彡(゚)(゚)「天空の城ラピュタ」   作:名無ナナシ

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第30話 苦悩 第31話 試写会 第32話 フィナーレ

第30話 苦悩

 

(´・ω・`)「ついに完成した”天空の城ラピュタ”」

その上映時間は2時間4分4秒22コマ

2時間を少しだけはみ出してしまった

そしてこの少しが最後の最後に問題となった

 

(´・ω・`)「この頃はレーザーディスクという……」

新しい映像記録ソフトウェアが登場し、売り上げを伸ばしていた

もちろん、天空の城ラピュタも映画収益だけでなくディスク販売収益も

売り上げとして期待されていた

 

(´・ω・`)「でも困ったことに……」

レーザーディスクの容量は1枚につき2時間

この上限を超えるとディスクを2枚組にしないといけない

そうなれば当然、販売価格は高くなるし

映画を見ている途中でディスクを入れ替えないといけない

 

(´・ω・`)「テンポよく見ている途中で中断なんて興ざめもいいとこだ」

だから宮崎さんは不要なところを削除して時間を短縮できないか苦心していた

 

彡;(-)(-)「うーん……このシーンなら……」

 

(´・ω・`) .。oO(宮崎さんは悩みに悩みぬいて1シーンをカットした)

だが、カットできたのはその1シーンだけ

時間にしてわずか2.5秒の短縮だった

 

彡;(゚)(゚)「ヒロカツくん、切れ切れと言うがな……」

彡;(゚)(゚)「これ以上はムリなんや」

 

彡;(゚)(゚)「この1シーン以外を切ってしまったら……」

彡;(゚)(゚)「作品が分からなくなってしまう」

 

(´・ω・`)……

言葉が出なかった

タイムリミットが迫る極限状態の中でも宮崎さんは

時間短縮のために様々な局面でラフを描き続けていた

その苦しみ、悩みぬいていた姿を見てきたボクは何と言っていいか分からなかった

 

(´・ω・`)「その後も宮崎さんは周りからの要請に頑強に抵抗し続けた」

その結果、天空の城ラピュタは2時間をわずかにオーバーした形で完成となった

 

彡(゚)(゚)「……ふぅ」

 

(´・ω・`) .。oO(宮崎さんの髪が真っ白になってる)

製作当初の宮崎さんの髪は黒々としてた

それが制作が進むにつれて、頭頂部から白くなっていった

 

(´・ω・`) .。oO(まるでマンガのよう……でも事実)

きっとそれだけ途方にないほど大変だったんだ

 

 

第31話 試写会

 

1986年7月23日

完成初号試写会当日

 

仕上げ会社や動画スタジオなどの関係者全員を集めての試写会

ボクたちスタッフは一番後ろの壁にもたれかかって観ていた

 

上映が始まった

ボクたちが今まで描いてきた絵が動いている

 

絵コンテでストーリーは知っている

フィルムチェックで画面そのものもすでに知っている

試写で観るのもこれが初めてではない

 

(´・ω・`)………

ボクはスタジオジブリに入社して、密かに心に決めたことがあった

それは宮崎さんに、先に「おはよう」と「お疲れ様」を言わせないこと

 

それともう1つ決めたことがあった

それはラピュタが完成するまで休みを取らず描き続ける事だ

宮崎駿監督が手がけるこの作品の製作に関われたのだから

自分のすべての時間を使ってでも作品作りに携わり続けたかった

 

そう決意して以来、土日祝日はもとより、大晦日も元旦も

ボクはひたすらスタジオに通い詰めた

 

その結果がこうして映し出されている

 

上映が終わった

館内に凄まじい拍手の嵐が巻き起こった

座席から立ち上がって拍手をする人

「ブラボー!」と叫んだ人

ハンカチを手に拭う人があちこちに見える

 

……

 

(⌐●_●)「あれっ?ヒロカツくん、泣いているの?」

(´;ω;`)「え……」

 

自分でも気がつかない内に涙が流れていた

 

(´;ω;`) .。oO(ボクはなんで泣いているんだろう?)

ラピュタに感動したから?……いや、違う

終わったという達成感?……いや、違う

……理由は分からない

 

その日、ボクが分かっていたことは

心が空っぽになっているということだけだった

 

 

第32話 フィナーレ

 

1986年8月2日

天空の城ラピュタは全国の映画館で上映された

これをもって天空の城ラピュタの制作は完了した

 

(´・ω・`)……

スタジオは閑散としていた

一緒にラピュタを作ったみんなは新しい作品のため旅立っていた

ジブリで働くスタッフは作品ごとの契約

いわば傭兵部隊のようなもの……

 

(´・ω・`)「これからどうしようかな……」

振り返ればスタジオジブリに入社して10か月

完成までの道のりは長く険しいものだった

 

自分たちの力でなんとかする

頑張れば必ず完成する

完成した作品はきっと喜ばれるはず

 

この思いを胸にスタッフ一同、修羅場のような現場で作り続けた

 

(´・ω・`)「それでも終わってみれば……」

あんなに辛くて忙しかった時期を恋しがるのだから変なモノだ

 

(´・ω・`)「あーあ、もっと宮崎さんと働きたかったな」

……まあ、終わってしまったものはしょうがない

残った雑務を終わらせよう

 

ポン

 

(´・ω・`) .。oO(ん?背中を叩かれたぞ)

振り向くと宮崎さんがいた

 

彡(゚)(゚)「ヒロカツくん、二人で“トトロ”を始めます」

 

(´・ω・`)……?

……トトロってなんだ?

……二人でってどういうこと?

 

でも、そんな疑問はどうでもよかった

また宮崎さんと仕事ができる

新しい作品を作ることができるんだ!!

 

(´^ω^`)「はい!」

二つ返事でボクは答えた

 

 

次作彡(゚)(゚)「となりのトトロ」に続く

 

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