雨と名無しのウマ娘 作:サルミアッキパイ
作者はウマ娘も競馬もニワカです。
アタシは大雨の中散歩をしていた。
雨の散歩の中でしか味わえないこの感覚が好きだ。
最高に自由に生きている感じがする。
この誰もいない道で走るのもいい──
いや、誰かいた。アタシと一緒で傘を差していない。ウマ娘だ。ウマ耳が見える。
年は小学生くらいだろうか。
小学生がこの雨の中傘も差さず一人?
「キミ、この雨の中どうしたの?」
アタシが言えたことではないが、雨の中傘を差さずに出歩くことはなかなかない。
「あっ……えっ」
「迷子?親は?」
「いやっ……親はいなくて」
どうやら、一人で家から出ているようだ。
彼女の親御さんはさぞ心配していることだろう。
「傘差さないと風邪ひくよ?」
どの口が言っているのか。
「傘、なくて……」
ふむ、彼女はこの雨の中傘を持っていないらしい。結構強めの雨なのだが。
お世辞にも彼女は体が強そうではない。このままだと彼女は風邪を引いてしまう。
アタシの家はここから近い。となれば──
「一回アタシに家に行こうか。」
「エッ」
これがアタシと彼女の出会いだった。
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「とりあえず、お風呂入ろっか」
「エッ」
アタシは呆けている子を連れてお風呂場へ向かう。家を出る前にお風呂を沸かしといてよかった。この子は大雨の中外にいたせいで、服や髪はずぶぬれだ。
聞きたいことはたくさんあるが、風邪を引く前に体を温めたほうがいいだろう。
「一緒に入るの……?」
「一緒に入りたくない?」
「いや、大丈夫……です」
「そっか」
あまり一緒に入りたくはなさそうだ。でも今回は仕方ない。あまり一人にはさせたくないから。
見た目は10歳ぐらいに見えるけど、アタシより年上だったりしたらどうしよう。年齢聞いとけばよかった。というか、そんなことよりも──
「細すぎじゃない?」
ガリッガリだった。ちゃんとご飯を食べていないのだろうか。
彼女は何も言わないから、あまり触れない方がいいのかもしれない。
「お風呂ってわかる?」
「流石にわかる」
お風呂は知っていた。野生で生きてきたとかではなさそう。
まあ、毛並みを見ればあまりケアはできていなそうだけど。
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比較的綺麗になったので、ソファに座らせてドライヤーで乾かしながら、情報を探る。
とりあえず服は着ていたものをお風呂に入っている間に乾燥機を回して、多少乾いた服を着てもらった。
ずっとキミと呼ぶのもなんだし名前を聞こうか。
「キミの名前は?」
「…………ロストレインです」
まだ少し疑われているのだろうか。名前の返答だけでも結構の間があった。
「ロストレインか……レイだね」
「?」
「あだ名だよ。ロストレインだと長いでしょ?」
「あだ名……」
どうやら気に入ってくれたらしい。
「キミは何歳?」
「…………」
教えてくれないようだ。
少し踏み込もうか。
「キミの家は?」
「……ない」
「ない?」
どういうことだ。この年の女の子がホームレスというの考えにくい。
「家出したの?」
「……」
「親御さんが心配しているだろうから──
「私に親はいない」
──そうきたかぁ」
孤児なのだろう。家は孤児院か、親戚の家に住んでいるいる形だろうか。
「孤児院から出てきたの?」
「……」
「何かいやなことでもあった?」
「……」
「だんまりかぁ」
どうやらあまり話したくないらしい。
「レイは家に帰る気は無いの?」
「私に帰る場所はないと思う。お騒がせしました。さようなら」
そう言って立ち上がるレイ。出て行くつもりらしい。
「レイはさ、家事できる?」
「?それなりにはできると思う」
「じゃあ、今日の夜ご飯作って」
「は?」
「ほら、まだ乾き切ってないんだから、座って」
「え、いや……は?」
これでヨシ!
主人公混乱中。