カグヤと夜空を眺める日常を過ごすうちにカグヤも少しずつではあるが口数も少しずつ増えてきた
「くぁ〜」
「テンジ様!カグヤ様にばかり時間をさいていないで働いてくださいませ!」
「断る!俺はカグヤと遊ぶんだ!」
別に今安定してるし急ぎの仕事もないし
どうせ狩りの指揮をとれとかいうだろ?
「カグヤも俺と遊びたいよなぁ〜」
「・・・・・・・・今日は何をするのじゃ?」
「はぁ、テンジ様!!」
「そういや、鉄見つかった?」
「見つかりましたが硬すぎて採掘が難航しております」
「うーん、蒸留酒は?」
「飲む分は問題ありませんが酒精が強いものとなりますと今暫く」
「じゃあ、問題ないじゃん」
「華の国の問題です!」
「えぇ・・・・・あそこウザいから国境に軒並み罠仕掛ければ良いって言ったじゃん」
「それでは揉める為私が止めております!もう少しお考えください!」
「止めてんじゃねぇよ、いいか国境だってわかるようにして内側に仕掛けとけばいいの、攻めて来なければケガしないんだから」
「テンジ様!華の国は我等より武力が強うございます!考えてくだされ!」
「考えていってんだけど?」
幹部の1人が声を張り上げるが俺は淡々と答える
最近言うこと効かない奴増えてきたな
「・・・・・・・テンジ、そろそろではないか」
「あぁ」
俺は迎えに来たカグヤとともにカグヤの部屋へと向かう
カグヤの部屋は神樹がよく見える作りだ
カグヤは日がな一日神樹を眺めているのでいろいろDIYしてやったのに余り使ってくれない
「今日は将棋をするか、ルールは覚えたか?」
「うむ」
パチリと自家製の駒をうつ音が響く
「それにしても、神樹ってのは何かあるのかい?」
パチ
「・・・・・・・・・」
パチ
「・・・・・まぁ、いいか」
パチ
「・・・・・・・」
パチ
「ここの、生活には不足はあるか?まぁ足りないものだらけたろうがな」
「・・・・・・・」
パチ
相変わらず無口よのう
「アイノ・・・・・茶と茶菓子」
「はい」
暫くしアイノが茶を2つと茶菓子の団子を一皿に持ってくる
「・・・・・」
パチ
「・・・・・・」
パチ
「カグヤ・・・・・・お前は空に帰ったりするのか?」
パチ
「・・・・・・・妾は神樹を見守る者」
パチ
「モグモグ・・・・・・・・詰まりあの神樹があるうちはこの星にいるってことだな」
パチ
「・・・・・・・」モグモグ
パチ
「なら問題ない」モグモグ
パチ
「・・・・・何故じゃ?」モグモグ
パチ
「俺の寿命なんざ良くて数十年、木なんて数千年とかあったりするだろうからよ、今生ではお前と離れずに済みそうだとな」
パチ
「・・・・・・そうか」
パチ
「ふっ・・・・・その間にともに楽しもうぜカグヤ」
パチ
「・・・・・それは妾の団子じゃ」
俺が手に取る最後の団子串見ながらいう
「・・・・・意外と食い意地はってるのな」
「・・・・・・・・」ジーッ
「半分こな」
俺は団子2個とりカグヤに串を差し出す
「・・・・・半分こ」
「さて、王手だ・・・・・カグヤ」
「・・・・・・妾の負けか?」
「そうだな」
「・・・・・そうか」
そう言うと彼女はまた神樹を見始める
「ちょっくら散歩に付き合ってくれねぇか」
俺はカグヤの手を握り国が俺達の住む場所が良く見える場所へと行く
夕焼けが植えたばかりの作物を照らす
ところどころから火と煙がたち、家へと帰る一族が見える
「カグヤ・・・・・俺はこの国が好きだ」
「・・・・・・・・・」
「ここはそんな大好きな国が良く見える場所でな、ここでは国に生きる者たちが良く見える」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・カグヤ、お前は神樹を見守る者と言っているが、良ければこれから先、俺とともにこの国の行く末も見守ってくれないか?」
俺はカグヤのほうを見て言うとカグヤもコチラを見上げていた
「・・・・・・どうだ?カグヤ」
「・・・・・・・・・」
何も言わずに見上げてくるカグヤを不思議と愛おしく見える
「嫌なら拒んでくれ・・・・・・・・是なら俺の妻として受け入れてくれ」
俺はゆっくりカグヤに顔を近づける
そして俺達の唇は重なる
カグヤの腰を抱き寄せると
抵抗なく俺の体にカグヤが収まる
「・・・・・・」
「・・・・・ん」
艷やかなくぐもった息が俺の脳をとかす
そしてもう一度見たカグヤはとても美しかった
「そろそろ戻るとしよう」
俺はカグヤと手を繋ぎ家へと帰る
その日俺は恋人の右手と別れカグヤと繋がった
無表情な彼女から漏れる声は心を熱くした
無表情の顔か僅かではあるが表情が動くのが楽しかった
いつかこの無表情を崩すのが楽しみになった
時間が過ぎ僅かづつ溶けていく彼女の表情と声が俺を獣へと変える
「・・・・・・・」スゥスゥ
「・・・・・初めてだな」
俺達の共に夜空を眺める日課は今日初めて行われなかった
だがその代わり、愛おしい存在が絹のような肌をした裸体俺に預け眠っている姿を眺める喜びを得た
俺はそれから狩りや重要な時以外、カグヤと共に時間を過ごした、今まで溜まっていたものはカグヤにぶちまける日々を送っていた、日に日に大きくなる反応は更に俺を暴れさせるのに充分であった
そんなある日
「テンジ様!華の国の朱雀大臣と玄武大臣がお越しです」
「はぁ・・・・・・おっ返すわけに行かないよな」
「当たり前です」
俺は身支度を整えると来賓用の部屋へと向かう
「・・・・・・待たせたな」
「これはこれはテンジ殿」
「本日はどのような要件で?・・・・・お前達も大臣で忙しいだろうから単刀直入に行こうではないか」
「そうですね、コチラが祖と華の国の国境になっております」
そう言い朱雀は地図を出して来る
「そうだな」
「この度、華の国で新たな古文書が見つかりてな、この国境沿いの湖はもともと華の国のものと書かれておりましてなぁ」
「・・・・・・それで?」
「返してくださいませんか?盗んだものを返すのは当然でしょう!」
「・・・・・・古文書は?」
「大切な資料故、華の国で大切に保管しております」
俺はため息をわざとらしくつく
「では保存方法や見つかった時の状況は?」
「それは国家機密ですので」
俺は更にデカいため息をつく
そのため息をきき大臣達の表情は引きつり始める
「話にならんな、古文書は自国にあって保管方法や発見状況は国家機密で教えられません?湖が欲しいからでっち上げたけど自分達が本当だから信じてくださいって言ってるんじゃあ乳飲み子でも鼻で笑うと思うぞ?それに華国さんは他の諸外国にも因縁つけてるそうじゃないですか・・・・・・信用あるとお思いで?」
「な!我等を愚弄しているのですか!テンジ殿!これは由々しき問題ですよ!」
「まったくだ!我等は戦争に踏み切らず両国の友好の為に来たというのに!」
「友好の為にきたなら普通共同管理とかじゃないの?君達もわかるよね?うちの結構重要な水源であるってことも・・・・・・それを証拠もなしで、見せません、本当です、よこせって・・・・・・さすがに頭に病気を持ってる奴じゃないと了承しないでしょ?これ考えたの誰?頭にうじ湧いてるかも知れないし祖の腕のいい医者に見て貰うのを進めるよ」
「ぬぎぎ!戦になって困るのはそちらでは?我等の兵力は祖も充分知っていると思ったが、そうかテンジ殿は最近、妾にご執心とかなんでも空からきた天女に溺れているそうですな!女に溺れて情報収拾を疎かにされたのですかな?」
「うむ、妾でなく正妻のつもりだがな?そなたらの兵力は我等の3倍だったな・・・・・父の代まで。今は我等も子が増え2倍くらいの差まで来ており、今のうちに叩きたいか?それとも怖いか?我等は平和主義ゆえこちらから攻めるつもりはないのになぁ・・・・・貴殿らの国より我が妻の方が圧倒的に重大事案なのてそろそろ会議を終了しても良いだろううか?」
「テンジ様!・・・・・・ここは冷静に話し合うべきでは?」
「ふっ、祖の国にも話の通じる者がいるようで安心しましたぞ?」
「朱雀大臣、玄武大臣、話はまた日を改めていただけぬか?」
「ふむ、良かろう・・・・・・テンジ殿はどうやら忙しいようですからなぁ、何とは言いませぬが」
「・・・・・お送りいたします」
そう言い俺を止めた幹部が大臣を送っていく
「テンジ様!どう言うつもりですか!」
「今、華の国と揉めては」
「しかし、テンジ様の言う通り奴らの古文書は嘘であろう、奴らは同じような因縁を他にもふっかけておる」
「・・・・・・・」
まずいな
少なくとも今の会談で身内にも華よりがいる事がわかった
しかも幹部にだ
しかし、ここで役職を解除すれば内部で割れる
戦も俺がひっそりとつくったものでは量が足りない
しかし、このままだと食い潰されるのは目に見えている
「テンジ様!どう言うおつもりですか!」
「・・・・・・落ち着け、どちらにしろ奴らは湖を取るつもりだ」
「戦となれば不利なのはこちらですぞ!」
俺はぎゃあぎゃあ喚く幹部を睨む
「よいか、奴らは湖を狙う理由が欲しくて来ているんだ。奴らこそ他とも揉めているため最善は無血で湖を奪い食料の自給が落ちたところをすり潰すのが上策、次に力で奪うつもりだがそのための名分として湖の古文書を持ち出した・・・・だが弱いからこちらを挑発して祖が攻撃したから戦が起きたとするのが中策、下策は痺れを切らして力で押し切ると言ったところだろう」
俺の言葉に全員が押し黙る
「今、うちがとれるのは奴等と睨み合いを続け富国強兵の務めることだ。・・・・・・決して奴等に大義名分を与えぬこと、我等は専守防衛に務めることだ」
「ではどうすればいいと」
「国境沿いの森の罠を増やし、街道を通り安く整備、槍と盾の量産を増やしファランクスができる資材を国境方向に配置有事の際はファランクスを速やかに組めるようにしろ、民にはこちらから攻撃するなと徹底しろ、奴等に攻撃された場合のみ反撃可としそれ以外は耐えろと、もし破れば厳罰に処すと流せ」
「はっ!」
俺は立ち上がる
・・・・・・繋がってる奴がいるかどうか不安だな