雨と名無しのウマ娘 作:サルミアッキパイ
転生タグ発動!
は?
待て待ておかしいだろ。ここどこだ。
私は会社から家に帰ってる最中だったはずだ。なんで急に土砂降りの雨の中知らないところにいる?あれか?異世界転移ってやつなのか?それにしては街並みは現代のまんまだ。
ゴロゴロゴロ
「チッ、大雨だけじゃなくて雷も鳴ってのか……」
まずい。突然すぎる転移で傘なんか持ってるわけがない。普通に寒い。
ん?なんか耳が変な感じがするぞ?腰あたりにもなんかあるような……
・・・ウマ娘だコレ!?
どうなってんだ!?私がウマ娘!?まるで意味がわからんぞ!
「キミ、この雨の中どうしたの?」
やばい!第一村人だ!ここでの対応で私のこれからが決まる……
「あっ……えっ」
「迷子?親は?」
「いやっ……親はいなくて」
ミスターシービーじゃん!?
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あれよあれよと連れ去られてしまった……。こんな簡単にシービーの家に来ていいんか?私死ぬのか?あぁもう転生したから死んでるのかもしれないのか……。
「とりあえずお風呂入ろっか」
「エッ」
お風呂に入ろっか。シービーと一緒にってこと!?いやいやそんなわけはないよね……?
「一緒に入るの……?」
「一緒に入りたくない?」
「いや、大丈夫……です」
「そっか」
一緒だったよ。大丈夫って言っちゃったよ。鼻血ださないようにしなきゃなぁ……。
あまり何も考えずに過ごしてさっさとあがろう。
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気持ちよかったです。あと大変眼福でした。
普通に広かった。二人で湯船に浸かっても余裕があるくらい。
で、あがってきたわけなんだが。絶対質問されるよなぁ、名前とか。
「キミの名前は?」
ほら来た。うーんうーんこういう時ってビビッとくるもんじゃないの?
自分にネーミングセンスがないのが悔しい。ダンマリは怪しまれる。なんか捻り出せ!
ウマ娘にはそれぞれウマソウルがあるんだよな?今んところそれ感じないからロストとか?
あとは、なんか雨の日だからレイン。ロストレインでいいやもう。
「ロストレインです」
ちょっと目線が厳しくなった?疑われてるのかな……
「ロストレインか……レイだね」
「?」
「あだ名だよ。ロストレインだと長いでしょ」
「あだ名……」
なんだ、ただの神か。この短い時間の中でしか過ごしてない、怪しすぎるやつにあだ名までくれるとかただの女神じゃん。
それにしてもレイか。なんかしっくりくる。ウマソウル自体は感じ取れないだけであるのかもな。
「キミは何歳?」
ごめん今何歳か知らない。
「キミの家は?」
「……ない(たぶん)」
「ない?」
やばい、めっちゃ目が細くなってる。絶対怪しまれてるって!
「家出したの?親御さんが心配してるだろうから──
「私に親はいない」
──そうきたかぁ」
嘘は言ってない。人間の頃は孤児だ。今世?は知らんけど。
くそ、これ以上適当に話しても良さそうなものがないぞ!孤児院とか聞かれても「なんて名前の孤児院?」って聞かれておしまいだ。だんまりを決め込むしかない。
「レイは家に帰る気は無いの?」
「私に帰る場所はないと思う。お騒がせしました。さようなら」
バタフライエフェクトなんて起きてシービーが三冠を取らないなんてことになったら最悪だ。今のうちに逃げてしまおう。外にさえ出ればノリと勢いでなんとかなるはず!
「レイはさ、家事できる?」
?人間の頃は一人暮らししていたから人並みにはできると思う。
「じゃあ今日の夜ご飯作って」
「は?」
「ほら、まだ乾き切ってないないんだから、座って」
「え、いや……は?」
ワケワカンナイヨ~!
主人公は人間の頃も女です。
ウマソウルなんてねぇよ!