連日投稿です。
誤字報告ありがとうございます。
そして映画に関しての意見もありがとうございます。
とりあえず入れる方針でやっていきましょう。
言われた通り、映画が原作の方で追加されているのもありますし。
『会場や全国のリスナー諸君! 長らくお待たせしたぜ!! 雄英高体育祭もいよいよラストバトル! 一年の頂点が此処で決まるゥ!! いわゆる決勝戦!! そして実はここだけの話、こいつら幼馴染みなんだぜ!? だからこそお前ら、好きだろこういうの!! 持つ者と持たざる者の対決をよォ!!!』
プレゼント・マイクに答えるように歓声がより響き渡る。
確かに、バトル漫画やアニメでもこういった展開は熱くはなる。
「持つ者と持たざる者」……そうだね、ぼくとかっちゃんにはまさにピッタリな言葉だ。
僕は持たざる者として、かっちゃんは持つ者として生まれた。
でも今、僕だって持っているんだ。
『OFA』と、歴代の"個性"を。それに……。
「……そのウゼぇ面やめろや」
「ごめん。でも嬉しいんだ、君とまた戦えて…!」
きっと僕は今笑っちゃってるんだろうな。
でも、それでも嬉しんだよ。
ずっとオールマイトよりも身近で凄い人であった、虐めて来ても、それでも憧れに変わりない君の背中を追っていた。
そして今、こうして正面から本当に戦える機会を得られたんだ。
それにかっちゃんだって、ただ自尊心の塊でもみみっちぃ部分があるのは分かってる。
言葉遣いはあれだけど、振る舞いには、必ず勝ち上がっていくという絶対的思い。
自分と衝突してくる可能性のある相手を観察して勝負に活かす冷静さ。
歴代の"個性"のことも、僕が使ってる姿から複数持ちだってのも感づいてる。
だって幼馴染なんだ。そりゃあ気付くさ。
「ここでハッキリ教えてやるよ。俺が上だってことをな――デク」
「うん。僕も正面から行くよ――かっちゃん」
『決勝戦! 緑谷対爆豪! 今――スタートォ!!!』
開始の瞬間、僕は『フルカウル』+『浮遊』を。
かっちゃんは【爆速ターボ】を合わせて地面を蹴った。
【――セントルイス スマッシュ!!!】
「――死ねぇ!!!」
僕は【セントルイス】を繰り出し、かっちゃんも『爆破』してきた。
お互い同時に喰らい、吹き飛ばされて距離が必然的に離れる。
僕はすぐに体勢を逆さにして、両手で地に触れて飛び上がる。
『浮遊』を再度発動して、『黒鞭』を伸ばす。
かっちゃんもすぐに体勢を直して、避けたり『爆破』で防ぎながら向かってきていた。
そしてそのまま僕より上に飛び上がった。
「落ちやがれェ!!」
『爆破』一発一発を撃ってきた!?
だったらこっちだって、
【――デラウェアスマッシュ エアフォース!!!】
インパクト20%で、デコピンで空気弾を放って相殺させる!!
『爆豪! ご自慢の爆破を器用に弾丸のようにして放ったが、対する緑谷も同じように、恐らく空気弾を放って応戦したァ!!』
「テメェパクッてんじゃねぇぞォ!!」
「君ほど器用にはまだできないよ!」
『危機感知』が鳴った瞬間、かっちゃんは爆破の勢いで一気に接近して回し蹴りを繰り出してきた。
僕はそれを正面から防御し受け止める。
——◆——
ずっとムカついていた。
今も、前も、いやガキの頃からずっとだ。
最近は特に苛立ちが止まらない。
デクは…緑谷出久は変で、狂ったやつだ。
"無個性"の癖に、何も持ってない、何もできない出来損ないの癖に、いつも俺の後ろをついて回ってくる。何もできないくせに、どんなに虐めて遠ざけても離れず、手を伸ばしてくる。
殆どのモブどもは、俺の"個性"と才能を称賛する。
なのにデクだけは、いや、デクだけがそうしなかった。いや、していたが、他のモブとはどこか見方が違かった。
んでガキの頃、俺は足を滑らせて川に落ちた。
そんな俺に心配の眼差しを向けながら手を伸ばした時、そんなアイツを見た時、強く感じまった……劣等感ってやつを。
俺は誰よりも優れている。なのにあの時、デクが一瞬ヒーローらしく見えちまった。
俺と違って"無個性"で、何もできない出来損ないが、俺より後ろにいるはずなのに、先にいるような奴だって認めたくなくて、遠ざけるために虐めた。
それは中学ン時までずっと続いて、んで三年生になってからアイツは急に体を鍛え始めた。
身体を鍛えたところで雄英に入学はできない。
結局"個性"がなきゃ出来ねぇ。
試験当日の実技でそれは確信していた。
なのにアイツは合格していやがった。
しかも体力テスト時に、アイツが"個性"を使ってることが信じられなかった。
それも一つどころか複数使っていやがった。
発現はもれなく四歳まで。そして一人一つだ。
なのに、なのにアイツはそれを全部無視したように、平然と持っていやがった。
騙していた、黙っていたことに苛立ちを覚えた。
それで戦闘訓練の時、アイツと戦って聞き出そうとした。けど負けた。アイツは完全にこっちの動きを読んでいた。
目が醒めた時には訓練は終わっていて、モブ共と会話もせずに帰った。
デクが追ってきて、「恵まれた結果」だって言って、慰めと同情染みたこと言われて腹が立った。
だけど同時に分かった。上には上がいるってことを。
USJの時なんて、一人で
担任がやられた後、オールマイトが来るまでの時間稼ぎ。
そして最後にはオールマイトを救けるために飛びだしもしやがった。
ここでもまた差を見せつけられた気がした。だから俺は決めた。
クソデクがいくつ"個性"を持っていようと関係ない。
その上から完膚なきまでにねじ伏せて、俺が一番になる。
——◆——
防御したけど、そのまま爆破の勢いで押されて蹴り飛ばされてしまった。
着地してすぐに反撃に出ようとしたけど、『危機感知』が鳴りやまずに鳴り続けている。
かっちゃんのギアがどんどん上がって来てるんだ。
「オラどうしたァ!?」
「くっ…!!」
だったら『発勁』とインパクト15%による風圧発散!
【――デラウェア スマッシュ!!!】
【デラウェア】でかっちゃんを一度吹き飛ばし距離を放す!!
『あ~っと緑谷! とんでもねぇ風圧で爆豪を吹き飛ばしたァ!!!』
「チィ!! (一気にパワーが上がりやがった!)」
今だ!!
「『煙幕』全開!!!」
六代目の『煙幕』を絶え間なく全力で、全開で出し続ける!!
【――爆風地雷!!!】
「ッ!?」
『煙幕』が一瞬晴れた!?
いや、かっちゃんの『爆破』なら、かっちゃんならそうすることもできる。
だからってこっちは止めはしない!!!
(何やってんの九代目、これじゃあ君も彼の位置が分からないだろ?)
いえ、これは作戦の一つです!!
『爆豪! 緑谷の出す煙幕を吹き飛ばそうとしたが、煙幕がすぐにステージを包み込んでいく! 見えねぇよ!!』
『闇雲にやってるわけないだろアイツが。緑谷は戦闘スキルもだが頭もいい。いかに戦場で勝利を掴むかアイツは常に考えながら戦ってるからな』
「チィ!!」
爆破の音が聞こえた。
音的に多分、『煙幕』が充満してない上だ!!
それに『煙幕』越しでも微かに光は見える!!
――『黒鞭』+『煙幕』
「あ”ぁ”!?」
『煙幕』を纏う『黒鞭』が次々にかっちゃんへ襲い掛かる。
かっちゃんはそれらをアクロバットを駆使し避け、反撃を繰り返していくのが『黒鞭』を通して分かる。
『な、なんだァ!? 煙幕が爆豪へと次々に襲い掛かるゥ!!』
『よく見ろ。あれは煙を纏った鞭だ。おそらく爆豪の位置がわかるのは、爆破の音やアイツ自身の予測などによるものだろう』
『黒鞭』に『煙幕』を発動しながら、全方位攻撃で『黒鞭』を展開。
姿を隠すことで、かっちゃんは僕自身どこから直接攻撃してくるか分からないようかく乱させる。
その間に僕は『発勁』を溜めていく。
かっちゃんの『爆破』で煙幕が吹き飛ぼうと、かっちゃんの"個性"によって爆破の煙幕もまた生み出される。
そして意図的に空中へ誘導することで、その手数を限らせる。
空中にいるってことは、どちらか片方は必ず落ちないようにしないといけないから、そこを利用する!
(溜めを作るためにここまで…!?)
(だが彼の洞察力、観察力は、九代目の言う通り相当なものだ。この攻撃方法は今最大限で最も適した判断だろう)
「――さっきからうぜぇんだよ!!!」
特大の爆破が繰り出されて、『煙幕』が一気に吹き飛ばされた。
僕もその場に留まって吹き飛ばされないようにもが――ッ!!『危機感知』が反応した!
「やっぱな」
――しかも真上から声が!!
「オラァ!!」
「くっ!!」
咄嗟にガードしたけど、爆破で吹き飛ばされた。
すぐに態勢を直して持ち直す。
「テメェがいちいちだしてやがる煙は、出すだけのしょうもないもので、他の奴がどこにいるかまでは分からない。自分にとっても面倒な"個性"なんだろ? 煙ん中で俺の居場所を正確に捉えたのは、俺の『爆破』の光と音から推測したから。そうとしか言いきれねェよな?」
「……ッ」
大当たりだよ。
僕自身居場所が分からない以上、かっちゃんの【爆走ターボ】による爆音と微かに見える光から推測して捉えたに過ぎない。
「それにお前、どういうカラクリかは知らねェが、俺の攻撃がどう来るか分かってんな?」
『危機感知』のことまで勘付いているのか。
「なんでそう、言い切れるの…?」
「予測とかの動きじゃねぇ。どこからどのタイミングで、どんな攻撃が来るか。ンなの、そういった"個性"でないと出来ねぇはずだからな」
凄すぎだろかっちゃん…!!
そこまで推理したのか!!
(あんな性格なのに、暴君に見えて意外と冷静だ)
(九代目の記憶でも見ていたけど、彼本当にみみっちぃというか、八木と同じ天才…才能に溢れたタイプだね。性格はちょっと問題あるけど)
……はい。
かっちゃんは基本何でもこなせる、身近で一番すごい人で、僕の憧れでもあります。
そんなかっちゃんだから、僕は勝ちたい、追いかけたいと思ったんです。
「その手から出てる黒いのもそうだ。それら全部、おばさんのとも関連性が全くねぇ」
「……ッ」
(幼馴染故に知られ、怪しまれ続けているか……)
(突然変異と言い切って言い訳しているが、"無個性"だった頃から知っている彼からすれば、とことん怪しいだろうな)
お母さんは突然変異って言い訳して信じてもらえた。それ以上に発現したってことで喜んでいたけど。
(小僧、分かってるな?)
……はい。
僕は身構えながらかっちゃんに言う。
「何度も言うよ。これらは全部、
「……」
とりあえず、時間は稼いだ。
ここからは反撃の時間だ。
「なっ!?」
かっちゃんの周辺の地面から『黒鞭』が突き出て現れる。
けどその『黒鞭』は
体育祭までの二週間『発勁』の一定動作による運動エネルギーの蓄積を『黒鞭』から『煙幕』を出すのと同じように『黒鞭』に溜められるか模索した。
その模索を続けた結果、『黒鞭』の形を円状の鎖みたいにし、バネのように弾みを反復させれば『発勁』が溜められることが分かった。
『発勁』によって大幅に強化された結果、『黒鞭』は捕縛だけでなく、それ単体でも十分な攻撃を持つようになった。
これは『黒鞭』に『発勁』を溜めた強化捕縛コンボにして強化遠距離攻撃――
【――黒鎖!!】
「チィ!!」
かっちゃんは上に爆破で移動し、【黒鎖】が追いかけて攻撃していく。
「さっきからそればっかでうぜぇんだよ!!」
その間にさらに地面に残っている【黒鎖】を上にあげさせる。
そう、地面ごとだ!
『なっ、なぁぁああッ!! 緑谷!! いつの間にか地面に黒い鞭を張り巡らせて、地面の一部を盛り上げてそのまま自分毎浮上したァ!!!』
『何をする気だアイツ……』
砕いて瓦礫にして全方面から一斉投擲。
「ッ! 半分野郎に通じたからって、俺に通じると思ってんのかァ!!!」
かっちゃんは一気に『爆破』を繰り出して、瓦礫を爆破していく。
でも僕の読み通り、避けたりもしているけど、迎撃・回避・その場に留まるという三つを、かっちゃんはうまくできていない。
その隙に僕は『煙幕』を発動し視界を塞ぐ。
かっちゃんの位置は爆発音とその際の発光でわかる。【黒鎖】とは別に『黒鞭』だけを先に伸ばす。
すると『黒鞭』を伝わって、爆破されたのが分かった。
『浮遊』と【エアフォース】で一気に急接近する。
「テメェ――」
――遅い!
かっちゃんならきっと、一個一個薙ぎ払うよりも全ブッパの最大爆破をしてくると思っていた。
けどそれはかっちゃん自身の視界を自ら塞ぐことになる。
それに合わせて『煙幕』を展開し更なる視界妨害。
同時にかっちゃんが最後にいたところをしっかりと覚え、『黒鞭』を展開しデコイとして接近。
かっちゃんは反射的にカウンターの爆破を繰り出すから、爆音と微かに見えた光を頼りに『浮遊』+【エアフォース】で即接近。
『煙幕』『黒鞭』『発勁』と、かっちゃんの『爆破』を合わせた完全視界妨害からの不意打ち!!
(俺の『煙幕』で、これ程までの戦法を……!!)
――インパクト15%!!
【――マンチェスター スマッシュ!!】
「――がっ!!」
そのまま足技の【マンチェスター】ですれ違い様に蹴る――けどすぐに『危機感知』が鳴りだした。
「調子乗ってんじゃねぇ!!!」
しかも最大レベルだ。
麗日さんの時の最大火力だと気づいた時には、既に爆炎が襲ってきて、咄嗟に『黒鞭』で僕自身を覆ってガードした。
けどこのままじゃ場外に吹き飛ばされるから、すぐに真下にも伸ばして、地上に降りた。
『煙幕晴れたと思ったら爆豪! もしかして麗日戦で見せた特大火力をかましたのかァ!? 緑谷は即座に地上に戻ってるぞ!!』
「ッチ…! (あの野郎…俺の反撃、しかも最大火力をかますのを気付いていやがった。ただの予測だとかそんなんじゃ説明が出来ねェ能力……こいつの"個性"はやっぱり、裏がある!!)」
かっちゃんも地上に戻って、僕を見ている。
お互い隙を疑ってる状況。
『OFA』『黒鞭』『浮遊』。
『危機感知』『煙幕』『発勁』。
全部総動員して挑んでるのに、轟くんと違ってかっちゃんはかっちゃんなりに対応してきてる。
やっぱり強いし、凄いや。
……本当は身体が未完成故使用はまだできない。
いや、一度だけしてその後まだ使うなと釘を付けられた。
でも、それでもここまで来て、かっちゃんと戦って分かった。
本気で挑んで勝つには、これしかない。
僕は君を超えたいし、勝ちたい。
足を半歩開き両腕をわずかに下げて、左手で握る右手を包みように重ねる。
(――待て小僧)
二代目……!
(お前がやろうとしていることは、中にいるから分かる。だがその力は――
………わかってます。
(分かっているならなおさらだ。忘れたとは言わせないぞ。訓練でたった一度だけ使用したあの日、負荷が大きすぎるあまり一日休まざるをえなかったことを)
……はい。訓練の日、どこまで使えるか把握するために一度だけ使用して、その後負荷に耐え切れず休まざるをえなかったことは覚えてます。
(ならまだ使うべきではない。今お前ができる最大限で――)
(――やらせてあげてもいいんじゃないか? マイヒーロー)
ッ!初代…!
(与一…だが俺の"個性"は極めて強く、それでいて危険だ)
(それでもさ。君も本当は分かってるはずだ。彼が今抱いている気持ちを、その執念を)
(……)
――かっちゃんに勝ちたい。
――勝利の権化である君を超えたい。
――身近で凄い人、憧れに全力で挑みたい。
――全力で勝ちたい、超えたい。
(君が言うこともわかる。けど、緑谷くんにとって
(……――緑谷出久)
ッ!
(使えば最後だ。五分以内に勝てなければ、あの日味わった反動が再びお前に襲い掛かり、敗北が決まる。ここからさらに加速し、本気で俺のも用いて勝ちに行くのなら――必ず勝て!)
……ありがとうございます!二代目、初代…!!!
『緑谷急に独特な構えを取ったと思ったら動かないぞ? どうした?』
『何か溜技を放つための行為か?』
「何してやがる、クソデク……!」
皆が訳も分からず僕を見ている中、僕の声は僕自身と会場全体に響いた。
ガシャコッと、クラッチ操作のような動きと共にクラッチ音が鳴り出す。
ここから五分間――一気に加速する。
この時だけ、一時的にすべてが解錠されます。
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