東方学園譚~回り咲く恋華詩~   作:くるくる雛

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どうも皆さんくるくる雛です。
明日はクリスマスなんてありません!厄リマスです!
それでは今回もどうぞ!


第一四話 眩しい紅の葉と傷のある赤い目

犬走さんとの手合わせに俺は勝利した。

一先ず、仰向けで倒れたままの犬走さんに手を差し出す。

 

「中々良い腕だったな。

「…あなたの相手にはなれませんでしたけどね。」

 

少し肩を揺らし満足そうな笑みをしつつ犬走さんは俺の手を掴み立ち上がった。

 

「負けたってのに満足気だな。」

 

俺が疑問とも取れる言葉を投げかけると犬走さんはまだ皆が近くに来ていないことを確認し、の言葉を問いと受け取り答えた。

 

「いえ、あなたが本気で戦ってくれたので。皆さん私より強いから…」

 

…成程な、この部活にいる人たちは皆とても強いのだろう。それ故に手加減の仕方も心得ている…いや体が相手にケガなどをさせぬよう勝手に手加減してしまっているのだ。

けれど犬走さんからしたら自分が本気で立ち向かっても手加減をされていて不満だったのだろう。

 

「犬走さんはもう少し経験を積めばもっと強くなれるさ。今この部活に入るかは決められないが俺でよければ偶に相手をする。」

「…ありがとうございます。」

「礼なんていいさ。稽古相手が出来るのは俺だって嬉しいしな。」

 

事実俺の使える武術の技は基本的に受け身の技が多いからな、一人での特訓では限界がある。

それを考えると犬走さんと手合わせ形式で特訓ができるなら俺も助かる。

 

「分かりました。それじゃあ信貴峰さん。一つ…いえ二ついいですか?」

「ん?」

「あなたの携帯番号を教えてもらえませんか?これから手合わせ等をする時に連絡が取れればいいかな、と。」

「あぁ構わないさ。それであともう一つは何だ?」

 

俺が問いかけた所犬走さんは微笑みながら答えた。

 

「私のことは椛と呼んでください。さんづけもいりませんので。」

 

やべえ美少女の笑顔の破壊力パネェ。下手したら警察とお知り合いになりそうなくらいヤバい。

 

「…あぁ分かった、これからよろしくな椛。」

 

どうにか平静を装いつつ話し合って俺と椛が携帯番号を交換していた所、横から秦さんがやってきて

 

「我とも番号を交換するのだーそして我を呼ぶときもこころでいいのだー。」

 

なんて言ってきたのでこころとも番号を交換することになった。

 

 

 

 

 

俺は剣道部を後にして次の部活見学の場所に向かっていた。

次は何処に行くかな…って手合わせなんてする予定なかったから予想以上に時間を食ってしまった、あと一個しかいけない。どうするか。

この農園部ってのも気になるが…こっちの家庭科部にいってみるか。

 

 

 

 

 

とりあえず部室の前まで歩いてきたのだが…普通だ。

流石に家庭科部は部室ではなく授業などで使う家庭科室をそのまま使っているようだ。

普通ってただ暇なだけかと思っていたけどこの学校に来てから普通って割と重要なんじゃないかなと思い始めている俺には丁度良かった。

とりあえずノックをして、と。

 

「誰?」

 

中から声が返ってくる。

 

「今部活見学をしている者です中に入ってもいいですか?」

「見学?とりあえず今開けるから少し待ってね。」

 

ガチャガチャという音が扉から鳴る、どうやら鍵をかけていたようだ。用心深いな。

 

「どうぞ、中に入って…って信貴峰さん?」

 

中から扉を開けたのはクラスで俺の席の前に座っている人形のような女性だった。

 

「偶に来る教師の見回りかと思ってドキドキしたじゃない、少し心配して損したわ。」

「いや、この学校女性の先生ばかりなんだから声で分からないか?」

「…部室に来る人で敬語で話す人が珍しいのよ。」

 

つまり教師以外は大体敬語ではないってことか。

 

「今は縫い物しているだけだけれど見ていく?」

「あぁ勿論。これでも裁縫は得意なんでな是非見させてもらうよ。」

「とは言っても今日は私含めて二人しかいないんだけどね。」

 

入ってと言われて促されるまま中へ入るとそこにはピンク色のストレートヘアーでウサ耳を付けた女の子がいた。

あれ?あの子もクラスにいたような…そう考えながらウサ耳の彼女を見ていると彼女もこちらを視認したらしく少し俺の顔をじっと見た後固まる。

そして急にひきつった顔をし、一気に俺から距離を取った。

え、何その反応。俺のハートを砕きにかかってるの?

そんな風に俺が心にダメージを負っているとウサ耳の彼女は人形のような女性に悲鳴にも似た言葉を発する。

 

「ア、アリス!何でそんな人がここにいるのよ!?」

「部活見学ですって。それと鈴仙、流石に反応しすぎよ。信貴峰さんが膝をついて落ち込んでいるわ。」

「反応しすぎって、男なんて危険な存在がいたら仕方ないでしょう!?それに普通は男は家庭科部には来ないでしょう!?」

 

(………………………)

 

そんな人に普通じゃない、か。

前の学校だったら普通以外を望んでたのになぜだろう眼から何か熱いものが止まらないや。

 

「信貴峰さんも落ち込みすぎよ、別に鈴仙はあなたの事が嫌いというわけでは…「男なんて全員嫌いよ!」

 

ぐふぅ…もう俺のLPはゼロだ。

 

「あ~…とりあえず信貴峰さんこっちきて。」

 

アリスさんが俺にそう言って廊下に出る。

とりあえずもうほとんどなくなった精神力を奮い立たせ、アリスさんの言葉に従い俺も廊下に出る。

二人とも廊下に出て扉を閉めると同時にアリスさんが話し始める。

 

「大丈夫?信貴峰さん。」

「あ、あぁなんとかな…でも俺彼女に何かしたか?」

「いいえ、あなたは何も悪いことはしていないわ。ただあの子男性が苦手なのよ。」

「男性が苦手?依姫さんみたいな感じか?」

 

あの人も握手を拒否するくらいには男性が苦手だしな。

 

「確かにあの人も男性が苦手に入るかもしれないけれどあれはただ恥ずかしがっているだけね。鈴仙の場合はもう男性恐怖症といい切ってもいい位に男性が苦手なの。」

 

男性恐怖症か…確かにあの焦り様はそれが適当かもしれないが、よっぽどのことがない限りあそこまでにはならないはずだ。

 

「彼女は昔に何かあったのか?」

「さあね、鈴仙はそれに関しては何も言おうとしないから。」

 

…そこまでだと何かトラウマレベルのことがあったのだろう。

 

「とりあえず、俺はこのまま帰ったほうがよさそうだな。」

「すまないけれどそうしてもらえるかしら。ごめんなさいね見学どころが気分を悪くしてしまって。」

「いや、仕方ないさ。別に鈴仙さんも悪いことはしていない。ただ自分の苦手な物を見てしまっただけだからな。」

 

それじゃあなと背を向けながら言って帰ろうとするがアリスさんにそういえばと呼び留められる。

 

「さっきはたてから連絡があったから明日また会うことになるかもしれないわね。」

「はたてさんから…じゃあアリスさんは協力してくれるのか?」

「えぇ、別に構わないわ。割と重要なポジションらしいけど…何をするの?」

「それは明日まで秘密だ。」

「あらいけず。」

「サプライズ好きといってくれ…それじゃあ明日よろしくな。」

「えぇよろしく。」

 

そう言いあって俺は家庭科部を後にして校舎を出た。

 




今回もお読みいただきありがとうございました。
みんな大好きアリスの登場ですよ。
今考えたらアリスと鈴仙が同じ部室だと新参ホイホイ激しいですね。
それではまた次回!
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