会場について早々、説明は既にしてあるからオールマイトは反対側に移動し、僕とかっちゃんも始まるまで待機していた。
移動の前に会話したのを最後に、ここまで一切の会話はない。
(向こうは先の話以外ではずっと無言を貫いている。これまでと違い九代目に突っかかるようなことはなかったが……)
確かに、かっちゃんは体育祭以降、大きく突っかかることはなかった。
と言っても、さっきのもあってまだアレだけど……。
『皆、それぞれ位置に着いたね? それじゃ今から、雄英高校1年A組、一学期期末試験開始するよ! レディ――』
アナウンスが鳴り出し、僕は『フルカウル』を纏う。かっちゃんの言う通り、オールマイト相手には逃走がいいけど、戦闘を完全回避は不可能。
逃走のために戦う…それを前提にやる!!
『――ゴォ!!』
「――ッ!!!」
開始と同時に『危機感知』が大きく鳴った!!
「かっちゃん! 真正面から来るッ!!」
「あ”ぁ”!? ッ!!」
かっちゃんにすぐに教えた瞬間――正面からとんでもない衝撃波による風圧が迫って来ていた。
身構えながら『黒鞭』を展開し、同時にかっちゃんも吹き飛ばされないように掴む。
そして風圧に耐えて、何とかその場から吹き飛ばされずに済んだけど、晴れればすぐに土煙からオールマイトが歩み出て来た。
「街への被害などクソくらえだ。試験だなんだと考えてると――痛い目みるぞ」
足の踏み込みだけで風圧が…!それに街もさっきの一撃で周囲に見えるのはほぼ全部崩れてる。
それにこの威圧感……!!!!!!
「私は
『危機感知』が鳴り出した。また来る!
かっちゃんは真正面から駆け出してしまう。
だったら僕はもう君に合わせるしかないじゃないか!!
「死ねやァ!!!」
「痛ッ!! (普通顔掴まれたら反射的に引き剝がそうとするもんだろ!?)」
顔面を掴まれたのにかっちゃんはそのまま『爆破』を連打して攻撃している。
僕は即座に移動し、そのままかっちゃんを地面に叩こうとする手と腕を『黒鞭』で縛り上げた。
「(緑谷少年か…! 君はてっきり逃げの一手を選ぶと思ったんだが……!!)」
「くたばれやァ!!!!」
かっちゃんは続けて爆破を放ち続け、僕はもう片方の腕も縛り上げる。
このまま拘束して、かっちゃんがダメージを少しでも稼げれば――
「不仲の君たちが、なかなかいいじゃないか……だが! 私はそう甘くは――」
「「――ッ!?」」
「――ないぞォー!!!!!!!」
【――OKLAHOMA SMASH!!!!!!】
オールマイトが【オクラホマ】を繰り出して、僕たちはそのままそれぞれ左右のビルに投擲され、叩きつけられた。
『危機感知』で感知したのに、対応が遅れた…!!!
向かい側を見れば、かっちゃんはビルから飛び出してそのままオールマイトにまた攻撃を仕掛けようとしている。
僕はその間に『黒鞭』に『発勁』を溜め…ッ!また『危機感知』が鳴り――
「おわっ!?」
フェンスが飛んで来た!?
「溜める時間は与えないぜ少年!!」
かっちゃんを相手にしながら僕の方に投擲してきたのか!?
最大ではないけど、それでも『発勁』は溜めた!!
――『黒鞭』+『発勁』
【――黒鎖!!!!!!】
「むっ!」
【黒鎖】を繰り出すもオールマイトはそれらを避けたり弾き返したりしてる。
本当に生身なんだよな!?
「死ねぇ!!」
「ッ!」
だけど【黒鎖】を攻撃しつつ、かっちゃんが潜り抜けていける
かっちゃんがそれをくみ取ってくれたかはわからないけど、それでも潜り抜けて、背後からオールマイトを爆破させた。
これで少しでもダメージが――ッ!
「――とりあえずだ!!」
――『危機感知』が鳴り出した瞬間、目の前にオールマイトが来ていた。
僕はすぐに足蹴りを放つも避けられた挙句、そのまま足をを掴まれて外へ、そして地面へ叩かれた。
「カハッ!!!」
「一番厄介な君を封じさせてもらうぞ!!」
爆音が聞こえて見上げれば、かっちゃんがオールマイトの頭上を取り、爆破による勢いでの足蹴りを繰り出そうとしている。
だけどオールマイトはそのまま僕を振るい、かっちゃんにぶつけられて、僕たちは二人揃って吹き飛ばされた。
体育祭でのかっちゃんとの戦いや、本気じゃないヒーロー殺しとは訳が違う…!
(おいおいおいこれ八木やりすぎじゃないか!?)
(俊典の奴…わかっちゃいたが、完全に加減を忘れてちまってるよ……!!)
それでも、オールマイトも本気じゃないかもしれない、それでも、脳無以上の強さと速さ…!!
「クソ、がァ…!!」
立ち上がると『危機感知』が鳴った。
【――SMASH!!!!】
すぐに腕をクロスしながら『黒鞭』を幾重にも巻きつけて、一瞬で詰めてきたオールマイトの拳を正面から防ぐ。
でも重すぎて、腕から全体に激痛と痺れが伝わってきた。
「――んぐっ! うげぇ…!!!」
「かっちゃん!!」
チラッとみればかっちゃんもオールマイトの拳を、それも防御が間に合わず腹部に衝撃を与えられていた。オールマイトからしたら軽い一撃なんだろうけど、僕たちからしたらとんでもない一撃過ぎる。
かっちゃんは吹き飛ばされながらで嘔吐してしまっていた。
「これに耐えるか、見事だ緑谷少年!!」
また攻撃がくる…!けどずっと『黒鞭』で『発勁』を溜めるために、内側で筋肉を伸縮させ続けて溜めた!少しでも距離を離す!!
――インパクト30%+『発勁』
【――デラウェア スマッシュ!!!!】
「ぬぉ!?」
オールマイトを少し吹き飛ばした。
だけどオールマイトは着地してからすぐに向かってきたことを『危機感知』で感知した。
【デトロイト――】【――SMASH!!!!!】
僕とオールマイトの【デトロイト】がぶつかり合う。けど『発勁』がないのと純粋なパワーの差で押し負けて、僕はそのまま壊れたビルの奥まで殴り飛ばされた。
——◆——
緑谷が吹き飛ばされ激突したビルを見つめるオールマイトはしばらくして動き出す。
「さて、戻ってくる前に爆豪少年を――ッ!?」
しかし爆豪へと向いたその先には、膨大な爆炎が迫って来ていた。
オールマイトは咄嗟に防御しその爆炎を耐える。
「(戦闘訓練時に使用していたサポートアイテムか! だが私が壊した建物に乗せることで被害を最小限に抑えているな!! 前回の反省点もちゃんと考えて!!)」
すれば爆音と共に、爆豪が空中からオールマイトへ迫る。
「――死、ねェェェ!!!」
「ふんっ!!」
しかしオールマイトは怯むそぶりも見せずに顔をワシ掴み、そのまま地面へ叩きつけ、加えつけに抉るように地面をそって投擲を行った。
爆豪は地面を抉りながら距離を放され、そのまま倒れ込んでしまう。
同時にアナウンスが会場に響いた。
『――轟・八百万チーム、条件達成!』
「ッ! 驚いた…相澤君がやられたとは! ウカウカしてらんないな……よし、爆豪少年は先に埋めるか!」
オールマイトはそう宣言し、爆豪へと歩み寄っていく。一方で爆豪は、ゆっくりと身体を起こそうとしていた。
——◆——
デクに負けた。
認めたくねぇ、一番になるんだ。
それが俺なんだって……思ってた。
けど現実は違くて、俺は負け続けた。
いや……ずっと負け続けていたんだ。
認めたくねぇ……けど、同じだ。
あの日、川に落ちてデクが心配して手を伸ばして来た時、アイツのことヒーローみたいだって思っちまって、ずっと俺より後ろにいるのに、先に行ってる気がして、体育祭で、もうその後ろ姿は見えないぐらい先にいるって、気絶から覚めた時思っちまった。
認めたくなくて、見たくなくて、遠ざけたくて虐めて、デクを否定することで優位に立とうとしたのに、ずっと張り付いてきて、力を付けて、追い抜かれて、それでもアイツは変わらなくて……。
――認めるしかなかった、俺が弱いってこと。
雄英に入ってからもそうだ。
初めての戦闘訓練で余裕で勝って、聞き出そうと思ったのに負けた。
USJン時も、俺は動けず、アイツは動いて、オールマイトを救けようとした。
体育祭の障害物競走、騎馬戦では十分な戦いが出来なかった。
トーナメントの決勝戦でも、異常なまでの速さとパワー引き出して、負けたくねぇから、死んでも負けたくねぇからもう動かねぇ身体を無理に動かして食らいついた。
けど結局負けた…全部で、アイツに負けた。
思い通りになる事なんてなかった。
まだ一年も立ってねェが、痛感させられた。
短い期間でも、デクの強さと俺の弱さを理解した。
なぁ……お前のその力なんだよ、どうやって手に入れたんだよ。
元々持ってたんだったら、何で黙ってた?何で一人でコソコソと強くなってたんだよ。
だけど今は聞かねぇ……それよりも今は負けたくねェ…勝ちてェんだ…!!
アイツが一つだろうと、仮に複数だろうと関係ねェ…俺はその上を行ってやる!!
デクの強さも凄さも、俺との大きすぎる差も全部認めてやる…いや、認めるしかねェ!!!
だから!!それも全部認めたうえで超えてやる!!!
けど今は、それをするためにも自分曲げて、デクと戦って、オールマイトに勝つ!!!!!!
お前を利用して、勝ってやるよ!!
そんで次はお前に勝って、超えてやるよ!!!!
俺はオールマイトをも超える――
――No.1ヒーローになるんだから!!!!!!!
——◆——
爆豪はゆっくりと立ち上がる。
それに気づいたオールマイトは思わず足を止める。
「爆豪少年…?」
警戒するオールマイトも、爆豪自身も気付いていない。彼の手は微かに発光しかけており――
「もう、十分わかったんだよ…全部…認めたんだよ……だからこそ、あんたに……――」
――周囲には極僅かと、種粒とも言える小さなサイズの『爆破』が、花火が発生しているのを。
瞬間――爆豪はオールマイトとの距離を詰めた。
「――勝つんだよォ!!!!!!!!!!」
それは体育祭にて緑谷が『変速』を一時的に解錠し、全てを全力で迎え撃った時だ。
規格外の力の差に、本来であれば骨も残らずただの肉片と化してもおかしくないレベルの攻撃を受けなお彼は意識と身体を保ち食らい付いたという、意味も、解釈も、その全てが不明過ぎる故、人間なのか疑うレベルの経歴を持っている。
そこには小さな小さな積み重ね、否、彼の成長への繋がりがあった。
"個性"『爆破』。
『手のひらの汗腺からニトロのようなものを出して爆発させる』というのが彼の"個性"に備われし能力。しかし"個性"は身体能力の一つ、使わなければ成長せず衰え、使い続ければ成長し更なる可能性を引き出す。
体育祭での緑谷との戦闘で、彼の"個性"は一時的にその先にある兆しを見せた。
それ故に緑谷に食らいつくことも叶った。
その肉体はまだその領域に達していないだろうが、関係ない。
力とは想いに呼応し応えるもの。
肉体の成長だけではない。
故にその想いに、意思に、意地に、『爆破』は応えた。
完全ではなく、僅かなもの。
全貌が見えない、僅かな先っちょに過ぎない。
肉体の成長ぐらいにもよるのだろう。
その僅かが彼を一時的にさらに向うへと行かせる。
だがこの状態を爆豪自身気づいていない。
完全な無意識下での小さな覚醒の兆し。
その僅かな兆しが、オールマイトを一時的に翻弄させた。
「オラァ!!!!!!」
起爆した瞬間、一度に複数の爆破が連鎖し起こる。
それはあくまで小さな花火のようで、あまりにも一瞬過ぎる故、これまでと変わらない爆破と見えてしまう。
しかし威力は確実に上がり、強力な爆破となっていた。
彼らが気付くことはなく、爆豪はそのまま戦い続ける。
「絶対勝つんだよ!!!! それがヒーローなんだからなァ!!!!!!!」
笑みを浮かべながら叫び、小さな花火から炸裂する一つの強大な爆破の連続爆撃。
オールマイトはすぐに爆豪を抑えようと手を伸ばすも、一時的に数段威力が上がっている故に、その爆風で爆豪は躱した。
「爆豪少年、君なんかいきなり強くなってないか!?」
「ア”ァ”!? 何か言ったかオールマイトォ!?!?!?!?」
「(気づていない!? つまりその火力アップは無意識化によるものか!?!?!?)」
次の瞬間――上空から無数の【黒鎖】が降り注ぐ。
「ッ! 緑谷少年か!!」
オールマイトは【黒鎖】を辿りその先を見張る。
そこには【黒鎖】とは別に『黒鞭』をビルに伸ばし、既に発射態勢に入っている緑谷自身がいた。
――『黒鞭の弾性』+『ワン・フォー・オール出力限界ギリギリ45%』+『発勁蓄積最大』
【――疑似100% マンチェスター スマッシュ!!!!!】
【――DETROIT SMASH!!!!!】
疑似100%にてオールマイトに【マンチェスター】を放つも、対するオールマイトは【DETROIT】にて迎え撃ち、衝突の瞬間強大な衝撃波が二人を中心に発生した。
「(なんてパワーとスピードだよ緑谷少年……それに爆豪少年もここにきて急な成長を見せている。これは少しギア上げないとやばいかもなぁ!)」
オールマイトは元々笑っていたその口を、少しばかりあげ、『残り火』の出力を上げる。
純粋な出力と疑似的出力。
どんだけ近かろうとその差は大きい故、緑谷は押し負け吹き飛ばされた。
「ッ!」
だがオールマイトは、緑谷の吹き飛ばされた先に爆豪がいることに気付く。
いつの間に移動したのかわからない……否、先の衝撃波で吹き飛ばされ距離を離されたことによって、遅れて吹き飛ばされた緑谷との合流を可能にさせたのだ。
すれば爆豪は緑谷の手を掴み、そのまま空いているもう片方の手で爆破を繰り返して、自身と緑谷を爆炎と煙幕、そして稲妻に包まれるように高速回転していく。
その意図を察した緑谷は、その間に足の内側を『黒鞭』を使用することで『発勁』を溜め、同時に『OFA』の出力も身体への負荷ギリギリまで上げる。
【――
爆豪は【
その際緑谷は『発勁』を投擲される瞬間に放出し更なる加速を乗せていた。
――+『発勁』と『OFA45%』!!!!
【――セントルイス スマァァァッシュゥ!!!!!!】
二人の即席の合技がオールマイトへ炸裂する。
結果として、オールマイトは後方へと吹き飛ばされた。
「ぬぅ!! さっきよりも断然威力が高いじゃないか!!!」
だがそれでもNo.1たるオールマイトは耐え、すぐに前を向くも、その時には既に目の前に破壊されたフェンスやら車やらが投擲されていた。
思わず声を上げながらもオールマイトはそれらを破壊していく。
「おいおいマジか! 被害を最小限に抑えるのもヒーローの務めだが……いや」
よくよく見ればだ。
フェンスはオールマイトが緑谷へ投擲したもの。
車も開始前、つまり最初から廃車として設置されていたものだ。
被害を出さないのもヒーローの務め。
故に既に破壊されたもの、もしくは廃棄されたもの"だけ"を武器にしている。
そして投擲された残骸の中に紛れこんで接近した爆豪は手をかざす。
「あんた相手にリスクなしで、使える手札使わずに勝つなんてあり得ねェ……!!」
「ッ!? 爆豪少年!!」
「――だからそこ、全部認めたうえで上を目指してやらァ!!!!!!!!」
オールマイトから見て左側に移動してた爆豪は、もう片方の未使用であった籠手のピンを引き抜き、強大な一爆撃を放とうとする。
しかしオールマイトはそれよりも速く拳を振るい、籠手を一撃で破壊した。
「~ッ!」
「危なかったぜ!! だがこれで――」
オールマイトは爆豪へ拳を振り下ろそうとするも、空気弾が襲い掛かり命中された。
「ぬぅ!?」
思わず飛来してきた方を見れば、『黒鞭』で両手を大砲のように覆い【エアフォース】を放つ緑谷がいた。
「空気砲…! そういや体育祭でやってたな! 忘れていたぜ!!」
その隙に爆豪は距離を離す。
次の瞬間――タイミングよく地中を抉りながら這い寄っていた【黒鎖】が地面から全方位に現れ、オールマイトへと襲い掛かる。
オールマイトは瞬時に跳躍するも【黒鎖】は追い続ける。
しかしオールマイトは緑谷に背を向け、拳をそのまま突き出した。
【――NEW HAMPSHIRE SMASH!!!!!!】
真っすぐドロップキックとして【NEW HAMPSHIRE】を放ち急接近するオールマイト。
『危機感知』で感知ししていた緑谷は辛うじて躱す。
「(ある程度の対応はされてしまう……四代目の『危機感知』、厄介だな全く!)」
着地後再度接近するオールマイトに対し、緑谷は出力を限界ギリギリまで上げながら足を構える。
【――セントルイススマッシュ エアフォース!!!!】
【セントルイス】と【エアフォース】を合わせた足蹴りによる空気の放出。
単純な【エアフォース】よりも断然威力も規模も跳ね上がったその技はオールマイトを少しであろうと止めて見せたが――
「いやいや甘いぞヒーロー!!!!!!!!」
【――TEXAS SMASH!!!!!!】
――オールマイトは空気を吹き飛ばし、瞬時に緑谷へ【TEXAS】を放つ。
真っすぐ一点と言わんばかりの空気が緑谷へ向かう。『危機感知』で感知した緑谷は【エアフォース】と『浮遊』『黒鞭』で躱すも、足が掠ってしまいバランスを崩してしまう。
「今一度君を封じさせてもらうぞ緑谷少年!!」
「――俺を忘れんじゃねぇ!!」
「ぬぅ!!?」
片方が崩れればその穴を埋めるように入れ違い、迫る爆豪にオールマイトは驚愕する。
そして間髪入れず小さな花火の起爆後の強大な一撃の爆破を起こし食らわせる。
しかしオールマイトは煙幕の中から手を出し爆豪を掴んだ。
「君も君でいきなり強くなって驚いたよ。脅威だぜ全く!」
「……へッ!」
「? なぜ笑って…――ッ!」
オールマイトは爆豪の笑みに疑問に思い、そしてまさかと緑谷へと振り向く。
振り向いた先では、緑谷が『黒鞭』を垂れ流し状態に加え、そのうちの一本だけが『
互いの距離は十分すぎるほど近い状態。
それにに加え、緑谷のクラスの中では上位に入るスピードを備えている。
オールマイトはまずいと悟り、そのまま爆豪を振ろうとするも、『危機感知』がある緑谷はそれを察知して防がれることも悟った。
ならばと、オールマイトは爆豪を手放し直上に勢いよく跳躍した。
「くッ!」
緑谷はすぐさま『
「いい作戦じゃないか少年たち!! 戦闘訓練の時の不仲とはとっても思えないぜ!!! だが――」
『危機感知』で感知した緑谷はすぐさま行動に移る。
「『煙幕』ッ!!!!!!!」
『煙幕』を発動し周囲を包み込んだ。
「(六代目の…!) だが目くらましは無駄さ!」
【――OKLAHOMA SMASH!!!!!】
オールマイトは【OKLAHOMA】にて瞬時に晴らすも、彼らは既に次に移行していた。
「マジかっ!?」
晴れた視界の前には爆炎と煙幕、さらに小さな花火を散らし微量ながらに発光している爆豪が迫っていた。
【――
体育祭にて放った爆豪の最大火力を利用した大爆発的必殺技。
無自覚の覚醒の兆し状態故、その火力は本人が思っている最大火力よりも多少なりと倍増している。
そんな【
――今だ。
「――デクァ!!!!!!!!!!!!」
「うん!!!!!!!!!!」
爆豪が叫んだ瞬間、緑谷が『爆破』による煙幕に上乗せするように『煙幕』を発動し視界をさらに潰すと同時に『黒鞭』で爆豪を引き寄せる。
オールマイトは少しダメージをと受けたものも拳の爆風にて二つの煙幕を晴らした。
だがそこには誰もおらず……全速力で脱出ゲートに向かう二人の姿だけがあった。
「ッ! そういうことか!! やられたぜ!!!」
緑谷が『黒鞭』を使ってまで『
爆豪の急激かつ一時的な覚醒の兆しに加え、『変速』無しでも、複数を組み合わせることで疑似的にオールマイト並みの速度をある程度反動無しで出せるようになった緑谷。
先ほどは確実に勝つ気でいた。
否、それは今も変わらない。
だが勝ち方が違うだけだ。
脱出してのクリアで勝ち。
緑谷は元々そのつもりだ。
だがオールマイトからしたら爆豪は自分を圧倒して勝ちに来るとしか思わなかったのだろう。
しかし彼は今日に至るまで、認めたくなくも、認めなきゃいけない現実にあった。
力、実力、成長、持つ者でも持っていないものを、幼馴染は持っていることを知らしめられた。
だからこそ認めたうえで上に行く。
そのために自分を曲げる。
これもまた一つの勝利として。
「なんだい、仲良くできるじゃないか…!!」
オールマイトは咳き込み、吐血を多少ばかりしながら、喜色満面を浮かべる。
そして二人は脱出ゲートを通過し――
『――緑谷・爆豪チーム、条件達成!』
――試験をクリアした。
——◆——
放課後。
何とか試験を終え、みんながみんな帰っていく。
それとあの後、オールマイトはリカバリーガールと七代目からお叱りを受けて、七代目もいたからか何も言い返せず、オールマイトはただ落ち込むだけの状態となっていた。
疲労困憊だから身体が重い……これ帰ったら即寝落ちするかもな……。
(八木くん、本当にやばかったね)
(叱りはしたがアイツなりのやり方なんだ。許してくれよ出久くん……)
はい、大丈夫です。
でもやっぱり脳無と比べて如何にオールマイトが凄いか痛感したし、連合たちがそのオールマイト並みの生物兵器を作ってるのはゾッとしますね。
(確かにな。あれをポンポンと出されては対処は難しいだろう)
(まぁとりあえずだ。さっさと帰って休みな坊主!)
そうします……にしても、かっちゃんのあれは――
「――おい」
「――わっ!!! ちゃん!?」
「ア”ァ”!? 誰がわっちゃんだゴラァ!!」
「ご、ごめん!! な、何か用……?」
背後から突然声をかけられて振り向けばかっちゃんがいて、思わず出た反応に怒られた。
というか、また君から話しかけて来るなんて……。
「――……がと、勝てた」
「………………へっ?」
かっちゃんがお礼を言ってきた。
……ん?ん???んん?????
ッ!?!?!?かっちゃんが僕にお礼を言ってきた!?!?!?!?!?
僕が思わず固まっているとかっちゃんはそのまま僕を置いて帰っていく……僕はそれをただ見ることしかできなかった。
(彼もまた成長しているね。"個性"だけじゃなく、精神、心が)
(いや九代目からしたら、これまでのことを考えると衝撃と困惑の方が大きいでしょ)
Q.かっちゃんこれ後からでも気づかないの?てか気づいていないの何で?
A.半分はアドレナリンがドバドバしているのと、本人も気づかないほどの、原作で初めて出した時以上に小さい粒だからって感じです。自覚はも少し先かもしれません。
Q.いくらオールマイトでも、これは無理があるんじゃないの?
A.サポートアイテムで若返り続ける梅干しに食らいついた男ですし、歴代トップでぶっ壊れてるとも言える人材だから、これぐらいはいいかなって自己解釈した感じです。お許しを……。
ちなみに緑谷の今の『OFA』は出力的にはまだ45%が限度。
それ以上は身体に負荷がかかります。
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