勝利の女神:NIKKE[DAEMON X MACHINA]   作:ちしかんn号機

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悪魔顕現

〘クロガネSIDE〙

 

 

 

 

「俺が最後に来た時よりも随分と物騒に様変わりしているな」

 

「私達が最後に見た時よりも要塞化しているわね…」

 

「なんか、前よりも凄くなってますよ女王様!」

 

「うわぁ…これどうしましょう…」

 

俺と[アンリミテッド]の面々は写真以上に要塞化した研究基地を見てそう言葉を漏らした。

 

「なんか、写真よりもごつくなっているわね…」

 

「あそこからルドミラが言っていた攻撃形態―――いわゆる怪獣の姿の形態変化が残っているとなると現状の戦力では厳しいですね」

 

「これは今の私の火力の限界を知るチャンスですね。要塞となった建物を私の火力で吹っ飛ばせるのか…もしそれが可能なら私の火力は極限まで達したという事でしょう」

 

ネオンだけが自分の世界にどっぷりハマった発言をしているがとりあえずツッコム余裕がないため無視だ。

 

「ルドミラ。作戦会議で攻略のポイントは外部フレームを支えるジョイントで、そこを壊すれば勝機があると言っていたわね?」

 

「実際私とアリス、トーブでそれを試して攻撃形態―――怪物の姿を引き出したのだけれど……見事に対策されているわね」

 

そう、本来のラプチャーによって研究基地を改造された新種タイラント級ラプチャー[ランドイーター]の攻略はルドミラ達[アンリミテッド]がやった攻略法で攻める予定だった。

 

しかし、それを向こうも学習して彼女達が離れていた隙に露出していた外装のジョイントが増設された装甲によって完全に隠されている。

 

さらに―――

 

「迎撃兵器が増えているわね。ミサイルユニットが少なく見積もっても3倍に、機関砲まで増えているわね」

 

「これじゃあ、作戦立てた意味がなくなるわよね…」

 

「あそこまで重武装重装甲だと私達で突破するのは難しそうです…」

 

「流石に私も少しだけ火力の自身が無くなりますね…」

 

「あわわわ…どうしましょう女王様!うさぎさん!」

 

「どうするも何も、あの重武装重装甲を破壊しない限りは私達に勝機は無いわね……あれを突破した上で怪物になった家も倒さないとなると……」

 

状況は最悪と言っていいほどだな。

 

恐らくだが一連の状況を作り上げたのはラプチャーに内通しているアーク内の裏切り者とトーカティブが十中八九俺に対する嫌がらせで仕込んだに違いない。

 

狙いは―――俺=[DAEMON]だとアークに俺自身が正体を明かして動きにくくすることだろう。

そしてこの状況を打破する為には、俺がクロガネという人ではなく[DAEMON]である必要を出さないといけない。

 

これらから俺が勝利の女神を絶対的に守る信念を利用して顔見知りでもある[アンリミテッド]を利用したという訳か。

 

まったく―――クィーンとその信奉者共は滅ぼす前提として、アーク内にいる裏切り者は勝利の女神たちをつくづく消耗品としてしか見てないらしいな。

 

本格的に対面する機会があればどうしてくれようか?

 

「…しもべ。ものすごい顔よ。どうしたの?」

 

「うさぎさんが悪魔さんみたいな顔になっています!」

 

「生存者様!?」

 

おっと、少しだけ表に出たか。

最近色々とありすぎて感情が表に出やすくなっているな。

 

「すまないな。少しだけ腹がたっただけだ」

 

「クロガネ少佐…」

 

「本当に大丈夫なの?」

 

「師匠のあんな表情な私も初めて見ましたよ…」

 

ともかくこの状況は俺の隠し事で皆を巻き込むわけにはいかないな。

 

やるか。

 

「アリス」

 

「はい!」

 

「スナイパーライフルの扱いはこの中では君が一番だ―――だから最初の攻撃は俺の対物ライフルを使え」

 

俺は組み立てた[ディアボロス]と持っていた全てのディアボロスの弾倉をアリスの前に置く。

 

「これはウサギさんの伝説の武器ですよね?」

 

「あくまで仮のだけどな。ここから君に本当の伝説の防具と武器を魅せる」

 

「うわー!! ウサギさんの本当の伝説の武器と防具が見れるんですね!!」

 

「ああ。だから最初の攻撃は俺の[ディアボロス]を使え。今の所遠距離で一番火力を出せるのは君しかいないからな」

 

「はい!」

 

そしてアリスは[ディアボロス]を持ちスコープや駆動関係の調整を始めた。

 

「ちょっとしもべ。アリスに渡した対物ライフルは貴方のメイン火器じゃないの?」

 

「ああ。人としてのな。だが人としての俺じゃあの要塞を無事に攻略し切るには必ず誰かが犠牲になる可能性が高い。ここはなりふり構わずに出し惜しみ無しで行く」

 

「どういう事? 私には状況がわからいのだけれど…」

 

「私もです。何か秘策があるんですか?生存者様?」

 

「同じく。師匠はまるで私にも秘密にしていた凄い火力を発揮するみたいな言い方ですね」

 

普通にネオンは理解しているようだ。

 

そして―――

 

「クロガネ少佐、まさか……」

 

「クロガネ様。大丈夫なの?」

 

既に正体を知っているラピとアニスは心配そうに俺を見る。

 

「お喋り好きに正体を見られた以上はどのみち時間の問題だ。といっても出来れば今から起こる事は内緒にして欲しい―――ネオン、ルドミラ、アリス、トーブ」

 

俺は名前を呼んだ4人の顔を見てそう告げると同時に出来る限りの修理を終えたアーセナルの機動シーケンスを始める。

 

「―――ユーザーネーム[クロガネ]。アーセナル[X MACHINA]展開」

 

俺がアーセナルの機動を自身に内蔵されたアーセナル制御デバイスに呼びかける。

 

すると俺の視界内にアーセナル専用のディスプレイが表示。

 

そして俺の周囲に量子変換で収納されていたアーセナルのアーマーが周囲に展開される。

 

「なんですか!?」

 

「これは一体……」

 

「うわぁー!!うさぎさんから鎧が出てきました!!」

 

「なんかすごいことになってますよ!?」

 

事情を知らない4人が驚きつつ、ラピとアニスはただ心配そうに見つめている。

 

そんな傍らに俺は少しだけ空に浮き、脚部、腰部、腕部、肩部、胴体と[X MACHINA]の装甲が纏われていく。

 

そして頭部も正面以外の装甲が装着され、最後にマスク部分のラインカメラが密集した部品が装着され、俺の身体にアーセナル[X MACHINA]が纏われた。

 

 


《アーセナル展開完了》

《安全装置オンライン、各種計測器レーダーオンライン、駆動系オンライン》

 

《武装チェックを開始》

《大口径アサルトライフル[グリムリーパーⅡ]2丁―――オンライン》

《ナックル型近接パイルバンカー[タイラントハンマー]―――2機オンライン》

《右バックパック拡散レーザーキャノン[デッドリードライブ]―――オンライン》

《大型自動防御シールド[サテライトシールド]―――オンライン》

《高機動粒子兵装[ウイングシフト]―――オンライン》

 

《脊髄とのデータリンクテスト開始―――正常》

 

《アーセナルの全機能正常に作動を確認。出力40%減。本来の出力を戻す為には[ガーデン]による正式設備と[エクスマター]が必要です》

 

《以上の問題がありますので注意を》


 

アーセナルの制御システムの警告を受ける。

 

アーセナルに使われている装甲材やあらゆる機器に必要なエクスマターは[ガーデン]製の開発工房がなければ作れない。

 

今俺が修理した状態はアークにある技術の1つである[チタンマター]で修理した状態だ。

 

正直この状態でヘレティックに挑んでも勝率は6割弱、クィーン相手だと4割といったところだ。

 

『さて、これから作戦を伝える。聞きたいことが沢山あるのは察しているが、今は研究基地を取り戻す方が先だ』

 

「……そうね。その為にしもべは秘密にしていた伝説の防具と武器を出してくれたのだし」

 

「はい! うさぎさんの本当の力を見れてうれしいです!!」

 

「なんか凄いことになっていますが、とりあえず頑張ります!」

 

「師匠があの[DAEMON]さん!? 流石は師匠!!あの[グレイブティガー]を圧倒しただけはありますね!!」

 

とりあえず質問攻めは回避できたようだな。

 

『それでは作戦を伝える。俺が空中機動で[ランドイーター]の全迎撃兵装を引き付けつつ攻撃し装甲を破壊していく。そして俺以外の[カウンターズ]と[アンリミテッド]は俺が破壊した場所を攻撃して対象の連鎖破壊を実行。射撃地点は変えていくように―――良いか?』

 

「ラジャー」

「了解だよ」

「わかりました!」

「ええ」

「はい!うさぎさん!」

「了解しました!!」

 

『それでは[カウンターズ][アンリミテッド]―――エンカウンター!!』

 

俺の開戦合図とともにラピ達は移動を開始し、俺は背部スラスターを吹かしつつ高機動兵装を起動する。

 

『ウィングシフト―――レディ』

 

機動コード共に背部バックパックから2枚1対の機械式ウィングスラスターが展開。

 

更に速度と機動力を上昇させて[ランドイーター]に接近し、対象も俺の接近に気づいたか全身の迎撃兵装から実弾とエネルギー式のミサイルを一斉に斉射してきた。

 

ミサイルの数は実弾とエネルギーそれぞれ15発ずつ。

 

全て引き付けて無力化する。

 

俺は三次元機動を音速に近い速度で行い飛んできたミサイルを回避しつつ[ランドイーター]に誘導。

 

接近すると奴の近接用迎撃機関砲が俺に向かって放たれた。

 

『サテライトシールド―――レディ』

 

サテライトシールドを起動し、迫りくる機関砲の弾幕を防御。

 

この程度の威力ならオーバーヒートの心配はないな。

 

そして俺は[ランドイーター]にぶつかるスレスレの位置で急停止からの上空へ急上昇。

 

俺が引き付けた全ミサイルが[ランドイーター]本体に全て着弾。

 

右サイドのミサイルユニットと近接防御用の機関砲の8割を破壊した。

 

『グリムリーパーⅡ―――レディ』

 

グリムリーパーⅡを2丁持ちで構えつつ別の迎撃兵装がある場所へ移動。

 

そして、作戦通りにラピ達は俺が破壊した個所を集中的射撃を行っていく。

 

そして、遠方にラピ達がいる事に気づいた[ランドイーター]は左側の迎撃兵装を彼女達に放った。

 

『デットリードライブ―――レディ』

 

俺はグリムリーパーⅡを構えつつ右バックパックユニットに接続されたデットリードライブを機動。

 

ヘッドマウントディスプレイに放たれた無数のミサイルをロック。

 

そして―――

 

『フルバースト』

 

グリムリーパーⅡの実弾とデットリードライブから放たれる無数の拡散レーザーで[ランドイーター]が放ったミサイルを迎撃。

 

全て迎撃すると同時に射撃の咆哮をランドイーターの左側面部に向けて全弾発射。

 

後方からラピの援護射撃により[ランドイーター]を覆っていた要塞ともいえる装甲と迎撃兵装を全滅させた。

 


《デットリードライブ稼働限界。冷却シーケンス起動。再使用まで3分》


 

デットリードライブが一時的に使えなくなった。

前までは2秒で冷却ができたが、前よりも弱い素材のせいか冷却時間が伸びている。

 

しかもレーザーの威力もかなり落ちていたな。

早く工房を見つけないとな。

 

俺がそう考え終えると同時に[ランドイーター]が蠢きだし損傷した装甲と兵装をパージすると同時に地面から巨大な4つの脚部が展開し、基地周囲にも新たな兵装と2つのコアが出現。

 

最後に怪物を思わせる頭部が生成。

 

―――「グォォォォォォォォォォォンッ!!!!」

 

機械音と特撮に出てくるような怪獣のような咆哮を周囲に轟かせた。




次回ランドイーター戦決着!!
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