やっと校外学習が終わりました…
当初はこんなに長くなる予定はなかったはずなんですけどね。
それでは今回もどうぞ。
俺が早苗さんに膝枕してもらっていたことへのお礼をすると何故か早苗さんに文句を言われて顔をそむけられてしまった今現在、することがなくなってしまったので仕方なく鞄から紫さんよりもらった霊力の使い方の本をじっくりと読んでいた。
基本らしいんだけどやっぱりこの記述の部分でつまってしまうんだよな…手に力を集める感覚で霊力を集める所まではできるんだがその次の『まずは撃つよりも形として出すことが大事、手のひらに力を籠めたまま手のひらを上に向けてその上に貯めた霊力を出すイメージです。』ってのが上手くできねぇ。
手のひらの上にだそうとするとどうしても手のひらに集めた霊力が散ってしまい、形にして霊力が出てこない。
うーん…どうすればいいんだろうな。
一人で黙々と悩んでいると少し機嫌が直ったのか早苗さんが何をしているのかと質問をしてきた。
「いやな、この本に書いてる霊力の出し方が分からなくてな、それでどうしたものかと悩んでるんだが…」
「あぁ、それですか。私もこちらに引っ越してきた時にそこで一番悩みました。」
「え?早苗さんも引っ越してきた人なのか?」
「えぇ、私は中学2年の夏に引っ越してきたんです。って、そうじゃなくて霊力の出し方ですが、信貴峰さんは多分霊力を手のひらの上に出す時に霊力が霧散してしまってるんじゃないですか?」
「あ、あぁ。まったくもってその通りだが。」
「実はそれは単純に霊力を出すところを間違えているんです。」
「霊力を出すところを間違えている?」
「えぇ、実際に一度手のひらに力を籠めてみてください。」
早苗さんの指示に従い手が少し拳になりかけるくらいまで手のひらに力を籠める。
その状況を見た早苗さんはやっぱり、と呟いて説明を続ける。
「これは手のひらじゃなくて指の付け根に力を入れてしまってるんです。本当はこうするんですよ。」
そういって早苗さんは俺の手のひらの中心に指を置いて押してきた。
「では私のこの指を押し返してみてください。」
「あ、あぁ。」
俺は早苗さんの指を押し返すべく力を籠める。
すると先ほどとは逆に指が開いていって、ジャンケンのパーの形になる。
「ほら、これが本当の手のひらに力を籠めている状態ですよ。」
「成程な、掌底のように手を押し出す形にすればよかったのか…それじゃあ、もう一度!」
そう言って霊力を手のひらに集めて押し出す。
するとポゥと淡い光を出しながら俺の手から無色の透明な球体が飛び出る。
「…これが霊力なのか?」
「えぇ、ですがやはりまだ不完全な出し方ですね。」
「不完全?」
「はい、このように無色透明の間はまだ不完全なんです。完全の状態ならば赤、青、黄、ピンクにオレンジ、それぞれ個人の色が出たりするんですよ。」
「へぇ…まぁ、ここからはまた家で本を読みながらやることにするよ。そろそろ学園だしな。」
「あっ、そういえばもう着きますね。」
そう呟くと俺達の会話が聞こえたのか聖先生が気づいたようにバスに備え付けられているマイクを取りだし、全員へと声をかける。
『そろそろ学園に着きますので皆さん降りる準備をしてくださいね。』
とマイクへ声を通し、その後にも学校に着いてからはすぐさま解散、明日の学園は午前中のみで午後からは授業は無いという連絡を続けて話してマイクを切る。
その後は直ぐに学園にバスは到着し解散となった。
バスから降りて解散した皆と少し話した後、いつも通り自転車を取りに行こうとして自転車置き場へと向かうとそこには椛が先に自転車の鍵を外している最中に出くわした。
「おっ、椛もチャリ通だったのか。」
「あ、信貴峰さん。えぇ、朝からの運動も兼ねていつも自転車で通学してるんです。」
「ふーん、俺と同じような理由か。」
そう言葉をかわしながらさっさと自転車の鍵を外して跨がって家路につこうとする。
すると椛も隣にやってきて同じ方向へとチャリを向けて進み始めた。
「椛の家もこっち側なのか?」
「えぇ、そうなんです。よければ分かれ道になるところまで一緒に行きませんか?」
「あぁ、かまわねえよ。拒む理由はない上に一緒に帰ったほうが楽しいしな…あっ、そういえば椛、少し聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「質問ですか?私に答えられることなら教えますけど…なんですか?」
「いや、大したことじゃないんだ。ただこの辺りに2TA8はないかと、ちょっと見たい映画があるんだが…」
「レンタルビデオの店ですか、それならこの道を一本外れた所にありますよ。なんだったら今から一緒に行きますか?」
ふむ、今からか…それも悪くないが一人でゆっくり探したくもあるな。
「悪ぃ、その提案はうれしいけど明日半日授業だし帰りに寄るよ。」
「そうですか…わかりました。そういえば話は変わるんですが、大分同じ方向に家があるんですね。」
「本当にな、これもう後少ししたら俺の家だぞ?」
「そうなんですか?」
「あぁ、そこの角曲がると俺の家だ。」
そう言いつつ曲がり角を指で挿して説明する。
するとその方向をみた椛が目を丸くさせた。
「どうした?」
「いえ、実は私の家はあちらの角を曲がったところにあるんです。」
そう言って椛は俺が挿した方とは逆の方向の道を差した。
まじか、こんなに近かったのか…
『ハハハハッ!!』
その事実に気づいた俺達は二人とも道の真ん中で揃って笑い始めてしまう。
「こんなに近かったんだな…ハハハ!」
「そうですね、よく合わなかったものです…フフッ」
それでもまだ笑い続ける。
そして軽く腹が痛くなった頃に笑いが収まり、俺はそういえばと思いだしたことを告げる。
「そういえば椛、いい機会だし前に言ってた稽古なんだが明日から始めるか?」
「あ…そうですね!家が近いことも分かりましたしちょうどいいですね。」
「ん、それじゃあ明日の朝に家に着てくれ。どうせ庭先で朝練してるから。」
「わかりました、それではまた明日お願いします。」
「あぁ、よろしく頼む…って、ちょっと待った。」
俺のその言葉に立ち去りかけていた椛が振り返り、なんですか?と聞いてくる。
「いや、良ければ今日俺の家で飯食ってかないか?昨日学校帰りに食材を特売で買ったのはいいんだが少し買い過ぎてしまってな、一人で食べれそうにないんだ。」
「ふむ、そういうことであれば…そうですね、今日はお呼ばれしましょうか。ただし一つだけ条件があります。」
と俺に人差し指を立てた状態の手を付きだして告げてくる。
「条件?まぁ、内容にもよるけどなんだ?」
「ただ食べさせてもらうだけなのも納得いかないので、その分何かお手伝いをさせてください。この条件がダメなら行きません。」
あぁ、そういうことか。
今までの会話から気づいてたが椛は無駄に義理固いのだろう、それでなにかしないと自分が納得できないと。
まったく、こういう時は素直に好意に甘えておけばいいのに。
「あぁ、分かったよ。それじゃあ風呂でも入れてもらえるか?家でまた入れるのが面倒だったらそのまま入ってくれてもかまわねえからさ。」
と、軽めの要求を出しておいて妥協点にしておく。
少し渋ったが椛もそこで引いてくれてまずは荷物を置いてくると家に戻ったので俺は先に自分の家に戻って準備をする。
とりあえず庭に自転車をおいて家の鍵を開けて中へと入る。
2階へと上がって自分が勉強部屋兼寝室として使っている部屋に荷物を置いてすぐさまクローゼットより普段着を取りだし着替えてリビングへ。
さて、ああは言ったものの実際何を作ろうか。
一応ある程度の素材はあるから半額で買った肉をメインに置いて何か…焼肉は安直すぎるし折角人に出すならもっと料理らしいものを。
と料理の内容をずっと考えていると椛が来たことを示すインターフォンが鳴り響いた。
今回もお読みいただきありがとうございました。
霊力の出し方は完全にオリジナルですがお見過ごしください。
さーて次からは椛との一対一での会話ですね。
会話のネタを考えないとなぁ…
それではまた次回!
(感想・批評等随時お待ちしております)