大往生したと思ったら星見雅に良く似た妖狐の魔人に転生した件 作:レイギス
夜の蝶で楽しく呑んでいるレイギス達、しかしそこに迫る怪しげな影…そんな事は露知らずのレイギス達、そんな中レイギスとリムルが運命の人を占って貰う事となったのであった。
レイギス達が夜の蝶で呑んでいた時、一人のエルフが水晶玉を取り出し、レイギスとリムルの運命の人を占う事になった。
レイギスが運命の人…新たな修行相手だろうか?と思考を巡らせいると水晶玉に何かが写り出した。
写ったのは五人の子ども達と一人の女性…レイギスはその女性に見覚えがあったが黙っている事にした…知り合いは、あの時、あの悪夢の知らせを聞いた時に死んだと思っているから…そして思考を切り替え、リムルに言う。
「ふむ、リムルの好みはあのような女なのか?それともあの子ども達のうちの一人か?」
「お前は何言ってんだ!?」
「む?違うのか?心做しか赤くなっていたように思うが…案ずるな趣味にとやかく言う気は私にはないぞ?例えお前がロリコンだろうとな。」
「だから違ぇって!!というか色変わんないっての…そもそも俺をロリコン呼ばわりすんな…お前酔ってるのか?」
「酔ってはいないぞ?そもそも今は、スキルを使って酔わないようにしているしな、それよりも気にならないのか?」
「さいですか…気にはなるけどさぁ。」
「ずるーい、浮気者〜。」
「あれ?もう一人見えて来た!」
水晶玉を持つエルフが言うと、皆が注目する…そこに写っていたのは黒い鈴の飾りを鞘に付けた刀を携え、青いメッシュがかった短髪の一人の青年だった…レイギスはその青年を見た瞬間目を見開き、一筋の涙を流していた…それを見たリムルは心配し、レイギスに言う。
「お、おいレイギス大丈夫か?…さっきの人、お前の知り合いか?」
「………そうだな、昔の教え子のようなものだ…私は泣いていたのか?……そんな資格などないはずなのに。」
最後の言葉はリムル達には聞こえなかった…リムルがそんなレイギスを心配そうに見ていると、一人の男の声が聞こえた。
「良いんですか?こんな所でのんびりしてて、カイジン殿。」
レイギス達が声のした方を向くと、レイギスの座るカウンター席の奥側の男が言っていた。
「大臣のベスターだ。」
どうやらあの男がカイジンに対し、無茶な注文をした者だと言う事が分かった…ベスターは言う。
「遊んでる場合なのですかな?確か長剣の納品の期限は…」
「さっき納めて来た。」
「期限に間に合わなければ…え!?納めてきた!?」
「あぁ、きっちり20本。」
「そ、そんな…。」
やはりベスターと言う大臣は間に合わないと分かって発注していたようだ、見たところカイジンに一方的に突っかかっているようにレイギスは見えた。
「それより、それですよそれ!!」
そう言ってベスターは、リムルに指を指し、言う。
「いけませんな、この上品な店に下等な魔物などを連れ込んでは…気分が悪くなる。」
魔物であるリムルに対しそう言い、エルフのママが酒を渡すが…
「魔物にはこれがおにあ…」
そう言いながらベスターがリムルに酒をかけようとした瞬間レイギスがベスターの腕を掴んでいた。
「何者ですかな?その手を離して貰いたい。」
「すまないな、折角の酒を粗末にしようとしているのが見え、つい止めてしまった…気分を害したのなら謝罪しよう、だがそのまま棄てさせるのも忍びない、故にあちらで私と呑まないか?」
「何を言って…」
「気分が悪いのだろう?ならばあちらで口直しでもどうだと言っている…最も私も魔物だが、そちらのスライムよりは見目はマシだろう?」
そう言いながらベスターを連れて行こうとするレイギス…しかし。
「確かにそこの魔物などよりはマシですね…しかし、貴女も下等な魔物と言うなら話は別です。」
そう言いながら、レイギスに対し酒をぶちまけた。
「魔物にはこうするのがお似合いだ。」
ぶちまけられたレイギスはケロッとしている…無論そのはず、スキルによってぶちまけられたと思っていた酒は全て一ミリ以下の薄い風の膜に阻まれ且つ、店にも酒を零さぬよう精密な調整をかけていた。
リムルもレイギスの行動を察し、心配させないよう、皆に話しかけていた。
その中でカイジンはベスターの顔面を思いっきり殴った。
「ベスター!俺の客に舐めた態度とって覚悟は出来てるだろうな!!」
「き、貴様!!私に対してそのような口を!!」
「黙れ!!」
「カイジンさん。」
「程々にね。」
「顔はヤバいよボディだよ…ってかレイギスも大丈夫か?」
「む?問題ない…酒は浴びていないからな、しかし久々に別の酒も呑んだがこれも美味だ。」
「さいですか…器用だなお前は…普通かけられた酒を全部集めて呑むなんて事しないぞ?」
「酒を無駄にするのも忍びなかったのは事実だからな。」
レイギス達が話している間にカイジンは容赦なくもう一発ベスターの顔面に拳を入れ、付き人共々倒れた…それを見たレイギスはため息を吐き、おもむろにベスター達の元によると、どこで買っていたのかポーションを飲ませていた…無理矢理顔を向けさせて…その際勢いよく顔を向けさせたからか、首から変な音がしていたが、ポーションを飲ませているし大丈夫だろうと思ったリムルはカイジンに対して言う。
「いいの?其奴大臣なんだろ?面倒な事にならない?」
「………リムルの旦那それにレイギスの姐さんは、腕の良い職人を探してたな、俺じゃダメかい?」
「え!良いの!?駄目どころか寧ろ大歓迎だよ!!こちらこそ宜しく頼むカイジン!」
「ふ、こちらもお前が来てくれるならありがたい…戻ったら早速技術を交換しあおう。」
レイギス達の言葉に笑みを浮かべるカイジン、だが世の中そう上手くはいかない…一国の大臣を殴ってしまったのは、流石に見逃されず、カイジン達とリムルは捕まり、牢屋に入れられてしまった…レイギスは、皆とは別にカウンターで呑んでいた為か、連れとは思われず、酒をかけられておきながらベスター達にポーションを使ったのが良いように見られ、金貨10枚を口止め料として貰っていた。
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私はリムル達の牢の前に居る、中には吊るされたゴブタが未だ夢の中を揺蕩っていた…その状態で未だ眠り続けるとは……ある意味修行しているともとれる…のだろうか?
「ふぅ…俺が短気を起こしたばかりに皆を巻き込んじまった…すまん!」
そう言って頭を下げるカイジン殿…いや、もう仲間なのだからカイジンと呼ぼう…改めてカイジンに、皆で気にするなと言った。
「寧ろ良い漢気だったぞ?あのベスターと言う大臣を殴ってくれて、内心良い気味だと思っていたからな…本来なら私があのまま連れ出し、気絶させて近場に転がす予定だったが。」
「いやいや!お前がそれやったら、間違いなくお前だけが牢屋だったろ…なんかお前なら、誰にも見られずやり切りそうだけど…。」
「まぁ、見られずにやり切る自信もあったからな…しかし、一芝居打ったとは言え、私だけ牢屋の外とはな、少々罪悪感がある。」
「なぁに言ってるんだよ、俺はレイギスの姐さんだけでも巻き込まなかっただけホッとしてるぜ…それにリムルの旦那から聞いたぜ?酒をかけられるのを器用に防ぐどころか呑んじまったってな。」
「そうだよ、レイギスの姐さん」
「レイギスの姐さんは気にしないでください。」
「うんうん。」
カイジンにガルム達もそう私に言ってくれた、その中でリムルはカイジンに問う。
「俺達は裁判を受けるのか?」
「まぁそうなるな、まぁでも、死刑にはならんさ、罰金ぐらいで済むだろ…ガッハッハッ!」
「だと言いが…それにしてもあのベスターと言う者は相当お前を目の敵ににしていたが何かあったのか?」
私がそう聞くと、カイジンはゆっくりと話し始めた…曰く、カイジンとベスターは元々ガゼル王に仕えていたようだ、王宮の7つある騎士団の内の一つ、工作部隊団長をカイジンが、その副官にベスターをというものだった…庶民の出のカイジンが侯爵家の出の自分よりも上である事が面白くなくよく衝突していたらしい…そんな時功を焦ったベスターの計画の一つ、魔装兵計画が頓挫したらしく、ベスターは他の軍の幹部達を抱き込み、偽の証言まで作り、全ての責をカイジンに押し付けたと。
「で、俺は責任をとって軍を辞めたって訳だ、あいつは今でも俺を目の敵にして、無理難題を吹っかけて来る。」
「しょうもないやつだな。」
「そうだな…ただ、彼奴も別に悪人って訳でもないんだ、俺とは馬が合わなかったが、元々研究熱心で努力家だ、功を焦ったのも、王の期待に応えようとした結果だしな…俺がこの国を出て行けば、彼奴も少しはマシになるかな。」
「そんなものかねぇ。」
「リムルの旦那、レイギスの姐さん世話になるぜ。」
「あぁ。」
「宜しく頼む。」
「それなんですが、俺達もカイジンさんに着いて行きます。」
「そうす!カイジンさんと一緒に働けるなら何処でも行きます。」
「うんうん!」
「…ふ、お前達。」
「リムルの旦那、レイギスの姐さん俺達が追って行ったら迷惑かい?」
「皆纏めて面倒見てやるさ!こき使うから覚悟しとけよ。」
「寧ろお前達程の者達が来てくれるのだ、こちらこそ歓迎する。」
「「おう!」」「うんうん!」
その三日後、裁判が行われた、初めて聞いたが、ドワルゴンの裁判は王の許しがなければ発言出来ないらしい…昔裁判沙汰になったとき私が話そうとして刃を向けられたのはそう言う事か…弁護には代理人が当たるらしいが、その代理人は買収され、カイジン達が一方的に暴行をしかけて来たことにされ、ベスターは私がポーションでしたのを大袈裟に装っていた、そしてカイジンが20年、ガルム達が10年鉱山での強制労働をさせられそうになっていたのをガゼル王が止め、カイジンに自分の元に戻る気がないかと問い、カイジンは私達の元へ行く事を選んでくれたようだ…その際配下の者に刃を向けられたらしいがガゼル王がそれを手を上げて刃を下ろさせた、これによりカイジン達は国外追放へと刑が変わったと、リムルより聞いた。
「随分大変な裁判だったようだな。」
「あぁ、でも国外追放で済んで良かったよ。」
「ベスターは大臣の地位を無くしただろうな。」
「え?何でだ?」
「代理人しか話せぬ裁判なのだろう?今回みたく、買収されれば無実を証明出来ぬ、それでは裁判にならない、何よりガゼル王には嘘を見破るスキルがあるのだろうしな…以前私がこの国で裁判沙汰になり、不用意に話そうとし、刃を向けられたのをガゼル王が同様に止めていたからな。」
「成程…だからあの時、カイジン達を自分の元に戻らないかと聞いたのか…ってかお前は何やってそうなったんだよ……。」
「仕方ないだろう、夜に街を歩いていたら、輩に目をつけられそれに対処したら意外にも軍の幹部だったのだから、それでお前達のように代理人と思われる者を買収され、私が反論しようとし、刃を向けられ私も刀を抜ける状態にしていると、それをガゼル王が止め、私の話を聞き無罪となったのだ。」
「そうだったんだな…って言うか前に聞いたな、その話、てことはこの国の王とお前知り合いだったのかよ…。」
「あぁ、昔剣の手解きをしたやってな…私の技をみるみる吸収していったよ…ふふ、今ではどこまで腕を上げているのやら。」
「頼むから喧嘩は売らないでくれよ?」
「そんな阿呆は私とてせぬ…お前は私を何だと思っている?」
「修行馬鹿?」
「良しリムル、戻ったらお前で試したい修行がある、付き合え。」
「生意気言ってすいませんでした。」
「よろしい。」
そんな茶番ををリムル繰り広げながらリグルと合流し、嵐牙達嵐牙狼族に炎牙に驚いている中、村に帰ろうとし、私が何か忘れているような気がしていた中、背後から声が聞こえ振り返ると。
「酷いっすよ〜〜!!」
嵐牙狼族に乗ったゴブタの姿があった…私が忘れていたのはゴブタだったようだ。
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レイギス達がドワルゴンを去った後、ドワルゴンの王、ガゼル・ドワルゴが配下の隠密に指示を出していた。
「代理人は捕らえたな、厳罰に処せ、あのスライムの動向を監視せよ…決して気取られるな、決してだ…だが、レイギスには話しておけ…また矢文を送られては叶わぬ。」
「はは!」
そうして隠密が去った後ガゼル・ドワルゴは前を見据える。
「あのような魔物が解き放たれておったとは……あれは化け物だ、まるで暴風竜ヴェルドラの如き……そして、スライムと行動を共にしておるレイギス…あやつらに繋がりがあろうとはな。」
ガゼル・ドワルゴはリムルの存在を強く警戒し、レイギスにはこちらの事情の一部を話す事にしていた…以前レイギスの動向を監視しようとして逆に隠密達が捕らえられ、自身目掛けて、矢文で要件は何だと言う旨を送り付けられた苦い経験の元の判断であった。
今回、前話の続きという形になりましたがお楽しみくださりありがとうございます、色んな意味でやっちゃってるレイギスの事が少し分かったかもしれませんね、まだまだレイギスには秘密がありそうです…そしてレイギスが占いで見た運命の人…あれは、一体誰なのでしょうか…最後までお楽しみくださりありがとうございました、また次回お会いしましょう。