東方学園譚~回り咲く恋華詩~   作:くるくる雛

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どうも皆さんくるくる雛です。
そろそろネタのストックがきつくなってまいりましたが多分大丈夫です。
それでは今回もどうぞ!


第六七話 家出終了・・・なるか?

「信貴峰さーんそろそろ用意を…て、あら星と一緒にいたのね。」

「お?一輪さんやっと次の手伝いかい?」

「えぇ、そろそろ人が集まってくる時間だから団子を焼き始めてほしいのよ。」

「了解、それじゃあそろそろ働きますかね。」

 

そう言って縁側から立ち上がりつつ背伸びを一度して一輪さんから前掛けと帽子を受け取りそれらを身に着け始める。

 

「それじゃあお邪魔しました寅丸さん。」

「いえいえ、こちらこそあなたと話すのも楽しかったですよ。それとこの子は任せといてくださいね。」

 

そう言ってまた寅丸さんはフランの頭をなでて俺に向かい手を振る。

 

「ではお願いします。それじゃあ一輪さん行きましょうか。」

「えぇ、それじゃあついてきて。」

 

そう言って寺の本堂から出て靴を履いて境内を見回すと前にショッピングモールに行った時を思いだすぐらいに人であふれかえっていた。

だが今回は供養という目的の為かそれとも誰かがしっかりと先導しているからかはわからないが誰も順番をぬかしたり押しあったりはせず、しっかりと節度を守って並んでいた。

そしてそこにいる子ども達を除いたほとんどの人がふざけたりせず真剣な面持ちでいた。

「皆、事件から10年立ってるってのに忘れられないってことなのかな…っと、今はそれより仕事仕事。」

 

そう言うと並んでいる人々と団子を食べながらのんびりするために用意されたであろう大量の椅子を後目によく体育祭などで設置されているテントに入り、団子焼き機を使用するためにガス栓を開き準備を開始する。

…よし、機材は大丈夫みたいだな。

 

「そいじゃあ、早速団子を焼いていくか…って、一人じゃ数作るの厳しいよな。」

「あたりまえよ、それに聖が一人でやらせるわけないでしょ。」

「ぬえさん…幻想郷に来てからやたらと後ろから話しかけられるんだけどそれが幻想郷の挨拶なのか?」

「いやそういうわけじゃないんだけどなんとなくね。」

 

ふぅん、と答えつつ背後に現れたぬえさんに体を向けるとみたらしのタレと醤油を手渡され、それを受け取るとすかさずぬえさんは俺の近くの机に設置しておいた予備の団子を次々と串に挿し始めた。

 

「とにかく私が横で手伝うんだからへましないでよね。」

「言われなくても大丈夫さ、こうみえて料理は得意なんでな。まぁ、焼くだけだから得意も何もないと思うが。」

 

そういいつつ団子焼き機の上に串に刺した団子を並べて焼き始める。

まだ参拝客はこちらにきてはいないがこういうのは一人めの客がきたら次々と人がくることになるから早めにやいといて損はない。

というかそうしとかないと後々団子が足りなくなる。

そんなことを考えて次に焼く団子を取ろうと姿勢を低くした瞬間すっ、と影が俺にかぶさり一人目の客が来たと分かった。

 

「あ、いらっしゃい。何に…っておや、天子さん。」

「あれ?あんた確か信貴…えーと、こんなとこでなにしてるの?」

 

おい、今俺の名前思いだそうとして諦めただろ…まぁ、いいけどさ。

 

「ぬえさんに頼まれて寺の手伝い中、善行扱いになれば御の字だからな。」

「そういうこと言わなければ善行に入るんじゃない?」

「嘘がつけないたちでね、仏の前で嘘をつくのもどうかと思うしな…それはそうとみたらしでいいか?」

「えぇ、わたしあんこはあまり得意じゃないのよ。」

「なんか以外だな天子さんはスイーツ全般いけるものかと思ってたんだが。」

 

そんなことを言いながら焼いただんごをみたらしのタレへとつけてよく縁日フランクフルトの店なんかで出される紙製の皿へと乗せ、それを天子さんへと手渡す。

 

「んー…たしかにスイーツはすきなのだけれどあんこだけは苦手なのよねー…あ、これおいしいわ♪あなたってこういうの作るの得意なのね。」

「そりゃどうも、まぁたれをつくったのは一輪さんだけどな。」

「あら、そうなの?それじゃあ今度つくってくれないかしら?その信・・・がわたしに。」

「ふむ、気が向いたらそうしようかね。それと・・・信貴峰空華だ、人の名前くらいちゃんと覚えようぜ。」

 

そういってニヤリと天子さんにすこし意地の悪い表情を向けると自分では名前を覚えていないことを隠せてると思っていたのだろう。

うっ、という声とともに図星をつかれたような表情をしていた。

その表情をみて俺がすこしクスクスと笑うと天子さんはすこし拗ねたような口調で俺へと言葉をかえす。

 

「…なにもそこまで笑わなくてもいいじゃない。」

「はいはい、すまねえな。可愛い女子に嫌がらせしたがるのは男の習性らしいからゆるしてくれ。」

 

その理屈は少年とかのはずだけどって?

男はみんないつまでもこどもだからいいんだよ!

 

「…いいわ許してあげる。貴方は私の友達だもの。」

「そりゃどうも、おわびと言っちゃなんだが今度お菓子つくってやるよ。今の俺の全力でな。」

「そう、なら期待しておくからちゃんと私の舌にあうようにしなさいよ。」

「努力はしてみるよ。」

 

その答えに満足したのか天子さんはニコリと笑うと団子を持って去っていった。

 

 

 

 

 

その後予想通り天子さんがきてから一気に人の群れが押し寄せ、俺は団子を焼く作業に必死になっていた。

途中で学園で知り合った人がいたが話す余裕がないくらいに。

 

「ぬえさんお汁粉あと10追加!」

「えぇ!?ちょ、さっきのもまだ用意できてないんだけど!?時間たんない!」

「あら、何やら忙しなさそうね。」

 

団子を焼きながらぬえさんに指示を飛ばしていると声をかけられ顔をそちらにむけるとそこにはいつぞや人を(しもべ)扱いにしようとしたレミリアがたっていた。

 

「レミリアさんか、すまないが今は話してる余裕もないから話なら後にしてくれ。」

「あら、今しないと意味のない話なのだけれど…咲夜。」

「はい、了解しました。」

 

そう言って咲夜さんは指を一度パチンとならすとテントの中に入っており、俺の側に置いてあった次に焼いていく団子が補充されていた。

俺は咲夜さんが補充したのだと察するとその指示をしたレミリアに向かいもう一度顔を向けた。

 

「咲夜にあなたを手伝わせるわ、流石にここを二人ではきついでしょう?」

「レミリアさん…すまねえな。」

「礼なんていらないわ、アナタにはフランを泊めてもらっているしね。それと、その…今いるのかしら?」

 

主語をぬいて言葉を発するがそれでも俺はレミリアの大体の言いたいことを察しそれに対応する答えを返す。

 

「離れの縁側で星さんの膝枕で寝てるよ。」

「そ、そう…それじゃあ私はちょっといってくるわね。」

 

そう言ってレミリアはそそくさと離れの方へ早歩きで向かって行った。

ん?レミリアにフランの居場所を教えない約束はどうしたって?あれは家に迎えに来させない約束であってここは俺の家じゃないからノーカンだ。

それに家出理由がレミリアさんに構ってもらえないからという理由だったしうまくいけばこれで家出も終わるだろ。

 

「あ、咲夜さんみたらしのタレが切れたんだけど「もう用意できていますわ。」…流石。」

 




今回もお読みいただきありがとうございました。
天子さんは何故かついついいじりたくなります。
あ、この後とくに咲夜さんと話がもりあがるとかではないです。
それではまた次回!
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