勝利の女神:NIKKE[DAEMON X MACHINA] 作:ちしかんn号機
高評価や新しいお気に入り登録、感想がどんどん募集しているのでよろしくお願いします!
前哨基地
〔語り部SIDE〕
ニケであるラピ、アニス、ネオンの4人が加わり特殊別動隊に部隊名である[COUNTERS]が付けられた翌日。
アンダーソンが働く中央政府総司令部の副司令官執務室にイングリッドが招かれていた。
「話とはカウンターズが遭遇した[デモン]と名乗った存在の事か?」
「それもあるがラプチャーが発電所を使っていた件もある」
「それもネオンとラピから聞いた。にわかには信じられないが作戦中の映像を記録した映像にはそれを確信させる光景が映っていた」
「ああ。ラプチャーがこれまで地上に遺棄された人間の文明を利用した報告は0。それが彼らによって覆った」
「進化していると思った方が良さそうだな」
「ああ。クロガネが独自に調査している既存のタイラント級を超えた性能を持つ異常個体もある。言語を介するタイラント級ラプチャーである[トーカティブ]もそれに該当するだろう」
「ラプチャーの目的…。人類の抹殺か人類に代わるか……どちらかだろうな」
「私も同じ意見だ。そしてこの作戦で初めて観測された人型の未知なる存在についてだが…」
「どうやら奴が現れる兆候といっていいのか分からないが、奴がネオンとマスタングの所のニケと接触する少し前に急激にその区域のエブラ粒子濃度が急上昇していた」
「そして、その影響でオペレーターからの観測が不能でありアークはその[デモン]を観測できていない」
「ネオンの記憶をスキャンしてどうにか全体像が割り出せた―――これだ」
イングリッドは専用の端末を机に置き、そこから立体ホログラムを展開。
そこにはネオンの記憶データを元に作られたアーセナル[X MACHINA]を纏ったクロガネが立体画像で投影された。
背後にはネオンの視点で観測された[X MACHINA]を装備して戦うクロガネの戦闘映像も流れている。
「…ッ」
アンダーソンの様子が
幸いアンダーソンの様子が変わったことにイングリッドは気付いていなかった。
アンダーソンはそのまま[X MACHINA]を初めて見た様に装いながら画像の一つである計測データを見て感想を言い始める。
「見た目や構造、君のニケの資格情報から得た戦闘データ。どれもニケやラプチャーの戦闘データとまるで一致しないな」
「ああ。この映像にある[デモン]のエネルギー出力もタイラント級以上…下手すれば以前に私の[アブソルート]、シュエンの所の[メティス]が戦ったヘレティック[インディビリア]に並ぶ」
「ヘレティック級か…。それに戦闘した周囲のエブラ粒子濃度が異常に濃い。もしかするとその[デモン]とやらはエブラ粒子をエネルギーに転換して戦う対話インタフェース搭載の自立兵器かもしれないな」
「そんな兵器が存在するのか?」
「100年前のラプチャー1次侵攻前はこれでもかと技術革新が多く発生していた。*1そしてラプチャーによる侵攻で多くの技術や文化が失われている。この存在もその際に失われたと思われたが、時を跨いで区の時代に復活した―――その可能性も少なからずあるだろう」
「確かに。地上にはラプチャーもそうだが我々が知らない未知の技術が現存している可能性もある。この[デモン]はその1つという事か?」
「まだデータが少ない以上は断定できない。とりあえず下手に報告しない方が良いだろう。イングリッド、このデモンについての報告は?」
「まだ知っているのは私とネオンだけだ。ネオンにも私が許可するまで当事者以外に[デモン]と接触したことは口外しない様に命じてある」
「それは賢明な判断だ。クロガネ君にもレポートは誰にも介さず私に提出する様にしているし、他のニケにも許可が出るまで緘口令を敷いてある」
「なら、情報の封鎖は辛うじて成功といったところか。まったく、
「ああ。[デモン]については
「そうだな。私はこの[デモン]について本社に戻って分析してみる。アンダーソン、お前は?」
「私は今のところは静観だな。これ以上クロガネ君たちをむやみに動かせばシュエンに何かあるか気づかれる」
「それもそうだな。だが、シュエンがクロガネになにかしようとも大丈夫なのだろう?」
「ああ―――その為の[
◇
〔クロガネSIDE〕
「ようこそ―――前哨基地へ」
俺は前哨基地に唯一つながるアークとのエレベーターステーションで前哨基地にやって来たラピ、アニス、ネオンの3人を迎えた。
「ここが噂の前哨基地。クロガネ様が来る前だと不毛の土地とか言っていたけど…」
「なんかいい感じの町って感じですね!」
「前線基地とは思えない程、人がかなりいますね」
前哨基地を見た3人はそう感想を言ってきた。
「ああ。折角広い土地を基地だけに運用するのはもったいないと思って色々と人材を集めたりして人がそれなりに住めるようにして来た。もちろんラプチャーが時々来る場所から数キロエリアは居住区と
隔離しているけどな」
「もしかして、あのでっかい壁の事?」
「ああ」
アニスが右手を日傘代わりにしてみた先には前哨基地を遮るように建造されたデカい城壁。
あの向こうにはラプチャーが定期的に進行してくるラプチャーから居住エリアを護るために[マイティツルーズ]と建造が得意な量産型ニケ、俺や前哨基地の仲間が勧誘した元アウターリムの住人の協力によって完成した壁だ。*2
「そんじゃ、前哨基地を案内しつつ俺がこの基地の統括を任せている職員との面会、そしてアンタ達がこれから暮らす宿舎へと案内する。そこの車に乗ってくて」
俺はエレベーター前に止めてある前哨基地で俺と元アウターリムの住人で設計して製造した四輪駆動の全地域対応の車に3人を案内する。
「この車両はアークで時々見かける車ですね」
「私も見かけるわね」
「私もです」
「これは前哨基地で設計製造されている全地域走行車両[フォート]*3だ。中央政府にもそれなりの数を卸しているな―――3人は後部の座席に座ってくれ」
それから俺は3人を乗せて前哨基地の居住区を案内した。
一般的な施設から武器や戦闘に関する場所など案内して3人からは軒並み好評だった。
一番驚かれたのは―――
「うわぁー! あそこ、色んな植物がいっぱい植えてありますよ!」
「それに地上の動物―――牛に豚、鶏…もしかして、噂の畜産と農産をやっている場所!?」
「ここまで大規模な農場や畜産場はアークにはありませんね。これもクロガネ少佐が?」
「俺は専門家を集めてどうにかできないかを提案したり、それなりの資材とかを地上から持ってきただけだ。大半はここの職員が適切に運営してくれるからこそできた事だ」
特に畜産と農産エリアは地下暮らしが長い3人にとってはかなり新鮮な光景だったみたいで好評だった。
今度、居住区にある定食屋で美味い料理でもご馳走するか。
そんなこんなで前哨基地の案内が終わり、到着したのは前哨基地の司令塔たる[コマンドセンター]。
「ここが前哨基地の司令塔である前哨基地職員の最高責任者と会ってもらうぞ」
「え? 前哨基地の最高責任者はクロガネ様じゃないの?」
「ああ。だが、前哨基地の運営の大半は職員がそれぞれ役割を分担して行っている。今から会うのはその職員たちのトップだな」
「つまりクロガネ少佐の側近といえる方なのですか?」
「
俺は3人を連れてコマンドセンターに入り、受付で働いている人間とニケの職員に最上階にいる彼に3人を連れて来た事を説明。
そのまま俺達はコマンドセンターの最上階にある前哨基地職員最高責任者の執務室にエレベーターで向かい部屋の前に到着した。
「3人を連れて来たぞ」
「ああ。入ってくれ」
男の声が扉の向こうで聞こえ、俺は3人を連れて部屋に入る。
そこには白色が特徴の動きやすい作業服を着たセミロングの白髪に褐色肌が特徴の30台前後の男が出迎えて来た。
「久しぶりだな。クロガネ」
「ああ久しぶりだな」
俺は男と握手を交わしながら挨拶をした。
「後ろにいる3人の勝利の女神たちが君が率いる隊員だな」
「ああ―――ラピ、アニス、ネオン。こいつが前哨基地職員最高責任者の“レイヴン”だ」
「彼―――クロガネのスカウトで前哨基地にいる職員の統括業務をしている“レイヴン”だ。これからよろしく頼む、勝利の女神達」*4
「ラピです。よろしくお願いします。」
「アニスよ。よろしくね」
「ネオンです。よろしくお願いします」
3人はレイヴンとそれぞれ握手を交わした。
「しかし今まで隊員を持たない君が今回に限ってよく持つと決めたな」
「持つというか、俺の直属になりたがる奴はいないからな」
「部隊はそうだが、君が直接管理下に置いているニケは割といるだろう?」
「あいつらは基本的に
「そうだったな」
そんなやり取りをレイヴンとしていると、ラピが話しかけてきた。
「あの、クロガネ少佐」
「どうしたんだ?」
「どうして前哨基地の職員管理を他の人に委託しているのですか? 普通はここの最高責任者である貴方がやる事なので」
「俺にはその適性が無いからな。こうして信頼できる奴を
「「「え!?」」」
ラピとアニスが同時に驚いた。
この反応を見るのはもう慣れたな。
「ちょ、ちょっとクロガネ様!? アウターリムから人材スカウトって大丈夫なの!?」
「アニスの言う通りです。あの場所は実質無法地帯。そこの人間をラプチャーと戦う最前線基地に職員として雇うのは危険すぎます!」
ラピとアニスは構え、ネオンは「どうしたのでしょうか?」っと呆けていた。
「ハハハッ。この反応を見るのも久しぶりだな。まあ君たちの危惧はごもっともだ。だが、この前哨基地は実質追放場所でもあるから問題ない。何よりここに住んでいる
「えぇ!?」
「!?」
レイヴンの言葉に更に驚くラピとアニス。
「それにこのことはクロガネがスカウトする前にエニックに確認を取って了承されている。まあ、私達はアークには当然入ることも出来ない。それに、ここで起きたあらゆる存在が私達とクロガネの自己責任。アークは何があろうとも前哨基地としての運営以外の支援はない。だからこそ私や他のアウターリム出身の人間が職員としてこの場に居られるんだ」
「クロガネ様って地上や中央政府でも常識はずれな人間だと思っていたけど、ここまで常識をぶち破るなんて、実質アークに喧嘩を売っているようなもんじゃない?」
「それは同感ね。クロガネ少佐、本当に大丈夫なのでしょうか?」
「ああ。少なくとも[エンターヘブン]や[
「その通りだ。いつ何時アークの秘密組織や中央政府そのもの、アウターリムに巣食う犯罪組織にいつでも対抗できるように備えは万全にしてある」
「そういえば、前哨基地に干渉しようとした特権階級や中央政府高官が色々と失脚したり行方不明になったりした噂って……」
アニスが半目で俺達を見て来た。
「どうだろうな?」
「私の管轄外だからわからないな」
俺とレイヴンはしらばっくれた。
こういう事は3人が知る必要もないだろう。
それに俺がここまで前哨基地を大きくした理由も言わなくていいか。
まあ、知っているのはレイヴンだけだけどな。
「ま、そんなことで3人はレイヴンやコイツが管理する人たちとこれから多く関わる事になる」
「そういうことになる。それとこれは私の口から言う事ではあるが、
俺はレイヴンの説明に続いて話始める。
「
「なるほど。クロガネ様がちゃんと運営している面もあるって事ね。いいじゃん」
「私も異論はありません」
「良いですね! あ、レイヴンさん、質問よろしいでしょうか!」
「ああ。君はネオンだったな」
「はい! 武器関係の工房は私も使っていいでしょうか!」
「問題ない。まあ工房と武器庫の責任者に君が使う話を通して置こう」
「ありがとうございます! アークに居た頃よりも設備が充実してそうで楽しみです!」
「そこは保証しよう。だろ? クロガネ」
「ああ。“フォージ”の技術はアークにいる技術者にも引けを取らないからな」
そんなこんなでラピ、アニス、ネオンの前哨基地入りは無事に終わった。
因みに宿舎は家族、独身と別れており、3人は独身の宿舎でそれぞれの部屋を用意しておいた。
宿舎の感想はというと―――
「アークの宿舎よりも住みやすい雰囲気ですね」
「うわ、冷蔵庫も大きい! これなら炭酸水をたくさん入れられる!」
「ベットもふかふかでいいですね!」
好評だった。
そういえば、新人が来るときはいつも奴が驚かせに来るのに今日は来てないなんて珍しいな。
まあ、ニケ、人間、というかどの生物に分類して良いか分からない生物だしな。
見た目も
最後にクロガネが語った生物とは誰でしょうかね?(すっとぼけ)
????「(早く出番だせって顔)」