東方学園譚~回り咲く恋華詩~   作:くるくる雛

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どうもみなさんくるくる雛です。
最近添い寝小説を書き始めたりして勝手に追い込まれてますが私は元気です。
それでは今回もどうぞ!


第七六話 目を覚ましたらそこには…

…薬品の臭いがする、それと何かとても暖かいような落ち着くいい香りも。

そんな思考と共に瞳を開けるとそこには白い天井が視界一杯に広がっていた。

ふむ、ここは病院だろうか。

そんな目星をつけつつもこんなときに言うことはたった一つ…

 

「しらない天井だ。」

 

そんな下らないことを呟くとなにやら体の上に何かが乗っかっているようなそんな感覚を覚えた。

これは一体なんなんだろうか、そんな思考と共に自自身の上に乗っかっている物を触ると少し弾力性の伴った柔らかさが手に触れると同時にひゃん!というとても女性的な声が俺の胸の辺りから響いた。

俺はその声に反応して視線を下に向けるとそこには顔と肌が露になっている肩を布団から出している妹紅の姿があった。

え…?てか、ひよっとしてさっき触った柔らかい物って…

俺は何故こんなことになっているのか理解出来ず思考を停止してしまう。

するとそんな俺に顔を赤がさした妹紅が話しかけてきた。

 

「し、信貴峰目が覚めたのか…」

「お、おう。して俺としてはこの状況の説明がほしいのだが…」

 

少し目が覚めてきて解ったがどうやら俺の上半身も裸にされているようだ。

 

「えーと、その…だな、あの時…お前が倒れた時のことなんだけど、お前はすぐに病院に運ばれたんだ。」

「まあ、あんな胴を切り裂かれたらそりゃそうなるわな。」

「そう、その後直ぐ様手当をしたんだけど…お前の体が冷たくなってたんだよ。それで誰もいないところを見計らって私が暖めてあげてたんだ。ほら、私って炎を使うからかしらないけど体温が高いから…さ。」

 

つまり体で暖めてくれた…と

…えらく旧世代的なやり方だな、おい。

なんにせよ助かったのは確かだし礼は言わないといけないだろう。

 

「ありがとな、妹紅。助かった。」

「…礼を言うのはこっちだよ。空華のおかげで私はまた手を汚さずにすんだんだ。」

「いや、それこそ俺はなにもしてない。俺は勝手に突っ込んでいっただけ、レミリアと天子さんが来なかったら死んでたよ。」

 

俺は自分の実力不足を痛感しながら声を出すと妹紅がそれは違うと俺に諭すような静かな、優しい声で話した。

 

「空華が私の場所を特定してくれなかったらさとりも私の場所は分からなかったしレミリア達もくることはなかったんだ。例えお前がそう思ってなくても私はお前に感謝しているんだよ。だから…ありがとう。」

 

俺はその妹紅の言葉に不覚にも泣いてしまいそうになるもののグッとこらえてただ、ありがとう。と返した。

 

「…そろそろいいかしら?傷の経過をみたいのだけれど?」

 

そんな話をしているとここの医者らしき人が姿を見せた。

光を反射するかのような煌びやかな銀髪を後でまとめ、中央で色が赤と青で別れている服を着たなんとも特徴的な女性だ。

医者、と判断したのは彼女が傷の経過を見ると言ったのと帽子に十字があるからだが…それがなかったら医者とは思えないな。

と、冷静に考えていると隣で妹紅がキャッ!?という女性らしい声を出しながら自身の体に布団を巻き付けて体を隠していた。

ああ…そういえばこの状況やばいのではないだろうか。

上半身裸の俺と全裸でベッドに横になっていた妹紅…旗から見たらもうあれな状況にしかみえないな。

と何処か達観したように諦めていると医者と思われる女性は特に追及することもなく風邪を引くからそろそろ服を着なさいと言ってこちらに服を投げてよこした。

その服は前に来ていた俺の服で、汚れていないところを見るとどうやら洗濯しておいてくれたらしい。

 

「あ、ありがとうございます。」

「別に感謝はいらないわ。汚れた服を着せては傷跡かは雑菌が侵入してしまう、医者として当然のことをしてるだけだわ。それよりも何処か痛んだり、違和感等はないかしら?」

 

言われて俺は体を動かしてみるが特に違和感はない。

当然刺された右の手のひらと胸の傷は痛みはするが。

「特に違和感はないです、傷はちょっと痛みますけど。」

「まあ、それは仕方ないわね。本来死ぬような傷だったわけだし。」

「…へ?」

 

何でもないかのようにいい放ったその言葉に俺は呆けた声をだしてしまう。

 

「あら、あなたさっきその子が言ってたこと聞いてなかったの?胸からの出血多量による体温の低下をしていたのよ?正直にいって吸血鬼の血液とその子が暖めてなかったら私でも無理だったわよ。」

 

…まじか。

 

「まったく、人体急所である肝臓を切られるなんてね。」

「え、肝臓って…俺よく生きてますね。」

「まったくよ、まあそれを運がいいか悪いととるかはおまかせするけれど。」

 

…てか、肝臓切られてる俺を治療できるってこの人何者なんだ?

 

「あの、失礼ですが先生は何者なのですか?」

「あら、貴方は学校で…て、直接面識はなかったわね。私は八意永琳。この病院の医者であり学園で理化学も教えているわ。本当は学校の方が設備がいいのだけど貴方の場合は一刻を争う自体だったからこちらで手当てしたわ。」

 

…この先生学園にいた人だったのか。

てか、学園の手術室ってまさか保健室的な意味で設置してたのか?

…いや、そこまでいったら最早保健ではないきもするが。

等とあの学園の異常性を考えていると永琳先生がそうそう、と思い出したかのように話を切り出した。

 

「あなた、同じクラスの雛にお礼を言っておいた方がいいわよ。」

 

へ?何故いきなり鍵山さんが話題にでてくるんだ?

俺が頭の中にこれでもかと疑問符を展開しているとその様子を見かねたように永琳先生が口を開いた。

 

「貴方がここに運ばれてきたときに雛が貴方の厄…まあ不幸の塊の様なものなのだけどそれを取ってくれたのよ。正直助けられるかは五分の所だったから彼女の行動がなければ失敗する可能性は十二分にあったわね。」

「まじですか…それは確かにお礼をしておいた方がいいですね。所でいま彼女は何処に?」

「貴方の厄を取り除いた後に疲れたのかこの病院で仮眠をとっていたのだけれどさっき屋上に向かったわ。恐らく貴方に厄を戻してしまわない為かしらね。ああ、お礼をしに行くのは後にしてね今から傷の様子をみて薬を塗るからら。」

 

そういうと永琳先生は俺の胸の辺りに巻いている包帯を外して傷の様子を確認していく。

…そういえば手術するくらいの重症だったのならどのくらい入院するのだろうか。

俺は学園での勉強に付いていけなくなるのを恐れて質問をすると

 

「ああ、貴方なら目を覚ましたし今日中の退院よ?」

 

というなんとも驚愕の返答が帰ってきた。

そしてそんな感情が顔にも出ていたのか永琳先生は少し顔を綻ばせて続きを話す。

 

「確かに本来なら何日か入院してもらうのだけれど貴方の場合はあの学園に通っているからね、途中経過も見れるし何かあっても学園の方が設備がいいからここよりも高度な治療ができるし都合がいいのよ。はい、もう動いていいわよ。」

「成る程…あ、でも今のこの手じゃ料理とかできないし日常生活がおぼつかない様な気がするのですけど…」

 

「ふむ、それもそうね。ならちょっと手を考えておくから少し待ってて頂戴。あ、せっかくだし今のうちに雛の所に行っておいてもいいわよ。」

俺はその永琳先生の言葉に甘え鍵山さんを探して屋上へと向かうのだった。




今回もお読みいただきありがとうございました。
最近暑くなってきたので体調に気を付けてください。
それではまた次回!
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