勝利の女神:NIKKE[DAEMON X MACHINA]   作:ちしかんn号機

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人とニケ

〔アニスSIDE〕

 

 

 

 

「うわ、まったくラプチャーがいない…」

 

「まるでもぬけの殻ね」

 

「師匠のおびき寄せ戦闘がうまくいっているのでしょうか?」

 

私達は下水路から出て発電所の地下室をシフティーのナビゲーションを元に進んでいた。

 

最初は施設内に小型ラプチャーが徘徊しているかと思ったけど、その影すら見当たらない。

 

「道中にラプチャーが急いで移動した跡があるわ。恐らく施設内のラプチャーもクロガネ少佐の迎撃に駆られたのででしょう」

 

「流石師匠です! 私達は心置きなく調査が出来ますね」

 

「まあ、楽なのは良いけど…やっぱりねぇ」

 

「どうかしたんですか? アニス」

 

「やっぱりクロガネ様―――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…」

 

「それがどうかしましたか?」

 

「それが問題なのよ。本来私達ニケは人間である指揮官様を自分の命を懸けて守るのが原則なのよ」

 

「アニスの言う通りよ。私達は人の姿をしても人間ではなく、ラプチャーと戦い殲滅、地上を人間に捧げる為に作られた強大な力と不滅の命を持った兵器にすぎない。前回私達が助けられた作戦もそうだけど、今回の行動は流石に………」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「そこまでは言ってない。でも、ああやって自分を盾にしてニケである私達を護ろうとするのはクロガネ少佐が傷つくことになる。ニケと関わる時間が長ければ長いほど、人間と似違いを実感して自分がやってきた事の無意味さを知ることになる」

 

「まあ、私達は頭さえ残ればいくらでも復活しますし、あらゆるスペックは人間を凌駕しているのも自覚しています。ですが…ラピ」

 

ネオンは笑顔ではなく真剣な表情で話を続けた。

 

「師匠はそんな事を気にするような只の人間ではありませんよ」

 

「ラプチャーを倒せる銃火器―――しかも対物ライフル級の重量武器を扱える時点でわかっているわ」

 

「いえ、そんな次元の話ではないんです。前にも言いましたが師匠は単騎で通常個体のラプチャー100機とロード級ラプチャー50機をたった一人で殲滅しました」

 

「それは覚えているわ。それでもクロガネ少佐の耐久は人間とは変わらない。そういう意味じゃ普通の人間とは―――」

 

「師匠が言っていました」

 

「?」

 

ネオンがラピの言葉を遮り話を続ける。

 

「どんな姿、形、能力、経歴。あらゆる事柄で人間を超えようとも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()―――っと」

 

「クロガネ少佐は私達を人間と?」

 

「はい。生まれが人間であればどんな方法を用いても、どんな改造をしても、ましてやニケになっても、イレギュラーとなりヘレティックになっても。その存在の本質が人であることは変わりないと言っていました。ニケだってそうじゃないですか? 私達ネームドニケの姿は生前の理想とした姿。そしてどんなニケでも皆人の姿をしています」

 

「まあ、ネオンの言う通りだけど…でも、それとクロガネ様のいう事に何の関係が?」

 

「いや、合理的に戦闘する形であれば腕を直接銃やキャノン砲にしたり、体の内部に銃火器を仕込んだりして継戦能力を上げる方が良いに決まっているじゃないですか。でも、過去にしろ今にしろそういったニケは居ない。師匠はそれを知っているからこそそう言ったのではないでしょうか?」

 

言われてみればそうね。

ネオンの言う通り、より戦いに特化した方がラプチャーと戦ううえで好都合。

 

でも、そんなニケは歴史にも私達の記憶にもない。

 

多分ニケになっても人の形を捨てる事は出来なかったって事よね。

勝利の女神になる覚悟があっても、英雄的部隊であるゴッデス部隊にあこがれても人の形を捨てる事はどのニケもできなかった。

 

私もラピもネオンも同じ。

 

私自身が全身兵器を搭載して強くなりたいかといわれれば―――嫌ね。

 

「ネオン。貴方って割としっかりしているのね」

 

「私は元からしっかりしていますよ」

 

「あの単独使用と高圧線路を長靴で突破できると言っているのに?」

 

「う…それは言わない約束ですよ…アニス」

 

「約束してないし」

 

そんなやり取りがありつつ私達は発電所の中枢へと到着。

 

中枢内部にラプチャー数機を確認して、私達は近くの壁に身を潜めた。

 

「まずは私が見てみるわ―――え?」

 

ラピが発電所内部を見て静かに驚いていた。

 

「何が見えたの?」

 

「ラプチャーが…中枢の端末や装置を操作している…」

 

「え? ラプチャーが人間の文明を利用するなんて―――うわ、本当に操作してるよ」

 

私にもラプチャーが発電所中枢にある装置を操作している場面が見えた。

 

ロード級らしき多くのアームをもったラプチャーが端末やボタンなどの装置を操作。

 

他のラプチャーはそのラプチャーの補助をしていた。

まるで、現場の人間が作業しているかのように。

 

「あの…私の知識が正しければラプチャーが人間の文明を利用するなんてことはなかったはずですよね?」

 

〘はい。これまではありませんでした!〙

 

シフティーも私たちの目から送られる映像を見て驚いていた。

 

こんなことって今まで報告にもなかった。

 

アークが後悔している情報で、ラプチャーは人間が地上に遺した文明を利用するなんて現象は観測すらされていなかったし。

 

「これはクロガネ少佐に報告が必要―――」

 

ラピがこの状況をクロガネ様に報告しようと、中枢内部への注意をそらした瞬間―――

 

内部に居たラプチャーの一体がラピに向けてレーザーを放った。

 

「ラピ!」

 

私はとっさ位にラピの身体を引っ張った。

甲でもしないと、ラプチャーのレーザーがラピを直撃すると察知したから。

 

そして―――ラプチャーの攻撃はラピの頭ではなく首に命中し、ラピの頭が私の足元に転がった。

 

「ッ!?」

 

私はとっさ位にラピの身体を捨てて、転がって来た頭を回収。

 

それと同時に中枢内部に居たラプチャー全てが私たちの存在に気づいたかのように機械音をこの場にとどろかせた。

 

「ッ! ネオン私がラピの頭を運ぶからバックアップを!!」

 

「はい!」

 

「シフティー! ここから最短で脱出できるルートを!! そしてクロガネ様にこの事を報告して!!」

 

〘はい―――ッ!〙

 

シフティーが通信越しでもわかりやすいくらいに驚いた様子を聞かせて来た。

 

それと同時に発電所内部が大きく揺れた。

 

「この揺れは!?」

 

〘二人に接近するタイラント級のコアエネルギーを感知! 識別信号は―――[グレイブティガー]です!〙

 

あの地中をとてつもないスピードで掘って襲ってくる奴ね。

 

ここで戦うのは自殺行為。

ラピも首だけで戦闘不能。

 

「シフティー!退却ルートは!!」

 

〘はい!!この階に貨物輸送用の地下列車があります! 電源も生きておりスキャンしたところまだ稼働します! そしてこの列車をつかえば外部へと出る事も可能です!〙

 

「よし!行くよ、ネオン!」

 

「わかりました!!道中のラプチャーは私の火力で殲滅するので、アニスはラピの頭をお願いします!!」

 

「ええ! シフティー! クロガネ様にこのことを連絡! それと同時に地下列車までのナビゲートを!!」

 

〘わかりました!〙

 

私はラピの頭を抱え、ネオンに護衛されながらこの場を脱出するためにシフティーのナビゲートで地下列車へと向かった。




因みに今回の話は原作で言うところの前哨基地就任イベを繰り上げで消化した感じになります。
既に前哨基地はオリ主であるクロガネが自身の要塞として改造済みであるので、原作カウンターズ3人が前哨基地に来るときのイベントはがっつりオリジナルです。

次回はリリース初期において迎撃戦で強ボスだったグレイブティガー対オリ主となります。

まあ、結果はわかりきっていますけどねw

では!!

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