東方学園譚~回り咲く恋華詩~   作:くるくる雛

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どうも皆さん最近スランプ気味のくるくる雛です。
何気に信貴峰の家を描写するのははじめてでしたね。
それでは今回もどうぞ!


第四六話 割と気にいったらしいです

椛が来たことを告げるインターフォンが鳴り響き、俺は急いで玄関の扉を開ける。

そこには制服から着替えて私服姿の椛がいた。

手には風呂敷で包んだ何かがあるが一先ず気にせず声をかける。

 

「いらっしゃい、割と時間がかかったな。」

「えぇ、少し家で作業してたので。」

「? まぁいいや外にいるのもなんだし早速だが中に入ってくれ。」

「はい、お邪魔させていただきます。」

 

そう言い交わして家の中へと椛を招き入れ、リビングのソファへと座らせる。

すると椛が持ってきていた風呂敷を机の上に置き、そのまま風呂敷を広げて中身を取りだす。

風呂敷の中身は小ぶりのお重があり、蓋を開くと中には見事に焼き目の付いていない綺麗な黄色い塊が入っていた。

 

「卵焼きか、なぜこんなものを?」

「卵焼きではなく出汁まきです。今日の昼に私の出汁まきが食べたいとはたてが言ったので作ったんです。ですがその時に使った出汁が余ってしまったので良ければ食べてくれませんか?」

 

…出汁巻き二本あるんだけど。

まぁちゃんと適切な保存すれば2,3日は持つらしいけど…出汁の配分間違えすぎだろ。

ひょっとして朝寝ぼけた状態で出しを作ろうとして量を間違え、慌てたのかな…

そこまで考え付いたところでつい軽く吹きだしてしまい、椛に怪訝な目で見られてしまう。

 

「なにがおかしいんですか!」

「あぁ、いやいやすまん。ちょっとこっちの事情でな、出汁巻きはおいしそうだし有りがたく頂くよ。」

 

そう言って出汁巻きを受け取り台所へ、出汁巻きを一本ラップに掛けてジップ付き袋に入れて冷蔵庫へ、こうして保存しとくと2、3日もつんだよな。

ちなみに残りの一本は今日の夕食に出そうと考えている。

 

「となると肉料理も和風のほうがいいか…そう言えばとんかつって日本で生まれたけどカツレツ自体は外国のだし和食でいいのかな?まぁ、思いついたからとんかつにするけど。」

 

作る料理を決めた所で冷蔵庫から材料を取りだし調理台の上へと一通りを揃え、最初に出汁を取ってみそ汁の準備を始める。

そういえば味噌汁を作る時って2番出汁がいいらしいけど正直家でやろうとすると1番出汁でやってしまうんだよな…

と考えながら次々と準備を進めていくと俺のいるダイニングキッチンの反対側に椛が来ていた。

 

「信貴峰さん御風呂ってどこでしょうか?そろそろ掃除をしようかと…」

「あ、風呂なら部屋を出て左手の付き辺りのところにあるよ、掃除道具なんかは脱衣所の棚にいれてるから。」

「わかりました。それじゃあお風呂の用意してきますね。」

 

そう言って椛は風呂場へと姿を消した。

さて、作るか。

 

 

 

 

 

うん、大体こんなもんか。

後はカツを上げて盛り付ければ終わりだ。

と、あらかたの準備を終えた所でキッチンに椛が入ってきた。

 

「信貴峰さんお風呂が沸きましたよ。」

「あー…じゃあ先に椛が入ってくれよ。」

「え、いいんですか?」

「別に構わねえよ。俺が今入った所で油物作るから結局汚れちまうしな。あ、シャンプーなんかは適当に使ってくれていいから。」

「それではお言葉に甘えて先に入らせていただきますね。」

 

俺は大根を降ろしながら椛へと言葉を返す。

正直女性の椛より先に風呂に入れるのも気が引けるしな。

俺のそんな意図を組んでくれたのか椛は特に言い返さずそのまま風呂場へと向かう。

まったく、空気の読める女性は助かるな。

 

 

 

 

 

~from椛~

「…ふぅ、やっぱりこれ付けてると苦しいなぁ。」

 

信貴峰にさんに一言言ってから風呂場に来ていた私は最初に衣服を脱ぎ胸に巻いたさらしを解いていた。

 

「でもこれで抑えてないと剣を振る時に邪魔だし…なぜか妖夢と依姫さんが睨んでくるし。」

 

そう呟きながら全ての衣服を脱ぎ、私は風呂場へと入る。

しかし歩くたびに少しだけでも揺れる胸を視認してしまいまた溜め息を一つ吐きだす。

 

「本当こんなのいらないのになぁ…肩はこる上に、街中で偶にやましい視線を感じたりもするし。」

 

そんな繰り言を流すかの様にシャワーを頭から被って体を洗い始める。

髪は乱暴に洗うことはせずほぼ手櫛の状態で揉むようにして洗い髪を傷つけないように注意を払う。

体も泡で汚れを浮かしていくかのように洗っていきあくまで女性らしい肌作であろうとすることを忘れはしない。

髪も体も洗い終わると先ほど自分が洗っていた浴槽へとチャプリと軽く音を出しながら浴槽の中へと浸かりホッ、と軽く息を吐いた。

そして浴槽の中から風呂場全体を見渡しポツリとつぶやく。

 

「これが信貴峰さんの趣味ですか…広いお風呂がすきなのかな。」

 

浴室は壁も床も浴槽自体も木製で統一されてシャワーを除けば純和風と言った作りであった。

実は外の世界から来た人間に対して学園長は一部屋を元々その物が住んでいたのと同じ部屋を持ってきて固定するが、他の部屋は引っ越してきた人の趣味に応じて部屋を変えてくれるのだ。

ちなみに木製の場合は手入れの面倒からか知らないが少し細工されていてあんまり壁と床は汚れや腐敗しにくくなっているらしい。

 

「…私の家のお風呂も木製にすればよかったなぁ。」

 

そう、私は当初その仕掛けの事を知らなかったのでよくあるなんたらプラスチックの素材を選んでしまい少し後悔してしまっている。

 

「信貴峰さんなら…偶にならお風呂貸してくれないかな。」

 

私はそう呟きつつ浴槽の底の木に手で触れて木のぬくもりを感じながら目を閉じ、湯の暖かさに身を包まれてリラックスする。

それにしてもいいお風呂です。

 

 

 

 

 

~from信貴峰~

「うん、みそ汁の味もばっちりだな。カツも一度バットに入れて油を落としたし三種のたれも…うんOKだな。」

 

とスプーンでソースの味の確認をしつつキャベツの上にカツを盛りつけていく。

ちなみにソースの種類は店売りのとんかつソースと先ほどおろしていた大根おろしににポン酢を混ぜたおろしポン酢、それに味噌をベースにした味噌カツソースだ。

とりあえずご飯と味噌汁以外は用意して椛を待つことにして…本でも読んでおくか。

 

 

 

 

 

「お風呂いただきましたー。」

「お、上がったか。もう食べれるから席についといてくれ俺はご飯と飯を入れてくるよ、ごはんの量はどうする?」

「並盛でお願いします。」

「おう分かった、それじゃあ少し待って居てくれ。」

 

そう言って棚から茶碗とお椀を取りだしご飯、みそ汁を入れていく。

そしてその二つを御盆にのせて冷蔵庫から麦茶をとりだし机へと運ぶ。

 

「おまたせ、それじゃあ食べようぜ。」

「えぇ、それでは『いただきます。』

 

二人とも手を合わせて同時に合唱をして食事を始める。

まずは味噌汁を飲んでっと…うん、やっぱり上手くできてる。

ふぅ、と一息ついてお椀を置くと机の反対側で椛はカツを食べようとしていて口に含んだ瞬間カツがサクッと軽快な音を奏でる。

 

「どうだい?自己流なんで好みが分かれると思うが。」

「えぇ、確かに特徴的な味もしますが私はこの味好きですね。」

「そうかい、口にあって良かったよ。」

 

そう何気なく言いつつ内心ホッとしてカツにおろしダレをかけて一口、うん美味い。

 

「そういえば一緒に稽古するといったもののどうしようか。」

「あ、何か問題がありましたか?それなら無理にとは言いませんが…」

「いやそうじゃなくて椛の剣術の話。俺も一応剣術の基本は知ってるんだが椛はその基本通りの動き方をしてるんだ。我流で剣を振っていたとか言うならもうちょっとやり様もあるんだが。」

「つまり私の鍛え方が分からないと?」

「いや、別にそういうわけじゃないんだが…椛に足りないのが相手との駆け引きなんだよ。」

「駆け引き…ですか?」

「あぁ、それじゃあもう少し具体的に言うぞ?」

 




今回もお読みいただきありがとうございました。
ところで今回はみなさんにお知らせがございます。
それは最近色々所要により小説が書けない状態にあり、今まではストックを削って投稿していたのですがそれもなくなってしまい次週に投稿できるかどうかが分からない状況にあります。
そもそも時間がないので2週間後も投稿できるかが怪しいのでそれの報告をここにいたします。
誠に勝手ではございますがご了承ください。
それではまた次回!
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