最近ものすごく暑い日々が続きますからみなさんも熱中症に注意してくださいね。
それでは今回もどうぞ!
「ここまできたらいいか…ふう、恥ずかしかった。」
「すいません信貴峰さん…私のせいで」
「いや、謝らなくていいよ。鍵山さんは俺のことを思ってやってくれたんだからな。ところでお姉さんは見つかったか?」
「うーん…みつかんない。」
そうか、と返して俺も一応周りを見渡すがこの子の姉の特徴を聞いてないのでわかるわけもなくふう、と軽く溜め息を付くだけに終わる。
「そういえば君の名前も聞いてなかったけどお姉さんの姿ってどんなんなんだ?」
「え~と…とりあえず私はアリシアって名前なの、お姉ちゃんは私と同じ髪の色で赤いリボンをまいているの。私のこのリボンもお姉ちゃんがくれたの。」
この子と同じ髪色で赤いリボン、なにか物凄く記憶にあるんだが…まぁ、勘違いだろう。
「ふぅ、走ったら喉渇きました。」
そう言って鍵山さんは自分の手に持っていたドリンクを口に含んで…っておい。
「それ、俺がさっき飲んだやつ…」
「えっ?…ふえっ!?」
俺が指摘してやると鍵山さんはコクリと飲み込んだ後に気づき両手でペットボトルを持ったままあわあわと祇園が付きそうなくらい恥ずかしがった。
…不覚にもすこし可愛いと感じてしまう。
などとバカなことをやっていると後ろからまた知ったような人の声が聞こえた。
「アリシア!」
「あ!お姉ちゃんの声だ!」
どうやらその声の主はアリシアちゃんのお姉さんであるらしく俺の肩に乗っているリリシアちゃんが肩の上で暴れ始める。
恐らく声のした方へと向けということなのだろうと判断し、声のした方向へと振り向く。
「…まさかとは少し思ったけどアリスさんの妹だったか。」
「あら、信貴峰さん?アリシア、あなた信貴峰さんと一緒にいたの?」
「うん!私が迷子になってたらお兄さんとお姉さんが助けてくれたの!」
「お姉さん?」
「アリスさん、あれが例のお姉さんです。」
そう言って俺は手のひらで近くの柱の根元にうずまってまだ恥ずかしがっている鍵山さんを指す。
「…あれ何?新しい珍獣?」
「いや、おなじクラスの鍵山さんだよ。」
「珍しいわねあの子があそこまで取り乱すなんて…ところで二人はなにしにここに来たの?ひょっとしてもうデートするような関係にでもなったのかしら?」
「ははっ、それならうれしいけど残念ながらNO、鍵山さんとは偶然ここで出会っただけだよ。で、俺はまぁちょっとフラn…服を見に来たんだ。」
「…少し訳ありそうな買い物そうね。でも、服ならちょうどいいわね。アリシアのお礼もしたかったし服を見立ててあげるわ。どうせ、その格好を見る限りいつもジーパンをはいてるんじゃないの?」
「うっ…」
「ビンゴね、それじゃあいきましょうか。」
「…いいけどそこでうずまってる鍵山さんが復活したらな。」
「…そうね。」
「うーん…この黒色の服なんか俺の好みだな。」
「あら、それもいいけれどこれからは暑くなってくるからこっちの城に青と黒のラインの入った服にこのベージュ色の綿パンを合わせたら涼しげでいいんじゃない?」
「なるほど、確かにいい。俺一人だとどうしても趣味に走って黒にしてしまうがたまにはこういうのも悪くないな。」
「じゃあ一先ずそれは篭に入れといて次は…こんなのはどうかしら?」
「ほう、また白色の服か…って背中になんか悪って書いてんだが俺に二重の極みでも撃てってか?」
「冗談よ冗談、そうねならこれはどうかしら?」
「…」
アリスさんが何故かものすごく笑顔…いや笑いそうになってるのを我慢してる顔をしていたので無言で服をひっくり返すと【I LOBE MATUKO!】と書いてあった、意味わからねえ…それにスペル違え。
それを俺はスッと元の所へと戻してバキリと指を鳴らしてアリスさんへと振り向く。
「アリスさん…まともにやれ。」
「わ、わかったわ。わかったからその異様に固めた拳を降ろして頂戴。」
「…わかった、ひとまず拳をおろすがその右手に持ってるものは何だ。」
「え?服店で服以外の物を持つことってある?」
「そうじゃねえよ、その服の柄は何なんだよ。虎ガラってアンタ…」
俺は大阪のオバさんかよ、いやおばさん以外も着るかもしれないけど。
「とりあえずもうネタに走らないでくれ。」
「それじゃあ信貴峰さんこれなんてどうですか?」
そう言って鍵山さんは…まてや。
「何故犬耳を持ってくる…!」
「え、似合うと思ったのですけど。」
鍵山さん、たのむからそこで何故?みたいな顔をして小首を傾げないでくれ…割と天然ということは分かったけど。
「そしてアリスさんはその手に持ってるウサミミを戻して来い。」
「あら、見せる前に止められちゃった。」
「毎度ありがとうこざいましたー。」
「なんか結構買っちゃったな。」
「ふふっ、私のお勧めした服を全部買っちゃったらそんな金額にもなるわよ。少しくらい戻したらよかったのに。」
「アリスさんのセンスがあまりにもよくってさ、なんか戻すのが嫌になっちまったんだよ。」
「あら、それはどうも。それじゃもう少し服を選んだ方がよかったかしら?」
「それは持つのが大変になるからやめてくれ。」
「そうなったら私がもつよ!」
俺の足元でアリシアちゃんが軽く飛び跳ねて自己主張をしながらそう伝えてくる。
それに対して俺はアリシアちゃんの頭を撫でながら言葉を返す。
「その気持ちは嬉しいけどお兄さんみたいな人がアリシアちゃんに荷物を持たせてると周りの人たちに怒られちゃうからやめとくよ。」
「むー、私は大丈夫なのに!」
「それはわかってるよ、でもお兄さんは周りの人たちに嫌われたくないからごめんね。」
「…わかった。」
「ん、わかってくれてありがとう…っと妹紅からか。」
時間の確認の為スマホを取りだすとタイミングよく妹紅から電話がかかってきた。
『空華か?今魔理沙からフランの服選びが終わったって連絡が来たから最初に皆と出会った場所に来てくれ』
「ん、わかった。それじゃあ今から向かう…それと妹紅」
『ん?何?』
「声色の調子が変だが大丈夫か?」
『…何にもないから大丈夫だよ、変なこと言ってないで早く集まろう。』
「…そうだな、本人が大丈夫っていうなら問題ないよな。それじゃそっちにいく。」
そういって電話を切るとふぅ、と一つ溜め息を吐いてポケットにスマホを入れなおす。
やっぱり教えてはくれないよな…
「どうかしましたか、信貴峰さん?」
「…いや、何にもないよ。少し気になることができただけだからさ。あ、そだこれから魔理沙と妹紅、それに小傘さんと合流するけど一緒に来るか?」
「ん~、私は行こうかしらどうせこの後やることもないし。」
「それでは私もご一緒させていただきます。」
「アリシアも行く~。」
「はいはい全員参加だな、それじゃあ行こうか。」
今回もお読みいただきありがとうございました!
最初は雛回の予定だったのにいつのまにかアリス回に…何故でしょう。
それではまた次回!