NARUTO〜碑の子孫〜   作:雲の如く

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原初 3

「テンジ様!いつまでこのような!」

 

「・・・・・すまぬが耐えてくれ」

 

「くっ!」

 

奴等は武器を持ちながら丘までくると田畑にゴミを撒いたり小便をしたり矢を近くに撃ったりしている

 

民のストレスもウナギ昇りである

 

本当に苛つくな

 

「テンジ・・・・・・行かぬのか?」

 

「あぁ」

 

俺達がいつもの場所に行こうとすると

 

「おやおやこれはテンジ殿、今日は会談の続きの日と思いましたが間違えてしまいましたかな?」

 

「そうだな・・・・・玄武大臣、会談は明日だ」

 

「私は朱雀だ・・・・・しかしそちらが噂の空から来た天女ですかな?」

 

朱雀は舐めるようにカグヤを見る

 

「美しかろう?日頃の行いが良いおかげか天が天女を使わせてくれてなぁ、これから逢引だ。」

 

俺はカグヤの唇を奪い、朱雀にニヤリと笑ってやる

 

「随分と仲の良いことで」

 

「あぁ、貴殿の目をみるに華の国に美女があらぬのか?可哀想に、それもこれも日頃の行いかのう?それではまた明日出直してきてくれ、勿論我が国の領地に滞在許可を出すつもりはないのでそのつもりでな」

 

俺は周りこちらの目があることを確認し

 

「今日は帰ろうかカグヤ・・・・・目を汚す者があってはせっかくの逢引が台無しだ」

 

「・・・・・・・・」

 

俺はカグヤの腰を抱き寄せながら家へと戻る

 

「・・・・・・アイノ」

 

「はい」

 

家に帰るとアイノを呼び寄せる

 

「これを持っておけ」

 

俺は藁が刺さった竹の容器を幾つか渡す

 

「これは?」

 

「俺が作った火の秘薬が入った竹筒だ、使い方は見せたことがあるからわかるな?」

 

「は、はい・・・・でも何故」

 

「カグヤを朱雀に見られた、奴の目・・・・・気に食わん。カグヤに何かしそうな輩がいたらこいつを食らわせろ」

 

「よろしいので?火の秘薬はまだ量産できていないですよね?」

 

「あぁ・・・・・硝酸はたしかに年単位が掛かるからな作るのに、しかしカグヤは俺の女だ。そしてそれに仕えてくれているお前達の身が第一だ。」

 

「・・・・・わかりました」

 

「移動するときは火種を身に着けておけよ、暴発にもくれぐれも気を付けてな」

 

「はい」

 

「・・・・・戦が始まるのですか」

 

「わからん・・・・・だがこのままで多くを奪われる。大切なものも民の尊厳も・・・・・・そして多くの命も、だから戦わなくてはいけないし強力な力を隠し持ってないといけない」

 

「・・・・・争いのない平和はないのだろうか」

 

「まぁ、国が一つに統一できれば最も近づくんじゃないか?ま、それでも小さな争いはあるだろうけどな」

 

「今日は、部屋でゆっくりと過ごすか・・・・・たまにはアイノも混ざるか?」

 

「へっ!?・・・・・えっと、あの」

 

「アイノ・・・・・テンジは妾のものじゃ」

 

「は、はい!もちろんでございます!」

 

「テンジ・・・・・・アイノは妾のものじゃ」

 

「・・・・・ぷっ!あはははは!お前が誰かを自分のものと言う日がくるとはなぁ!いつも無表情の口数が少なかったお前が、そうかそうか!アイノはお前のものだな!悪かった」

 

俺が笑いながら撫でると俺の胸にカグヤが収まってくる

 

「それと・・・・・・・妾はお主のものじゃテンジ」

 

「あぁ」

 

「・・・・・・・」

 

「それとアイノ、その生暖かい目やめてくれ」

 

「失礼しました。私は失礼しますね」

 

アイノは生暖かい目を向けたまま出ていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜がふけたころ

 

「テンジ様!!」

 

外から俺を呼ぶ声が聞こえる

 

「んん〜」

 

このすべすべの肌から離れたくない

 

おっぱい放したくない

 

「テンジ様!!」

 

「・・・・・・よいのかテンジ」

 

「はぁ・・・・・なんか不味そうな声色だから行ってくる」

 

「うむ」

 

俺は布団から抜けると上着を羽織出る

 

「どうした」

 

「テンジ様!国境付近に華の国が陣を構えました!」

 

「・・・・・そうか」

 

「・・・・・・戦が始まるのか?」

 

「カグヤとアイノはここを離れ避難所に行っててくれ」

 

「テンジ・・・・・お主は」

 

「戦の指揮を取らないとな・・・・・大丈夫、また共に空を眺める為に必ず帰らなくてはな」

 

俺はそう言いカグヤを撫でる

 

「護衛をつける、アイノ!カグヤを頼んだぞ」

 

「はい」

 

 

俺は急ぎ陣をはり街道と国の入り口に兵を配置すると

 

暫く睨み合いがつづく

 

月がないとどれくらいたったかもわからんな

 

俺は空を眺めながらぼんやりと考える

 

いざ戦争になったら俺は人を殺せるのだろうか

 

そんなことを考えながら空を眺めていると徐々に黒が薄くなりやがて日が昇る

 

「テンジ様、華の国の使者が会合を求めております」

 

罠の匂いがぷんぷんするな

 

「行くぞ」

 

俺達が敵の陣に行くと玄武のみが兵をつれ待っていた

 

「そろそろ兵を引き上げてくれないか?」

 

「テンジ殿何か勘違いをしていないか?これは国境を護る為の布陣戦の腹積もりはない」

 

「こちらとしても戦はしたくないのは同じだがこのままではあらぬ誤解も生まれるだろう」

 

「そう言われましてもなぁ、こちらとしても何を持ってそちらを信用すれば良いものか」

 

「こちらは既に民に専守防衛を命令している。詰まりそちらが国境を超えて攻めてきたり、攻撃しない限りこちらからは攻撃しない旨を厳命し、破った場合には厳罰を処すふれを出している」

 

「ほう、ならばカグヤを厳罰・・・・・否、死罪にしていただきたい」

 

そう言い奥から縄に繋いだ女をつれた血塗れの朱雀が現れる

 

「死罪とは穏やかではないな・・・・・こちらは厳罰とふれを出していて死罪とは言ってないが?」

 

「カグヤと申す女は怪しげな力を使い、我が部下と私をも殺そうとしたのです!嘘と思うならこの女にも聞いてみるといい!」

 

そう言い女の縄を引く

 

「・・・・・だからなんだ?」

 

「は?」

 

「カグヤの居場所は我が国内のはず・・・・・ちがうか?ヨシノだったか」

 

「・・・・・・」

 

カグヤの世話役の追加で入れた女は震えながら黙っている

 

無言が答えだ

 

「彼女を返していただきたいのだが?そのままでは恐ろしくて話したいことも話せないだろう」

 

「話をそらすか!カグヤが怪しげな技で私の部下を殺し私をも殺そうとしたのは間違いない!違うか」

 

「・・・・・カグヤ様は不思議な力で華の国の兵を次々と」

 

「・・・・・・・」

 

論点はそこじゃないんだがなぁ

 

話の通じない相手は本当に前世から苦労するなぁ

 

「テンジ殿!我等とて兵を殺され、大臣たる私も殺されかけたのに生半可な処罰では面目が立ちません。カグヤの首以外戦争は止めるすべはありませんなぁ」

 

「ふむ・・・・・ならばお主がカグヤを襲ったからやり返されたのであろう?おや玄武殿が防衛の為にというのは間違いでしたのかな?」

 

「なに!襲ってきたのはそちらだろ!」

 

「おや?カグヤの避難場所はこちらとは方向が違う国内ですが?そちらが入らない限り会いませんぞ?そして、武器をもった男が大勢現れたのなら襲われたと考えるのが夫として国主として当然では?情報源も一度そなたらの手に落ちた人間故、簡単に信用できませぬなぁ、一度安全を確保した上でなければ」

 

「テンジ殿は我等と戦争したいと?」

 

「それは、認めるということですか?我妻を狙ったということを」

 

「カグヤが怪しげな力を使ったことはどう説明するつもりだ!奴は化け物だぞ!」

 

「だったらなんだ!あ゛ぁん!?」

 

俺のドスの聞いた超えで静まる

 

「化け物だろうが!なんだろうが!俺の女で祖の国の皇妃だ!こちらが恐れる理由も化け物だと忌避する理由もねぇんだよ!舐めたことガタガタ抜かしてるとケツから手ぇ突っ込んで舌引っこ抜くぞ我!!」

 

「ぐぬっ!ならば現場を見ても同じ事が言えるか!」

 

「くどいっ!」

 

「まぁ落ち着きなされ、現場を皆で見に行きましょう」

 

「いらねぇことだ」

 

「おや、テンジ殿はカグヤ殿の力を知っても変わらぬと言えるならそれを見せて貰いましょう。家臣の方とともにね」

 

ちっ、まずいな

 

もともとカグヤの不思議な力があると噂するものはいたが

 

この時代の考え方は非科学的な方が多い

 

その思想は俺一代で何とかてまきるものでもない

 

流れが悪い

 

「それともテンジ殿は自信がないのですかな?お気持ちが変わらぬ自身が・・・・・ならばお認めになって化け物を狩るべきでは?貴国の為にもねぇ」

 

「くだらぬ挑発を・・・・・女に振られてお宅の朱雀がヤケをになっているだけだろうに、情けない」

 

「何を!!」

 

「テンジ殿、口がすぎるのでは?」

 

「・・・・・・・・」

 

「「・・・・・・・・」」

 

「テンジ様、ここは一旦現場を見に行くべきかと」

 

ちっ、この流れはまずいぞ

 

「さぁ、行きましょう」

 

俺達はカグヤの避難所に向かう

 

「ここはどう見ても我が国の領内だが?」

 

「襲われて追撃したらここに来たのです」

 

「その割には追撃したと言われる方向に戦闘の痕跡がないなぁ、しかもコイツらの傷は矢傷・・・・・・・おかしくないか?矢が抜かれているぞ?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・ちっ」

 

「おや、玄武どの不愉快そうですな?」

 

「えぇ、同胞の亡骸ですからね」

 

「そうですか」

 

俺達が避難所につくとそこには肉片や上半身がなくなっている死体に溢れていた

 

「これをみてを変わらずにいられますか!テンジ殿!」

 

「うん、素晴らしいな」

 

「は?」

 

「これほどの力、素晴らしいと言わずに何と言える?しかも我等ではなくしっかりと敵に向けているのだ。何を恐れるのだ?」

 

「聞いたか!祖の国の者たちよ!テンジ殿はこの恐ろしき所業を素晴らしいといい!化け物をこれからも妻と呼び続けるそうだ!化け物に魅力されたものにお前らの国主はつとまるのか!!」

 

はぁ、今度は何をするかと思えば

 

俺は周りをみるとうちの兵は恐怖を瞳に映していた

 

「お前ら何をしている構えろ」

 

俺は剣を抜く

 

「これ以上の愚弄は戦争の引き金だ、戻って軍を引け玄武大臣」

 

「我等は祖の国の化け物を倒さねば安寧はなし!祖の国の国主は化け物に誑かかされたぞ!!」

 

ちっ!そう言う筋書きか

 

「テンジ様、カグヤを討伐しましょう。奴は化け物です」

 

「既に裏切っていたのか?それとも今か?」

 

幹部だったものの1人が俺の背に剣を突きつけてくる

 

「このままでは祖が滅びるだけでなく我等の家族も、あの化け物一匹の首で終わるのです」

 

「いや、ことがここまでになってはテンジとカグヤの首2つだ、だが元祖の国のものは悪いようにしない、お前に統治を任せる話はついているからな」

 

根回し済みか

 

内政とかいいつつそこら辺をしっかりやって来なかった俺の詰めの甘さが招いた失策だな

 

富国しても強くはならん

 

忠誠と内部の監視をすべきだった

 

疑った時にはもう遅かったのは分かっていたから盲目的に信じる道を行った俺の怠惰が招いた結果か!

 

「ただでは!死なんぞ!!」

 

俺は意を決して油断している朱雀に突っ込む

 

「ぐあぁぁ!!!!」

 

「へっ、ざまぁ見ろ」

 

朱雀の目に剣を突き刺し森へと走りぬける

 

背中には衝撃が走る

 

何かが刺さる感触

 

頬や肌を切り裂き血が流れる

 

「・・・・・・かぐや!」

 

俺は走る

 

恐らく彼女は神樹に向かうはずだ

 

俺は必ず戻るぞ!

 

カグヤ!!

 

 

 

 

喉がやけるようだ

 

「はあっ!はぁっ!」

 

神樹まで後少しだ!

 

無事でいてくれカグヤ

 

「そろそろ準備するか」

 

矢筒には逃げたときのままだから用意した火薬を詰めた竹筒矢は全部ある

 

腰には竹筒が五つ

 

剣は無いから近づかれたら終わりだな

 

俺は火を起こし

 

服を破ると太い枝を探し簡易松明をつくる

 

その時

 

ドォンっと破裂音がする!

 

「爆破音!カグヤ!アイノ!!」

 

俺は走る

 

音のするほうへ走る

 

やがて森を抜けると

 

白い美しい姿が目に入る

 

そして彼女から少し離れ矢が突き刺さり倒れる人影

 

そしてそれを狙う祖と華の兵

 

先回りされたか

 

カグヤはアイノに手を伸ばしながらお腹を押さえる

 

まずい!?

 

戻れば串刺しだ!

 

俺は火を点火し弓を纏めて数本放つ

 

狙いは定まらないが今は充分だ

 

そして破裂音とともに爆破が起きる

 

「かぐや!!」

 

俺は走りかぐやのもとにいくが途中で足がもつれころぶ

 

「・・・・・テンジ!」

 

彼女は俺の近くまでくる

 

「何故じゃテンジ!何故お前が妾を狙う!妾を裏切ったのか、テンジ!」

 

「ははっ、このハリネズミ見たいな姿をみてそれを言うかよ」

 

「・・・・・ならば何故祖が妾とアイノを狙った!」

 

「わりぃ、裏切られちまったよ・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

俺は彼女をみる

 

霞む視界の中でも彼女だけはしっかり見えるんだな

 

俺はのそりと立ち上がる

 

「テンジ・・・・・妾のおなっ!?」

 

俺は彼女が何か言う途中で彼女の唇を奪う

 

それと同時に俺の背中に衝撃がはしる

 

「ゴホッ・・・・・・逃げろかぐや」

 

俺はかぐやの唇をそっと撫でる

 

紅じゃなく血なのが残念だが

 

「やはり、かぐやが一番美しい・・・・・・安心しろまたお前とともに星をみる為に戻る」

 

俺がそう言うとかぐやの白い瞳から涙が流れる

 

「ははは、最後までお前の笑顔は見れなかったな・・・・・泣き顔で終わるわけにはいかねぇ、何としても帰らねぇとな」

 

そう言い俺は矢のついている竹筒の縄に火をつける

 

「・・・・・逃げろ、かぐや」ギリッ

 

俺は最後の力を振り絞り矢を番える

 

「・・・・・テンジ!お主も!」

 

「愛したもんは裏切られ、お前しか残らなかった。それでも俺はテメェの護るべきもん護るだけだ」

 

矢を放つ

 

力がたりずそこら辺に落ちたり明後日のほうに飛ぶ矢もある

 

しかし爆発が敵をひるませる

 

一歩一歩すすむ

 

「テンジ!!」

 

「いげぇ!かぐや!・・・・・・また夜空をともに」

 

そして俺に矢が刺さり俺は倒れる

 

「テンジ!!!」

 

あぁ、くるなよ

 

かぐやは木を向き走っていく

 

それでいい

 

あぁ

 

夜空・・・・見るってできねぇ約束しちまったな

 

必ず帰るって

 

まだだ!!

 

最後の力を振り絞れ

 

後一歩でいい

 

奴らをビビらせてやれ!

 

俺は体につけてある竹筒に火をつけ這いずって奴らの方へいく

 

「この!化け物の仲間め!よくも今まで俺達を操ってくれたな!」

 

「へへ・・・・ばーか」

 

俺は仰向けになるとかつて愛した国の民が憎しみの目でみてくる

 

遠くでは敵が笑ってやがる

 

もっとこっちにきとけよ

 

俺は目線で最愛の人が去ったほうを見る

 

既にその姿は見えないがきっといるのだろう

 

一瞬だけ光が弾け俺の世界は光とも闇とも取れぬ世界に包まれた

 

衝撃も痛みも感じることもなく

 

 

 

 

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