ただの一般通過炎使いさん   作:星茸

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tips:作者は剣盾未プレイ(予防線)


レポートNo.03

 

友人との電話の後早速渡航チケットを取った俺は、航空便と船を乗り継ぎホウエン地方へと辿り着いた。

最初に降り立ったミナモシティでは、ちょうど大きなポケモンコンテスト大会を数日後に控えているらしく多くの人で賑わっている。

人混みの中で時折行われている野良バトルにそわついては横からヘルガーに頭突かれながらも、俺は当初の予定通りフエンタウンへと向かうのだった。

 

 

 

……途中、どうしても断りきれずに数度バトルを挟みつつも、無事フエンタウンのポケセンで宿泊手続きをする。

そりゃあね、あれだけ誘われちゃったら仕方ないよな! なっ! ……ボール越しにめっちゃ呆れた視線を感じるが気にしてはいけない。

 

部屋に荷物を置いて、俺は早速センターに併設された温泉へと向かう。

脱衣所の扉越しにも感じる特有のにおいに心躍らせながら用意された湯あみ着へ着替え(露天風呂は混浴らしい)、温泉へと繋がるガラス戸を勢いよく開けた。

 

──その横をすり抜けていく大きな赤い影。

 

はっと気付いた時にはもう遅く、湯船には盛大な水柱が上がっていたのだった。

 

頭上から雨のように降り注ぐ熱い飛沫。

一瞬フリーズした思考を引き戻し、俺は足早に湯船の方へと向かい声を張り上げた。

 

「こ……っのばかたれ!!! 何やってんだ!!!」

 

その声に耳を立て、満面の笑みで振り返るのはウインディ。

呼び戻せば素直にザバザバと水面を割りながら上がり、盛大にぶるぶると身震い(ウインドリル)してその暖色の被毛にたっぷりと蓄えたお湯をぶちまける。……当然、呼び戻した先でやってるので俺はそれを盛大に食らうのだが。

 

「~~~ッ、ウインディ!!!」

 

「ははは、元気のいいポケモンくんだね」

 

ウインディへほっぺのばし(おしおき)をする俺の耳に聞こえる人の声。

そこでようやく俺は湯船の中に先客がいたことに気がついた。

 

「す、すみません! 大丈夫でしたか!?」

 

慌てて頭を下げ、それに合わせてウインディの頭を押さえつける。……こいつ、めちゃくちゃしっぽ振ってやがる。なんで謝ってるかわかってねぇな?

 

先客である彼……壮年の男性客は、気にしなくていいよと笑いながら白髪混じりの髪をかきあげた。

 

「急に飛び込んできた時はびっくりしたけどね、この子のおかげで長湯してのぼせる前に気がつけたから助かったよ。ありがとう」

 

「そ、そうですか? いや、本当にすみません……」

 

ニコニコと気の良さそうな笑顔を浮かべながら湯船から上がる男性客。

通り際にウインディへ「あまりトレーナーを困らせないようにね」と言い残して、彼は脱衣所の方へと去っていった。

 

その姿を見送ってしばらく。俺は大きく息を吐いてじとりとウインディへ視線を向ける。

 

「……とりあえず、お前は姐さんのお仕置コースな」

 

「わふ?」

 

 

 

……少しだけ熱めの湯に浸かり、ゆっくりと手足を伸ばす。

隣で浸かり直したウインディ(一応ちゃんとポケモンの入浴OKかは確認している)の顎下をわしわしとかいてやりながら、俺は先程の男性客のことを思い出していた。

歳に似合わず鍛えられた身体。そしてその身に刻まれていたのは、間違いなく炎による火傷跡。

おそらくは俺と同じ炎タイプの使い手。それも、俺よりもずっと年季の入ったベテラントレーナーだろう。

 

また会えるかなぁ、機会があればバトルしたいよなぁ、とその顔を思い返し……ふと、髪をかきあげた時の姿に既視感を覚える。

なんかの雑誌かなんかで見たような……と記憶を探り、ようやくたどり着いた答えに俺は思わず声をあげるのだった。

 

「あの人ガラルリーグのカブ選手じゃん!?」

 

 

……いや、本当に問題にならなくて良かったなぁ!?

 




剣盾もポケマスもやってない作者にはさすがに無理だったよ……
今後も原作キャラは出てきてもこれくらいのレベルになると思います。すまんち。

▼ウインディ♂
わんぱくな性格。好奇心が強い。
おバカ三人衆の一角にして古参の一体。一応陸上ライド要員でもある。
めっちゃ陽キャのおバカわんこ。怒られても構ってもらっていると思って嬉しくなるタイプ。
ガーディの頃から水遊びも風呂も大好き。夏になると自分から水に飛び込んでいくし人やポケモンの近くで犬ドリルして水を撒き散らかす。ちなみに水技は普通に食らうし好きではない。
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