男鈴仙は座薬♂です   作: バナナソフトクリーム

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第7話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、鈴仙は永琳の言葉を胸に、彼の心は決まっていた。

 

自分の戦い方が「弾幕ごっこ」の流儀に反しようとも、

護るべきもののために、その力を振るう覚悟ができたのだ。

 

そんな彼女の前に、一通の挑戦状「弾幕」が舞い込んできた。

それは、霧雨魔理沙からのものだった。

すべての戸や窓を内側から閉め、結界を張った。

 

そして、最も重要な入り口である門の前へと陣取った。銃を構え、神経を研ぎすます。

 

現れたのは、博麗霊夢、霧雨魔理沙、そして魂魄妖夢の三人。異変解決に乗り出した主人公たちだった。

 

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「いい加減、道を開けな! ここは通さねぇぜ!」

魔理沙が叫び、星弾の弾幕を放つ。

 

「この兎、本当に本気で来てるわね……!

」霊夢は、鈴仙の弾幕にスペルカードルールに苛立ちを感じていた。

 

「さっさとやっつけて、月を元に戻さないと!

 

鈴仙は、自身の「波長を操る程度の能力」で魔理沙の弾幕を逸らし、

 

霊夢の御札を弾き飛ばす。

 

彼女の戦い方は、ひたすらに実戦的で無骨だ。

銃を撃ち、接近戦では打撃武器として振るう。それは、芸術的な弾幕ごことは全く異なる、

 

「刀」であり、「弾丸」のような戦い方。

 

(……誰も、私のことなんて知らない)

 

鈴仙は、戦いながら冷静に現実を分析していた

 

。彼女たちが興味があるのは、空に浮かぶ偽物の月という「異変」だけ。

 

自分は、その解決を阻む「敵」。それ以上でも、それ以下でもない。

剣士が、半霊を従えて鈴仙に斬りかかってくる。

鈴仙は波長操作で幻覚を見せ、剣士の動きを鈍らせた隙に、刀で剣士の剣を受け止める。キン、と硬質な音が響く。

 

「くっ……! なんてしつこい兎!」

 

鈴仙は何も答えない。

ただ、無言で次の弾丸を放つ。

彼女の心は、彼らが自分をどう認識しているかではなく、

永琳様と輝夜姫を護るという使命感で満たされていた。

 

永遠亭の奥深く、すべての戸が閉ざされた中で、永琳と輝夜は外の戦いの音に耳を傾けていた。

 

「永琳、鈴仙は楽しんでいるかしら?」輝夜が退屈そうに尋ねる。

 

「さあ、どうでしょう」永琳は冷徹に答える。

「ですが、彼女は月の兵士。護るべきもののために、その『刀と弾丸』を振るうでしょう。地上の者たちが何を言おうと、彼女の使命は変わりません」

 

外では、戦いが激しさを増していた。鈴仙は、地上の者たちの「月を元に戻せ」という叫びをBGMに、ただひたすらに引き金を引く。彼女の戦いは、誰にも理解されないかもしれない。だが、それでいい。彼女には、護るべき場所と、護るべき人たちがいるのだから

 

「そろそろ 来るかもしれません 自室にを戻り」

 

 

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竹林の空から新たな影が舞い降りてきた。

 

「あら、先客?」

 

鈴仙の視線の先に現れたのは、

フリルのついた赤い洋服を着た幼い少女と、メイド服姿の女性、

そして何体もの人形を操る金髪の少女だった。紅魔館の主、レミリア・スカーレットと、そのメイド長である十六夜咲夜、そしてアリス・マーガトロイドだった。

 

「先に行くわよ」レミリアが、有無を言わせぬ態度で霊夢たちに告げる。

 

「へっ、勝手なこと言ってんじゃねーぜ!」魔理沙が反論する。

 

「ここは、私と妖夢が引き受けるわ」後ろから、西行寺幽々子と、

先ほど鈴仙と戦っていた魂魄妖夢が合流してきた。

 

「あなたたちは急いでちょうだい」

 

状況は混沌としてきた。

異変解決を目指す者たちの中でも、派閥や思惑が異なり、足止め役と先鋒役に分かれ始めたのだ。

 

レミリアは鈴仙をちらりと見て、すぐに興味を失った。

「この兎は、後でどうにでもなるでしょう運命道理に」

 

「ちっ、じゃあ私たちは先に行くぜ!」

 

魔理沙と霊夢は、咲夜の弾幕を避けながら、永遠亭の奥へと急ぐ。

 

 

永遠亭の門前には、鈴仙、そして新たに来た幽々子と妖夢、アリスだけが残された。

 

「さて、兎ちゃん。私たちはあなたに興味はないけれど、」

幽々子がふわりと浮き上がりながら言う。

 

「月を元に戻さないと、お花見ができなくなるもの」

 

鈴仙は改めて銃を構え直した。相手の事情など関係ない。

彼女たちはただ、月を元に戻すという目的のために、自分を排除しようとしている。

 

(それでいい。私の『刀と弾丸』は、護るべきもののためにある)

鈴仙は波長を操る能力を最大限に高め、

妖夢と幽々子、そしてアリスに向かって、無慈悲な実戦的な弾幕を放ち始めた。

それは、幻想郷のルールから外れた、護衛兵士としての最後の抵抗だった。

 

 

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鈴仙は波長を操る能力を最大限に高め、妖夢と幽々子、そしてアリスに向かって、

無慈悲な実戦的な弾幕を放ち始めた

。それは、幻想郷のルールから外れた、護衛兵士としての最後の抵抗だった。

 

 

妖夢は鈴仙の波長操作による幻覚に苦戦しながらも、

半霊の補助を受けて間合いを詰める。幽々子は背後から「死を操る程度の能力」でプレッシャーをかけ、鈴仙の動きを鈍らせる。

 

アリスは人形たちを盾にしつつ、精密な魔法弾で鈴仙の注意を逸らしていた。

多勢に無勢。

しかも相手は、幻想郷でも指折りの実力者たちだ。鈴仙の兵士としての練度は高かったが、この状況を覆すほどではない

「終わりにするわよ!」幽々子が、そのラストスペルを解放する。鈴仙の全身に、

 

抗いがたい「死」の概念がのしかかる。体が鉛のように重くなり、銃を構える腕が震え始める。

 

「そこ!」妖夢がその隙を逃さず、白楼剣で鈴仙の銃を弾き飛ばす。キン、と乾いた音が響き、鈴仙のから銃が落ちた。

 

鈴仙は刀で応戦しようとするが、

アリスの人形たちが放つ魔法弾が彼女の軍服を掠め、体勢を崩す。

 

護るべき人たちの顔が脳裏をよぎる。しかし、体は限界だった。

 

幽々子の能力による精神的な疲労と、絶え間ない物理的な攻撃。

 

「おやすみ」

幽々子が、慈悲深い笑みを浮かべて手を振る。

鈴仙の視界が歪み始める。頭痛が激しくなり、狂気の波長が自分自身に跳ね返ってくる。最後は、妖夢が楼観剣の刀身で鈴仙の首筋を軽く打った。

鈴仙の意識は、ぷつりと途切れた。力なくその場に倒れ込み、竹林の地面に横たわった。

 

「気を失ったわね」アリスが人形たちを片付けながら言う。

 

「まったく、随分と手こずらせてくれたものだ」妖夢が剣を鞘に納める。

 

「私たちも急ぎましょう、幽々子様」

 

「そうね、お腹も空いてきたし」幽々子は鈴仙を一瞥することもなく、

 

永遠亭の奥へと足を進める

 

 

「この子はここに放置しておきましょう。どうせ死にはしないわ」

 

三人は、倒れている鈴仙を残して、永遠亭のさらなる深部へと消えていった。

鈴仙は、ただ一人、冷たい地面に横たわっていた。

 

彼女の意識は深い闇の中。護衛兵士としての使命は、果たせなかった。月明かりだけが、静かに彼女の無意識の体を照らしていた。

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