東方学園譚~回り咲く恋華詩~   作:くるくる雛

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どうも皆さんくるくる雛です。
むぅ、最近モチベーションがあがらない…なぜでしょう?
まぁ、失踪はしないのでそのへんは…って今まで何回も同じようなきがするのでこれがデフォルトなんでしょうかね?
それでは今回もどうぞ!


第七七話 厄神様の心配

ギィィィ…

そんな錆びた音をたてて屋上に出るための扉を開いた。

誰も手入れしていないのだろうかと考えながら屋上に出て、また錆びた音と今度は追加でバタン!という大きな音を立てながら扉を閉めると俺はすぐさま鍵山さんを探して首を曲げる。

すると直ぐ様屋上の端の手すりの所で景色を見ている鍵山さんの姿が写った。

…さっきのあのでかい扉の音が聞こえなかったなんてことは無いと思うがこちらを見もしないな。

頭の隅にそんな疑問を抱えながらも俺はのんびりと鍵山さんに近づき、声をかける。

 

「やあ、鍵山さん。」

「あ、信貴峰さん…目が覚めたんですね。」

「ああ、お陰様でね。永琳先生からきいたよ、鍵山さんが俺の厄を払っていてくれたって。」

「…っ!」

 

どことなく暗い雰囲気の鍵山さんに俺はひとまず感謝の言葉を述べる、しかし何故か鍵山さんはその言葉自体が痛みを持っているかのごとく顔を歪ませて鋭利な刃物でも刺されたような顔を見せた。

いったいどうしたというのだろうか。

その異常さに流石に心配になって俺は問いただす。

 

「…どうかしたのか?」

「…」

 

しかし鍵山さんは俺の問いには答えず、何か悩む用に顔をうつぶせて少し経つと今度は意を決したかの様に顔をバッと上げて初めてこちらに顔を向けた。

 

「信貴峰さん、ひとつ言っておかないといけないことがあります。」

「…何だ?」

 

俺はいつもと違うその凜とした佇まいの鍵山さんに少し気圧されそうになりつつも彼女に言葉の先を促せる。

何故かこの先の言葉をひとつたりとも聞き逃してはいけないという思いが働きながら。

 

「内容は私の能力の話です。」

「? 興味はあるがなぜ今そんな話を?」

「…それは後で説明します。まず、私の能力ですが私の能力は『厄を溜め込む程度の能力』、これは他者の厄を集め、私の周りに留めておく能力です。」

「ふむ、つまり他の人を幸せにする能力か。」

「ええ、ですが私は不幸の源を溜め込むだけ。浄化はできず厄は私の周りに溜まり続けます。つまり…私の側にいるとその人は不幸になるのです。」

「…話が読めてきたから結論を言わせてもらうが今回俺がこの怪我をしたのは鍵山さんのせいと?」

「話が早くて助かります。そう、学園にいる間は能力を止めてもらっているため大丈夫ですが貴方は学園外で私と触れ合いすぎた。その結果私の周りに漂う厄に触れて今回死にかけるまでの怪我を負うほどの不幸になってしまった。次はもう助からないかもしれない、妖怪ならまだしも人間である貴方はこれ以上私に近づかない方がいいわ。」

 

そういうとまた雛さんは俺から目を逸らし、屋上からの景色を何処か哀しそうに見始める。

この姿を見るとこんな事になったのは今回だけではないのだろう、多分何人か俺と同じような…場合によっては死んだ人もいるのかもしれない。

けど…俺はその姿を見て可哀想等という気持ちは微塵も浮かばなかった。

代わりに浮かんだのは寂しいという感情。

彼女の生き方はあまり人と関わってはいけないということで完結しているのだろう、けれど何処か欠けているようなそんな寂しさ。

そんな様子を見ていたたまれなくなった俺は少しずつ動き始めて鍵山さんへと近づいていく。

 

「…あまり近寄らないでください。昔、私の忠告を聞かずに亡くなった方がいます。」

 

しらん、俺は無視してさらに鍵山さんへと近づく。

 

「こないで!私に優しくしないでください!」

 

悲痛な声をあげて鍵山さんは俺の足を止めようとするが俺はそれさえも無視して足を進め、背後から鍵山さんにてを伸ばした。

 

「やめっ…にぅ?」

 

俺が脇腹へとてを伸ばすと鍵山さんは現状の把握ができていないといったような妙な声を出した。

そんな鍵山さんに俺は容赦なく…

 

「うおっらあああああ!!」

「えっ、ちょ…あは、あはははははは!!?」

 

脇腹をくすぐった。

 

「ちょ、なにして、あははは!」

「うるさい、さっきから自分勝手なことばかり言いやがって。何故そんな言葉を俺がきかねばならん。」

「だ、だってそうしないと貴方に不幸が…あははっ!そ、そろそろやめ…あはははは!!」

 

流石に辛くなってきたのか鍵山さんは俺の手を自身の手で押さえにかかり、それをみた俺はもうやめておくか、と鍵山さんをくすぐるのをやめた。

 

「は…はひぃ……」

 

鍵山さんは俺のくすぐりから解放されると手すりにもたれかかり、荒れた呼吸を整えていた。

俺はしばらく鍵山さんが話すことは困難だろうと判断し、一方的に話しておくことにした。

 

「あんまり人を自分の思い通りにできると思わない方がいいぜ。それに厄だのなんだのの話だが今回の怪我は俺が妹紅を救おうと冷静さを欠いた結果だし、厄に対しての対策も思い付いた。」

 

俺がそういうと鍵山さんはこちらにバッと振り返り、驚愕の表情をみせた。

 

「や、厄の対策?そんなのどうやって…?」

「簡単だ、俺の能力を使う。厄流しという言葉があるから俺の能力で、厄を概念的に捉えれば流す…つまり払う事ができるはずだ。」

 

今までやっていた力を一ヶ所に流すっていうのも概念的なものだから多分できないということはないはずだ。

しかし、俺には厄がどんなものかというのがわからない。

 

「でも、俺には厄というのがどんなものかはわからない。だから一度鍵山さんに俺の厄を戻してもらいたいんだが…頼めるか?」

 

俺が問いかけると鍵山さんはうつむいて熟考し始める。

おそらく、俺に厄を戻して身体に影響がでないかを考えてくれているのだろう。

確かに死にかけた身だからその気持ちは解らなくはないが、成功した際のメリットは大きい。

だとしたらやってみる価値はあるはずだ。

 

「鍵山さん、俺の心配はいらない。一思いにやってくれ。」

「……わかりました。ですが、私が危ないと思ったら瞬時に止めてこの話はなかったことにします。それでいいですね?」

「ああ、構わない。」

 

俺のその決意を受け取った鍵山さんは俺の手のひらに自分手を重ね、何かを念じ始めた。

すると俺の手から黒い、心を不安で掻き乱す何かが伝わって来るのがわかった。

…なるほど厄ってこういうものなのか。

その感覚を忘れないように頭に刻み込むかのように反芻をしていると俺から吸った厄を出し終わったのか鍵山さんは俺から手を離した。

 

「…どうですか?」

「なんというか…確かに不幸がおこりそうな何かではあるな。けど…うん、感覚はつかめた。」

「なら、今度はそれを貴方が言っていた通りに流してみてください。」

 

俺はその言葉に無言でうなずくと鍵山さんに手のひらを向けて念じ始める。

さっき感じた感覚…それを体から手のひらをに向かわせて流すイメージ…

すると鍵山さんほどスムーズには行かないが少しずつ俺の体から厄が流れだし、俺の体内から厄を取り払う事に成功した。

しかし、霊力が回復しきってなかったのかそれだけでいつもより強い倦怠感が襲ってくるが…構わず無視だ。

 

「ふぅ…なんとかできたぜ。」

「…まさか、こんなすぐにできるなんて…」

「厄がどんなものかさえ解ればあとは能力を使うだけだからな、そんな驚くものでもないだろ。ま、なんにせよこれで鍵山さんが俺から離れないといけない理由はなくなったな。」

 

俺がそういって右手を伸ばすと俺の意図を察してくれた鍵山さんは俺の手を握り返し、二人でこれからよろしくと意味合いを込めて少し手を上下に振ると手を放して二人で笑いあった。

そうしてしばらくして俺は永琳先生が俺の手が使えない間の案を考えているのを思い出し、鍵山さんと病室へ戻るのだった。

 

 




今回もお読みいただきありがとうございました。
では、特に話すこともないので近況報告を…
最近また別の小説をはじめましたのでそちらをもどうぞ(大胆なステマ)

それではまた次回!
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