【馬鹿! 本当に馬鹿!!! なんで洞窟で“じしん”連打するんだよ崩落して当然じゃないか!!!】
「いや“じしん”使ったのは相手だしそもそも連打じゃなくて野生の群れ全体が一斉に使ってきて…… 【言い訳無用!!!】 ハイ……」
電話越しの説教に思わず姿勢を正す。
相手は同郷かつアカデミーでの同級生……広義の幼なじみのような相手。……これで女だったらロマンスの気配が流れたんだろうが、残念ながら奴は男だ。残念だったな。
どうやら俺が大怪我をしたという知らせを受けて連絡をよこしてきたらしい。入院中にもめちゃくちゃ連絡を取ろうとしていたのかスマホの履歴が若干ホラーなことになっている。怖。
なんだかんだ友達思いの律儀な奴だなぁ……と思いながらお小言をそっと受け流していく。
【……それで、怪我の状態はもういいのか?】
「おう、一応ギプスなんかは外れたな。医者いわく激しい運動を避ければ問題ないってよ」
【そうか……それならいいんだ】
「……っつーか、鬼電してくるぐらいなら直接うち来ればいいのに……」
【……キミんとこのファイアローが僕を見るたびに突っ込んでこなければ喜んでお見舞いに行ったんだけどね】
「それはマジですまんかった」
……この友人、重度の鳥ポケモンアレルギーなのだ。
羽毛のあるポケモンに少し近付くだけでくしゃみ鼻水涙のオンパレード。これのせいでトレーナーの道を諦めた程度にはヤバい。
そんな彼に容赦なく突っ込んでいくファイアロー……まあ発症する前から面識があるせいで昔の感覚でじゃれつきに行ってるだけだろうが、当人にとってはたまったもんじゃない。
同じ鳥ポケモンで目立ちたがり屋のオドリドリでもこいつが来る時には自重してボールの中に引っ込んでいるというのに……そんなだからおバカと言われるのだ。
「まあ……それに関しては今度俺がそっちに行くわ。あいつらにも会いたいし」
【期待せずに待ってるよ。それで、これからどうするんだい?】
「どう、っつってもなぁ……またどっか行きたい気持ちはあるけど今はバトル系は無理だろ? となるとどうすっかなぁ~って感じ」
入院やら療養やらで久々に長いこと留まっていたので久々にどこかへ足を伸ばしたい気分だ。
なんだかんだ外が好きなポケモンたちもいるし、そろそろ連れ出してやらないと不満が上がるかもしれない。あんまりモチベーションが下がるようなことは避けてやりたいしなぁ……
【本当に根無し草だね。……それなら、普通に観光とかでいいんじゃない】
「観光……観光かぁ……俺はその辺さっぱりなんだよなぁ」
【本当にバトルジャンキーなんだから……そうだね、今ならホウエンとかどう? 気候的にも丁度いいし、温泉もあるから湯治もできると思うけど】
「ホウエンか……ふむ……」
たしかに以前行った時はほとんどバトルフロンティアへの通り道になっていたぐらいで、ミナモデパートをちょっと覗いた程度しか回ってなかった気がする。
……他の地方もだいたいそんな感じで、バトル施設に直行するばかりでまともに回ってないということに今更気付いた。冷静に考えるとだいぶもったいないことしてたな……
「……そうだな、とりあえずホウエン行ってみるか。温泉行って、ついでに観光……ホウエンって何があるんだ?」
【そこから? うーん……イサリが興味持ちそうで言ったら、ポケモンコンテストとか? パフォーマンスとかコンテストバトルとかの魅せる技の使い方っていうのも、結構参考になるんじゃない?】
「あー、どっかの大会でそういう技使って上位まで行ってた奴いたよな……なるほど、アリだな。サンキュー、助かったぜ。早速行ってみるわ」
【役に立ったんなら良かったよ。お土産期待してるからね】
▽友人(名前未定)
イサリの実家(プラトタウン)のお隣さん。
アカデミー在学中に鳥ポケアレルギーを発症してトレーナーの道を諦める。そらとぶタクシーの利用もすらキツイから仕方ないね……
現在はパルデアリーグ職員。アカデミーの臨時事務員も兼任。体質を除けば優秀な男なのである。
何故かゴーストタイプに絡まれやすく手持ちのキョジオーン(特性:きよめのしお)に毎日のように塩をぶっかけられている。
こっそりと活動報告でネタ募集などしているのでお気軽にどうぞ……(小声)