第26話 バルス
数日後
(;`・ω・´) .。oO(あー忙しい!!)
スケジュールはべた遅れ、終わりそうのない仕事の量
この日のボクは忙しさと疲れから殺気立っていた
彡(゚)(゚)「ヒロカツくん、ラピュタのラストはどうなると思う?」
(;`・ω・´) .。oO(何もこんな忙しい時に聞いてこなくても……)
(;`・ω・´)「知りませんよ、そんなこと」
(;`・ω・´)「で、どうするんですか?こんなに話を広げちゃって……」
彡(゚)(゚)つ「ここから先なんや」
(´・ω・`) .。oO(まったくマイペースなんだから……)
(´・ω・`)「どれどれ……」
天空に浮かぶラピュタ島の中
抱き合うパズーとシータの前方には銃を構えるムスカ
ラストシーン……最後の対決のようだ
(´・ω・`)「前半に飛行石が大活躍して……」
(´・ω・`)「中盤ではシータの口から思わせぶりな『滅びの言葉』を言わせたんだから」
(´・ω・`)「最期はやっぱり飛行石を滅ぼすおまじないを使うんじゃないんですか?」
(´・ω・`)「あんまり長セリフだと、芝居がもたつく気がしますけど……」
彡(^)(^)「そうなんや!ここで2人と飛行石でなんとかするんや!」
そう言うと、宮崎さんは再び机に向かった
(´・ω・`) .。oO(いったいなんのために呼び止めたのやら)
ボクより宮崎さんの方がさらに忙しいのに……
なんとなくそのままそっと机を覗き込んだ
(´・ω・`) .。oO(パズーとシータが掌の飛行石をかざしている)
その傍に一筆「バルス」と書かれていた
第27話 二木さん
1986年3月ついに絵コンテが完成した
目の前に迫った8月2日
待ったなしの公開日が、およそ4か月後に迫っていた
(;´0`)カキカキ
(;´0`)「出来ました」
彡(゚)(゚)「この部分がアカン、やり直せ」
(;´0`)「はい!」
絵コンテ作業から離れた宮崎さんは、原画チェックに専念していた
(*´0`)「できました」
彡(゚)(゚)「……うん」
(´・ω・`) .。oO(さすがだな)
(*´0`)←二木真希子さん
彼女はとても優秀なアニメーターで
自然に対する類まれなる観察力と描写力を持っていた
(´・ω・`) .。oO(二木さんのなにがすごいって……)
あの宮崎駿から手直しが入らないことだ
当然、宮崎さんは原画チェックでもとても厳しい
重要でもないモブシーンにも直しを入れるほどだ
彡(゚)(゚)「ヒロカツくん」
(´・ω・`)「はい」
彡(゚)(゚)つ「これを見てみ」
(´・ω・`) .。oO(さっき二木さんが提出した原画だ)
彡(゚)(゚)「こういうのは出しちゃダメなんや」
(´・ω・`) .。oO(だったら出さなきゃいいのに……)
(´・ω・`) .。oO(でも出しちゃダメってこれは二木さんが描いたものだよな)
いったいなにがダメなんだろう?
(´・ω・`)「ふむふむ」
(。゚ω゚)「え!?」
描かれていたのはラピュタ島に不時着した
パズーとシータが大の字に寝転がっているシーン
空飛ぶ島の自然な環境を表している
でも、そこには宮崎駿の前作“風の谷のナウシカ”に出てきた
トリウマのヒナに王蟲の子供、さらにキツネリスまで描かれていた
(;´・ω・` )「あの……ラピュタとナウシカの世界観は繋がってませんよね?」
(;´・ω・` )「ここに出していいんですか?」
彡;(^)(^)……
宮崎さんも「そうなんだよねぇ」と言わんばかりの苦笑い
しばらくして
(´・ω・`) .。oO(あ……あの時に二木さんが提出した原画が直されている)
トリウマは小鳥の巣の卵に、王蟲はミノノハシに変わっていた
※ミノノハシは17世紀に絶滅した4つの赤い目を持った哺乳類らしい
(´・ω・`) .。oO(でも、ここは残したんだ)
園庭ロボットの肩の上にはキツネリスが描かれていた