劇場版・少年少女の戦極時代   作:あんだるしあ(活動終了)

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神と一人の刑事が出会う時、何が起きるのか?

 

 

 ――時は、沢芽市でアーマードライダーたちがメガヘクスと死闘をくり広げていた頃まで、遡る。

 

 この久瑠間市でもまた、一つの死闘に終止符が打たれようとしていた。

 

 

 泊進ノ介こと仮面ライダードライブは、街に現れた仮面ライダールパンを倒すため、最後の「ひとっ走り」に入っていた。

 

 ルパンの周りを、相棒・詩島霧子が運転するトライドロンが超高速で回る。トライドロンが生み出すソニックウェーブを壁として、ドライブは何度も跳び、ルパンに加速したキックを叩き込む。

 

 最後のキックは、燃える足で。

 走り抜ける。倒すべき敵まで。

 

『おりゃあああああ!!』

 

 燃えるライダーキックが、ルパンを貫いた。

 

 

 多くの直撃を食らったルパンが、ふらつきながらも立ち上がる。

 

『素晴らしい強さだ……この勝負に悔いなし! 泊進ノ介。君にお返ししよう。“仮面ライダー”の名を』

 

 ルパンが爆散した。

 残されたのは、サイバロイドボディZZZ(スリーゼット)の素体のみだった。

 

 進ノ介は変身を解いた。

 

《Nice Drive!》

「確かに返してもらったぜ」

 

 トライドロンを降りた霧子が進ノ介に駆け寄ってきた。笑顔で。

 

「やりましたね。泊さん。さすが、仮面ライダーです」

「あ。それそれ。お前が笑うのは、こういう時だけなんだよな」

「べ、別に笑ってません」

「笑ってんじゃん」

「笑ってませんっ」

 

 言い合っていた時に、変化は起きた。

 

 急に地面が振動した。進ノ介と霧子は反射的に身を庇い、前へ向き直った。

 

 土煙が晴れる。

 サイバロイドボディZZZ(スリーゼット)のすぐ近くに、ロイミュードとは全く異なる銀の怪人が立っていた。

 

 ――進ノ介たちは知らない。沢芽市より世界へ向けて放たれたメガヘクスの一体が、彼らの久瑠間市に目をつけ、降り立ったなど。

 

『これが太陽系第三惑星の機械生命体、ロイミュードの強化態』

 

 銀の怪人はサイバロイドボディZZZ(スリーゼット)の素体に手をかざした。すると、サイバロイドボディZZZ(スリーゼット)が機械的に分解され、銀の怪人に吸い込まれた。

 

 怪人の色が銀から金になり、より刺々しいフォルムに変じた。

 

『理想のサンプルである。融合完了。我、メガヘクスはこれで究極の能力を得た!』

 

 進ノ介も霧子もメガヘクスに対して身構えた。

 

《進ノ介。こいつは危険だ》

「話はさっぱりだが、危ねえ奴だってのはよーく分かるぜ」

『全ての個体を吸収し、宇宙に一つの平穏をもたらす!』

 

 メガヘクスが飛び立つ。その先の空にあるのは、天より迫る巨大な鋼鉄の徒花。

 メガヘクスはその大徒花の中心に飛び込んだ。

 

《追うんだ、進ノ介!》

「ああ! 霧子、乗れっ」

「はい!」

 

 進ノ介はすぐさまトライドロンの運転席に、霧子は助手席に乗り込みんだ。

 

 進ノ介はアクセルを力一杯踏み込んだ。

 

 …

 

 ……

 

 …………

 

 メガヘクスと対峙する鎧武たちのすぐそばに、赤い改造車がブレーキ音を立てて停車した。

 

 中から現れたのは、一組の男女。驚いたのは、運転席から出た人物が、タイヤをたすき掛けにした、全身が赤の見たこともないアーマードライダーだったことだ。

 

『な、何だよ、あんた』

『俺は仮面ライダードライブ。ただの市民の味方さ。あいつを追って来た。そっちこそ何者なんだ?』

『俺? 俺は……仮面ライダー鎧武。分かりやすくって言われたら、今は宇宙の神様、かな』

『神様? へ~……神様!?』

 

 ドライブは鎧武の周りをぐるりと回って鎧武を眺め、感心したように何度も肯いた。

 

『話はさっぱりだが、いい奴っぽいことだけは、よく分かるぜ』

 

 ドライブは景気よく鎧武の背中を叩いた。これには鎧武のほうが呆気に取られた。

 

『どうやらあいつは、俺たちの共通の敵のようだ』

 

 ドライブはメガヘクス進化態を、銃のような形にした指で差した。

 同じ敵に相対する者とならば、やるべきは一つ。

 

『そうだな。一緒に戦おう』

 

 鎧武たち4人のアーマードライダーの戦列に、新たに一人の“仮面ライダー”が加わった。

 

『何故この星の個はこれほど無軌道なのか。やはり個の存在など不要。メガヘクスこそが唯一の完全なシステムである!』

 

 鎧武たちが戦った時と比べれば大きく感情的に、メガヘクスは自らを賛美した。

 

『僕たちは確かに無軌道だ。それぞれの想いでバラバラに動く。だから失敗もする』

 

 龍玄が進み出る。

 

『だが、個とはエラーではない。可能性だ』

 

 斬月・真が進み出る。

 

『みんなバラバラで違うからこそ、一人では気づかない新しい可能性が生まれるんだ』

 

 鎧武は虹色の塊――()()が集めてくれた自身の本来の力を胸に吸収し、進み出た。

 

『完全じゃなくていい。俺は互いを認めて、手を取り合う未来を選ぶ!』

 

 

 ――世界が変わらなくても、人のほうは変わることができる。

 ――変わらない世界で人は変わっていける。

 

 1年の地球での戦いを通して鎧武が学んだ最大の不文律だ。

 

 

『いいね。お前ら、いいチームだっ』

 

 ドライブが鎧武の肩を叩いた。

 

 メガヘクスが手をかざした。メガヘクスの後ろに次々と、インベスとロイミュードが構築される。

 

 メガヘクスが5人のライダーに向けて光弾を放った。

 それが、号砲となった。

 

 ライダーたちと怪物たちは同時に走り出し、場はあっというまに乱戦になった。

 

 

『紘汰さん! ここは僕たちに任せてください!』

『その赤い戦士と、強化したメガヘクスを倒せ。今はそれしか突破口が見つからんっ』

 

 赤い、と言われてドライブは自分を指差す。その間にも怪物は襲ってくるが、ドライブはそれを難なく避けて、腕を捩り上げてK.O.させた。

 

『俺に勝って咲や碧沙たちに与えた未来だ。意地でも守れ』

『おう!』

 

 鎧武は極の鍵を回し、いくつもの武器を召喚した。

 その内、影松をバロンに、メロンディフェンダーを斬月・真に、無双セイバーを龍玄に向けて飛ばした。

 それぞれが、元の固有武装と合わせて、巧みに怪物を退け始めた。

 

『頼んだぜ、みんな!』

 

 託せる物を全て託した鎧武は、ドライブと共にメガヘクス進化態を追った。




 まさかドライブまで書くことになるとは思わなかった……つ、疲れたorz

 戒斗が紘汰に言う時に碧沙の名前を加えたのは、Ⅱのラスト番外編で多少なりと二人の間に縁ができたからとお思いくださいませ(^_^;)

 そして実は地味にライダーの戦列にいない月花ですが、彼女についてはまた次回(*^^)v
 よく考えたら5人で横並びってレンジャーみたいですね。
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