ちょっと目を離したすきにランキング入りが何度かあったり、お気に入り登録や評価がたくさん来たりと、私は信じられないと絶句状態です。
同時にとても嬉しいです。誠にありがとうございます。
誤字報告もまたありがとうございます。
初の戦闘訓練を終えた僕たちは、モニタールームに戻っていた。
ただ、気絶したかっちゃんだけは保健室へと運ばれたけど。
「さて! 今回のMVPだが~……それは飯田少年だ!!」
「ッ! ぼ、お、俺ですか!?」
「ケロ、勝った緑谷ちゃん達じゃないの?」
歴代の皆さんにもいわれたから、なんとなく僕は理由がわかる。
と言っても、麗日さんと飯田くんの戦いは見てなかったからわからない。
「なんでだろうな~? その理由分かる人!」
「はい、オールマイト先生」
昨日のテストで大砲とかバイクとかを生み出していたポニーテールの人が挙手した。
「それは飯田さんが、最も状況設定に順応していたからです。爆豪さんの行動は私情丸出しの独断にして、先ほど先生が仰ったとおり、屋内での大規模攻撃は愚策です。それに対応した緑谷さんも、"個性"による拘束ができるのなら、最初の時点ですでに終わっていました。つまりあの戦いは私情丸出しの私闘。必要のない戦いでしたわ」
「は、はい……」
「麗日さんは中盤に気が緩み、最終的に一人で核の回収に成功はしましたが、飯田さんに気が付かれたのはよくありませんでした」
「うぅ……」
「その中で飯田さんは、相手への対策をこなし、核の争奪をきちんと想定していました。だからこそ最後、対応に遅れてしまった。以上です」
結構、ハッキリ言われた……。
(見てみなよ九代目、八木さんプルプル震えてるぞ)
六代目に言われてオールマイトを見れば、本当に震えていた。
(生徒にほとんど言われて、少し落ち込んでるんだよ)
そ、そっか…教師の立場からするとそうなるんですね。
「それと気になるのは、緑谷さんの"個性"ですね。昨日の"個性"把握テストでも思いましたが、どのような"個性"なのですか?」
「あ、それ俺も思ったわ。身体をパワーアップさせてると思ったら黒いうねうねしたの出したりしてたな」
「闇の顕現」
うっ……そ、そうだよね。
かっちゃんの時点で大体わかってはいたけど、周りから見たらどうしてもだよね。
(九代目、前に八木くんと話し合った通りに)
はい。
「えと……ぼ、僕の"個性"は『性質変化』って言って、『身体能力のエネルギーを別の性質に変えることが出来る』んだ。それで身体能力を強化したり、鞭として放出して捕縛したりできるんだ」
「つまり、先ほどの黒い鞭や身体能力などは全て一つの"個性"で編み出していると?」
「うん、そんな感じ……です」
違う。そういった力じゃない。
身体能力常時強化の『フルカウル』は『OFA』
黒い鞭はその名の通りで五代目の『黒鞭』
関連性はないし、複数だ。
でもこれを話すわけにもいかない。
チラッとオールマイトを見れば、うまく誤魔化せてるなって感じて頷いていた。
「それすっげぇな! 何でもできるってもんだろ実際それ!」
「でも出力とかを間違えると反動で自分を傷つけちゃうから、まだまだなんだ。今回も、運がよかったって言える感じだし」
僕一人だったらここまでできない。
歴代のアドバイスがあってこそ、今こうした結果になってるだけだ。
「それでは次の組を発表後、二試合目の戦闘訓練を始める!! 皆、今の講評をよく考えて訓練に挑むようにな! あっ、緑谷少年たちは自分たちの反省点も含めてだぞ? しっかりと心に刻むんだ!!」
「「「はいッ!」」」
そしてオールマイトは『B』と『I』を引いて、選ばれた人たちが、別の場所に移動する形で会場へと向かって行った。
「デクくんはこの試合、どうなると思う?」
隣にいる麗日さんが話しかけて来た。
僕は映像を見ながら、ノートとペンを取り出して答える。
「どうだろう。昨日のテストでも、みんなの"個性"は見れたけど全部ってわけじゃないから」
「そのペンとノートはどこから出したんや」
映像を見ながら書き尽くしていく。
今思えば初戦なのと相手が知っている二人でとても良かったと思う。
まだ知らないクラスメイトみんなの"個性"をこうして見れるんだ。
(ヒーローオタク…というよりは、"個性"オタク寄りかこりゃあ?)
(元が"無個性"だったのもある。だが、そうであるからこそ、私たちを幅広く使いこなしていけるだろう)
二戦目を見ていると、異形型の人が両腕を複製するように広げて、恐らく索敵をしている。
対して
すると身体の半分を凍らせたような
次の瞬間、ビル全体が一気に凍り付いた。
テストでも見たけど、氷の"個性"…やっぱりすごい。そしてその氷による冷気がここまで来ていてとても寒くなった。
「なんだあれ! 緑谷のもすごかったけど、アイツもアイツで最強じゃねぇか!!」
すると彼は核に触れて、僕達の試合より早く、あっという間に第二試合を終わらせた。
同時に彼の左手から蒸気のようなものが出て、氷が一気に溶け始めた。
(炎と氷の融合型の"個性"か……
ッ!そっか、彼は見た感じ、僕と違って一つで二つ、まさに融合型の"個性"って感じか。
ならなんで、もう片方を使わなかったんだろ?
(拘束だけなら氷だけでも十分だからと思うぞ九代目。それに氷溶かすときに使っただろ?)
それはわかります。
でも、なんだろ…それだけじゃない気が……僕の気のせいだろうか?
——◆——
無事(?)に午後の授業を終え、僕たちは制服に着替えたのち教室へと戻った。
本当は、保健室にいるかっちゃんに会いに行こうと思ったけど、歴代の皆さんに止められた。
(いやいやいや九代目、普通に授かったとかいうつもりだったろ? いくら自分が元は"無個性"ってことを知ってる幼馴染でも良くないよそれ)
(君の気持ちを否定はしない。だが、巻き込みたくないと思うのなら話さない方がいいに決まってる)
うぅ…完全に見抜かれてる。
でも、かっちゃんのことだから、これで何か問題でも起きたら嫌だな……あっ。
(噂をすればだな)
扉の方を見れば、制服に着替えてから戻ってきたであろうかっちゃんがいた。
きっと自分のバッグを取りに来たんだろう。
さっき自己紹介した人たちの一部が、かっちゃんに群がってる。
恐れとかないのか…やっぱ雄英すごい。
だけどかっちゃんは不機嫌なまま、みんなに怒号をかました後に自分の机に言って荷物をまとめ始めた。
「あの、かっちゃん……」
僕は居ても立っても居られなくて呼んでしまった。
歴代の方々はまさかって感じでいるけど…。
「話しかけンな、死ね」
「あっ、待って!」
かっちゃんは荷物をもって教室を後にする。
僕は咄嗟にそんなかっちゃんを追いかけた。
何度声をかけても無視したり、怒号を返したりして止まらなかった。
それでも僕は必死に言葉をかけて、外まで出てやっとかっちゃんは止まってくれた。
「さっきからしつけェんだよクソナード!!」
「……"個性"のことは、ごめん。でも、騙したつもりはなくて…"無個性"だったのは本当だし…」
「あ? 一丁前に哀れんでんのか、アァ!?」
違うよ。そうじゃない。
「僕は、その…たまたま恵まれただけなんだ。この"個性"も、力も、全部恵まれた結果なんだ。今回も、君より全然使いこなせなかったし、かっちゃんみたく、上手に使えてないんだ」
「……慰めか? それとも喧嘩売ってんのか?」
「どっちも……だと思う。負けたくないし負ける気は毛頭ないけど、君が僕なんかに負けてほしくないっていうのが、その言いたいことなんだと思う…!」
するとかっちゃんはこっちに向いた。
けどその顔は、どこか苦しんでいて、あのかっちゃんが涙を漏らしていた。
「……ごちゃごちゃ言ってんじゃねェよ…! 出来損ないだったテメェに俺が負けたってだけの話を延々と蒸し返しやがってッ!!」
「か、かっちゃ――」
「――言われなくてもテメェに勝ってやらァ…! こっからだ――俺はここから! 一番になってやる!!」
そして、「俺に勝つなんて二度とない」と言い残し、背を向けて校門へと歩き出した。
かっちゃん……立ち直ってくれたの、かな……って、なんか後ろから聞き覚えのある声がァ!?
「――爆豪少年!!」
オールマイトだった。
凄い息を荒くして、かっちゃんの肩を掴んで、「敗北は糧になる」って慰めを吐いてるけど、かっちゃんは「歩けない」と吐き捨てて帰ってった。
(メンタルケアも下手……これ、私と空彦の影響か?)
(八木さん、教えるのも下手、メンタルケアも下手って、これ教師として必要な部分が何一つできてないんじゃねぇのか?)
(そうかもしれないね。まぁ今回は彼が既に立ち直っているのもあるんだと思うよ。九代目、君の幼馴染はいろんな意味で大変だけど、すごいね)
は、はい。
そうですね…かっちゃんはすごいですから。
(しかしだ小僧。"個性"のことはあまり話さないことだ。言い方によっては勘づかれる。わかったな?)
はい…ごめんなさい二代目……。
かっちゃんはヒーローが一番似合ってるよ。
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