イセリア人間牧場奮闘記 before&after 作:あるいてごろりと
絶海人間牧場の主であるロディルは、エクスフィアのはめ込まれた本の中で約4000年前のシルヴァラント王と話をしていた。
シルヴァラント王は、4人の英雄を信じ切れなかったことを悔やむ。
ロディルは、王に問いかける。
「王よ、今後あなたはどうしますか?
ここにいては、いずれ魔の者に食べられてしまうのではないですかな」
「それも良い。
私にはもはや守るべき民も国もないのだからな。
食われるだけでは罪滅ぼしにもならないだろうが、受け入れよう。
…お前は妙な男だが、久方振りにまともな話ができて良かったぞ」
自暴自棄になっているのだろうかと、ロディルは思った。
失った時とものが多すぎたのだろう。
(外に出すことで魂がどうなるのか、観察してみたかったのですがね)
ロディルは、説得することを諦めて王の頭部にはめた『日の目を見なかったヘルメット』を外した。
そういえば、と王は呟く。
「私の意識が無くなるとき、宰相の姿をしていた者が言っていたことを思い出した」
興味が湧いたロディルは、内容を尋ねた。
「『願いの叶う場所』に連れて行くと言っていた」
「ふむ。
流れ的にこの空間がそうなりますかな?」
「恐らくな。
だが、私にはとても願いが叶ったようには思えんよ」
言い終えると、王はそれ以上話す様子を見せなかった。
察したロディルは踵を返し、二度と振り返ることもなく城内のような一室を後にした。
○○
本の外に出るともう一度、内線で時間の確認をした。
今度は、先程と違った結果が出る。
時間が経っていなかったのだ。
(どういうことですかな。
何か変化をもたらしたことがありましたかね)
ロディルが思考して辿り着いた結論は、3つだった。
ロディルの自室には魔の者がおらず、外から変化を与えたという仮説は可能性の低さからみて省く。
1つ目は本に意思があり、気まぐれに空間内の時間の流れを変えられること。
2つ目は本にはキャパがあり、ロディルが空間に入ったことによりバグが起きてしまった。
3つ目は、囚われた王自身の変化だ。
ロディルは可能性が高そうな3つ目の条件を前提に思考する。
(私が2度城内のような空間に入って確認できた王の変化は、2つ。
意識がはっきりしていたかしていなかったか。
意識がはっきりしていなかった状態だと、外の時間との流れに差はなかった。
しかし、私と会話をしていた時には時間が停止していた。
では、なぜ意識の違いが時間の流れに変化を生み出したのですかな)
ここで、ロディルは別れ際に王が話した言葉を思い返す。
(魔の者曰く、本の内部は『願いの叶う場所』。
つまりは…)
その先の結論に行き着くが、王に対して呆れてしまう。
(余程、4000年ぶりの会話が充実していたと見えますな。
意識が朦朧もしくは意思が無ければ、現実世界と変わらない速さで時が流れるということ。
しかし、『願いの叶う場所』ねぇ…)
つまりは、本に囚われた者の意思が空間内の時間の流れに影響を与えていた。
本の内部空間でゆっくりと過ごしたいと思えば、外の世界よりも時の流れが遅くなるのだ。
しかし、囚われた魂に意識があるのならば、まともにいられるはずが無い。
王のようにやがて思考が朦朧となるか、孤独と恐怖に耐え切れずいっそ殺して欲しいと願わずにはいられないのが普通だろう。
早く殺して欲しいと願うことで、本の内部の時間があっという間に過ぎ去り魔の者が食事にありつく時へと瞬時に辿り着く。
(故に、『願いの叶う場所』ですか。
随分と皮肉が効いていますな。
あの城内のような空間も王の記憶が影響しているのでしょう。
私が侵入しても変化が無かったのは、先に入った者が優先されるということですかな)
ロディルはここで自身がまだ内線を切っていなかったことに気が付く。
先程から何度か呼びかけられていたようだった。
内線先の事務兵からは「時計、壊れたんですか?」と心配する声が聞こえたので適当に濁しておいた。
内線を切ったロディルは、得られた情報を紙に書いてまとめる。
(魔の者は魂を捕食し、相手の身体を乗っ取ることができる存在。
その所業は少なくとも約4000年前から始まっている。
絶望に染められた魂が好みで、熟成するためにエクスフィアを埋め込んだ本に保存する手法を持つ。
…そういえば、この本を持ってきた若者兵は…)
何となく嫌な予感がしたロディルは、内線を再び入れる。
事務兵の「やっぱり時計買い換えた方がいいのでは…」という声を無視して、ソダ島周辺の清掃に参加していた兵隊長へ繋げてほしいと伝える。
「兵隊長なら良い時計持ってそうですもんね」と聞こえたのちに、一旦声が途切れる。
しばらくして、兵隊長が応答した。
「お待たせしました、ロディル様。
数字が反転している逆転時計とかどうでしょう?
普段、実験をして振り返る時間さえも惜しい、お忙しいロディル様でも鏡をちょいと見れば、あら不思議。
鏡に映せば、文字が反転して普通の時計のように時間が確認出来るんです。
科学者にこそ、オススメです。
ちょうど2台持っていますので、すぐにでもご用意できますよ」
ロディルは無視してエクスフィアがはめ込まれた本を持ってきた若者兵について尋ねる。
若者兵が持ってきた本は、濡れていなかった。
すぐに乾いたあるいは濡れずらい状態なのだろうか、と最初に見た時ロディルは思った。
エクスフィアについては、完全に解明出来ている代物とは言い難く、本に装着することで何らかの能力が付与されている可能性がある。
実際、テセアラにあるというエクスフィアがはめ込まれた本は、1000年以上前に作られたにも関わらず存在している。
普通ならボロボロではすまないだろう。
本の保管状態についてロディルは見たこともないので分からないが、紙に保護的な力が働いているかもしれない。
ロディルは、内線で話を聞きながら本を改めて見ると、傷が全くついていないことに気づく。
人がエクスフィアを装備して能力を向上させても怪我を負うのと同様、本も完全な耐久性など付与されてはいないはずだ。
つまりは、ソダ島へ流れつくまでの間、岩礁や漂流物あるいは嵐の際に海の底から舞い上がった砂や小石によって傷がつかないはずがないのである。
人だって裸で海に飛び込み陸地に戻ろうとした場合、ほんのわずかな波にゆれる時間で岸辺の岩場に生えた貝などで身体が傷つくだろう。
先ほどの王の話を鑑みるに、結びつくのは魔の者の存在であった。
考えすぎであることをロディルは願う。
兵隊長から返事が返ってきた。
「ああ、彼なら先ほどソダ島に忘れ物をしたとかで飛竜に乗って行きましたよ。
全く、困ったものですね」
ロディルは、眉間に皺を寄せて拳を握りしめる。
予想通りだった。
それも悪い意味でだ。
(してやられたわい!
牧場の中でも唯一、場所が特定しづらい絶海人間牧場の位置を探りにきたのか!)
人間牧場は、奴隷に寄生させたエクスフィアの覚醒を促す場所でもある。
エクスフィアの覚醒、すなわち恐怖を与えること。
負の感情に満たされた奴隷は、魔の者にとって絶品なのであろう。
魔の者にとって、人間牧場とは豪勢な料理の入った重箱に思えるのかもしれない。
場所を特定したがるのも得心がいく。
ロディルは、数回深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
頭に血がのぼった状態では、思い切りはよくてもその思考が正しいとは限らないからだ。
ハーフエルフの怒りの感情は、7秒耐えればピークが過ぎ去り静まっていく。
時間が経ち、デメリットをロディルは考え始める。
まずは、最悪な未来からを予想する。
一番悪い想像が現実的かを考えて、それが不可能であると判断できれば、気持ちを焦らすような重圧を低くすることができる。
それに、可能か不可能かを思考すること自体が心を落ち着かせる。
(若者兵がすでに身体を乗っ取られた状態であるならば、どのような危機的状況が考えられますかな…?
一番の危機を予想しなければならないのは、もちろん私自身の心身ですが…。
しかし、若者兵が退散した以上すぐに事を起こすこともないでしょうな。
私の部屋だって、私自身が面倒に思うほどの仕掛けが施されておりますし、仮に乗っ取った若者兵の記憶を読み取った所でここまでは来られますまい。
ひと先ずは、安心と言ったところでしょうか)
次にロディルは、絶海人間牧場の兵達の危機についてを考える。
魔の者がこそこそと動く以上、力圧しで人間牧場を制圧できるような人数や戦力ではないのかもしれない。
それに、魔の者が好むのは王の話を聞く限りでは、絶望に染められた魂である。
言わば、ストレスの溜まった奴隷達に他ならないだろう。
ディザイアンの兵達ではないはずだ。
目の前にバターをたっぷりと塗ったブレッドがあるのに、隣の何も味付けされていないブレッドに手を出すとは考えにくい。
絶海人間牧場では、奴隷と兵の人数を毎朝の点呼によってしっかり把握しているので、異変を感じ取ればすぐに対処できる。
(若者兵は気の毒ですが、これ以上の兵の犠牲はあったとしても侵入時に乗っ取るであろう1人。
依代を鞍替えした場合、恐らく前の肉体はそのままにしておくでしょうな。
もし、隠すためにどこかへ運ぶなんて怪しい真似をしたら巡回中の兵か監視カメラで確認できるはずですから。
それに、清掃も終わった今、遠征がないため下手に侵入などできないでしょうな。
そうなると、兵達の危険もかなり低いと見ていいでしょう。
もし考えなしに若者兵の姿で来るならば、捕獲などせずにずっと入り口を締め切っていれば問題は起きないはず。
水面下で動かれるのは、面白くないですがそこまで気にすることでもありますまい)
思考し終えて、納得したロディルは目を閉じて深く息を吐きだす。
頭の中が少しクリアになった気がした。
まぶたを上げる。
視線の先には、もう一冊のエクスフィアをはめ込んだ本があった。
(行ってみますかね)
ゴクリと唾を呑み込む。
先ほどは敵意の無い相手だったが、今回も同じかは分からない。
意を決してエクスフィアに触れると、再び本の中に吸い込まれていくロディル。
「ふぉっ……ふぉーーーーーーーっっ!!!」
○○
目を開けると、ロディルは先ほどの本と同じような石造りの部屋にいた。
室内は薄暗く、壁にかかったランタンが明かりを灯している。
背後には、転送装置がある。
真向かいにあるのは、木製のドアだ。
ロディルは、ドアにまで歩み寄りノブに手を掛けた。
木の軋む音を聞きながら扉を開くと、そこは壁や床材が木造の空間となる一室だった。
簡素な作りだが、衰退世界のシルヴァラントを基準とするならばそこまで狭くはない。
部屋には、何台もの椅子と机が綺麗に並べられている。
机と椅子の向きと配置は、壁の一面に向かうようになっていた。
その一面には、緑色に塗られた板が張り付けられている。
手前には、教壇と思しき台がある。
部屋の両側には、いくつもの窓がついている。
出入り用の引き戸が壁面の左右に2枚ずつあり、ロディルが引き戸を開くと横に長い通路があった。
(これは…学校ですかな?
となると、この部屋の主は生徒か教師でしょうか)
先ほどの本の空間は、シルヴァラント王がずっと見慣れてきた光景だろう謁見の間であった。
もし囚われた魂のイメージが部屋に現れるのであれば、ロディルの想像は間違いではないはずだ。
廊下はある所まで来ると、壁に防がれて進めなくなっている。
両端ともそうだった。
再現できる空間には、範囲に制限があるのかもしれない、とロディルは思った。
戻ってきて机の合間をうろうろするが、人は見当たらない。
ロディルが黒板の近くまで来ると、何となく人の気配がした。
教壇の方に向かう。
静かな音が耳に聞こえ、その距離は近い。
ロディルは、黒板と教壇の間を覗く。
そこには一人の少女がいた。
長い金髪を後ろで一括りにしている。
目を閉じたままシーツの上で寝息を立てて眠っているようだ。
ロディルは、その眠る少女に見覚えがあった。
実際に見たわけではない。
しかし、旅が始まる前にクルシスより配布された資料で見た記憶がある。
「この娘は……2代目の神子・スピリチュアではありませんか。
やはり神子も狙われたのですな」
ロディルは、スピリアを起こそうとして声をかけてみるが反応がない。
呼吸をしてはいるのだから、生きてはいるようだ。
(合意もなく女性に無暗に触れるのは、タブーですな。
まぁ、実験相手なら私は躊躇しないのですが今はただ話が聞きたいだけ…。
仕方が無い、一度引き返しますかな)
ロディルは、来た道を引き返して転送装置から本の外へと出る。
○○
外の世界の私室に戻ると、机の上に置かれた『日の目を見なかったヘルメット』が目に入った。
ヘルメットは、脳に干渉して言ったことを聞かせるつもりで作った魔道具だ。
(王にこのヘルメットが効いたのは、魂とは脳を含む全身または脳だけが霊体化したものということでいいんですかな。
記憶や感情を司るのは脳ですからな。
つまりは、魂は胸の内ではなく頭の中にあると言ってもいいということ!
色々と面白いことが知れましたぞ)
機嫌のいいロディルは、紅茶を入れて椅子に座る。
茶葉の香りを楽しみにながら、振り返る。
(しかし、何故魔の者は二冊の本を私に渡してきたのでしょうかな?
侵入のきっかけ作り……?
しかし、王と神子の魂は絶品ではなかったのでしょうか。
私と同じような使い捨てのコマ扱いだとすると、何だか気の毒ですぞ)
要らないものを餌に絶海人間牧場に近づいたのではないか、とロディルは思う。
4000年近くの月日が過ぎた王の魂は古すぎて賞味期限が当に過ぎている、つまりは味が落ちているということだ。
オールド・ヴィンテージワインだって保管期限は大抵が10年~20年。
魚は海から揚げたその日に食べるより、数日熟成させた方が旨みが増す。
しかし、熟成の段階を超えると腐敗していく。
(神子については、分かりませんな。
クルシスの輝石が魂の味を落とした…とか?
いやはや、私に魂を味わう味覚があればよかったのですがねぇ)
紅茶を飲み、やはりこの味に敵うものはないなとロディルは思った。
少しすると、内線が掛かってくる。
事務兵からだった。
また時計の買い替えの話かと思ったが、違った。
どうやら、神子・アイトラ一行がトリエットに戻り、次にイズールドへ向けての支度をし始めたらしい。
△△
~スピリア一行がハイマに着いた頃~
クルシスの天使達の大半は、ウィルガイアに住みながらにして働いている。
その生活には、男性も女性も関係ない。
クルシスの輝石によって力を得た以上、男女の差など無いに等しいからだ。
また、一部の者を除き欲が欠如しているため、子孫繫栄などという考えにも行為にも至る者がいない。
つまりは、子を為さないため男女による家庭を築く必要もなく、クルシスの者達は独身者しかいないと言っていい。
人間から見れば寂しいものかもしれない。
だが、天使に成ることには大きなメリットもある。
クルシスの輝石の作用によって食事を取る必要がないため食品がない、すなわち残飯が多量に余るフードロス問題がクルシスにはない。
衰退世界のようにマナの枯渇によって農作物が不作になり飢餓になる心配もなし、繫栄世界のように祝い事で過剰に食料を作り余らせることもなし。
さらに、食料や調理道具を包む袋がゴミとなり、海洋中に細かく散らばる問題もない。
ゆえに、クルシスは生活面だけで考えると環境に優しい組織と言える。
食料や星そのものを大事にしたいと願う者達にとっては、ウィルガイアは正に理想郷そのものだ。
そんな理想郷であるウィルガイアの奥にぽつねんと佇む城がある。
ヴェントへイムと呼ばれるデリス・カーラーンの中心にしてミトス・ユグドラシルの居城である。
ユグドラシルは、とある一室で玉座に座っている。
謁見という形で対面するのは、五聖刃の長・プロネーマだった。
彼女は、跪いて頭を垂れる。
傍には、ユアンとクラトスが控えている。
ユグドラシルは立ち上がり、プロネーマに向けて口を開く。
「とんだ期待外れだったな」
いつものようにして気怠そうな語り口だが、プロネーマは心情を察して恐怖しびくりと肩を震わせる。
「申し訳ござりませぬ。
このような失態…どのような罰でも甘んじて受けます」
「そうか、なら…」
ユグドラシルがプロネーマに向けて手をかざす。
ユアンが合間に割って入る。
「待て!
先に今回の調査者を探すのが先だろう」
ユグドラシルは、ユアンを見据える。
翡翠の色をした目が細くなると、ユアンの頬が震え出した。
ユグドラシルは、手を下ろすと玉座へと戻り変わらず気怠そうに話す。
「クラトス。
ウィルガイアはどうだ?」
「…報告を聞く限りでは、見つかっていない」
「聞いたか、ユアン。
どうせ、外へ逃げたのだろう?
まさか、デリス・カーラーンに無能が2人もいたとはな。
どう思う、プロネーマ?」
プロネーマは顔を上げることもできぬままだった。
「…返す言葉もございませぬ」
ユグドラシルは、静かに嘆息する。
「もういい、3人とも下がれ。
今回のことで私は疲れた。
プロネーマ、次はないぞ。
伝令天使でもいい、すぐに他の五聖刃に伝えておけ。
早く再生の旅を終わらせろ、とな。
ただし、次の神子を確実にするためにも殺しはするな。
道中の危険個所を今の神子が見つければ御の字だからな」
「…承知致しました」
プロネーマは、玉座の間を後にすると伝令天使に声を掛け現在の神子の状況を確認する。
返答は「神子のいるハイマで落石が起きたようです」、とのこと。
そのまま落石に埋もれて死んでいたとしても、もうユグドラシルは関心を示すこともないだろうが生存しているらしい。
プロネーマは、伝令天使にユグドラシルの意思をクヴァルへ伝えるように指示した。
△△
スピリア一行は、ハイマからルインに向かったのちに、たまたま見かけた竜で荷を運ぶ商人に出会い、パルマコスタまで同伴させてもらうことになった。
整備されていない道をひた走る竜とその後ろのガタガタと揺れる荷車に乗る一行。
御者を務め手綱を握る商人が振り返り、荷車の上に乗るスピリア達を見る。
「すいやっせんねぇ!!
もっと道が綺麗でしたら、静かに走れったんですけどねぇ!!
腰や尻が痛かったら、すこっし速度ゆるめまっすんで言ってくださいよぉ!!」
それなりに移動速度があり、風を切るような音がするためか商人の声も大きい。
スピリアも口元に両手を添えて返事をする。
「大丈夫です!!」
「えぇっ!?何ですかっい!?」
スピリアはもう一度声を張って言う。
お腹に力を込める。
「大丈夫です!!
このままの速度でお願いします!!
あの!!
お気遣いいただきありがとうございます!!」
「わっかりやしたよぉ!!
へへっ!!
気にすることはねぇってもんでっすよぉ!!
まぁ、もしハコネシア峠に関所でもあってぇ!!
通行料金が1人あたり100000000ガルドとかって言われったんならぁ!!
断ってやしたんけっどねぇ!!」
商人は冗談っぽく笑いながら言い、スピリアや祭司達も商人の愉快なジョークに笑顔で返す。
スピリア達は、残りの封印の場所を知らない。
そのため、パルマコスタのマーテル協会に保管されているらしい封印の場所が記された『再生の書』が必要となった。
第2の封印は、パルマコスタから近い所を選ぶ予定である。
『再生の書』についての話をルインの祭司から聞いたスピリアは思う。
(『再生の書』って、何でイセリアに保管してくれないのかな。
そしたら、旅に出る前から行く先が分かって時間も短縮できるのに)
4人の祭司達に聞いてみると、「なんなら「何か都合があるんじゃろう」」と口をそろえて言った。
よく分からないらしかった。
○○
しばらくしたのちに、パルマコスタへと辿り着いた一行。
荷車から降りて、商人にお礼の言葉と気持ちばかりの料金を手渡す。
「あっしたぁ!!
またご贔屓っにぃ!!」
素で声の大きい商人は、竜を引きながら街の中へと入って行った。
街中へ入ったスピリアは、「わぁっ」と喜びの声を上げる。
足元はタイルが敷かれ整地されているし、海に目を向けると大きな船が見える。
大きい建物がいくつもあるし、人通りも多い。
見慣れない街並みに自然と心が浮き立つ。
(ここなら甘い食べ物がたくさんあるんだろうなぁ。
あ~っ、何で味覚ないの私!
そうだ!
見て楽しめないかな。
あと、食感ぐらいなら楽しめるかもだし。
それならまずは、実物を見ないとだよね!)
足早に動こうとして、ピタリと止まるスピリア。
少しの間、『再生の書』についてを忘れていた。
ちらりと祭司達を見ると、スピリアのことを呆けた表情で見ていた。
ごほん、と咳ばらいをする。
「あの、みなさん長旅お疲れ様です。
宿を取らないとですけども、お腹は空いてませんか?
もし良ければですけども…」
スピリアの言葉を聞いた四男祭司が、ぽんと手を打つ。
「なんなら、デザートとしゃれこもうかのう」
デザートという言葉を耳にして、バッと四男祭司に顔を向けるスピリア。
「そ、それならあそこのお店なんてどうでしょうか!
ご飯も食べれますし。
きっと疲れを取ってくれるようなデザートを提供してくれるはずですよ!」
「なんなら、そこにするかのう。
他の者もいいじゃろう?」
スピリアは、残りの祭司達と腕の立つ傭兵に視線を向けると頷いていた。
目を輝かせて礼を言う。
スピリアと四男祭司がどんなデザートがあるんだろうか、などとワイワイ話しながら店に向かう。
残された3人の祭司達と腕の立つ傭兵も後をついていった。
○○
店を出たスピリアの肌はつやつやだった。
旅の疲れが一気にとれるような思いをしたひと時であった。
彼女が思い出すのは、三角形に切り分けたフルーツケーキだ。
(小さなお城みたいで可愛かったなぁ。
生地がふわふわしてたし、クリームも真っ白できれいだし。
それにてっぺんに乗ったイチゴが良い味出してたなぁ。
あれは食べ物だけども芸術だね。
味覚ないけど甘いことはわかってるんだし、見た目であれだけ楽しめたんなら9割デザートを味わったも当然だよね)
腕組みしてふむふむと頷きながら歩くスピリア。
宿は難なく取ることができた。
今日中に『再生の書』を借りるために、皆宿から出る。
やがて一行は石橋を超えて、中央広場へと辿り着いた。
大きな建物が3つ見える。
総督府、マーテル協会、学校であった。
マーテル協会の隣に位置する学校を見上げるスピリア。
(学校……かぁ。
これだけ大きいと生徒も多いんだろうなぁ。
いいなぁ、友達)
次男祭司がぼうっと学校を見るスピリアに声をかけた。
「中を覗かせてもらうのはどうじゃろうか?」
「えっ、でも…マーテル協会に行かないと……」
次男祭司は、「少しぐらいならいいじゃろう」と言いながら学校の入り口のドアを開ける。
入り口の向かいには階段があり、ちょうど生徒が数人降りてきていた。
次男祭司が生徒に声をかける。
「失礼、どちらに向かわれますかな?」
「午前の授業が終わったので、これからご飯なんですよ」
「ああ、確かにもうそんな時間でしたな。
どうもありがとう」
生徒たちは食堂に向けて進んで行った。
次男祭司が振り返り、スピリアに向けて手招きをする。
おずおずと近づくスピリア。
「これから昼食だそうで。
良かったら、話だけでもしてはどうですかな?」
「生徒とお話…ですか?」
スピリアは緊張した。
同世代もしくは近い年の者と過ごした経験が無かったからだ。
けど、話はしてみたい。
ガチガチになりながらも食堂に向かって進んだ。
○○
「も、もう俺はダメだぁぁぁぁぁ!
今日は諦めてくれぇぇぇぇぇ!」
スピリア達が食堂に入って最初に聞いたのは、中年男性の泣き言だった。
コック帽を被った中年男性は、食堂の床にうつ伏せとなっている。
中年男性の周りでは、生徒や教師が取り囲んでいた。
スピリア達が、中年男性のすぐそばまで寄って声をかける。
「あ、あの。
どうされたのですか?」
中年男性は、顔を上げてスピリアを見る。
顔は真っ赤になって、涙で濡れていた。
「ぐすっ。
あ、あなたはもしや神子様…!
このような格好で申し訳ないです」
中年男性は、立ち上がる。
目元を手で拭う。
「じ、自分はここで料理を作っているヤングコックと言います。
自分、料理を作るのが何よりも大好きなのですが…。
接客するのが何よりも大嫌いで、それなのに担当の女性が今日急に休暇となりまして…。
お願いします神子様!
オーダーを取るのと配膳を手伝っては頂けないでしょうか?
自分は、嫌悪しながらだと料理の味にまで影響が出てしまいまして。
お冷ですら、どぶ水のような味になってしまうのですよ。
うっ…。ううっ…」
言い終わるとヤングコックは、また地べたに大の字に伏せて泣き始める。
周囲を取り囲む生徒や教師達は、「頑張れ!」や「めげるな!」などと口々に言う。
スピリアは困っていた。
アルバイトすらしたことがないのに果たして務まるだろうか、と。
(でも…皆お腹を空かせているだろうし)
スピリアは意を決す。
ヤングコックは、彼女の言葉を聞くと元気に立ち上がり一通りの作業の説明をして厨房へと入って行った。
ドキドキとしながら生徒や教師達からオーダーを取るスピリア。
「うな重 3つ」
「カレー 3つ」
「オリエンタルライス 3つ」
スピリアはオーダーを取りながらも考えずにはいられない。
(すごい食べる)
ちなみに、オリエンタルライスは北海道根室市発祥のご当地グルメである。
一通りのオーダーを取り終える。
ヤングコックは、生き生きとした表情で料理をスピリアに差し出した。
配膳をときに間違えながらも何とかこなしていくスピリア。
食事を終えた生徒達3人がスピリアに話しかけてくる。
「神子様って砂漠をここまで超えてきたんですか?
大変じゃなかったですか?」
「ものすごく大変でしたよ。
暑くて一面砂だらけでどのぐらい進んだのかも分からないですし」
「その服って専用の神子服なんですか?
可愛いですね」
「ありがとうございます。
マーテル協会から支給された服なんです」
「某、クリーニング屋の息子なり。
小さいが袖に汚れがついているゆえ、場所を教えるから後で来られよ」
「あ、ありがとうございます…」
スピリアは、生徒と話して思うことがある。
(将来はどんな人達になるのだろう)
将来なりたいこと、やりたい仕事をスピリアは尋ねる。
「僕は、考古学者になりたいな。
昔の人達の生活や考えを知りたいです。
神子様に砂漠の話を聞いたのも、旧トリエット跡を調べてみたいからなんです」
「私は服を作る仕事がしたいです。
街中の人達が私の作った服で彩られたら…なんて野望を持っています」
「某はクリーニング屋の道をひた走るのみよ」
皆、様々な夢を持っている。
純粋に夢を語る生徒たちの姿は、スピリアには眩しく見えた。
目の前にいる生徒達が大人になって働く様子を思い浮かべる。
想像する皆は、キリリとした真剣な表情をしたり気持ちの良い笑顔になったりして働いていた。
スピリアは胸の前で両手を握る。
(実現してほしいな。
そのためにも…)
スピリアは、祭司達が座る席へと向かう。
気持ちを伝えるのはどうにも恥ずかしく思うのか、もじもじとしてしまうスピリア。
大人5人は彼女が口を開くまで、静かに待っていてくれた。
「祭司様、傭兵さん。
私、嫌々旅を始めたんですけど。
今更かもって思うかもしれないですけど…。
世界再生の旅、絶対に果たしてみせます。
どうか最後までお願いしますね」
スピリアの話を聞いた5人はもちろん、とでも言うようにして頷いた。
生徒や教師達がスピリア達に向けて拍手をし始める。
予想もしなかった事態にスピリアは頬を赤く染めた。
昼食の時間が終わり、ヤングコックからお礼とアルバイト代としてお金を頂いた。
マーテル協会に行き『再生の書』を借りて、地図に封印の場所を書き込んでいく一行。
スピリアは、そのあとクリーニング屋に行った。
袖の小さな汚れはすぐに落ちた。
一行は宿で一晩過ごして、第二の封印があるとされるソダ間欠泉へと向かうことにした。
△△
~スピリア達がパルマコスタに着いた頃~
マグニスは、パルマコスタ人間牧場の外れにある木々に周囲を覆われた二階建ての家に訪れていた。
ディザイアンの兵達は、社宅ともなる人間牧場に大概の者が住んでいるがまれに実家から通う者もいる。
扉をノックするとガチャリと音を立てて、女性が顔を覗かせる。
歳はそれなりで、疲れのためか浮かない表情をしていた。
「マ、マグニス様!
す、すみません。
こんなみすぼらしい家に足を運んでいただいて…」
「いや、こっちこそ連絡も無しに悪いな。
…あいつは?」
マグニスは、女性が手の甲をサッと隠すのを見逃さなかった。
女性は俯いて答える。
「二階の自室に…。
あの、事情は分かりませんが息子が何か至らぬことでも…」
「いや、見舞いに来ただけだ。
そんじゃ、邪魔するぜ」
「…はい。
では、こちらへ」
女性はマグニスを連れて二階に上がる。
階段を登り切りL字型に曲がりながら通路を少し歩くと、突き当りの部屋で立ち止まる。
女性がノックをする。
中から返事はない。
「マグニス様が来てくれたのよ。
開けてもいい?」
「マっ、マグニス様が!?
お袋!
ちょ、ちょっと待って!!」
マグニスは女性にあとは任せてほしい、と伝え一階に戻らせる。
扉にカギはかかっていない。
マグニスは、ドアノブに手をかけて下ろし、手前に引いて開けた。
部屋はそこまで広くはない。
壁には、ディザイアンで支給されたムチが掛かっている。
半開きになっている押入れからは、ハンガーにかけられた兵隊服が見える。
小窓の傍にベッドがあり、その上には首の柔らかい兵が上体を起こしてこちらを見ていた。
その瞳には、動揺の色が浮かんでいた。
「マ、マグニス様…!
ど、どうしてここへ…
神子はパルマコスタのすぐそこまで来ているはずじゃ…」
「大事な部下が風邪を患ったって聞いてよ。
様子を見に来てやったぜ。
なぁ、おい。
お前のお袋、手にけがしてたがありゃなんだ?」
首の柔らかい兵は声が詰まる。
信頼する上司に知られたくないことを知られてしまった、そんな顔をしていた。
今にも泣き崩れそうな様子だった。
首の柔らかい兵は、マグニスから目を逸らして俯く。
「…お袋がいつものように朝飯を用意して。
仕事にいけない自分に心配の声をかけてくれたんです。
な、なのに自分はその言葉にいら立ってしまって…。
近くに置いたクッションを投げつけたんです。
クッションは、米の入ったお椀にあたり床に落ちて割れました。
それで、破片がお袋の方に飛んで行って…。
最低…ですよね」
すっかり落ち込んでいる様子の首の柔らかい兵。
マグニスは、フンと鼻を鳴らす。
「分かってんじゃねぇか、それはお前が悪いってよ。
お前のお袋さんは飯を用意して、お前に気遣いの言葉をかけたってのによ。
なら、次にするべきことも分かってるな?」
「…お袋には、あとで謝ります。
マグニス様、申し訳ありません。
じ、自分は首が柔らかいことしか能がないのに…。
神子に嫌がらせをするこんな大事な日に風邪なんか引いて…。
マグニス様があんなに演劇に付き合ってくれたのに…」
首の柔らかい兵は、練習の日々を思い出す。
マグニスと2人で汗水を流しながら過ごす毎日は充実していた。
『あ、あなた様は東の牧場のマグニス様…!』
『ちげぇ!!
今のお前はただの劣悪種だ!!
敬称なんかいらねぇだろうが!!』
『す、すみませんマグニス様!
お、お前は東の牧場のマグニス…!』
『よし、今のは良い感じだ!
だが、言葉にまだ敬っているような雰囲気があるな。
もう一度やるぞ!』
『はい、お願いします!
マグニス様!!』
マグニスは遠い目をしている。
同じことを考えていたのだろう。
やがて、首の柔らかい兵の肩に手をポンと置いた。
ゆっくりとマグニスに顔を向ける首の柔らかい兵。
マグニスの表情はどこか穏やかに見えた。
「あの血のにじむような努力は無駄にはならねぇ。
とっととお袋さんに謝って、風邪を治しな!」
「えっ…?
でも、今日神子に嫌がらせをしないと無駄になるんじゃ…」
「今回はいいんだ。
さっき、クルシスから通達があってよ。
どうやら、調べた固有マナが最初の神子との間違いだったみたいでな。
ったく、名前が一緒だからって保存名も同一にしたんじゃねぇか?
そりゃ間違いが起きてもおかしくないぜ。
とにかく、今回の神子の固有マナのシンクロ率は過去最低値。
器には成り得ないだろうな。
ほっといていいんだとよ。
だから、次回があるってことだ。
そこで演劇は活かそうぜ!」
△△
太陽が一日の役目の終わりを告げるような辺りが薄暗くなり始めた時間帯だった。
スピリア一行は、ソダ島遊覧船乗り場に向かう途中で野宿をすることにした。
林の脇で食事の支度をする4人の祭司達。
スピリアと腕の立つ傭兵は、林に入り焚火をするための木の枝を拾い集めていた。
ガサガサと茂みから音がした。
振り返るスピリアと腕の立つ傭兵。
音がピタリと止む。
腰に携えた剣を鞘から抜いて構える腕の立つ傭兵。
魔物だろうか、と2人は思った。
もしそうであるならば、野営をしている場所に近いため退治しておく必要がある。
再びガサガサと茂みから音が鳴る。
今度は、音が離れていった。
もしかしたら、群れが近くにいるのかもしれない。
視界が悪い中で複数と戦うのは望ましくない。
スピリアは、薄いピンクの羽を広げる。
音の鳴る方へ追いかける2人。
大分、林の奥へと入ってしまった。
相手は機敏なようだ。
立ち止まり見回す2人。
「どこにいるのでしょう…。
傭兵さん、魔物の姿は見えましたか?」
腕の立つ傭兵は首を振る。
すると、突如ガサッと音がした。
スピリアの背後めがけて黒い影が低木から飛び出した。
彼女は振り返ろうとするが、もう攻撃を許してしまう距離まで接近を許してしまった。
そこに腕の立つ傭兵が割って入る。
スピリアを片手で押しのけつつ、音が鳴る方へ剣を振るう。
だが、その人物は姿勢を低くして剣を躱す。
そのまま前進し、傭兵の頭へと腕を挿し込んだ。
物理的に貫いたというよりも水の中に手を入れるようなあっさりとした通し方だった。
呻くような声を出した傭兵はやがて動かなくなった。
相手の手が傭兵の頭から抜かれる。
傭兵の頭に穴などない。
相手の手には、なにやら光る丸い物質のようなものが握られている。
「ちっ!
今の一瞬じゃ全然恐怖を与えられねぇな」
光る丸い物質は相手の口の中に押し込められていった。
「やっぱりうまくねぇ」と相手は言った。
スピリアは目の前の事態が呑み込めなかった。
相手は、魔物ではない。
普通のおじさんのような姿だった。
おじさんは、スピリアに顔を向ける。
獲物を狙うような目をしていた。
体が震えるスピリア。
「おっ、その反応いいねぇ。
それじゃ、さっそく…」
スピリアに歩み寄ってくるおじさん。
スピリアは、恐怖を押し込め詠唱をし始める。
「聖なる翼よ ここにーーー」
「おせぇ!」
懐に飛び込むおじさん。
腕をスピリアの頭に挿し込む。
「ぐはははは!
その懐の短剣は飾りかよ!」
スピリアは、体が動かなくなる。
ずずずっと、おじさんの腕がゆっくりと引き抜かれていく。
(な、なにこれ…。
私の中から…私が取り出されていくような…。
い、いや…)
やがて、スピリアの意識は途絶えた。
おじさんは、抜き出した光る丸い物質を見る。
「あ?
おかしいな、思ったよりちいせぇぞ。
五分の一ぐらい体に残ったのか?
…クルシスの輝石が封印を解いた分だけ魂に浸食したのか…?」
おじさんは、スピリアの魂の匂いを嗅いだ。
「なんか、添加物くせぇな!
神子なら魂もうまいかと思ったのによ!
これも石のせいか?
ホント邪魔だな、クルシスの輝石はよ!!
仕方ねぇ、本に保管してしばらく経てば、においが取れるかもしれねぇし我慢するか。
しかし、まいったな。
腹の中の食料もストックがつきかけているってのによ。
クロドレ達も今や役に立たねぇし。
また、どっかに侵入しねぇとな」
おじさんは、足元の光景を眺める。
「…そうだ、祭司のじじい達はこれを見ればきっと絶望するだろうな。
ピークに達するときを見計らって食っちまうか。
ぐはははは、楽しみだねぇ!!」
もう動かない2人の前で、おじさんは高らかに笑った。
フーディー
魂を食らう魔の者。
「ぐははは」と笑うのが特徴のおじさん。
トリエットでディザイアンの兵の体を乗っ取っていた。
しかし、思わぬトラブルに巻き込まれ憑りつかれたようにしておじさんレースに参加していた。
元々おじさんだったためか、解放が早かった。
食べるのが大好きで素材が持つ最高の状態の味を求めており、その時がくるまで保存食としてため込むのが癖となっている。
魂なら人でなくとも魔物や悪霊と何でも食べる。
食い時の見極めが下手くそ。