屋上が、タワーが激しく揺れている…!
このタワーそのものが金属で出来てるから、活性化している奴にとってこのタワーそのものが武器なんだ!このままじゃそのうちに街にまで被害が…!!
(俊典の活動限界もとっくに迎えてる! 状況は最悪だ!!)
マズい、被害がこっちまで!!
すぐにメリッサさんを抱えて飛び上がるけど、このままじゃオールマイトが!!
「さっさと潰れちまえェ!!」
「オールマイトォ!!」
金属の柱が再びオールマイトへ伸びていくが、その金属の柱は一瞬で氷漬けにされた。
「――くたばりやがれェ!!!!!!」
「ッ!」
更に聞き覚えのある声がして、すぐに着地してから見れば、かっちゃんが上空にいた。
「ぐっ…あんなクソだせぇラスボスに何やられてんだよッ! えぇ!? オールマイトォ!!」
「今のうちに、
エレベーターの方を見れば轟くんに他の皆もいた。
無事だったんだ…!!
「教え子たちにこうも発破をかけられては、限界だなんだのと言ってられないな!! 限界を越えて、更に向こうへ!! そう、Plus Ultraだァ!!」
オールマイトは金属の柱を破壊や回避などを駆使し、突き進んでいく。
あれなら
【――CAROLINA SMASH!!】
「チッ……」
「観念しろ!
オールマイトは一気に
すると
あれは……!?
(まさか…"個性"の複数持ち!?)
(待って、そんな都合よく……いや、まさかこの事件オール・フォー・ワンも絡んでいるのか!?)
(まさかじゃない! 確実だ!! マズいぞ坊主!! このままじゃ八木が…!!)
歴代の反応から見ても間違いない!!
『フルカウル』+『浮遊』+『黒鞭』で――
「くぁっ!!」
「ッ! デクくん!!」
身体に痛みが…!!屋内でのアイツとの戦いのダメージが今…!?
「Noooooo!! ぬぅッ!?」
「ッ…! オールマイ――ッ!?」
蓄積されたダメージがいきなり襲って来たせいで一瞬動けなくなった一瞬のうちに、オールマイトは全方向から金属の塊によって潰された。
『黒鞭』で『発勁』を片足と片腕にすぐに溜める。
「さらばだオールマイトォ!!」
地面から鋭い鉄柱が何本も伸び、金属の塊ごとオールマイトを貫いた。
皆が、メリッサさんが叫ぶ中、僕は片足に溜めた『発勁』を放出し塊の傍まで移動した。
――インパクト30%+『発勁』による疑似70%!!!
【――デトロイト スマッシュ!!!!!!!!!!】
疑似70%による【デトロイト】で金属の塊は砕け散った。
オールマイトが出てきた瞬間には『黒鞭』で掴み、救出したものの、破片の一部が身体に当たって僕は地面に衝突してしまった。
「くっ…ッ!? 緑谷少年!!! なんて無茶なことを!!」
オールマイトが声を荒げて心配してきてる……理由なんて一つだ。
「――困ってる人を救けるのがヒーローだから……」
「ッ! HAHAHA、ありがとう。確かに、今の私はほんの少しだけ困っている……」
オールマイト……。
(――小僧)
ッ!二代目!?
(少し変われ。今の間に突破口を俺なりに見出した。その作戦を八木にも伝える。お前も聞いておけ)
……はい!お願いします!!
身体を、二代目に――
——◆——
「…! 八木、聞こえるか?」
「緑谷少年…?」
「こうして会うのは初めてだな。俺は二代目継承者だ」
「ッ! に、二代目様!? なぜいきなり!?」
緑谷から二代目と身体を交代させたことで、雰囲気が変わったことに気づいたオールマイトは驚く。
だがそれを気にせず二代目は言葉を続けた。
「口を挟まずに聞け。奴はオール・フォー・ワンから与えられた"異能"の複数持ち。見た感じ『金属を操る』遠距離と中距離メインに、遠目だったから断言はできないが近距離で発揮される『増強系』を保持している。それ以外の"異能"を持っている可能性もあるが、奴は基本『金属を操る』"異能"しか使用していない……きっとそれが奴の生まれ持った"異能"何だろう。その力を増幅させる装置によって強化されているがために厄介だが、その力に頼って攻撃が大雑把だ。『増強系』もまたずっと発動しているが、あれは奴自身が直接接近して攻撃しない限りは意味はない。そして奴はあそこから動こうとしない。小僧の観察の通り金属に触れていないと発動しない故に発動中は動けないはずだ。動かない的に攻めればこちらに勝機はある。八木、お前が最大を放てるのは活動的にはあと一回。そうだろ?」
「…はい」
「だったら足りない分は小僧の、俺達の方で賄う。『ワン・フォー・オール』の100%をカバー出来るこの補強パーツなら、小僧が今100%を放っても問題はない、ブルースの"異能"も合わせてお前の分も賄えるはずだ。出し惜しみはするなよ。奴が後いくつ"異能"を持っているのかわからない以上、先手必勝、先にこちらの最大をぶつけるしかない。チャンスは一度切り……行けるな? 八代目にして平和の象徴よ」
「もちろんです! 私は平和の象徴以前に、あなた方の意思を継いだ八代目継承者なのですから!!」
「よく言った。小僧、お前も聞いていたな? 必ず勝てよ」
「(はい! ありがとうございます二代目!!)」
「礼は勝ってからだ」
すれば二代目は緑谷に身体の所有権を返し、緑谷が表に出てくる。
それに気づいたオールマイトは立ち上がり、緑谷もそれに続いて立ち上がり『フルカウル』を纏い、二人そろってウォルフラムを見据える。
「――行くぞ!!!!!!!!」
「――はいッ!!!!!!!!」
掛け声と共に駆け出した。
「くたばりぞこないとガキが……ゴミの分際で、往生際が悪ィんだよ!!!!!」
ウォルフラムが攻撃を繰り出す。
「それはテメェだろうがァ!!」
「させねぇ!!」
だがそれを爆豪と轟が防いだ。
しかし攻撃は止むことなく、一斉に襲い掛かる。
その攻撃をオールマイトは地を駆け出しながら躱し破壊する。
緑谷もまた途中から七代目の『浮遊』を発動させ空中から飛び、【黒鎖】で柱を破壊しながらオールマイトに続いていく。
ウォルフラムは苛立ち、頭上に巨大な鉄の塊を作り出していく。
一方で緑谷とオールマイトも並び、互いの拳を構えた。
「(目の前にあるピンチを全力で乗り越え…!!)」
「(人々を全力で救けるッ!!)」
「「それこそが――ヒーロー!!!」」
――『ワン・フォー・オール50%』!!!!!
――『ワン・フォー・オール15%』+『発勁』疑似50%!!!!!
「タワーごと潰れちまえェ!!!!!」
オールマイトは『ワン・フォー・オール』の『残り火』を混め、緑谷は最大まで溜めた『発勁』と『ワン・フォー・オール』そのものの出力を引き上げる。対してウォルフラムは巨大な鉄の塊を二人目掛けて投擲した。
【――
巨大な鉄の塊と二人の【ダブルデトロイト】が衝突し合う。
ウォルフラムは押し返し、押し切ろうと粘るも二人もまた打ち破ろうとする。
オールマイトは吐血し、緑谷もフルガントレットに罅が入るが、それでもなお一切の躊躇なく、二人はありったけの力で拳を押し込んでいく。
「ぐぅ……ガハッ!?」
そして必死で抵抗するウォルフラムは、その後頭部にしている"個性"増幅装置が、オーバーワークで異常動作を起こした。
装置による増幅された力を持ってしても、世代を跨いで蓄えられていった純粋なる力の前には及ばないのだろう。
故にウォルフラムは耐えきれず弾かれ、同時に鉄の塊に雷のように亀裂が走り、轟音と共に崩壊した。
オールマイトは一気に『残り火』で飛び上がり、緑谷も『黒鞭』『浮遊』『発勁』を合わせて後に続き、ウォルフラムよりも遥か上へと上がった。
「いけぇッ!!」
「「オールマイトォ!!」」
「「緑谷ァ!!」」「緑谷くん!!」
「「ぶちかませェッ!!!!!!」」
麗日が叫び、それに続くように他の者たちも叫ぶ。
――『ワン・フォー・オール100%』!!!!
「更に――」「――向こうへ!!!!」
ウォルフラムは防御に移るも、二人は真っすぐ飛び――
【――Plus Ultraaaa!!!!!!!!】
――その拳を放った。
——◆——
「ぷはっ!」
瓦礫の山から抜け出せた。
けど結構被害が大きいな…。
(それでもあの
そう、ですね。
けど倒せたのは――
「デクくん!」
「ッ! メリッサさん!!」
「良かった無事で!!」
「メリッサさんも…あっ、オールマイト達は!?」
(下の方にいるよ。ほら)
七代目が向いた方へと見れば、そこにはオールマイトと博士がいた。
よかった…メリッサさんも安心してる。
「よかった……本当に……ありがとう。デクくんたちのお陰で、みんなを救ける事ができた」
「メリッサさんもです」
「え?」
「僕は、メリッサさんの『フルガントレット』に何度も救われました」
「デクくん……」
本当に、『フルガントレット』がなかったらより苦戦していたと思うし、腕にも負担がより重なっていたと思う……あっ。
「す、すいません! 壊しちゃって…!!」
「ふふっ、そんなこと……」
「お~い!」
壊してしまったことに慌てていると、麗日さんの声が聞こえて振り向けば皆も無事なのが確認できた。
——◆——
瓦礫の山の端、そこにデヴィットとトゥルーフォーム姿のオールマイトはおり、オールマイトは傷の手当てをしていた。
「すまなかった。事情を聞いていたのに…」
「いや、謝るのは私の方だ……君という光を失うのが、築き上げた平和が崩れていくのが怖かったのは事実なのだから。だが私の考えも、あの装置も、所詮は現状維持の産物でしかない。君があの時全てを話してくれたから、私は決意出来た。そして未来が、希望がすぐそこにある事にも気づくことができた」
デヴィットは瓦礫の山の頂上へと視線を向ける。
そこには緑谷とメリッサが立っていた。
「メリッサが私の後を継ごうとしているように、平和の象徴と『ワン・フォー・オール』の後継者である緑谷出久のことを」
「……まだまだ未熟な部分もある。しかし、彼は誰よりもヒーローとして輝ける可能性を秘めている。歴代の方々もそう思ってくれているはずさ」
この先の未来、AFOと衝突する未来は決定づけられている。
しかし緑谷はオールマイトが予想していた当初よりもはるかに成長を遂げている。
何より歴代継承者たちがずっとそばにいてくれることもあるだろう。
だからと自身が傍にいないわけにはいかない。
いずれ燃え尽きる『残り火』でも、燃え尽きるまで、そして燃え尽きた後も先代として、師として傍で守り育てる。
オールマイトは、八代目後継者はそう決意しながら見つめる。
そして朝日が昇り始めた。
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