END1ほど、ショッキングな展開にはならないです。
また、9話からの分岐なので前半の一部文章がEND1と同じになっています。
なお、本編はこれで終了となります。
エルバフで激突した2つの力。
世界トップクラスの力の奔流は
「────オオオオォォ!!」
「────ハアァァ!!」
“麦わら海賊団” 船長 モンキー・D・ルフィ
“神の騎士団” マーカス・アマテラス
その戦いには、お互い悪意も敵意もない。
アマテラスは任務遂行に全力を尽くした。そしてルフィも仲間のため、そして子供ながら任務に全力を尽くすアマテラスに応えるため死力を尽くした。
そんな全霊をかけた衝突がしばらく続く。
どちらが勝ってもおかしくないほどの僅差であったが……決着はついた。
「ゲホ────」
アマテラスの覇王色が巨大化した拳と覇気を押し退けた瞬間に、ルフィは気絶した。
「────ハァッ!!」
そして、そのまま莫大な覇気と炎を纏ったアマテラスに押し返されたルフィが遥か後方に吹き飛ばされていく。
「────ルフィ!!」
勝利を疑っていなかった自分達の船長の敗北を見た一味の誰かが絶望の声を上げる。
ルフィはそんな仲間の声に反応することは無く、白目を剥いたまま壁に叩きつけられた。
「はぁ……はぁ……」
息を切らせながら気絶したルフィを確認して自らの勝利を確信するアマテラス。
エルバフの命運を賭けた戦い。
アマテラスVSルフィの戦いは、こうして幕を閉じたのであった。
────勝者 ”マーカス・アマテラス”
□◆□◆□◆
結論からいうとエルバフは世界政府の手に堕ちた。
ルフィが敗北した後、ハイルディンやスタンセン等の残った巨人達は”麦わらの一味”とエルバフの住民達を逃すため、文字通り決死の覚悟で世界政府の足止めを買って出た。
“麦わらの一味”達は最初は自分たちも残って戦うと言って聞かなかったのだが、ハイルディンの必死の説得と「非戦闘員の者達が国外に出るまでの護衛役が必要だ。あいつらの護衛を頼みたい」と説明を受けて、気絶したルフィやゾロを回収した後で渋々と非戦闘員の巨人達と一緒に国を出ていくことを決意した。
その後の巨人達の戦いぶりと来たら、まさしく獅子奮迅────或いは窮鼠猫を噛むというべき奮戦ぶりだった。後ろに守るべき者達を背負った彼らは、自らの命も顧みないような鬼神が如き猛攻を見せたのだ。そんな巨人達相手に、アマテラスを含めた”神の騎士団”もイムも時間を稼がれてしまい、結果として”麦わらの一味”と住民達はエルバフから無事に逃げ出すことが出来た。
“麦わらのルフィ”との戦いでアマテラスが大きく消耗したことや、負傷してダウンしていた筈のロキやスコッパー・ギャバン等も満身創痍な身体を引き摺りながら、足止め役に加わったことも大きい。
しかし……その代償としてエルバフの戦士達は残らず悪魔化されてしまった。
エルバフの平和は無惨にも破壊されて、巨人達は傭兵という形で世界政府の戦力に加えられることになった。
ロキ、ハイルディン、ルフィ、ゾロ等のエルバフのために戦った者達。そんな彼らの力を持ってしても政府の侵攻を食い止めることは遂に叶わなかったのだ。
何にせよ決着はついた。
世界政府によるエルバフ侵略の結末。
それは後に起こる戦いの戦況を決める程に大きなものとなった。
その戦いが起こったのは偶然だったのか、それとも誰かの手によって人為的に引き起こされたものなのか、はたまた神が定めた運命によるものだったのかは分からない。
だが発生原因が何にせよ……
□◆□◆□◆
政府によるエルバフ侵略から幾ばくかの月日が流れた。
世界は今、大混乱の最中にある。
そこらかしこで鳴り響く戦闘音。次々と死んでいく者達。
世界にとっても運命となる争いが遂に起こったのだ。
それは世界政府が最も恐れていた戦い。
かつて、マリンフォード頂上戦争にて今は亡き白ひげが予言して、”神の騎士団”の軍子が”麦わらの一味”達にも告げた戦い。
即ち……世界中を巻き込むほどの”巨大な戦い”
その当事者は世界政府や、政府打倒を目指す革命軍だけでは無い。名だたる海賊、国の兵士達など、文字通り世界を巻き込んだ大規模な争いが起こっていた。
「ディガガガガ!最高の気分だ!身体から力が溢れてくる!!」
「ガバババババ!進めェ野郎共!!全ての敵を殲滅せよォ!!」
悪魔化して政府の手に堕ちた巨人達。
そんな彼らは、もとより巨大だった体が更に大きくなり、イムとの契約により力も遥かに向上していた。
新巨兵海賊団 船長のハイルディンや巨兵海賊団の二大船長である”赤鬼のブロギー”と”青鬼のドリー”等を筆頭に悪魔化した巨人達は圧倒的な戦闘力を遺憾無く発揮して、政府の敵を次々と撃ち倒していく。
勿論、革命軍もそのうちの1人だ。
反政府組織である彼らも、この戦いに参加していた。
「────”火拳”!!」
「────”
そんな中で革命軍の参謀長であるサボと
“グランドライン軍”軍隊長のエンポリオ・イワンコフは悪魔化したブロギーとドリーを相手にしていたのだが……戦況は革命軍側が劣勢だった。
「ゲギャギャギャ!無駄だァ!!」
「ガバババババ!革命軍の力もこの程度か!!」
「傷が再生して……!”神の騎士団”といい不死身のバーゲンセールかよ!ヒーハー!!」
イムとの契約により得た力を駆使して、サボとイワンコフから受けた傷を瞬く間に再生させたブロギーとドリーが構えをとる。
「────”
ドリーとブロギーという巨人族最強格二人の連携によって生み出されたソレはエルバフに伝わる巨人族最強の槍。
悪魔化して更に力を増したことで四皇にも匹敵するほどの破壊力を生み出していた。
圧倒的な広範囲にわたって放たれた衝撃波は革命軍のメンバー達をゴミのように吹き飛ばし、サボやイワンコフにも甚大なダメージを与えていく。
「ゲホッ!こんなところで倒れるわけには……!!」
「あの誇り高いエルバフの戦士達が政府に従うなんて……!!どうなってんノッキャブル!?」
巨人族の圧倒的な戦闘力と再生力に劣勢に追い込まれた革命軍。
それに政府側の戦力は巨人族だけでない。
“神の騎士団”もイムとの契約により得られた不死身と強大な力を活かして、海賊や革命軍の面々を次々と撃退していく。
「ギハハハハハ!串刺しにしてやるよ!! “紅蓮地獄”!!」
「ギャアアアアア!!」
神の騎士団の1人、シェパード家のソマーズが巨人の肩に乗りながら、”イバイバの実”の力を使って生み出した棘を敵に突き刺していく。
騎士団の中でも屈指の嗜虐趣味を持つ彼は革命軍や海賊の事を必要以上に痛めつけてから殺していた。
「助けでぐれェ……」
「痛ェよォ〜……!!」
「ギハハハハハハハ!!」
悲鳴をあげる者達を見て高笑いをしながら、ソマーズは”鉄の茨”を鎧のように巨人に纏わせた。
尋常ならざる腕力に貫通力の高い茨の棘が加わり、巨人の戦闘力が更に増す。
「さぁ、行けェ!『茨巨人』よ!強化された、お前の力を見せてやれ!!」
「オォ〜……勿論だ。身体から満ち溢れるこの力……存分に試してやる!!」
「いいぞ、その意気だ。おれ達に歯向かう愚かな虫ケラ共を1人残らず潰せ!!」
ソマーズを肩に乗せたトールマンと呼ばれる巨人が彼の指示通り敵を蹂躙し続ける。
”イバイバの実”と悪魔化した巨人の力。
この2つが合わさることで誰にも止められないほどの戦闘力を発揮していた。
一方、別の戦場ではソマーズと同じ騎士団のキリンガムが幻獣種 “リュウリュウの実” モデル“麒麟”の力で生み出した『
「カドカド硬〜いもののカドっと」
「グェッ……!!」
「モーリーさん!」
キリンガムに叩きつけられるモーリー。
かつて海軍本部の大将・緑牛とも渡り合い、無事生還したほどの実力者なのだが、『
「この高揚感……今なら何でも出来そうだ……!」
「生まれ変わったオイ達の力……存分に味わェ!!」
悪魔化したカーシーとオイモがキリンガムの『
鍛えられてる筈の革命軍も巨大な敵を相手に成すすべが無い。
「ゼェゼェ……!男子って本当に乱暴なんだから……!!」
頭から血を流しながら何とか起き上がるモーリーなのだが状況は芳しく無い。
”神の騎士団”だけでも厄介なのに、騎士団と同じく不死身の力を持った巨人達も押さえなければならない。
せめて巨人達さえいなければ、と考えるモーリーだが無いものねだりをしても仕方が無い。
モーリーとて巨人の1人。同じ巨人族として政府に魂を売った同族に負けるわけには行かなかった。
「諦めちゃダメよ!今も多くの仲間達が『世界政府』と戦っているの!あたし達が折れるわけにはいかないわー!!!」
打倒政府のため、モーリーは周りを鼓舞しながら、キリンガムや巨人達に立ち向かっていく。
その言葉に勇気づけられた者たちも同じように立ち上がる。
だが、気持ちだけで戦力差をひっくり返すことは出来ない。
革命軍も海賊も政府側の予期せぬ戦力に苦戦するばかりだ。
戦況は世界政府側が優勢となっている。
悪魔化した巨人達と連携して政府の敵を殲滅していく、”神の騎士団”。
その中でも特に、アマテラスの活躍が頭ひとつ抜けていた。
元より、”イムとの契約”や”悪魔の実”に頼らない素の力でさえも四皇以上の怪物。
エルバフでの戦いから更に強さが増した今のアマテラスは、単騎では四皇であっても押さえられないほどに成長している。
そんな彼女は世界規模である、この戦いに参戦していた四皇クラスの猛者たちをダメージを負いながらも次々と倒していく。
現四皇も、そうでない猛者達も……誰もアマテラスを止めることが出来なかった。
そんな、アマテラスは四皇”千両道化のバギー”が率いるクロスギルドの面々と現在、交戦中であった。
バギー達はカイドウやビッグ・マムが”麦わらのルフィ”やトラファルガー・ロー達に敗れた後、新しく新世界の海に君臨した四皇である。
そんなバギー率いるクロスギルドは四皇に相応しい強大な戦力を持った組織であり、今回の戦いにも参戦していたのだが……ダズ・ボーネスやモージ等の幹部達は一瞬で沈められてしまった。
そして現在は大幹部である2人がアマテラスの相手を務めている。
────サー・クロコダイル ”懸賞金19億6500万ベリー”
────“鷹の目” ジュラキュール・ミホーク ”懸賞金35億9000万ベリー”
2人とも元王下七武海の海賊。
ミホークに至っては四皇である”赤髪のシャンクス”にすら勝る剣技を持つ世界最強の剣士と評されるほどの男。その実力は四皇にも劣らないと言っていい。
そのため両者共に新世界でもトップクラスの猛者なのだが……
「────”はい・くいっく”!!」
「ガフッ……!!」
今回は相手が悪すぎた。
新世界の強者にして最強種である
残されたミホークは沈黙したクロコダイルを一瞥してから、全霊の覇気を刀に纏わせてアマテラスに迫りゆく。
「────ハァァ!」
迫り来るミホークの剣に対して、アマテラスも腕に武装色を纏いながら捌いていく。
ミホークの実力は四皇レベルといっても差し支えない。世界最強の剣士の名を持つ男の実力は伊達では無い。
しかし……
ミホークがアマテラスの覇王色を受けて険しい表情を浮かべる。彼にしては珍しく冷や汗をかいていた。
「っ……」
一方でアマテラスは圧倒的な見聞色と戦闘センスを駆使しながら世界最強の剣技をものともせずに、猛攻を繰り広げている。
ミホークとて強力な覇気使い。アマテラスにそれなりのダメージは負わせたのだが、それでも押しているのはアマテラスだった。後退りするミホークに対してアマテラスは更に莫大な覇気を両腕に込める。
「────”ふる・くろっく”!」
「む……!!」
両腕に込められた武装色と覇王色の拳を刀で受け止めようとするミホークだが、衝撃を殺しきれずに遥か遠くまで吹き飛ばされてしまった。
「ひぃぃぃぃ!!クロコダイルとミホークがやられたァァ!?」
戦いの一部始終を部下達と一緒に建物からこっそりと覗いていたのは四皇 ”千両道化のバギー”。
ミホークとクロコダイル。
この2人の怪物っぷりをよく知るが故に、バギーはアマテラスに恐れ慄いていた。正確にいうとミホークは遠方に吹き飛ばされただけなので、まだ戦える状態なのだが、そんなことを知る由も無いバギーは鼻水を垂らしながら泣き叫んだ。
今回の戦いの前にバギーはクロスギルドの面々に対して、
「この戦いで、おれ達は世界の頂点に立つ!おれ様の活躍を楽しみにしておけ、野郎共ォ〜!!」と宣言して周囲を湧き立たせていたのだ。
こちらにはミホークやクロコダイル等の四皇にも匹敵する巨大な戦力があるのだから勝利は間違いないと確信し、意気揚々と参戦していたのだが……そうはならなかった。
蓋を開ければ幹部メンバーは瞬殺。
頼みの綱であるクロコダイルとミホークですら、やられてしまった状態だ。
「あんな化け物を相手にするの無理ぃぃ!!もう、帰るぞォ〜!!」
「ええ!?バギー座長!!あんた今、信じ難い言葉を……!!」
そんな醜態を晒す、バギーの言葉を聞いて狼狽える部下達。
「『あんな化け物、俺以外に相手するの無理!奴を狩るぞ!!』って正気ですか!?」
「さすが”伝説の船員”にして四皇!クロコダイルとミホークをやっちまう様な相手に臆する事もなく!!」
「お前らの耳は希望に満ちすぎだがね!?」
キラキラとした眼差しでバギーを見つめる部下達にMr.3 ギャルディーノがツッコミをいれる。
「…………」
「ヒッ!?」
そんなバギーの様子を見つめるアマテラス。
目が合ってしまったバギーは慌てふためいているのだが、一方でアマテラスは首を傾げていた。
バギーは海軍に多大な損失をもたらし、更に四皇の一角でもあったのでアマテラスも手配書越しに顔は覚えている。
しかし、感じられる強さは四皇とは思えないほど貧弱で、アマテラスと視線が合っただけで気絶しかけてる有様だ。なんなら彼に付き従ってる部下達の方がずっと格上であった。
その為、疑問符を浮かべるアマテラスだが、バギー本人の戦意が完全に喪失しているので、戦う必要は無いと判断して、他の仲間達の援護に向かうことにした。
「怪物娘が去っていくぞ!きっとバギー座長の強さに恐れを成したんだ!!」
「た、戦いもせず勝つなんてやっぱ凄ぇ!」
「え…………ぎ、ぎゃはははは!当然だ!全て計算通り!!」
遠くでそんな声が聞こえたがアマテラスは気にすること無く、そのまま仲間の元に向かう。
戦いは政府側が優勢だった。
何よりも世界政府の最大戦力であるアマテラスが”覚醒能力”を使う事なく体力を温存できているというのが大きいだろう。
もしも、政府によるエルバフ侵略が失敗していれば、こうはいかなかったかもしれない。
仮に巨人達を戦力として得られなければ、戦いの規模からして政府側は劣勢になり、天竜人達が避難してる場所にまで敵の侵入を許していた可能性が高かった。
そうなった場合、アマテラスは敵を早急に片付けて仲間の援護や天竜人達を救うべく、覚醒能力を駆使してミホーク等の四皇レベルの猛者達相手に連戦を繰り広げることになっていただろう。
しかし、政府が有利に戦況を進めている現状、アマテラスが消耗の激しい覚醒に頼ることも無い。
覇王色によるダメージはそれなりに蓄積したものの不死身の力を使えば、時間はかかるが治すことはできる。
政府優勢な状況であるため、急ぐ必要もない。焦らずにゆっくりと傷を再生させていけば良いのだから。
体力を温存したまま彼女は仲間である”神の騎士団”の元に駆けつけて、敵を蹴散らしていく。
「ヒィィィィ!?」
「無理だぁぁ!強すぎる!!」
「あ、あああ……」
そんなアマテラスの猛攻を見ていた革命軍の誰かが叫んだ。剣も銃も大砲も、何一つとして彼女には通用しない。
そんな化け物っぷりに触れた者達の心が折れて、次々と戦意喪失していく。失禁している者ですら多数いた。
「サボ、撤退命令が出たっチャブル!一旦、退くわよ……!!悔しいけど……このままだと全滅することにナッシブル!!」
「くそっ……!!」
イワンコフからの言葉を受けたサボが悔しそうに拳を握りしめた。予想を上回る世界政府側の戦力に勝ち目が無いことを悟った革命軍が撤退していく。
革命軍だけでなく、戦いに参加していた海賊や国の兵士たち等も勝ち目が無いことを悟って逃走するものが多くいた。
「ディガガガガ!何処へ行くつもりだ!?おれは、まだまだ暴れ足りないぞォ!!」
「うわぁ!?」
悪魔化した新巨兵海賊団の船長 ハイルディンが逃走する彼らを逃すまいと拳を振るう。
そんな悪魔化した巨人達が暴れる音が聖地全体に鳴り響いていた。
結果として世界中を巻き込むほどの”巨大な戦い”は……世界政府の勝利で幕を閉じた。
□◆□◆□◆
世界を巻き込むほどの大規模な戦い。
政府の勝利で終わった争いは世界にも大きな影響を与えていた。
即ち……彼らの『望む世界』は完成したのだ。
海賊も革命軍も敵となる者達は全て撃退した。
政府の支配や謳歌は、これからも続いていく事になるだろう。
”神の騎士団” マーカス・アマテラスはそんな政府の手に堕ちた世界において、いつもと変わらない日常を過ごしていた。
戦争で政府側の戦力として大きな活躍をした為、久しぶりの休暇が与えられ、今は大広間のソファーに寝そべり寝息を立てていた。
「すぅ……すぅ……」
趣味の睡眠は寝室で取ることのほうが多いので、アマテラスがソファーの上で寝るのは珍しかった。
その寝顔を見ようと彼女の奴隷たちが続々と集まりだす。
「て、天使……!!」
女性奴隷の1人がアマテラスの寝顔を見て鼻血を垂らしていた。荒い息遣いのまま今にも服を脱いで、アマテラスに襲いかかりそうな様子に男奴隷のブモが慌てて止めに入る。
「ちょ、ちょっと。やばいですって……!また、ガネリエさんに怒られちゃいますよ?」
ガネリエの名前を出されて正気に戻った女性奴隷が「あ、危ないところだったわ」と汗を拭きながら引き下がる。
「はぁ……思いっきり抱きしめたい。こんなの生殺しよ……」
「分かる」
「この寝顔は、もはや兵器クラスだわ……」
奴隷のリーダー格であるリロネオの言葉に女性陣が頷いた。
「ああ、分かるぜ」
「オレも分かるぜェェ……」
「あんた達が言うと犯罪臭がするわね……」
男奴隷のコリンロやヘイタドンも頷くのだが、その様子をジト目で見つめるリロネオ。
最もリロネオもアマテラスの寝顔を見て鼻血を垂らしていたので、割と犯罪臭を醸し出しているのだが。2人のことを見ていたブモは「あはは……」と苦笑いしていた。
そんな奴隷たちの様子を気にせず、アマテラスは幸せそうに眠っていた。
少女がどんな夢を見ているのかは分からないが、少なくとも悪夢ではなさそうだった。
「ん…………」
ゴロンと寝返りを打つアマテラス。
彼女が寝ているソファーの近くには『睡眠と最高にマッチしてる』という理由で、キリンガムから借りたアロマが置いてあった。アロマの効果によるものなのかは不明だが、いつもの睡眠よりは心地良さそうな表情で寝ていた。
政府が勝利した以上、アマテラスの日常もこれから続いていくことになるのだろう。
□◆□◆□◆
とある場所にて。
世界政府の最高権力者でもある五老星が神と敬う絶対の存在────イムは政府の手に落ちたといっても過言では無い世界を見渡していた。
「そうだ、これでいい……」
誰もいない静寂だけが辺りを支配するような空間にイムは居た。
全ての敵に勝利して、名実共に世界の支配者となれた世界政府。それを成し遂げたイムが何を思うのか……恐らく本人にしかわからない。
イムは果たして何を求めていたのか。
本当に欲しいものは手に入ったのだろうか。
イムの顔からは感情らしきものを感じることが出来ない。
しばらく無言だったイムだが、やがて口を開き、ポツリと呟いた。
「ムーの世界は完成した」
その言葉を最後に、今居る場所を去っていく。
戦いに勝利したイムの心に宿る感情が歓喜によるものだったのか、はたまた虚しさから来るものだったのか……それは誰にも分からなかった。
完。
END2は「世界政府勝利END」でした。
END1よりは胸糞さが少ないと思いますが、
結局敗北した陣営がダメージ負う事には変わらないので、人によっては胸糞と感じてしまうかも。
やっぱり戦争は悪だ……
END1かEND2、好きな方を正史にして下さい。
本編は終わりです。
・エルバフ
非戦闘員は全員、エルバフ外の巨人国に避難した。
彼らの護衛は麦わらの一味が務めた。
ちなみにロキが悪魔化したかは不明。ドミ・リバーシが悪魔の実の能力者に効くかが原作ではまだ描写されてない。
悪魔化してない場合は牢屋に入れられたと思われる(強さから殺すの惜しいと思われて)。
ギャバンは悪魔化されたか、「妻と子供」が国外に逃げられた事と他の巨人が残らず悪魔化されてしまった事からエルバフから逃走して家族の元に向かったかのどちらか。
・麦わらの一味
どうなったか不明。
エルバフの住民を避難させた後に、ハイルディン達を助けるべく再度エルバフに向かったかもしれないし、
助けに行こうとしたルフィを残りの仲間が全力で引き留めたかもしれない。
前者なら世界政府に捉えられてしまう可能性大、後者なら心残りを残しつつも次の島に進む事になる。
『世界を巻き込む戦い』に参加したか不明だが、参加した場合でも政府には勝てないので、敗走する事になる。
このENDだとルフィは世界を解放する伝説の戦士になれないんだ……
・革命軍
一応、撤退はしてるので全滅はしてないと思われる。
ただ、戦力を大きく減らしたので、このルートだと再起は難しい。
果たしてサボやドラゴンは無事に生還できてるのだろうか。
・バギー
アマテラスに完勝したとの噂が広まってる。
今の政府を止められる者はバギー以外に居ないと言われてるとか何とか。
勿論、生存してる。
・世界
どうなったか不明。
ペガパンクは「世界は海に沈む」といっていたが……
・奴隷達
政府が最終的に奴隷達をどうするつもりなのか不明だが、少なくともアマテラスの奴隷や側近SP達が死ぬことはないと思われる。
※今後
作者のモチベと余力があれば以下のIFを書くかもしれないです。
書かなかったら今話で終わりということでお願いします。
・『2年後編』の時点でアマテラスが16歳だったら
・「END1:『爪痕』」でアマテラスの近くに小人族がいたら
・「007:百獣海賊団と最強の生物」の時点でCP0が和の国に上陸して無かったら