僕のヒーローアカデミア 継承の黎明   作:伽華 竜魅

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誤字報告ありがとうございます。

そしてヒロアカとくら寿司のコラボが始まりました。
しばらくはくら寿司生活ですね、アハハ。




オールマイト

 

 

 

 

オールマイトが来てくれた。

でも、いつも笑っているその顔が笑ってなくて、まるで怒っているようだ。

するとオールマイトの姿は一瞬で消えて、気が付けば僕の目の前にいた。

 

しかも、階段付近にいた(ヴィラン)たちは倒れてる。

あの一瞬の移動で、全員を!?

これを残り火、『OFA』単体でやったのか!?

 

「無事か緑谷少年!」

 

「は、はい…すみません、相澤先生がやられてしまって、今、蛙吹さんと峰田くんが連れて避難してます……」

 

「あぁ、見ていたさ。そしてよく一人でここまで持ちこたえてくれた!」

 

オールマイトは僕の肩に手を乗せて笑顔でそう言ってきた。

 

「(大事な弟子にここまで負担を負わせて、何が師匠だ!! 少年だって、『ワン・フォー・オール』の事実やその運命を知り背負ったとしても、まだ学ぶことの多い生徒…まったく、これ程までに己自身に怒りを覚えたのは久々だな!!)」

 

(俊典……これは相当怒ってるな。(ヴィラン)と、自分自身に)

 

オールマイト……それもだけど、今は情報を伝えないと…でも聞かれるとまずいから、聞かれないよう小声で…!

 

「オールマイト! あの(ヴィラン)たちの後ろには奴、魔王がいます…あの脳みそが出ている奴も、オールマイト対策で作り出された生物兵器です……」

 

「なっ!? 魔王って、まさか奴は生きているのか!?」

 

「はい……初代の姓と奴の姓が、同じ死柄木です。偶然の一致という可能性もありますが、魔王の姓もまた死柄木であること、僕の"個性"を見て個性複数持ちだと勘付いたこと、加えて知り合いに複数持ちがいるかのような言い回しをしていました。ほぼ確定だと思います……それと、『ショック吸収』という打撃攻撃対策の"個性"を持っています…僕が出せるパワーと三代目の"個性"を持ってしても、あまり効果がありませんでした…!」

 

「Shit!! まさか、あの傷を負ってなお生き延びているとは……!! 緑谷少年、十分すぎる情報だ。よく頑張ったな…! ここからは私に任せてくれ!!

 

するとオールマイトは死柄木へと駆け出した。

けど脳無がそれを防いで、そのまま交戦が始まってしまった。

けど、さっき伝えた通り三代目の"個性"と僕が出せる『OFA』の出力でも効果はあまりなかった。

 

奴らの言うことは本当なんだ。

でも肉弾戦だけでオールマイトを倒せるのか?

 

(きっと、策があるのだろう)

 

策が…?

 

(どんな"個性"であろうと、使い方によっては強力な武器へと変わる。要するに使い方によるってことだ。小僧、八木は下がっていろと言っていたが、どうする?)

 

世間はオールマイトの活動制限を知らない。

オールマイトが無理をしているのを知らない……僕しか知らない、ピンチ……!!

 

「『フルカウル』!!」

 

そして『浮遊』と『発勁』、発動!!

一気に飛び出して、僕は残りの二人を!!

 

「ッ! 死柄木弔!!」

 

「うぉ!?」

 

「チィ!!」

 

死柄木をそのまま蹴り飛ばそうとしたけど、『ワープゲート』に邪魔された。

オールマイトが驚いている。

でも、いくらオールマイトでもこいつらは奴が送り出したんだ…!!

オールマイトに任せてたら、オールマイトが死んじゃう!!

 

「緑谷少年!!?」

 

「まだ僕も動けます! 死柄木と『ワープゲート』は僕に任せて、オールマイトは脳無を!!」

 

『黒鞭』を放出し捕縛しようとする。

だけど死柄木は避けて、『ワープゲート』も掴めない…やっぱり実体はないのか!?

 

(違ぇぞ坊主! あの靄野郎をよく見ろ!!)

 

よく…?ッ!霧でよく見えないけど、微かに見えた!身に着けているような何か!!

 

(おそらく、ワープをする部位は限られている。もしくは、あのような固定するもので身体の形を保っているのかもしれない。あそこを狙えば、捕縛は可能なはずだ!!)

 

『煙幕』はオールマイトも不利になる恐れがある。

でもこいつらになら『危機感知』が反応するんだ。

だったらまずは、『ワープゲート』を!!!

 

(ヴィラン)の出入り口を塞ぐ!!

 

「『黒鞭』!!」

 

「無駄と言っているでしょう!!」

 

クソ!ゲートを開いて無理やり逸らされ――ッ!

『危機感知』が…後ろか!!

 

「お前もいい加減しつけぇよ!!」

 

「それはこっちの台詞だ!!」

 

死柄木が手を伸ばしてきてる。

多分反撃、カウンターとかで蹴りをしても触られて崩される。

考えろ、奴の"個性"を防ぎつつ攻撃する方法を……!そうだ!!

 

「ふっ!!」

 

死柄木に向けて僕は足を振るう。

死柄木は「馬鹿か!」と言いながら笑い掴もうとして、歴代の方々は驚愕している。

けど、ただ蹴ったわけじゃない!

 

「あっ!? ()()()()()()!!!?」

 

今の僕の足は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そこにさっきの動きで溜めた『発勁』が足に蓄積されている!

 

「即席の――死柄木(おまえ)対策だ!!」

 

死柄木の手が触れられた。

でも、『黒鞭』が重なってるからまだ肉体には直接影響されない!

その間に『発勁』を放出する!!

 

「がっ!!」

 

「死柄木弔!!」

 

死柄木が吹き飛んで、『ワープゲート』の意識が僕から逸れた!

 

「くっ…脳無!!」

 

その隙に捕縛すれば――

 

「――緑谷少年ッ!!!」

 

「――はっ」

 

――オールマイトの叫び声が聞こえた。

思わず振り返れば、脳無が拳をかざしながら僕の目の前に立っていた。

『ワープゲート』が指示したのか…!?

 

『危機感知』が反応しないから、それが仇となった!まずい!!回避は…ダメだ間に合わない!

『発勁』も溜まってないし、『黒鞭』も防御にするには時間が……!!!!

 

「ッ!?」

 

「なっ!!?」

 

回避も防御も間に合わないと悟った瞬間、脳無が突然氷結に襲われて凍り付いた。

 

「氷結……てことは、轟くん!!」

 

地面に伝っている氷を見れば、その先には轟くんが立っていた。

 

「テメェらがオールマイトを殺す実行役とだけ聞いた」

 

無事だったんだ。良かった!!

それに脳無を一瞬で…!

 

「散らした生徒…もう彼らを制圧して――」

 

「――死ねェ!!!」

 

「――ぬぅ!!?」

 

『ワープゲート』の方から聞き覚えがありすぎる暴言と爆破が聞こえた。

すぐに向けば、『ワープゲート』を抑えているかっちゃんがいた。

 

「スカしてんじゃねえぞ靄モブが!!」

 

「だあ! 俺だけいいとこねェ!!」

 

かっちゃんだけじゃない。切島くんまで。

 

「平和の象徴はてめェ如きに殺れねぇよ」

 

「かっちゃん…! 皆……!!」

 

(ボケっとするな坊主!)

 

五代目に言われてハッとして、すぐに脳無から離れた。

 

「大丈夫か緑谷!?」

 

「大丈夫! 轟くんありがとう!!」

 

「礼はいい。それよりもお前は下がってろ。ボロボロだ。そのままだと足手まといになるぞ」

 

救けてくれたのに辛辣!?

か、かっちゃんとは別の意味で言葉が鋭い…!!

 

「無事か少年!?」

 

「は、はい! 轟くんたちのおかげで!!」

 

「なら良し! んで、爆豪少年と轟少年のおかげで残りは一人だな」

 

奥の方を見れば、死柄木が復帰してきていた。

 

「おいおい…脳無は凍らされてるし黒霧は押さえられてるし…こりゃあピンチだな……」

 

自分の首を搔きながらそう呟いてる。

 

「このうっかり野郎め! 全身モヤの物理無効人生なら『危ない』っつう発想は出ねぇもんなァ…っと、動くな!!」

 

「ぬうっ…!」

 

「へっ! 『怪しい動きをした』と俺が判断したら、すぐ爆破する!!」

 

「ヒーローらしからぬ言動……」

 

かっちゃん……。

 

「攻略された挙句、一人を除いてほぼ無傷……すごいなァ最近の子どもは。脳無とやり合える奴もいるし……恥ずかしくなってくるぜ(ヴィラン)連合……!」

 

(九代目、アイツはまだ諦めてないぞ)

 

三代目の言う通り、死柄木のあの余裕の振る舞いはなんだ?

脳無も完全に凍らされてるし、『ワープゲート』も封じたのに……。

 

「けどまずは出入口の奪還だな。脳無、爆破小僧を殺せ」

 

死柄木が脳無に指示した途端、信じられないことが起こった。

凍らされていた脳無が、自身の身体のことなんて気にしないとばかりに一気に砕き出た。

身体の一部は当然氷と一緒に砕けてボロボロに崩れ落ちてる。

 

「身体が割れているのに…動いてる……!?」

 

「皆下がれ!! やはり、『ショック吸収』だけじゃないな…!?」

 

「へぇ、よくわかったな。そう、これは『超再生』って"個性"さ」

 

「「「!?」」」

 

『ショック吸収』に『超再生』の"個性"を内包している…!?

 

(意図的に複数持ちを作り出すのは奴しかできない。それも、都合よく肉弾戦に強い個性が共存するとなるとだ)

 

やっぱり…!!!

 

「脳無はお前の100%にも耐えられるよう改造された、超高性能サンドバック人間さ!」

 

身体の再生を終えた脳無は姿を消した。

いや、違う!さっきの戦いでもそうだ。

アイツの速度が速すぎて、まだ今の僕じゃ残像すら見えないんだ!!

 

そして死柄木は出入り口の奪還って言っていた。

てことは……!!!

 

「――かっちゃん!!!」

 

「……うっせ黙れカス」

 

「かっちゃん!?」

 

思わず叫んだけど、本人がいつの間にか僕の横で腰を落としていた。

ちょっとあれだけど、いくらかっちゃんでもまだ脳無の速度に追いつける気がしない。

てことは、吹き飛ばされたのは……。

 

「くっ…加減を知らんのか!? いや、後ろに奴がいるなら、私に加減なんぞするはずないな……」

 

吹き飛ばされたのはオールマイトだった。

 

(脳無の攻撃から彼を救ったが、アイツら、ヒーローはそうするってわかってわざと……!)

 

(一応ガードは間に合っているみたいだが、それでもダメージは入ってしまっているな……)

 

本当だ、オールマイトの口から血が出てる…やっぱり、脳無は本当に…!

 

「仲間を救ける為さ、仕方ないだろ? お前も見たろ? そこの地味な奴が、お前が来る前から、そしてさっきも、俺らに容赦なく殴る蹴るなりして来てた。他が為に振るう暴力は美談になる。そうだろ? ヒーロー」

 

僕に指を指してそう言ってきた。

 

「俺はなオールマイト、怒ってるんだ! 同じ暴力がヒーローと(ヴィラン)でカテゴライズされ善し悪しが決まるこの世の中に!! 何が平和の象徴!! 所詮抑圧の為の暴力装置なんだよお前は! 暴力は暴力しか生まないのだとお前を殺すことで世に知らしめるのさ!!!」

 

「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の目は静かに燃ゆるもの。自分が楽しみたいだけだろ、嘘つきめ」

 

「……バレるの早」

 

そうだ。それにアイツの後ろには魔王がいる。

だったらなおさらそんなことは言わないはずだ。

 

「3対4だ」

 

「テメェらの出入り口はもう塞いでんだよクソ(ヴィラン)がァ……!!」

 

「とんでもねえ奴らだが、俺らでオールマイトのサポートすりゃあ…撃退出来る!!」

 

かっちゃんたちが戦闘態勢に…僕も……!

 

(ちょっ、九代目! 君さっきの戦闘で重症なんだよ!? ただでさえ、三代目の"個性"を解禁して身体への負荷も激しいのに、それ以上は動かない方がいい!!)

 

それでも、です…!

二代目が言っていた通り、こんなところで這いつくばってちゃ、魔王に勝つことはできない……!!!

 

「おい緑谷、お前は重症なんだ下がってろ」

 

「いや、戦う…!」

 

「すっこんでろクソナード! 足手まといだ! テメェは必要ねぇんだよ!!」

 

関係、ない…!!!

 

「黒霧、脳無とオールマイトを殺れ。俺は子どもをあしらう……けど地味な奴は注意しろ。オールマイトとは別で面倒だ。そして…クリアして帰ろう!」

 

死柄木は指示した後、僕達に向かって駆け出してきた。僕達も死柄木を迎撃できる体勢を取る。

 

「おい来てる、やるっきゃねえって!!」

 

『黒鞭』で――

 

(――待て緑谷出久!)

 

ッ!二代目、なんで――ッ!?

ゾワッと、身体中に猛烈なプレッシャーを感じた。

思わずオールマイトを見れば、脳無へと拳をぶつけ合っていた。

 

しかも鈍く大きな音が聞こえて、とんでもない衝撃波が発生してる…!

 

(八木の奴、マジで本気を出してやがる…坊主! きっとあいつらも動けない筈だ! 注意しつつ、友達と飛ばされないよう耐えろ!!)

 

本当に、吹き飛ばされそうだ…!!

凄い……あの脳無と真正面から殴り合いだなんて…!!

 

「す、すげぇ!!」

 

奥の死柄木たちを見れば、五代目の言う通り向こうも動けずもがいていた。

 

「君の"個性"が『ショック無効』でなく『吸収』ならば! 限度があるんじゃないか!? 私対策? 私の100%を耐えるなら…更に上からねじ伏せよう!!

 

血を吐きながら、全力で……あのラッシュは、やたらに撃ち込んでいるんじゃない。

 

(俊典…身体の傷と残り火だけの状態で、100%を…!!)

 

すご、すぎる…!!

 

(ヴィラン)よ…こんな言葉を知ってるか!?」

 

脳無との殴り合いで、脳無が大きく体勢を崩した。

そこをオールマイトは見逃さず、拳を強く握りしめて叩き込んだ。

 

 

「更に向こうへ―Plus Ultra!!」

 

 

脳無はドームの天井へと吹き飛ばされ、天井は穴が開いた。

遥か彼方に…殴り飛ばした……!?

 

漫画(コミック)かよ。『ショック吸収』をないことにしちまった……究極の脳筋だぜ」

 

「デタラメな力だ……『再生』も間に合わねェ程のラッシュってことか……」

 

これがプロの世界……いや、ワン・フォー・オールが背負う戦いの、小さな一端。

 

「やはり衰えた。全盛期なら五発も撃てば充分だったろうに、300発以上も撃ってしまった」

 

オールマイト……よく見たらトゥルーフォームになる際の蒸気みたいなのが、煙に交じって出てる。

かっちゃんたちは、そもそもその姿を知らないから気づいていないけど。

 

(八木さんあれピンチじゃないのか!?)

 

(おまけに他の(ヴィラン)たちも気絶から覚まし始めてやがる! どうする坊主!!)

 

今、僕だけが知ってるんだ。

オールマイトは恐らく限界を超えてしまってる。

ッ!『危機感知』が反応した!!!

 

『フルカウル20%』+『浮遊』

 

「脳無の(かたき)――」

 

そして『黒鞭』!

 

「「ッ!?」」

 

「(緑谷少年…!?)」

 

僕だけが知ってる、ピンチ…!!

身体中が今までよりも悲鳴を上げてる!!

けど捕縛した!このままこいつらをオールマイトから引き剝が――

 

「ッ!?」

 

『危機感知』が反応して、目の前の靄から死柄木の手が…!?

 

「二度目は――ありませんよ!!

 

次の瞬間、銃声が聞こえたと同時に死柄木の手に穴が開いた。

 

「――来たか!!!」

 

手が僕の顔からズレた。

その隙にオールマイトから引き離す!!

 

「マズい…ぬぅ!!」

 

けど『ワープゲート』が靄を大きく展開して、『黒鞭』も無理やりゲートを通すことで引き剝がし、死柄木を守るように覆いつくした。

 

「今回は失敗だったけど……今度は殺すぞ、平和の象徴…オールマイトォ!!!

 

そしてあっという間に、死柄木たちは『ワープゲート』で逃亡した…してしまった。

 

「何も…出来なかった…!!」

 

『OFA』と歴代の力があるのに…僕がもっと使えていれば…オールマイトが、相澤先生が今よりも負傷が少ない状況で済んだかもしれないのに…!!

今だって、戦闘と"個性"の負荷で、ただ身体が痛んでるだけだ……!!

 

「――そんなことはないさ」

 

「ッ!?」

 

その言葉に思わず顔を上げれば、オールマイトが活動限界を迎えてトゥルーフォームの姿に戻っていた。

 

「私が来るまでの時間、そしてあの数秒がなければ、私はやられていたさ……また、救けられちゃったな」

 

「~ッ…良かった……オール、マイ…ト…

 

「あっ、緑谷少年…!?」

 

(九代目、おい九代目!!)

 

(戦闘と"個性"による負荷の限界が来たんだ……後でいろいろと言っておかないとだな、まったく)

 

(ほんと、とことん俊典と似ているな、君は……)

 

 





原作だと指と両足の骨折だけでしたが、ここではオールマイトが来るまで一人で戦ったり、三代目の解禁やらで負傷やら負担が重なって気絶してしまったって感じです。
まぁ原作の負傷も現実で考えるとヤバすぎるんですけどね。

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