高雄が本格始動しまし!
『高雄』の修繕には、人手も物も部品も足りていなかった。
排水量一万トンを超える巨艦のそれを、機械の助けなく人の手のみで行うと言うのは、無謀も同義だった。
加えてここに集められたのは元海軍兵達であり、修理のエキスパートでは無いこともそこに拍車をかけている。
「我々だけじゃ、何処から始めればいいのやら……」
外観に関しては、ある程度連合軍側が行ってくれていたが、問題は中身だった。
主砲は生きているのか?
砲塔タレットは正常に動くのか?
機関は火を入れられるのか?
航行中浸水しうる箇所はないか?
等々…………上げればキリがない上に、多岐にわたる。
「宛はあるようだ。君たちはまず、艦内で修繕の必要な場所を洗い出してくれ」
「了解」
そうして数日が過ぎ、『高雄』の劣化した箇所は概ね調べ終えていた。それらの調査結果の書類は内地に送られているようだが、それでどうしようというのか?
外観こそ、それなりな状態になっていた『高雄』だが、その中身は大方の予想通りガタが来ていた。
特に機関部などは深刻だったらしく、元機関員の者によれば「こりゃあ火が入っても、昔みたいに振り回すのは無理ですな」で、果たして我々だけで何処までやれるものか、疑問符は尽きそうにない。
しかして、疑問符はとある"援軍"により多少の酌量を見せる。内地より『第一七日東丸』がシンガポールまで遥々回航されてきたのである。
小柄な特設駆潜艇という船でありながらも、彼らからすれば千軍万馬の援軍を得た気持ちだった。何故ならばこの小さな船は、内地で職を失った元技官や陸戦隊として徴用されながら辛くも戦場を生き抜いた元工員が乗船しており、更には、人の手で動かせる程度───しかも小柄な船体に乗る分だけ───のものであるが、工作機械までも伴って来たらしいのだ。
「…………!」
なんと有り難いことであろうか。なんでも、軍用に使われる機械などは"戦争放棄"の下にその尽くが処分の憂き目を見たが、それら軍需産業を支えた重工業の平和利用には多少のお目溢しがあったらしく、その中で辛くも生き延びた───軍艦の修繕にも転用可能な───機材を渡されてきたのだという
「復員船のやりくりが終わりゃ、俺たちゃ一文無しになっちまう。それで船の修理があるから来てくれって言われて来てみりゃぁ、こりゃ驚いた」「どうせ、儂も長くなかったんだ。最後に軍艦イジれるとは、船大工冥利に尽きるってもんよ……」「少ない人数じゃが、なに、戦時中も変わらんかったろ。やれるとこやってやろう」
口々に言葉をこぼす男達。戦時中、日を追うごとに無くなってゆく物と人と油を、何とかやりくりしながらも耐え忍び、だがその結果与えられた「終戦」という大敗…………自分たちは、何もできていなかったのでは無いか──────或いは、役に立つことが出来なかったのでは無いか──────そんな後悔や慙愧にも似た感傷に駆られていた彼らはしかし、今ここにおいて何年ぶりかも分からない口元の上角を見せていた。
今度こそは、役に立てるかもしれない……!
|| \ 三
|| 〉 三
|| / 三
____上____三
\ 〜〜〜〜〜 / 三
──────かつてのレイテ沖海戦の直前、米潜水艦『ダーター』が放ち命中した二本の魚雷のうち、一本の直撃を受けた右舷魚雷発射管のあたりで、悪い知らせと良い知らせがあった。
悪い知らせは、『高雄』には直径六十一センチにもなる巨大な四連装魚雷発射管が片舷ニ基、計四基十六門が存在する。対戦艦用の決戦兵器と位置づけられていたこの兵装が、もしかしたら使用できないのかもしれなかったのだ。
「片方は駄目だな、テコでも動かん」「根本から取替ンとなぁ」「甲板からやられてやがる」
爆発の衝撃で歪み、めくれ上がった上甲板が魚雷発射管の旋回装置を丸ごと使用不能にしてしまっていたのだ。
「アメさんの魚雷、いつからか凄い威力になったもんなぁ」
米海軍のMk.14魚雷は初期では著しい問題を抱えており、欠陥兵器の烙印を押されていたが、戦争中期頃から改良が進んだ事と炸薬をトーペックスに変更したことで威力と信頼性が向上し、最終的に日本商船約四百万トン以上、日本海軍艦艇も数十隻に渡り撃沈波される結果となっていた。
「だが、これを二本も受けて沈まなかった我が『高雄』は凄いぞ」
「言ってる場合か」
しかして、掛け合いをしたところで進展があるわけでもなく、さてどうするかと首を傾げているところに、良い知らせを持った男が駆け足でやってきた。彼は片舷ニ基ある発射管のうち、前方にある発射管を見に行っていた者だ。
「おう、どうだった」
「前側の発射管はいけます! それと……』
「?」
「使える魚雷が見つかったようです!」
それは素晴らしい知らせだった。何でも、『高雄』に積んであったものだけでなく先んじて処分される運びとなった『妙高』から陸揚げされ、処分待ちとなっていた魚雷があったらしいのだ。
「おお、それは良い知らせだ」
これで主砲が使えれば、『高雄』は万人力以上だ。
『高雄』の聳え立つ城塞を思わせる檣楼の頂では、何人かの男が額に皺を寄せ合っていた。
「コレ、駄目になっちまってるな」
「繊細な機械ですから……」
「これじゃあ斉射なんて出来やしねぇし、そもそも主砲も撃てんぞ」
「そうだな……で、どうする」
主砲という艦の最も重要な火力を制御する頭脳たる射撃方位盤が、年単位に渡る放置の結果として、使い物にならなくなってしまっていた。それは統一射撃が不可能であることを意味しており、『高雄』の戦闘力はこの時点で減退していることが必定となった。
「砲塔に直接撃たせるしかないなぁ」
主砲側の修理を担当していた一人が言う。
「動くのか?」
「ああ」
砲塔の測距儀は波に洗われて塩まるけ錆だらけで変色変形してしまい使い物にならなかったが、二五ミリの薄く心許ない装甲板に守られた密閉式砲塔の中身は無事であり、砲塔毎に備えられた射撃装置も健在だった。
「砲ごとに各個射撃とは、日露戦争より前のやり方だぞ。それに、距離がわからんのでは」
最もだった。測距儀の生きている此方は射撃装置が壊れており、砲塔は測距儀が壊れている。ここで距離を測って、人力で伝えるしか方法がない。
「伝声管は生きてるか?」
「駄目だ。錆びてていくつか使い物にならん」
「…………電話線ならどうだ。すぐに設置もできるだろう」
「おお、それがよい。電探も取っ払われているし、電力も足りるだろう」
砲周りが一段落ついたところで、『高雄』の艦尾でも悶着があった。
「こんな状態では、速度を出したら浸水してしまうぞ」
右舷後部は、例のレイテ沖海戦の直前に米潜水艦『ダーター』の雷撃を受け負った破孔があり、そこは応急処置によって一応の解決をみたはずだった──────しかし、それは港に係留することが前提であり、外洋を勇躍邁進する事は勘定に入ってなかったのである。
しかも面倒なことに、係留中の『高雄』と『妙高』に対して英軍が小型潜水艦を用いて行った「ストラグル」作戦による
「こいつは……どうします?」
「隔壁を閉鎖するか……たが艦尾の修復が完全ではないと……」
頭を悩ませても良案は浮かばず、進退窮まった辺りで、彼らに声を掛ける人物が。
「底の亀裂は、どうだい」
「艦長」
「"元"だ。で、やれそうかい」
「難しいですね」
弱音を吐くな、何とかしろ──────と旧海軍ならば拳骨と共に激が飛んできそうなものだが、『高雄』の艦長はそういう事が苦手だった。
聞いた話によると駆逐艦長時代にそうして部下を叱咤した結果危うく事故になりかけたことがあるらしく、出来るだけ部下からの進言は聞き入れる人物となったのだという。
「なら、そこは後でいい。素晴らしい助け船が来るそうだ」
「助け船?」
『第一七日東丸』でも十分以上な助け船だったが……?
数日後、彼らの眼の前に現れたのは、意外というより想像の埒外な「助け船」だった。
それは驚くべき光景だった。シンガポールに入港してきた助け船とは、なんと米海軍! 重工作艦ARH-1『ジェイソン』……太平洋戦線において浮かぶ工廠として米海軍艦艇の損傷修理を請け負っていた、歴戦の艦だ。それが、『高雄』の右舷側に接舷したのだ。
「…………!!」
全長では劣るが、重巡洋艦以上の恰幅と喫水からくる迫力は、並列する『高雄』にも勝るとも劣らない。
まさか太平洋を二分する大戦争から、わずか一年足らずでこの様な光景を目にするとは……!
かつての仇敵同士がこの様な形で会するなど誰が想像出来たであろうか。
そして、そこからは早かった。工作艦がもたらす機械の膂力というべきか──────『高雄』の破損箇所、特に人の力だけでは如何ともし難い、分厚い装甲板や艦艇部と艦尾の亀裂の修復は『ジェイソン』が担当し、艦内の細かな要修繕部や追加装備が必要な箇所については、『第一七日東丸』に乗じて馳せ参じた工員や技官、艦を熟知している『高雄』元乗組員の指示と要望に基づいて『ジェイソン』作業員が───言葉の壁こそあれど───共同で作業にあたる。
……そうして肩を並べて作業にあたる様を見る者の胸には、不思議な感覚が渡来していた。
我々はこのようにしてただ一つの目的のために共にする事ができたのか? ほんの先日のように感じられる大戦で、生命を賭して争うことに何ら意味が無かったかのように思えてしまった。
もしかしたら──────そうであるべきなのかも知れない。
動く工廠たる『ジェイソン』の助力によって、修理に当たる乗組員達にも多少の余裕が出来た。一ヶ月に一度程度、内地に戻る機会も与えられていた。
「兄ちゃん、戻ってきたねぇ」「何やってたんだ? 聞かせてよ」「まだ駄目だ、全部終わったら話してやる。でもな兄ちゃんは今凄いことをしている。みんな驚くぞ」「帰って来てくれたんだから、無茶だけはしないでおくれよ」「お袋、分かってる」「全くだ。兵隊行って無駄な身体を拵えて来おって。それで家のことを手伝わなかったらただじゃ置かぬ」「親父……」
懐いてくる弟妹たち、息子のみを案じる母親、口下手ながら帰って来いと言ってくれる父親…………そうだ、『高雄』で怪物をやっつけて金星をぶら下げて帰って土産話を沢山しよう。そして故郷に錦を飾り、親父と酌み交わすのだ。
|| \ 三
|| 〉 三
|| / 三
____上____三
\ 〜〜〜〜〜 / 三
一九四七年四月
日に日に『高雄』は往時の姿を取り戻してゆく。マストは中程から切り取られ、電探も装備していなかったが、それ以外は殆ど現役時と変わらぬ見た目だ。
時間をかければ、米国製電探の"お下がり"を頂戴できる可能性もあったが──────その可能性は潰える。
太平洋に展開する米海軍艦艇から奇妙な報告が上げられ始めた。
『米太平洋艦隊所属の駆逐艦『ランカスター』が何者かの攻撃を受け大破した──────』
『太平洋沖を哨戒中のUSS『レッドフィッシュ』より緊急入電──────』
『採取された皮膚組織より大量の放射線を検出──────』
確認された被害と哨戒する艦艇、航空機による情報を統合すると、未確認巨大水中生物は北上を続けている──────一年程前のクロスロード作戦、そこで初めて確認された存在。
彼らの標的が、日本に迫っていた。
その時点で、『高雄』の出港予定日は無条件に繰り上がり──────艤装を充実させる暇は自動的に消え失せた。
それでも、『高雄』が一応は戦闘に耐えうるだけの状態にまで修繕されたのは、『高雄』元乗組員だけでなく『第一七日東丸』や『ジョンソン』の乗組員、そして工作機器が一丸となった賜物であることは、間違いなかった。
「あなたのような優れた人物と海で相見えなかったのは、互いにとって幸運だった。──────さらなる幸運を祈る」
「我々も、貴方達の助力に感謝する。大佐」
出港の朝。『ジョンソン』艦長が『高雄』元艦長と握手を交わした。
ここだけではなく、其処彼処で『高雄』と『ジョンソン』の乗組員たちが握手を交わし抱擁を交わしていた。はじめこそ眉をひそめ合っていた違いだったが、そこには確かに友情に似た何があった。
『高雄』元艦長は元より『高雄』の乗組員達には、階級章を剥がされた旧海軍のいかにも軍隊然とした第三種軍装ではなく、全く異なる紺色の制服を着ていた。
色を変えれば旧軍のイメージから脱却できるとでも思ったのだろうか?
だがそんな事は不可能だ。たかが服装を変えたくらいで、一世紀近い伝統を誇る帝国海軍の何を払拭できるというのか。
「うん」
艦橋に詰めた『高雄』"艦長"は満足そうに周囲を見渡し、そう頷いた。
皆の表情は硬くない。未知の敵を相手にしても、十分に戦力を発揮してくれるであろう。
「出港準備ィー!」
「前部員、錨鎖詰め方!」
号令……! そこには感動にも似た感情が含まれていた。この『高雄』が、再び海を駆ける時が来ようとは……!
「両舷前進微速」
一万トンの巨体がシンガポールから出港する。
「航海長操艦、両舷前進微速、赤黒無し……針路〇-九-〇」
「航海長、頂きました。両舷前進微速、赤黒無し……針路〇-九-〇!」
艦長はシンガポール出向からすぐに真東へ針路を取るそのまま、南シナ海を北上し台湾とルソン島の合間を通りフィリピン海へ進出し、太平洋を東進するつもりだった。
考えられる最短距離で日本南方へ出る。未確認巨大水中生物が日本近海まで到達する迄、如何程の猶予があるかもわからない中では、最善手であった。
『高雄』が進路を東に取り、マラッカ海峡に艦尾を向けた頃──────
「艦長、あれを……!」
「ほう!」
同じくシンガポールを発った英国海軍軽巡洋艦『ニューファンドランド』──────恐らくは『高雄』の御目付け役だろう──────が『高雄』を追従してきた。
軽巡ではあるが、『最上』型に対抗するために建造された所謂大型軽巡洋艦の一種で、排水量は一万トンに達する。
やがて『ニューファンドランド』は高雄と並走する形となった。そこを見計らったか、艦長はある指示を出した。
「手空きの乗組員は上甲板にて『ニューファンドランド』に敬礼せよ」
艦長がそうい言うや、兵相当の階級の者以外にも、艦橋に詰めている士官までもが外に出て敬礼する。
するとその光景を見て驚いたのか、それとも海軍国家としての矜持に触れたのか。『ニューファンドランド』の乗組員も続々と甲板上に躍り出て、敬礼を返してきた。
それは『高雄』の統率の確かさたるを示すには十分だったのだろう。『貴艦の航海の無事と幸運を祈る』…………と『ニューファンドランド』からの通信をあとに、『ニューファンドランド』は反転しマラッカ海峡に向かってゆく。
それは『高雄』他艦と並走した、最後の時だった。
|| \ 三
|| 〉 三
|| / 三
____上____三
\ 〜〜〜〜〜 / 三
流石に外洋の波は『高雄』にはやや厳しく、少なくない浸水があった。スコールに見舞われ、想定外の漏水にも見舞われた。
それでも『高雄』は進み続ける。苦しい航海ではあったが、空に海にと怯え続けた嘗てを思えば、些か程の苦労もない。
一九四七年五月
フィリピン海をぬけ太平洋に出た『高雄』はある一報を受けた。
『米軍所属のリバティ船が太平洋沖で消息を絶った。何者かに襲われている』
「何者って、なんだ?」
「恐らく、我々の目標だと考えられます」
「ふん、場所は?」
海図を広げ、通信と共に送られてきたリバティ船の最後の位置座標を示す。
「小笠原か」
「艦長、天佑です。我々からほど近い」
「出し得る最大戦速ならば、一日あれば到達出来ます」
「うん、ではそうしよう。最短距離で小笠原へ向かう」
増速した『高雄』の煙突から一層黒煙が吐き出され、波を力強くかき分けてゆく。
波は高くなく、空も落ち着いている。もし"会敵"となるならば、今の内が最後の休憩時だろうか。
「乗組員に交代で休憩を取るように伝えてくれ。君も今日は休むように」
「でしたら、艦長も休まれて下さい。糧食も禄に摂っておられないでしょう」
自分で言っておいて、自分だけそれを実行しないとは日本男児の精神に反するだろう。嫌なところを疲れたと、渋々都ばかりに副長の言葉に首肯した。
「ところで、我々以外にもいるのかな? その未確認巨大水中生物とやらに立ち向かえるのは」
「掃海艇が何隻か哨戒中だと……」
「掃海艇だと? バカな。巡洋艦を引っ張る相手にそんなちっぽけな船で何ができると言うんだ」
無謀な戦いを挑ませるという点においては、海軍というよりも寧ろ日本という国体の問題なのではないかと考え始めてしまう──────もはや軍人という公僕ではないのだから、何もそのように訝しく思うことに対して後ろめたく感じる必要はないのだが…………。
翌日
夜に入る前から見張員の数を増やし──────電探がないためだ──────海上への警戒を強めてはいたが、それでも海はその内に恐るべき力を秘めているなど感じさせない程静かに揺らいでいる。
それに比例して乗員たちの緊張も少しずつ揺らめき、落ち着きを取り戻した頃。
投石にも似た一言が静かな面を大いに揺らした。
「艦長!」
それは通信室からの一報だった。掃海艇らしき通信波を傍受したらしい。
『───新生丸から海進〜〜〜〜こさんがお出ましになる〜〜〜〜〜準備しろ』
『───化け〜〜〜の功績〜〜〜でもらうぞ』
船が小さいからだろう、通信の強度は強くない。それでも大凡は何を言っているのかは分かった。
「場所は!?」
「確認中……!」
掃海艇だけではきっと難しい──────否、抗する事など不可能だ。
クマが蜂の巣を壊すように、豆腐に箸を刺すように。糠に釘、というものだろう。
『───ウワ──ブツッ!! …………』
次の瞬間、刹那の断末魔が聞こえたと思いきや、通信機は空電音を吐き出すだけになった。どちらかがやられたのだ。
「急げ!」「特定しました、針路は──────」
「機関両舷増速、第五戦速っ!」
位置が判明するや否や、艦長は激を飛ばす。そこに先程までの温和な雰囲気はない。
『高雄』の増速には時間がかかる。その間に生き残った掃海艇が無事でいられるとは思えない。通信を試みるが、このとき生き残った掃海艇───新生丸───は[[rb:未確認巨大水中生物 > ゴジラ]]に追われ、誰も通信機の近くにいなかった。
呼びかけに応じない掃海艇を案じ、血眼になって水上を見渡す見張員の目に、信じ難い光景が入り込んで来た。
それを、現実とは一度思えなかった見張員は双眼鏡から目を離し、再び双眼鏡を覗き込んだ。
間違いなく、小山のようなドス黒いせり立った背びれの様な物が掃海艇を追っていた。
波の大きさから推定される海面下に隠れた全貌は…………想像したくもない。
すぐに伝声管に飛びついて、絶叫にも似た声で報告する。
「前方!推定距離五千に目標物らしき物体発見!掃海艇らしき船が追跡を受けています!!」
その報告を受け、艦長は未だに被り慣れない制帽を一層深く被る。
「いよいよな様だな……全艦に達する、砲雷同時戦用意!御国の興廃はこの一戦にあると心得よ!!」
『高雄』最後の戦いが、遂に始まろうとしていた………!
明日、11/3はいよいよゴジラの誕生日、そしてゴジラ・フェスですね!
んま、私は途中から仕事なんで全部はリアタイ出来ないんですが……