ハハッ、新しい小説書き始めたら思考がそっちに行っちゃって大変ですぜ全く。
それでも出来たので更新です。
しかし連合たちが去った約15分後、ブラドキングの通報によって駆け付けた救急や消防、警察などが到着し、それぞれ活動している。
40名の生徒のうち、
そして――行方不明が二名。
プロヒーローは六名のうち一名が頭を強く打たれ重体、一名が大量の血痕を残し行方不明となっていた。
しかしその三名を残して、他の
——◆——
雄英高校。
外はまだ夏を彷彿させるセミの鳴き声が響く中、正門には多くの報道陣の群衆が押し寄せていた。
しかしそれに構う暇などなく、校長を始めとした教師らは会議室に集っていた。
「
「認識できていたとしても防げていたかどうか…これ程執拗で矢継ぎ早な展開……オールマイト以降、組織立った犯罪はほぼ淘汰されてましたからね」
「要は知らず知らずの内に平和ボケしてたんだ俺ら。備える時間があるっつう認識だった時点で」
「己の不甲斐なさに心底腹が立つ…彼等が必死で戦っていた頃、私は…――半身浴に興じていた…ッ!!!!!」
「襲撃の直後に体育祭を行う等…今までの屈さぬ姿勢はもう取れません。生徒の拉致、雄英最大の失態だ。奴等は緑谷と爆豪の二人と同時に、我々ヒーローへの信頼も奪ったんだ」
各々が
「現にメディアは雄英の非難で持ちきりさ。爆豪くんと緑谷くんの二人を狙った理由……爆豪くんは恐らく体育祭での粗暴な面が少なからず周知されていたからだね。緑谷くんも、恐らく"複数個性"と捉えることもできる、他の生徒たちに比べ一つ抜けた力を持っていたからだろう。どんなことであっても、最悪な結果になった場合、教育機関としての雄英はお終いだ」
携帯に映し出された報道の内容は爆豪と緑谷、それぞれの体育祭などでの内容。
そして新聞にも記載されているのは襲撃事件の内容。
「信頼云々って事で、この際言わせてもらうがよ……今回で決定的になったぜ」
それらで持ちきりの中、マイクは誰もが過った最悪の可能性を口にした。
「――いるだろ、内通者」
その言葉に他の教師たちは静まり返った。
「合宿先は教師陣とプッシーキャッツしか知らなかった! 怪しいのはこれだけじゃねぇ! 携帯の位置情報なり使えば生徒にだって――」
「マイク、やめてよ!」
「やめてたまるか! 洗おうぜこの際、徹底ー的に!!」
「そういうお前は、自分が100%白という証拠を出せるのか?」
スナイプの的確な指摘により、マイクは何も言い返せず口ごもってしまう。
今ここで疑心暗鬼となり、内側から崩壊していくのは、
それでも雄英の教師。
それも校長という立場である根津は信用していると断言するように発言した。
最も、その根津も白であると証明はしきれない。
それらも踏まえ、根津は考えていた案を開示しようとした瞬間、着信音が会議室に響いた。
「すみません、電話が…」
「会議中っすよ? 電源切っときましょうよ!」
「(着信音ダッサ……)」
オールマイトは他の者たちに断りながら携帯を取り、会議室を後にする。
——◆——
「(……教え子すら救けられず…何が平和の象徴か…何がヒーローか…!)」
憤りを隠せない様子で拳を握り締める。
そんな状態の中、電話に出た。
「すまん、何だい塚内君」
『今、二人から調書を取っていたんだが、思わぬ進展があったぞ!
「…ッ!?」
電話相手は友人である塚内警部から。
その友人からの知らせに、オールマイトは思わず目を見開き、本当かと今一度聞いた。
情報は、塚内の部下が聞き込み捜査の際、顔中ツギハギの男がテナントの入ってないビルに入っていったという情報を入手していた。
その男の特徴は、合宿先にて襲撃してきた
裏が取れ次第すぐにカチ込むとのことで、救出・掃討作戦に協力してほしいと頼むために連絡して来たらしい。
彼の言葉にオールマイトは黙り込んでいると、みるみると身体から蒸気が発生しながら、肉体が筋肉質へと変異し始めた。
「私は、素晴らしい友を持った……奴に、奴等に会ったらこう言ってやるぜ――」
「――私が!! 反撃に来たってね!!!!」
マッスルフォームへとなったオールマイトは、そう宣言した。
「(緑谷少年、爆豪少年……歴代の皆さま、必ず救けます!!!!!)」
——◆——
その翌日、庵木総合病院。
合宿所から最も近くにある病院にて、生徒の重軽症者のうち、重傷者が数名入院している。
その病院の外、庭のベンチに一人の少女が曇った表情で座り俯いていた。
麗日お茶子。
撤退する連合たちから緑谷と爆豪を取り返そうと、轟と障子と共に撤退ポイントに突撃した一人。
しかしその手は届くことなく、二人を救け出すことも出来ずにここにいた。
麗日は荼毘の蒼炎によって火傷した手の検査・治療を受けており、今日やっと完治したのだ。
火傷がそこまで深刻なものでもなかったため、火傷痕などはゆっくりと消えるだろうと医者に言われている。
それでも、いくら肉体が完治されようと、心はずっと曇っていた。
「(こんな時…デクくんならどうしてたんだろ……)」
麗日は静かに顔を上げ、晴れ渡って風に乗って泳ぐ雲とその青空を見つめる。
だが脳内を巡るのは後悔と、緑谷ならどうやってあの状況を打破したか、そしてこうなった場合どうするんだろうという考えしかなかった。
そして過る記憶には、誰よりも重傷でありながらそれを一切気にせず爆豪を救おうとする姿。
対して自分は何もできずに手を伸ばすことしかできなかった。
届きそうで届かない……この状況をどうにかしたくても出来ない。
その現実が彼女を追い詰めていた。
「――ここにいたか麗日」
誰もいない筈の、自分しかいない筈のこの場に聞き覚えのある声が聞こえた。
麗日はバッと顔をその声の方へ向ける。
そこには轟と切島が立っていた。
「二人とも……」
「わりぃ…あんま話しかけないほうがよかったかもしんねぇけど、轟から聞いたから麗日にも話しておこうって思って」
切島はバツが悪そうに頭を掻く。
それでも話しかけたのにはちゃんとした理由があったから。
麗日はそれが分からずにいる中、轟は切島を見て、切島は周りに他に人が、無関係の人達がいないか確認してから麗日に告げた。
「なぁ麗日……――緑谷と爆豪を救けに行かないか?」
「――えっ?」
唐突過ぎる誘いに、麗日は理解が追い付かなかった。
「実は俺と轟、昨日も来ててよ。二人で八百万たちの病室に向かってる途中で、オールマイトと警察が八百万の病室に入っていくのを見たんだ。それで話しているところも聞いた」
合宿にて
不意を突かれたことで八百万は頭部に大きなダメージを負ってしまったが、それでも薄れいく意識の中で状況を判断し、脳無の身体に『創造』にて創り出した発信機を泡瀬の"個性"で接合していたらしい。
その発信機は今も起動し続けており、発信機をオールマイト達へ渡しているとも。
それを聞いた麗日は、彼らが何をしようとするのか悟った。
悟ったうえで、聞いた。
「つまり、その受信デバイスをもう一つ、八百万さんに創ってもらって、デクくんたちを救けに行くってこと……?」
「……ッ」
「そう、なるな」
本当なら止めるべきなんだろう。
しかし、麗日はあと一歩、手を伸ばしても掴めなかった者の一人。
故に揺らいだ……今度こそ彼らを救けに行けるというその行動に。
「飯田くんたちは…知ってるの?」
「あぁ、さっき八百万に頼む際に病室で話した。反対されたよ」
「飯田達が正しいのは分かってる……けど、それでも俺は…!!」
どうやら既に麗日以外のA組には話していたらしい。彼らには反対されたが、二人はそれでも救けに行こうとしている。
麗日もまた、飯田達が正しいのは分かっている…だけどという感情が渦巻いていた。
「麗日、俺らの手はまだ届くんだ。救けに行けるんだ」
「轟の言う通りだ……無理強いはしない。けど、轟の話を聞いて、麗日もきっと悔しいと思ってると思ったからだ」
「…ッ!!!!」
「行くなら今夜、即決だ」
今夜、二人を救けに向かう。
その誘いに、麗日はただ俯くだけで答えることはなかった。
「今晩、病院前集合だ」
それを最後に、二人はその場を去って行った。
麗日はなお止めず、俯くだけ。
「(……デクくんなら)」
麗日はまたも緑谷ならという思考が過った。
あの状況でも動いた彼が、己と同じ立ち位置になったらどう動くか。
そんなこと、等に決まっている…否、決まってしまっているが正しいだろう。
故に――
「(デクくんなら、きっと…!!!!!)」
彼女の決意も、既に固まっていた。
——◆——
同時刻……とある場所。
暗闇の中、ジャラジャラと鎖の音が響く。
照明が点いていないいないその暗い何かの空間の中、一人の少年が鎖に縛り上げられながら吊るされている。
そんな少年の傍に置かれている椅子の上に、生命維持装置も担っているマスクを被った男性が座っており、自身の手を見ていた。
「やれやれ、もっと弔の出来が速ければこれが一番チャンスだったかもしれないのに」
男性――AFOはと軽く笑いながら呟く。
「今の僕では奪えないが、オールマイトの嫌がらせの手札が増えたのはとても喜ばしい。今頃彼の顔には笑顔が剥がれてしまっているかな? 見れないのがとても悔しいなぁ…」
AFOは独り言をこぼすが、少年――緑谷は目を覚ます様子がない。
そんな緑谷は合宿でのマスキュラー、そしてAFOとの戦闘によって異常すぎる重症を負っていた。
その傷の手当ては応急処置程度だがされている。
しかし完全な治療は為されていないため、今だ彼の身体は包帯をある程度巻いただけの痛々しい姿であり、痛みが消えているわけではなかった。
故にだろう、彼が目を覚まさないのは。
「オールマイトたちも、今夜にでも動くかもしれない。僕も迎える準備をしておかないとな」
AFOは立ち上がり、暗闇の中を唯一照らすモニターの方へと歩み寄る。
そこには
Q.麗日は何で一緒に見舞いに行かなかったの?
A.手の火傷を受けて、障子と違ってそこまで酷くなかったのもあり再度治療して完治させたのと、原作と違って立ち位置が緑谷あたりにいるからって感じです。
後原作で救助に向かおうという誘いシーンは、緑谷がいて入院していたって理由もあります。
今回の場合、緑谷は拉致られているのと、麗日は入院レベルじゃないからこういう感じに納めました。
あと新しい別作品執筆始めたので、私のページからでも良かったら拝見だけでも。
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