東方学園譚~回り咲く恋華詩~   作:くるくる雛

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どうも皆さんくるくる雛です。
最近東方の夢を見ることが多くて幸せです。
それでは今回もどうぞ!


第二九話 震える魂

10分後、三回目のマップに全ての参加者の場所が写される時間になる。

俺は未だにあおむけの体制のままマップを見て、一番最初に武術部を確認する…あれ?あんなにいた敵が全部いないんだけど。

 

「ふん、西海はうまくやったようね。この分だと何個かメダルもとれているでしょう。」

 

え?レオのやつ無双しすぎだろ。俺だったら殲滅するだけでメダル取ってる余裕はないぞ。

西海の持っている覇気等を確認する限り、本当の実力ではそんなに差はつけられていないはずだが…霊力を使えるかどうかの差かな。

やっぱり早々に霊力を覚えたほうがいいか。

 

「ふむ、今は10時半か…あと一時間耐えたらいいんだな。」

「…正直今更なのだけれど、これだけやってもらえるのが図書カードってどうなのかしら…私は図書カードなんて無くても困らないし。」

「言うな。悲しくなる。でも俺の場合は修行になるからまだましなんだけどな。」

 

まぁ、修行というより鈍っていた自分の腕をとりもどして、実力を再確認したという方が正しいか。

 

「そういえば空華、少し聞きたいことがあるのだけれど。」

「なんだ?レミリアさん?」

 

そういえばレミリアさんが俺のことをあんたとかではなく、名前で呼んでくれたのって初めてだな。なんて考えながらレミリアさんの質問を待つ。

 

「あなたの天星拳のことなのだけれど、偶に信貴峰流って語尾に付けないのがあるでしょう?あれって何か差があるのかしら?」

「…レミリアは大分細かいところに気がつくんだな。確かにあれは意図して信貴峰流を付けたり外したりしてるが…俺声にだしてたっけ?」

 

レミリアは俺が呼び捨てしたことに対してか少しだけ目をピクリと反応させたが気にしない。レミリアも俺のことを呼び捨てでいくみたいだし別にいいだろう。

 

「隠しているつもりでしょうけど少しだけ声が漏れているのよ。それよりも、ねぇ良ければ話してくれないかしら。マップを見る限り私達の近くに敵はいないからしばらく暇になるみたいだしね。」

「まぁ、隠すほどのことじゃないし別に構わないか。」

 

まだ体は本調子になってはいないが彼女と話しやすい体勢にするために、俺は上半身を持ちあげ、レミリアと向き合う形にする。

 

「じゃあ、俺の使ってる拳法の全体の事に関して話そうか。まず天星拳ってのは昔から…室町時代初期から続く拳法でな、元々は時の将軍なんかを守ったりするための基本的に防御が主体の拳法なんだ。」

「へぇ、割と歴史のある物なのね、ってあれ?でもあなたよく…というよりも基本的に攻撃技のほうが多くないかしら?」

「それが信貴峰流の部分だ。室町時代の終わりごろ、室町幕府に力がなくなってきて、各地の武将たちの力が強くなってきたくらいの時に天星拳を学んでいた門弟や師範代たちが各地へとバラバラに分かれて行ったんだ。」

「ふむ、なんで門弟たちは各地へと離れていったのかしらね。」

 

この歴史の授業のような話をレミリアは真面目に聞いてくれている。今まで話した奴らは皆途中でもういい、みたいな反応をしていたがこの反応は新鮮だな。ついこちらも続きを話す気になってしまう。

 

「それはな、時の将軍家が財政難に陥って、道場に回す金が無くなったんだ。」

「あぁ、なるほどね。」

「それで各地に散った天星拳の師範代達が各地で道場を開いたりしたんだ。その時に信貴峰流だったりができたんだ。それと信貴峰流は受け身の拳である天星拳に無かった自分から攻める技を天星拳に足していったんだ。他の流派は防御を更に強くしたやつもあるらしいがもうほとんどのこってないらしい。」

「ふーん、それで信貴峰流と分けているのね。」

 

俺は大方のことを話し終えて体を動かし始める。

ふむ、どうやら問題なく動かせそうだ。っていうかこの能力を使った後に疲労感から動けなくなるのは何度か使えば楽になるのだろうか。

いや、なるのだろうかではなくなってもらわないと困るな。

 

「そういえばさっきのマップでちらりと見えた奴だが…あの名前って紫さんに渡された地図に同じ名前が乗ってた気もするんだが…なにか関係あるのか?」

「地図に?私はそこまで確認していなかったけれど、もしかして…名字が博麗かしら?」

「あぁ、そんな感じだったが。そいつってそこの関係者か何かなのか?」

「えぇ、関係者…というよりもそこに住んでるわよ。それがどうかしたの?」

「いや、何故だが気になってな。」

 

具体的にはそいつと出会いそうな予感だが。

…何故だろうな、出会いが増えるのはいいはずなのに嫌な予感しかしない。

そんなことを考えていると体育館の入り口に気配を感じ瞬時にそちらを向く。

振り向いた先にはこの学園では珍しく黒いつやのある髪を大きなリボンで止めてお祓い棒を片手に持ち、脇の部分の布がない巫女服を…制服はどうしたって良く考えたらこのゲームが始まってから皆制服着てなかったな、レオ以外。

そんなことを考えながらレミリアの方を向くと俺の横まできて、覇気を出している…相当手ごわいらしいな。

 

「…これは俺の感だが多分、あんたが博麗さんか?」

「そうよ、私が博麗神社の巫女、博麗霊夢よ。霊夢でいいわ、それよりもあなたも勘のいい人?」

「あぁ、なんとなくで当たることは多いから多分感がいいでいいと思うぜ。」

「ふーん、ま、どうでもいいわ。」

 

自分で聞いたんじゃないかというつっこみはしてはいけないのか??

 

「こんなくだらないゲームでもやるからには負けたくないからね。レミリアもいることだし、全力でいかせてもらうわ。」

 

そういうと彼女は右手の機会に触れ、巫女服の袖に手を入れてお札を取りだす。

 

「まさか、真昼間から吸血鬼退治になるとはね!」

 

気合一閃。手を鋭き速さで振り、手に持ったお札をこちらに向け大量にばらまいてくる。

俺はその札でできた弾幕の合間をぬって今一度能力を解放する…明日筋肉痛だろうな、まぁ劇には俺自身がでないからいいけど。

そんな俺に対してレミリアは飛翔し、上へと向かい回転しながら弾幕の壁を突き破る。

レミリアもお札に対して問題なく対処できたのを確認して俺は彼女へと蹴りかかる…が、霊夢さんは四枚の札を俺の右上、左上、右下、左下にそれぞれ撒いて水色の壁を発生させた。

 

「ぐふっ!」

 

俺は霊夢さんに跳びかかっていたため止まることができず、霊夢さんの作った壁に勢いよく激突してしまう。

思わず怯んでがら空きとなった俺のスキをのがさず霊夢さんはお祓い棒で俺の胸元のベルトに向けて鋭い突きを放ってくる。

 

「所詮男と言ってもこの程度ね、もらったわ!」

「甘いわ霊夢!シーリングフィア!!」

 

その声と共に天井からレミリアが霊夢へと向かい爪を構えて流星を思わせる力強さと速さで振って…突撃してきた。

それを食らう一歩先に勘付いた霊夢さんは俺のメダルへと触れる寸前であったお祓い棒をすぐさま引き、レミリアの攻撃からの盾にする。

俺は体勢を立て直し、霊夢さんへと追撃しようとするがその考えは二人の激突する衝撃で打ち消される。

俺はさっきまでここでもやっていけるほど十分に強いと考えていたが甘かった、これが実力者の戦いなのか。

…これが妖怪、そして霊力を備えた者の力なのか。これがこの学園の…おもしれぇ!

やっぱりあのただの日常をだらだらと過ごしていたあんな学校から転校して本当に良かった。

ここならもっと強くなれるだろうが…とりあえず今はボコられてでも勝ちをもぎとるしかないか。

四肢に気合を入れなおし、もう一度俺は構えなおす。その俺の横に攻撃の威力を失ったレミリアが着陸してくる。

そして俺の顔を一瞥し、レミリアももう一度構え、言った。

 

「あなた、今の一瞬で何があったのかしら?さっきよりも目に力が宿っているわよ。」

 

一瞬で俺の内での心の変化を見破られる。それに対して俺は真面目な顔を崩し、レミリアの顔を見て告げる。

 

「やられそうな所を救ってくれたレミリアに惚れたからかもな。」

「な、何いってるにょよ!」

 

俺は一先ずレミリアさんを弄って体に貯めすぎた気合を一度抜き息を大きく静かに吐く。

そして集中して真面目な声で告げる。

 

「さぁ、いこうかレミリア。」

「あ、あなたギャップがありすぎでしょう!…まったく、足を引っ張るんじゃないわよ!」




今回もお読みいただきありがとうございました。
レミリアはいじると可愛いですよね!
ゲーム編もあと少しで終わりそうです!
それではまた次回!
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