ぬぐぐ、最近小説を書く時間が確保できない…
べ、別に今更非想天則を買ってネット対戦に夢中になってなんかありませんからね!
それでは今回もどうぞ!
「じゃあね、空華。この一撃で終わりだ。」
そう言って俺の胸に伸びてくる萃香さんの右拳に逆らわず、胸へと受け入れる。
だが俺は諦めたわけではない。俺は頭の中でとある言葉を思い浮かべつつ意識を一点に集中してスローモーションになった世界でタイミングを計る。
思い浮かべていた言葉はとある世紀末な世界にいる、病人のくせにピラミッドのような物の一番上の所まで届く一撃必殺の技を持つ拳士の言葉だ。
(激流を制するは静水!剛の力には正面から逆らわず柔よく制す!…まぁ制するというかは微妙だが。)
心の中では格好いいことを考えてはいるが要は捨て身である。
そして彼女の拳が俺のメダルに触れ、割れる。
(この瞬間!リバースカードオープン!)
…全然格好よくないが要するに思い通りに行ったのである。
俺は彼女の拳が胸部に当たった瞬間に衝撃を腕へと流し萃香さんに触れる。
すると彼女の全ての威力とはいかないが彼女へと衝撃が返される。
だが彼女はその衝撃を食らってもびくともしない。
(…まじかーこのまま彼女を吹き飛ばせるならそのほうがいいかなとか思ったんだけどこれじゃあやりたくないほうをしないといけないか…)
物凄い威力を与えたのにも関わらず相手が微動だにしないということはつまり威力はまた俺に戻り、跳ね飛ばされる。
そんな俺を尻目に萃香さんは溜め息一つ話し出す。
「はぁ、最後にまた面白いことをしようとしたけれど勝負も終わりだねぇ。」
「あぁ、終わりって言ったからにはこの勝負はもうしなくていいんだな。」
俺は飛ばされたおかげで彼女と距離が空いた状況になり、割れたメダルを投げ捨てながら答えた。
そんな俺に彼女は振り返りながら答える。
「そりゃ私は戦いたいけどさ、あんたのメダルがないんじゃ戦えないだろう?」
「いいや?俺のメダルはまだあるよ?」
俺はポケットに手を突込み目的の物を取りだしながら彼女に告げる。
そう、それはレティさんから譲り受けたメダルである。
「へぇ、まだメダルがあるのかい。じゃあもう一度」
「そうしたいところだけど断る。」
「…なんでだい?」
彼女は少し目を細めこちらを睨みながら問う。
それに対し俺は彼女の一言をいいかえす。
「はぁ、最後にまた面白いことをしようとしたけれど『勝負も終わり』だねぇ。」
「っ!」
彼女が先ほど告げた言葉をそのまま返した瞬間彼女は忌々しく、そして自分のミスに驚愕の表情を浮かべる
そう、彼女は確かに勝負は終わったといったのだ。
つまりこれ以上俺と戦うことは無い。
その言葉を無視して俺に攻撃することもできるが彼女が鬼という種族である以上嘘をつかない。
嘘をつかない以上俺にはこれ以上攻撃をできない。
これが俺の狙っていた作戦である。
「はぁ…まったくやってくれたね。まったくいつの時代も鬼に対して人間は卑怯な策で勝ちに来るね。」
「そりゃ力と速さのどちらでも勝てないなら頭で勝つしかないだろう。ま、霊力でも覚えりゃもう少しまともに戦えもするんだけどな。だから再選は霊力を手に入れてからだな。」
俺のその発言を聞いて萃香さんは少し口元に手をやって考え事らしきものをした後、俺に話しかけた。
「その発言は霊力を手に入れたらもう一度戦ってくれるって約束ととるよ。」
「…あっ」
萃香さんはしてやったりな顔でこちらを見ている。
「まさか嘘とか言わないよね?鬼に嘘をつくつもりかい?」
(…はぁ、これは仕方ないな)
「わかったよ鬼とかじゃなくて女性にあまり嘘を付きたくないしな。ただし霊力を使えるようになったら、だ。」
「はいはい、霊力を使えるようになったら、ね。鬼は嘘をつかないよ。」
それじゃあね、と言い残し萃香さんは背を向けて歩いて行った。
その背中を、はるかに高く、超えれる日がいつになるかも分からない位高い壁を見送りつつ息を吐く。
(…負けたか、想定していたとはいえ悔しいな。)
こんなに力の差を感じたのはいつぶりだろうか。
多分、彼女は自分の力の30%、いや25%の力も出しちゃいないだろう。
つまり今の俺にはそれだけの力で戦う価値しかないと言っているようなものだ。まぁ仕方がない。
その手加減している状況でも最後の一撃は俺が威力を流さなければあばら骨が何本かいっていただろう。
そんな俺が彼女に勝とうなんて無理な話だ、だが彼女とまともに闘えるようになる方法がないわけではない。
俺は彼女には早さと技でも敵わないが一番の要因はやはり力と彼女へダメージが通らないことだ。
だが霊力を覚えればその差を今よりは格段に埋められる。そうなればまだ勝機も見えるだろう。
でも、その前に…受け身も覚えたりしないと駄目だ…し
「まだまだ、これから…か。」
そう呟いて萃香さんとの戦いで疲れ果てた俺は前のめりで倒れ、そのまま休むことにした。
能力の反動だろうか、もう動くこともままならなかった。
「あーくそ、もう体動かねぇ…」
そんなことを呟いていると遠くから人影が、いやウサ耳が見えた。
そいつは俺の近くまで歩いてきて俺の状態を確認する。
どうやら鈴仙さんではないらしい。
そしてそいつは萃香さんから死守したばかりの俺のメダルへと手を伸ばす。
(…あぁ負けたな。)
今回もお読みいただきありがとうございました。
どうしよう、ここから先ゲームが終わるまでほのぼのができる気がしない。
…まぁ劇が笑い系だからいいか!
それではまた次回!