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尽くすことの喜びを、ポケモンに栄光あれ
黄色いもふもふに頭を叩かれること10分程度、ようやっと森を抜けるようだ
(ポケモンが人のように住む世界……やはりでっかい木や岩場をくりぬいて住んでるのかね………?)
そんなことをぼんやりと考えつつ森を抜ければ………
「え……?マジかよ………」
前の世界で言えば、地方都市レベルの市街地が広がっていた
「まんま日本の街並みだなぁ」
街に降りてから少し
そう独り言をぼやいてしまう程、違和感がない
ぼんやりゆったり歩いていると頭の上から
「こぬ!こにゃ!」
と元気な声が聞こえてくる
どうやら下ろしてほしいようだ
小さく愛らしい主に従い、そっと下ろしてあげると、
「ふぉっ!」と一鳴きして歩きだした
フォッコの後ろを着いていきつつ、辺りを見渡す
元気そうに走り回るパチリスとデテンネ、井戸端会議をするガルーラとニドクイン
タクシー業だろうか?乗せていたヒトモシから何かを受け取るモトトカゲ
周りを歩いているのはほとんどがポケモン、この世界は本当にポケモンが人の代わりになっているらしい
人間もたまに見かけたが
「あら~アキさん、今日も寒いわね~」
「ウチのご主人が公園に行きたいって騒いじゃってね~サワコさんもお散歩かしら?」
駆け回るガーディとワンパチの近くで、老婦人が公園のベンチに座ってのんびりおしゃべりしている。
少し遠くを見ればおじいさんが、主人であろうダストダスとヤブクロンの親子と共に凧揚げをしていた
見た限りではご年配の人が多く、自分と同年代どころか親世代の人間すら見かけていない
(どういう条件でこの世界に転移するんだ………?)
尽きぬ疑問に頭を悩ませつつ歩いていると
「こにゃ」
とフォッコが立ち止まる。
視線を上げると学校らしき建物の門前にいた
「こぬこぬ」とこちらに向かって鳴くと、
モンスターボール……ヒューマンボール?を咥えていた、どうやら入れってことらしい
「はいはいはい、わかりましたよ」
と屈み、目線を合わせると赤い光が視界に広がる
……ぼんやりと眠気のようなものに揺蕩っていると
解放感とともに光が広がる
目を開けば教室のような場所で、小さなポケモン達が席に着いて俺を見ていた。
声に反応して右を見れば、おそらく先生であろうサーナイトが生徒達に何かを話している。
その足元にはフォッコが誇らしげな顔をして座っている。
(うーん?俺って課題とかテストでGETされたのかな?
それにしては気合い入りすぎてたけど…………)
再び思考に耽っていると、ポケモンたちがわらわらとこちらに集まり始めた
フシデやキモリ、ヒノアラシなどの小さなポケモンがこちらを見上げていた
どうやら「ふれあい実習」のようなモノらしい
彼らに合わせて膝をつき屈んであげると、おそるおそるキモリが手を伸ばしてきた
こちらも怖がらせないようにゆっくりと手を差し出すと、キモリは優しく撫でてきた
それを見て安心したのか他の子達も触ってくる
とあるヒバニーは俺の指を握ったり、とあるユキハミは膝つついてきたり…………
そんな感じで好き放題されている俺の内心は
(ンフフフフかぁわいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ~!!!!!!)
と溢れんばかりの感情で一杯であった
気持ち悪い笑みが漏れるのを必死にこらえていると
「きゅぬ!」「こぬっ!」
と聞こえてきた
声がした方向に目を向けると我が主人とゾロアが面と向かって何かを言い合っていた。
しかし喧嘩のようには見えず、どちらかというと互いに気を高めあっているようだ。
ライバル関係ってやつかな?
しばらくポケモン達と戯れていると、ベルが鳴った
どうやら授業が終わったようだ
名残惜しそうに離れるヒノアラシを軽く撫でて見送ると
フォッコがボールを咥えて近づいてくる
「戻れってね、はいはい」
最後に生徒達へ手を振った後ボールへ戻った。
ゆったりとした温もりに身を預け、意識を手放す
(……さぁてと、色々と気になることが多いなぁ………)
今日見たことを思い出す。
ポケモンと人間の関係について、この世界において我々人間はどういう存在なのか、なぜこの世界に転移したのか、貨幣制度、言語、歴史、文化、etc……
そして………“バトル”はあるのか
曖昧にそんなことを考えたが
(まぁ、なるようになるか……フォッコに迷惑かけるわけにいかないし………)
なるようになる
前の世界からの信条を思い起こしつつ、ぼんやりと眠りについた
(さてはてどうなるかねぇ…………)
拙作ではございますが、楽しんでいただけると幸いです。
定期更新は難しいものの、アイデアが尽きぬ限り執筆したいと思います。
ところで皆さんはちっちゃいポケモン達に群がられたいですよね???