素直になった幼馴染から激重感情を向けられていることを俺はまだ知らない   作:水島紗鳥

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第19話 その状態だと気持ち悪いでしょ

 同級生の襲来がありつつ、その後は特に何事もなく二人で勉強を行う俺達だったが、気付けば夕方の時間帯だ。

 

「外も暗くなってきたし今日はこのくらいにしよう」

 

「あっ、もうそんな時間なんだ」

 

「俺もチラッと外を見てびっくりした」

 

「そうよね、全然気が付かなかったわ」

 

 お互いかなり集中していたため時間を全く意識していなかった。特に俺の場合は紗奈に勉強を教えるのが楽しくてつい熱中してしまっていたことが大きな要因だ。

 今までとは違い紗奈は悪態をつくこともなければ文句も言わず、俺が指摘したことを素直に受け入れてくれる上にうちの高校に入学できるだけあって理解力も高かったため教えがいがめちゃくちゃあった。この調子なら中間テストは入学式翌日にあった復習テストよりも良い順位になれる可能性が高いと思う。

 まあ、そもそも紗奈は春休みに遊び呆けていて入学前に出された課題も俺のを丸写しする始末だったため復習テストがあんな結果になったのだが。そんなことを思いながら図書館を出る俺達だったが雨が降っていることに気付く。

 

「あれっ、今日って雨降る予定だったっけ?」

 

「ううん、朝の天気予報だと晴れだったはずよ」

 

「だよな、そもそも雨予報でも降らないことが多いし」

 

 岡山県は晴れの国と言われるだけあって雨が滅多に降らない。そのため降水確率が三十パーセントくらいなら降らないと判断する岡山県民は多かったりする。だから雨の予報すらなかったのに降っているのは驚きだ。

 

「どうする、もう少し図書館に残るか?」

 

「いつ止むか分からないし、このくらいならそんなに濡れないと思うから帰りましょう」

 

「オッケー、そうしよう」

 

 紗奈の提案に対して特に異論はなかったためそのまま家に帰り始める。だがその判断が過ちであったことに気付くはめになってしまう。

 

「ちょっと、何で急に土砂降りになるのよ!?」

 

「これはマジでやばい」

 

 先ほどまで小雨程度だったにも関わらず、急にバケツをひっくり返したかのような大雨になったため俺も紗奈もパニックだ。紗奈の家まであと少しの距離にいたことだけが不幸中の幸いだろう。

 

「完全に全身びしょ濡れになったて最悪なんだけど

 

「ああ、図書館に残ってた方が絶対良かったな」

 

 俺達は紗奈の家の玄関前の屋根の下でそう話した。いくら何でもこれはあまりにタイミングが悪すぎだ。

 

「しばらく雨が降り止む気配もないし家で雨宿りしてから帰りなさいよ」

 

「えっ、いいのか? 普通に傘だけ借りて帰ろうと思ってたんだけど」

 

「遠慮せずに上がって大丈夫よ、流石にその状態で帰らせるのも申し訳ないしね」

 

「じゃあお言葉に甘えて」

 

 俺の家はここから割と近いが傘を借りたとしてもさらに濡れることは目に見えていたので正直めちゃくちゃ助かる。だから俺は紗奈の家に上がらせてもらうことにした。

 

「とりあえずシャワーでも浴びたら? その状態だと気持ち悪いでしょ」

 

「それは悪いって、それにもしシャワーを借りるとしても流石に紗奈の後だろ」

 

「私は後で大丈夫だから」

 

「いやいや、それは申し訳なさ過ぎるから無理だ」

 

 言うまでなく紗奈も全身びしょ濡れになっているため状況は俺と一緒だ。それにも関わらず紗奈を差し置いて俺が先にシャワーを浴びるなんてあり得ないだろう。だから俺は辞退をしたのだが紗奈は一歩も引く気配がない。

 しばらくお互いに先を譲る俺達だったが何故か紗奈が頑なにに拒み続けたため結局俺からシャワーを浴びることになった。紗奈を待たせるのも悪いし必要最低限だけ浴びたらすぐに出よう。

 そう思って浴室に入る俺だったが、シャワーを浴びようとレバーに手を伸ばした瞬間、何のためらいもなく全裸の紗奈が入ってきた。えっ、嘘だろ!?

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