和を開始します。》

 

と大賢者が急ぎ中和を全力で開始した、それを聞いたリムルは言う。

 

「…なぁレイギス、このボトルに入ってる酒にはどのくらいの濃さの魔素を込めたんだ?」

 

「ンクンクンク…ふぅ…そうだな、今私の体内に収めている魔素の濃度と同等だ。」

 

「……それお前以外呑めねぇじゃねぇか…。」

 

「私が呑む為に作ったからな。」

 

「はぁ、お前はそう言う奴だよな。」

 

レイギスが淡々と言うのを聞いたリムルはどこか諦めたような声音で言い、そんなこんなで改めてレイギスも交えて楽しく呑み進めて行った。

 

 

 

 




最後まで見てくださりありがとうございます。長くなり過ぎて申し訳ありません。実はまだまだ、続けようとしていたのですが、そうすると一万文字を超えかねなかった為、急遽残りは次回に持ち越しさせて頂きました。では読んでくださった読者様方また次回、お会いしましょう。
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