地獄で叩く! 作:スロウ亀
今回の運動会の回は結構端折ったりしているのでグダッてると思います
パン!パンパン!!
空へと上がる花火の音
広々としたグラウンドには一大イベントなのか大勢の客人が集まっていた
その中央にはイベント参加者で溢れている。イベント参加者のほとんどがそれぞれ紅白の鉢巻をした警備隊
その中にはイェーガーズ、ワイルドハイウェイに何故かナイトレイドも居た。騒ぐ声に開会式開始の花火が上がると参加者が全員騒ぐのを止め朝礼台に目を向く。朝礼台にはマイクを持ったオネストが立っていた
「ごほん…皆さん。今年は警備隊大運動会の日がやってきました。新卒も先輩も一丸となって楽しんで下さい。思えばこの帝都が出来たのは…いつだったけ?え~と」
「はい。スピーチは短く端的に」
「んん!……では警備隊大運動会始めぇぇぇぇ!!」
オネストの大会開始宣言すると参加者が気合の雄叫びを上げる
参加者は自分達の陣地に戻り競技の準備に取り掛かる。オネストとウィンターは本部席で見学する
「さて後はゆっくり観戦ですね。大会委員長はキミだっけ?」
「はい。この運動会も記念すべき第一回目。一工夫加えるのに苦労しました」
「本当に?」
「スポーツは筋肉と思ってる方が多いのでそこから見直しました」
「どんなのだろう。楽しみですね」
オネストとウィンターが雑談していると放送が流れる
《第一種目・借り物競争》
出る種目が放送されると出場する選手たちが出てくる
第一走者にはタツミ・ラバック。シェーレの姿もあった。走る前に体を鳴らしているとタツミはふとある事が気にかかっていた
「借り物?」
「よし。頑張るか」
「あぁ!思い出した。ラバ借りた金返せよ!」
「え?」
やる気満々のラバックにタツミは声を掛けた
その間に走者の端っこにスターターが合図の声を発する
「位置について…よーい」
「お前昔貸しただろ。仕入れるのに金が必要だからって言って」
「あぁそうだった。悪い悪い」
ズドォーーーーーーーーン!!!
第一走者の選手達を覆い隠す硝煙に轟かせる発砲音
硝煙が消え選手達の姿が現れると地面に伸びてる者や硬直している者までいた
タツミとラバックは硬直はしたが何とか踏み止まっていた
「どうでもいいけど何あのスタート合図?」
「生温いライカン・ピストルは止めてバズーカにしました。迫力もあるし祝砲にもなるでしょ?」
「いやあのバズーカ撃ってる人が凄いよね?」
オネストが顔を引き攣っているとウィンターが拡声器で未だに伸びている選手達に声を掛けた
「おやおや。音にビックリして脱落ですか?警備隊がそんな事でどうするんですか」
「えぇ!?厳しいなこの大会。キミに任せて大丈夫なの?」
オネストが心配そうに言うとウィンターの顔の影が一瞬濃くなり、鋭い目でオネストを見る
「彼らは警備隊に暗殺者なんですよ?これを機に温い奴は叩き直します」
そう言われてオネストは怖くて何も言えなくなった
そうこうしていると硬直から復帰したタツミが一番早くお題が書かれた紙に辿り着いていた
「よし。一番乗りだ」
タツミは何枚もある紙の中の一枚を拾い書かれたお題を見る
「さーてお題は……」
タツミは書かれたお題を見て一瞬思考を停止した
その書かれたお題とは
『好きな
「(公開処刑だぁぁぁぁぁぁぁ!!)」
死よりも恐ろしい事である
ゴールした者はお題が合っているか確認する為、見せなければならない
こんな物が放送されれば絶対に冷やかされるか社会的に抹殺されるかのどちからである
仮に行ったとしても相手に振られる可能性もある。どのみち行っても行かなくても文字通り地獄
だがタツミのお題はまだ良いの方である
その他のお題は
『自分より劣る隊長』
『危険種に似てると思われる上司』
『貧乏な同僚』
『責められたい将軍』
『さっさと仕事しろオネスト』
とこんな感じ物がある
最後に関してはウィンターの本音である。次々とお題を見る選手達だがある意味無理難題を押し付けられ困惑している。そんな中遅れてやってきたシェーレがお題を見て何かを探していた
「今年は全体を通して精神的負担が伴います。さぁ張り切ってどうぞ」
「張り切れません!」
タツミはある意味嫌がらせを受けている
「ちょっとタツミ!さっさとしなさい!」
「ッ!?」
タツミはビクッ!っとしながら声のした方を見た
そこには女性陣の応援席から応援していたマインの姿があった
「(さっさとしろってここでマインの所行ったら……いやでもこのままだと負けるしどうすれば!?)」
「早く行きなさいよタツミ!!」
「マ、マイン…行くってお前……」
タツミが行くという事はマインの所に向かい改めて恋人が好き宣言をするという事になる
果たしてそれ程の事が出来るのか。タツミは心臓をバクバクと鳴らしながら唾を飲み込む
「分かりやすいねあの子」
「行っちゃなさいよタツミさん。そして玉砕すれば良い」
「アンタ鬼か!?」
一部始終を見ていたウィンターは拡声器でタツミを
「若い内のこういう刺激が脳の活性化に繋がるんのです。そしてこれを見た人達から「惚気てんじゃねーぞ!タツマイなんざ認めんぞ!!」と心の叫びを聞くことになるんです」
「脳が活性化されても心は崩壊寸前です!それから何の話ですか!?」
色々とメタ発言があったと思われるが気にしていない周り
マインが顔を赤くして俯いているのを除いて
「ゴーーーーール!」
ウィンターとタツミが話している内にシェーレがゴールテープを切る
「おっと、そうこうしている間にシェーレさんが一着でゴールしました。さてお題は?」
「はい。これです」
シェーレはお題の紙と書かれた物を掲げた
それは何か特徴のあるヒゲだった。気になるシェーレのお題は
『誰かのヒゲ』
「素晴らしい。合格です!」
見事にお題をクリアして観客から歓声を受けるシェーレ
だが一部では口元を隠し悶絶するんではないかという悲鳴を上げている者が一人
「ヒ、ヒゲが…ヒゲがぁぁぁ」
「大丈夫かリヴァ」
「何の躊躇なく掻っ捌いて取っていったぞアイツ」
そう。シェーレが持っているのはリヴァのヒゲ
ご丁寧に万物両断・エクスタスでヒゲだけを切り取った後、力任せにむしり取った
リヴァを心配するダイダラとシェーレの大胆な行動を見て顔を引きつるニャウだった
「…結局行けなかった」
あれからウィンターに弄られたタツミはマインの所に行けなかった
するとスタイリッシがやってくる
「はーい。リタイアした選手はこっちよ」
「え?」
スタイリッシュの言葉に疑問を浮かべるタツミだったが、チーム・スタイリッシに袋に詰められる
そしてそのまま何処かに連れてかれた
「大丈夫コレ?明日からの仕事に支障でないかな」
「心配ありません。私もそこは考えてますから」
そう言ってウィンターは進行を続けた
「続きまして…」
第7種目『エビルバード大食い徒競走』
「もう…無理……」
「食えないって…」
「料理すら…見たくない」
「「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ!!」」
いち早く大皿に出されたエビルバードの丸焼き(10人前)を間食し、次の大皿に向かう競技
それが三か所に設置しており合計30人前を間食しなければならない
この種目ではアカメとクロメが独走状態だったが、タッチの差でアカメに軍配が上がった
第54種目『鬼ごっこ』
「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
「逃げろぁぁぁぁぁ!!」
悲鳴を上げまくる選手達
それもその筈、鬼があのエスデスであり、帝具をフルで使っている状態
逃げ遅れた者は顔以外が氷漬けになって捕まり、エスデスも目が充血しておりヤバイ状態で恐怖すら感じる
「大人しく掴まれ!お前達全員を捕まえればウィンターは私の所にくるんだ!!」
「あぁ言ってるけどホントなのウィンター君?」
「そんな訳ないでしょ。仮に全員捕まったとしても大丈夫です」
第79種目『ワイルドハント』
読んで字の如くワイルドハイウェイをハントする競技
だが実質ハントされるのがシュラのみ。ちなみに勝たなければひどい目に逢うとウィンターが忠告すると一目散に選手たちがシュラに襲い掛かった
「後で覚えてろよ!クソ補佐官!!」
そう言いながら攻撃を躱し何とか生き残ったシュラだった
第107種目『玉入れ』
ここに来て普通の競技が来る
だが玉の方が泥団子という。選手達を疑問に思いながらも玉を籠に入れる
すると選手の一人が飛んできた泥団子を顔面に受ける
「あの玉、泥団子だけど何で?」
「あぁそれは、フンコロガシに似た危険種が作った玉を使用しています」
「……いやーーーーーー!!?」
ウィンターの何気なく言った事を聞いた選手はその意味を知った途端悲鳴を上げる
「…本当にキッツイよこれ」
「何を甘い事を。警備達は強くて何ぼです。プラナリアよりタフな位でないと」
「確かに。刻んでも死なないけど」
選手達の悲惨を見守るオネスト
するとウィンターは懐中時計を見る
「さて、次は」
「よし。準備OK」
「こっちもだ。そっちはどうだ?」
場所は変わってどこかの室内
何か大掛かりな物を設置しているチーム・スタイリッシや運営スタッフ
そこにはさっきリタイアしていたタツミが縄で簀巻きにされて吊るされていた
「ん?…あれここって」
「ボルスさんお願いします」
「え?」
下の方から何か聞こえると煉獄招致・ルビカンテを装備したボルスが
「出力……全開」
炎を放射する
それにより下にある巨大油鍋が映し出される
「ひぃぃ!!」
タツミの叫びが木霊する
その様子を見たウィンターは拡声器で選手達に伝える
「最終種目……大玉転がし!」
最終種目に出場する選手達は既に室内に居た
だが種目である玉が見当たらなず何をすればいいのか考えていた。そして何かわからない大道具の数々
この種目にはラバックも出ていた
「あの旦那の事だ。何かあるんだ……ろ?」
ラバックは周りを散策していると薄暗い場所に明るい所を見つける
その場所を除くと吊るされているタツミと選手達を発見する
「おい何してんだタツミ!」
「知らねーよ!見てないで助けろラバ!!」
……コロコロコロコロ
タツミとラバックが言い争ってると何かが転がる音がした
選手達は何の音か辺りを見回すと
スドォン!!
「ごはぁ!?」
「ぶぅ!」
突然巨大な鉄球が飛んで来て選手を巻き込む
鉄球はそのまま設置していた巨大な銅鑼にぶつかり鳴らす。鳴らした影響で巨大ドミノが起動する
「さぁさぁ始まりました。時間がありませんよ」
「残酷なピタ○ラスイッチ!?」
大玉転がしの設計図を見ながら拡声器で呼びかけるウィンター
「早くゴールの人質を助けてください。鉄球が油鍋を直撃したら大惨事になりますよ」
そう言っているが既に大惨事になっているこの競技
早く止めようとする者達は途中の仕掛けに巻き込まれたり、吹っ飛ばされたりして脱落
辛うじて生き残っている者達はドミノを上を走るが途中で落ちて脱落
生き残ったのはラバック一人
「こんなの一人で止められるか!?」
叫びながらも装置を止めようとするが間に合わない
それでもラバックはドミノの上を走りきる
「はぁ!…はぁ!…やっと終わ…り?」
息を切らしたラバックだったが横を見た瞬間固まる
それは今までよりデカいサイズの鉄球。その鉄球は仕掛けていた油の雨を被る
油が被った事で滑り始める。ラバックに向かって
「おいおいおいおい!ウソだろ!!」
一目散に逃げるラバック
だが鉄球は加速し続けて追ってくる
「熱!…熱!…○熟の名物か!?」
「ひぃぃぃぃぃぃ!タツミ助けて!!」
「えぇ!?」
鍋の油が跳ねて足底が熱せられてるタツミ
するとラバックの叫びを聞いて顔を上げた時、ラバックと鉄球がこっちに向かっていた
「馬鹿!こっち来るな!」
ラバックは堪らずタツミに助けを求めて飛び出す
鉄球も加速して飛び出すと再び控えていたボルスがルビカンテで火を放射して鉄球の油に火をつける
ラバックは簀巻き状態のタツミにしがみ付く
「助けてくれタツミ!」
「こっちのがピンチだ!ボケラバ!!」
二人が言い合っていると上空が明るくなっていく
簀巻きにされた選手達は上を見上げると劫火の如く燃え上がる鉄球が降ってきた
「「うぁあああああああああああああああ!!」」
「不味い!丸焦げになる!?」
オネストが焦って席を立つ
ウィンターは鉄球が直撃すると分かり、金棒を担いで本部席を飛び出す
「「もうダメだぁぁぁぁぁ!!」」
燃える鉄球は選手達ごと油鍋を直撃する
ことは無かった
素早く飛び出したウィンターは金棒を振りかぶり、鉄球を打ち上げる。その際炎を消し飛ばして
油鍋の淵に着地して金棒を立てる
「た、助かった?」
「みたいだな」
その後選手達を含めタツミとラバックは油鍋から救助された
一方鉄球の行方はというと
「ウ……ウィンター…くん」
本部席に居たオネストに着激し下敷きになっていた
全ての競技が終わり全員グラウンドに集まっていた
しかし選手達のほとんどはズタボロで中にはぶっ倒れている者もいた
タツミは足に火傷をし治療中である。オネストに限っては明らかにとばっちり
「だから温い奴は叩き治しますと言ったでしょ」
朝礼台に立ち拡声器で話すウィンター
ここまでやって労いの言葉すら無い。否、そもそも彼にとってそんな事を言うのは鼻から無いと思う
「明日の本番では一切助けませんからね」
『………え?』
ウィンターの言葉に選手達全員が硬直し思考停止する
その中でいち早く気付いたのがタツミだった
「今日…リハ?」
パン! パン!
「はい!それではもう一度最初から!」
『………勘弁してください』
その後の選手達がどのようになったのか
それは言わずとも分かる気がする