勝利の女神:NIKKE[DAEMON X MACHINA]   作:ちしかんn号機

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COUNTERS

〔クロガネSIDE〕

 

 

 

 

発電所の調査を終えて俺達はアークに来た。

 

ラピはすぐにエリシオンのニケリペアセンターに運ばれ新しい体と損傷した頭部の治療に入っている。

 

アニスとネオンに関しては俺というよりも、アーセナルを纏った俺の事に関して報告してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「クロガネ様。ちょっと報告があるんだけど」

 

「ん? 何かあったのか?」

 

「発電所を脱出する際に人型の何かが私達を助けてくれたの」

 

「人型の?」

 

「はい!それはもうすさまじい火力の持ち主でしたよ。明らかに他の個体よりも強力なグレイブティガーをあっというまに破壊したんですから」

 

「そうね。実は私とラピも前に同じ存在に助けられたの」

 

「そうなのか。にしても中央政府には報告はしてないみたいだな?」

 

「ラピと話し合ってその場でどうにもまとめきれないから保留にしたの。もしかしたらアークの秘密兵器かもしれないし」

 

「見たとなれば記憶消去の可能性があるからか。まあ、グレイブティガーを撃破する人型の何かか…。そいつは何か言ってなかったか?」

 

「はい。あの存在は自分を悪魔(DAEMON)と名乗っていました。勝利の女神の味方で人間の敵でもなく味方でもないとも言っていましたよ」

 

「そうか。シフティーは観測したのか?」

 

〘いえ。アニス達が遭遇した例の[悪魔]については、こちらが観測する前にエブラ粒子の濃度が上昇して全く掴めませんでした。クロガネさんは?〙

 

「さあな。俺もシフティーと通信した時にもエブラ粒子が増大して通信不能になった。もしかすると、エブラ粒子の急激な濃度上昇がその[悪魔]が来る兆候なのかもしれないな」

 

〘そうですね。その[悪魔]が高濃度のエブラ粒子を発生させる。そうなると此方での観測は実質不可能ですね〙

 

「要するに現場に人間が観測する必要があるって事だな」

 

〘推測ですがそうなりますね。報告はどうしますか?〙

 

「俺が纏めておくからシフティーは誰かに聞かれても俺が提出予定のレポートを参照とアンタが作成する今回の作戦レポートに記載しておいてくれ」

 

〘わかりました。それにしても発電所を操作するラプチャー……なんだか不穏な動きですね〙

 

「ああ。そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

っとまあ、こんなやり取りがあった。

 

アニスが俺も合わせやすいように真実と虚実を交ぜてくれたおかげでネオンとシフティーに怪しまれずに済んだな。

 

そんなこんなで俺はアークの中央政府総司令部にあるアンダーソンの部屋に来て、今回の報告とアニス達が遭遇した[悪魔]についての作戦レポートを提出した。

 

「ふむ。レポートは読ませてもらった。発電所を運用するラプチャーに突然現れ君が随伴していたニケを助けた[悪魔]という存在か」

 

「俺は見たことないからよくわからないが、特殊個体であるグレイブティガーよりも強くなったグレイブティガー、おそらく異常個体だと思うがそいつを簡単に撃破したらしい」

 

「異常個体化したグレイブティガーを簡単に撃破か。全身破砕機で銃弾や砲弾の威力をかなり軽減されるのに簡単に倒すか…」

 

「悪魔はそのグレイブティガーにアニスたちが切り離した列車を右腕部で持ち上げて投げつけたそうだ」

 

「銃火器の他にも基礎スペックもかなり高い…下手すればヘレティックに届きうるか……」

 

アンダーソンは俺のレポートを見て深く考えていた。

 

まあ、アークと中央政府の明確な敵かどうかを考えているんだろうな。

 

「報告は受領した。さて、君が私の元に来てくれたのは此方としても好都合だったんだ」

 

「俺に用時でも?」

 

「ああ。そろそろ君には専属のニケをあてがう事にしてね」

 

「専属のニケ? 別に俺はいらないが」

 

「しかし中央政府も不特定のニケを君に使わせることに難色を示しているんだ。中央政府が想定しているニケと指揮官の運用と君の行動方針は大きくずれているからな」

 

「まあ、俺は俺のやりたいようにやっているだけだからな」

 

「それが上にとっては問題なんだ。それに君に合わせられる部隊も限られてくる」

 

まあ、俺の指揮能力に見合ったニケの部隊に関しては[アブソルート]と[カフェ・スウィーティー]くらいだ。

 

メティスも俺の指揮能力に合うとも言われているが、組んだことが無いからわからない。

 

そもそも俺の指揮は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そういえばキロとタロスは今頃どうしているだろうか?

 

今は地上で長期任務と聞いているが…。

 

「そんで、俺に専属のニケを当てがうって誰にするんだ?」

 

「すまない。専属のニケは語弊があった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()3()()()()()()()()()()

 

「最初からそれを言ってくれ…」

 

「これでも色々と業務を掛け持ちしているんだ。許してくれ」

 

「ああ。それで3人って誰が来るんだ?」

 

「それはだな―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで、アンダーソンの指示でこれから俺だけの特殊別動隊にアニス、ネオン、そして現在退院してこっちに向かっているラピ3人が入る事になった」

 

「え?」

 

「おおー。ついに師匠と正式な部隊仲間ですか!!」

 

俺は中央政府総司令部にあるニケ管理部の一室で、上座に座らせているアニスとネオンにそう辞令を出した。

 

「私がクロガネ様と同じ隊? どういう事?」

 

「アンダーソン直々の指名だ。どうやらこれまでの作戦情報や前回の作戦情報を見てアンタ等とラピが俺と組むのが良いそうだ」

 

「副司令官からの直々の指名とはね。つまり出世って事よね?」

 

「まあそうだな。ちなみに[分隊04-F]は俺の特殊別動隊に吸収される形で解散となるそうだ。それと宿舎もアークから俺が自治している前哨基地にある宿舎に移動になる」

 

「かなり急ね。まあ、出世なら給料も増えるし噂の生の食材を生産している前哨基地に行けるなら良いかもね。食べ物も美味しいって私達テトラのニケじゃ大盛況だし」

 

「そういえば師匠はアークに少量ですが、パーフェクト以外の持続的な生の食材の量産に成功した功績を持っていましたね」

 

「俺がやったわけじゃ無くて、前哨基地にスカウトした人材が農業、畜産、植物学に詳しい奴いたのと[ボタニックガーデン]の協力があってこそだけどな」

 

そう、俺は前哨基地を運営する際にそのこの人事権もアンダーソンからもらっている。

 

アークに入れない条件付きで、俺はアウターリムで才能をくすぶらせている人材をスカウトしている。

 

未来を見据えたうえでの人材発掘で、1年前に生産量は限られているが畜産と農業を持続可能な状態までもっていって生の食材の量産に成功している。

 

そのお陰でアークの特権階級や財界の奴等は高値で買ってくれているおかげで色々と助かっている。

 

因みに前哨基地で働く職員には格安で食べられるようにしている。

 

「というわけで2人は3日後には前哨基地に移動できるように荷造りをしてもらう。ラピは―――まだ時間じゃないから俺から説明しておく」

 

「とりあえずわかったわ」

 

「了解です。あ、質問なのですが…」

 

「なんだネオン?」

 

俺はそう聞き返すと、ネオンは眼鏡を光らせながら答えた。

 

「武器庫と武器関係の工房はありますか?」

 

「そういう事か。あるぞ、使いたいのなら前哨基地に来た時に説明しておく」

 

「やったー!!」

 

そういって大きく喜ぶネオンだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明を終えてアニスとネオンは退出。

 

俺はそのまま退院から帰ってくるラピを待っていると扉からノックオンが聞こえた。

 

「[分隊04-F]隊長ラピ入ります」

 

「どうぞ」

 

俺がそう返すとラピが入って来た。

 

怪我も完全に治療されて五体満足といった感じだ。

 

俺はラピを上座に促し座らせた。

 

「さて、体調は大丈夫か?」

 

「ボディを再整備し、復帰しました」

 

「元気そうだな」

 

「はい」

 

それから俺はアニスとネオンに伝えた辞令をラピにも伝えた。

 

「―――というわけだが質問はあるか?」

 

「ありません。これからよろしくお願いします―――クロガネ指揮官」

 

「指揮官呼びは止してくれ」

 

「では前と同じくクロガネ少佐と呼びます。……………」

 

ラピが何か俺に言いたげな様子を見せる。

 

「言いたいことがあるなら言え。本格的に一緒に戦う事になるんだ。正式な部隊編成前にわだかまりは解消しておきたい」

 

「わかりました。それならこの機会なのでもうしわげますが―――私達ニケは人間ではありません。プチャーと戦い殲滅、地上を人間に捧げる為に作られた強大な力と不滅の命を持った兵器にすぎません」

 

()()()()()()()()()()()()

 

「はい。大破したニケが次の日普通に戻ってくることは日常茶飯事です。私が戻ってきた時に少しだけ深刻な顔をしていました」

 

「負傷した部下を気遣うのは意味が無いと言いたいのか?」

 

「………クロガネ少佐。()()()()()()()()()()()()()()()

 

声音に重さが宿る声でラピはそういった。

 

そういえば前にもいろんなニケから同じようなことを言われたな。

 

まあ、俺が返す言葉は変わらない。

 

「勝利の女神の力を持った人間。そして―――()()()()()()()()()()()()()()

 

迷いのない俺の答えにラピは僅かに沈黙して、口を開いた。

 

「私達を人間として、守るべき存在として見てくれるのは有難いことです。ですが、結局は貴方が傷つくことになります」

 

「時間が経過すればするほどニケと人間の違いに気づいてか? 随分と俺は安く見られたもんだな」

 

「いえ…そんなことは―――」

 

「あるだろう。俺が指揮官になって早数年。数多のニケ達と作戦を共にしてきて、時には俺自身が自ら勝利の女神として終わらせることもあった。そんな中で俺は君達勝利の女神は、アークにいる価値も無く、謀殺や暗躍ばかりか権力にしがみつき、地上奪還を忘れた糞みたいな人間よりもよっぽど人間だ」

 

「ですが…」

 

「これは俺の持論だが、どんな姿、形、能力、経歴…あらゆる事柄で人間を超えても、元が人間であるなら、そいつは人間であることには変わりない」

 

「……ネオンも同じことを言っていました。貴方にそうニケに対する価値観を聞いたと」

 

「覚えていたのか。まあ、俺はそういう考えだ。もし人間から本当に人間でなくなるのは難しいな」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ。だが、俺が過ごして来た人生の中で人間を辞めて外道に堕ちた元勝利の女神が一人だけいた」

 

「それは…誰なんですか?」

 

「勝利の女神という存在を根本的に汚した存在。[赤い靴の堕ちた女神」とだけ言っておこう。そいつは―――俺が唯一怒りと憎しみを以って殺した元ニケだ」

 

「………そんなニケがいたのですね」

 

「ああ。だがもういない。俺が徹底的に滅ぼしたからな。まあそんな奴はもう出てくることは無いに等しい。言ってることが矛盾していて幻滅したか?」

 

「いえ。やる時は情に流されずやるべき人だと思いました」

 

「勝利の女神のお褒めにあずかり光栄だな。これからよろしくな―――ラピ」

 

「はい。よろしくお願いします―――クロガネ少佐」

 

俺とラピは握手を交わした。

 

「あ、クロガネ少佐」

 

「なんだ?」

 

「いえ、これから所属する特殊別動隊の部隊名は決まっているのでしょうか?」

 

「ああ。既に決まっているというか、俺が部隊をもったらこの名前と決めているんだ」

 

「お聞きしても良いでしょうか?」

 

「ああ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()―――」

 

俺は携帯端末の立体ホログラムに部隊章を投影しながら名乗った。

 

 

「[COUNTERS(カウンターズ)]」

 

 

 

 




次回は第二章に突入します。

要するにクソガキCEOとおしゃべりさんが登場します。
あ、あの二人組は勿論救済措置をしますのでお楽しみに!
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