キュウべえ「ボクと契約してTS魔法少女になってよ」   作:フェレーデ

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魔法少女たちの前夜祭

「キュウべえ………魔法少女と魔女は同じ存在。それで間違いはないか?」

「間違いないよ」

 

 俺の問いにキュウべえは即答した。

 悪びれた様子もなく、無表情でこちらを見つめている。

 あまりの衝撃の事実に皆が息を呑み頭が真っ白になっている中、一早く正気を取り戻してキュウべえに喰ってかかったのは佐倉杏子だった。

 

「おいてめえ! 何でそんな大事なこと黙ってやがった!」

 

 般若の形相とはこのことか。凄みのある怒りの感情をストレートにぶつけられてもなお、キュウべえは一切動揺することなく続ける。

 

「僕はちゃんと言ったじゃないか。”魔法少女”になってくれって」

「それのどこが…!」

「君たちくらいの年頃の女性を少女と呼ぶだろう? だったら、やがて魔女になる君たちのことは魔法少女と呼ぶべきだよね」

「っ…!? そ、そんな……そんなの詐欺みたいなもんじゃねえか!?」

「詐欺だなんて心外だなぁ。契約の前に僕はきちんと言ったはずだよ。その願いは魂を差し出すに足るものかいってね」

 

 あまりにも理不尽である。

 キュウべえの言葉は確かに嘘を言っていないが、相互理解ができるような言葉の形ではない。

 

 しかし、キュウべえにとってはそれでいいのだろう。

 そもそも彼らにとっては、相互理解など必要のない事なのだ。

 言葉とは情報伝達の手段でしかない。セリフ回しや表現技法はポジティブな印象を与えたり人間の欲望を刺激したりための工夫に過ぎず、都合の良い言葉を並べているだけ。

 感情など理解しない彼らが、彼らなりに人間の思考をシミュレートすることによって得られた、最も魔法少女契約を結びやすい振舞い方が今のキュウべえの在り方というわけだ。

 

 どんな時に、どんな言葉をかければ良いか。

 それを、機械のように愚直に実践しているだけの存在。

 彼らに意識や自我といったものがあるのかということさえ怪しく、検索バーに打ち込んだ文字をただただ返答するだけのようにも思えてくる。

 

「ねぇキュウべえ、嘘だと言ってよ…?」

「マミ。僕が嘘をつかないことは誰よりも君が知っているはずだよ。そんなことをしても意味がないじゃないか」

「う…、うぅ……」

「どうして泣くんだい? どうやって死ぬかなんて君たちには関係のない事じゃないか。死んだ後のことなんてキミたちには分からないんだから」

 

 巴マミが涙を零すのをキュウべえはこてんと首を傾げて見ている。

 傍から見れば可愛らしい姿に見えるのだろうが、この中には誰もそんな感情を抱く者はいない。特に暁美ほむらなんかは絶対零度の視線で睨みつけている。

 

「ひどすぎるよ…!! こんなのってないよ。あんまりだよ…!」

 

 共感能力の高い鹿目まどかは、美樹さやかをぎゅっと抱きしめたまま嗚咽の声を漏らしていた。

 

 ……この場で、魔法少女契約を結んでいないのは彼女だけ。

 他人事で受け流しても問題ないだろうに。そんなことを少しも考えない彼女は、まさしく”正しい”のだと思う。

 

 この真実を聞かされて多大なショックを受けてしまい、発狂しながら乾いた笑いと共に意識を手放す美樹さやかも”正しい”。

 

 そして、錯乱して正気を失い、信じていたはずのキュウべえに裏切られたショックからマスケット銃でキュウべえを撃ち抜き、真っ先に俺のソウルジェムを破壊しようとした巴マミも”正しい”のだ。

 

「落ち着け巴マミ」

「あんなの聞いて落ち着けるわけない!? ソウルジェムが魔女を生むというのなら、みんな死ぬしかないじゃない! あなたも、私も…!?」

 

 巴マミは真っ先に俺のソウルジェムを狙ってきたのは、一番厄介に思われているからだろう。疑似的な魔女結界を経験した彼女は俺の強さを良く知っている。

 

 単純な魔法の練度では俺は巴マミに勝てない。

 彼女がリボンを束ねてマスケット銃を作り出し魔力弾を撃ち出す方が、俺が結界を生成するより僅かではあるが速いのだ。

 よーいドンで戦い始めればいくらでも対処法はあるが、不意打ちならば一発でやられることだろう。現に、巴マミのマスケット銃の弾丸は俺のソウルジェムに直撃した。

 

 それでも俺が無事だったのは、事前にソウルジェムを覆うように結界を張っていたから。

 ソウルジェムが本体と聞いてからは、それがむき出しの状態なのがひどく恐ろしく思えて、なんとなく結界を張っていたのが功を奏したのだ。それにより不意打ちを防ぐことができた。

 

 しかし、不意打ちだけで止まる巴マミではない。

 彼女は錯乱しているが、判断能力は微塵も鈍っていないのだ。

 

 マスケット銃がダメと分かると、今度はリボンで拘束しようとしてくる。しかし、残念。全身を覆うように結界を張った俺には相当な威力の高い技じゃないと通用しない仕様だ。

 魔法の練度では巴マミが数段上だが、それを黙らせるほどの魔力量が俺にはある。今まで一切魔法の練習に取り組むことなく、力まかせで魔法少女をやってきたのは伊達じゃない。

 

 巴マミを止めるには気絶でもさせるしかない。

 そう思い動こうとすると、突然、彼女は銃先を別方向に向けた。

 

 その銃先には──佐倉杏子。

 

(間に合わない…!?)

 

 魔法の撃ち合いにおいて、発生速度が同じなら先手を打った方が勝つのは道理。

 テレポートの発動には結界を張るのと同じくらい時間がかかる。だからこそ、間に合わない。それでもなんとか間に合わないかと手を伸ばし───次の瞬間、佐倉杏子の姿が消えた。

 

 その直後、背後から感じる2つの気配。

 1つは佐倉杏子と、もう1つは暁美ほむら。時間操作、その力で佐倉杏子を助けたのか。

 

(今しかない…!)

 

 俺はチャンスを無駄にしまいとテレポートで巴マミの背後へと移動した。

 そのまま首の後ろを鋭い手刀でトンッと叩いて───いわゆる首トンで気絶させた。

 無事にマミを気絶させて鎮静化させることができ、力なく倒れる彼女を腕に抱えてほっと一息つく。

 

「………ねぇ、それ大丈夫なの?」

 

 すると、ほむらが恐る恐るといった様子で巴マミを見ながら尋ねてくる。

 その瞳には若干の怯えの感情が感じ取れた。

 

「大丈夫だぞ。ちゃんと気絶してる」

「そうじゃなくて、すごい音がしたのだけど…」

「トンってしただけだって。受けたダメージももう治したから大丈夫ダイジョーブ」

「……そうかしら? 私にはバキッて聞こえたのだけど」

 

 首トン、というのはアニメや漫画でよくある表現だ。

 しかしそれを現実で再現しようとすると、かなりの技巧と力が必要となる。

 

 首トンで気を失うメカニズムは、強い衝撃を与えることによって頸を通っている複数の神経に傷が入り、神経系が狂うことで血圧が低下して意識を失うというもの。

 当然、一度傷ついた神経が元に戻るかどうかというのは運任せで、場合によっては一生手足が動かせなくなる可能性もある。少なくとも一時的に気を失わせることに向いていない行為だということは分かっていただけるだろう。

 

 しかし、魔法少女となると話は別だ。

 どんな怪我も魔力を流せば修復して使えるようになる。ならば、神経を無理やり叩き切って後から治せば安全に気絶させることができるというわけだ。

 

 問題があるとすれば、ひどく倫理観を傷つけられることだろうか。

 お前の身体はハードウェアに過ぎないと言われて「なるほど!」と思えるような感性の人間でないとこの方法は取れない。………つまり、この場では俺しかできないことだ。

 

「まぁ、とにかくだ。色々話したいことはあるだろうけど、いったん家に帰ろう。明日落ち着いてから話をしよう」

 

 俺は気絶した巴マミを近くにいた佐倉杏子に引き渡して、家まで送ってくれるように頼む。

 彼女自身も色々あってショックだったのか半ば放心していたが、快く引き受けてくれて助かった。

 

 一応、保険のために佐倉杏子のソウルジェムには防護用の結界を張っておいた。

 それほど強力なものではないが、マスケット銃1発くらいなら防げるはずだ。もしも戦うようなことがあっても、彼女なら巴マミを取り押さえることもできるだろう。

 

 

 

 

 

 

 結果から言えば、2人が魔女になるような事態にはならなかった。

 一度気を失ったことで気持ちが落ち着いたのか、それともまどかケアリングと杏子カウンセリングが功を奏したのか…。どちらにせよ、最悪の事態は防げたようで何よりだ。

 

 ただ、精神的に危ういのは事実。

 魔法少女の身体は魔力を補填すれば治すことができるが、精神はそうじゃない。ソウルジェムというむき出しの状態になっているからこそ、むしろ人間の時よりも精神的に脆い。

 ソウルジェムの真実を怒涛の勢いで知らされたことで、2人が受けた傷は大きい。魔法少女という存在に存在意義を見出していた巴マミも、それに憧れて魔法少女になった美樹さやかも、その純粋で無垢な心をへし折られた形だ。

 佐倉杏子がそうならなかったのは、恐らく魔法少女というものへの憧れや期待がないから。過去に何があったかは知らないが、2人の精神的フォローを任せた時に困ったように笑っていたのが印象的だった。

 

 

 そして、ワルプルギスの夜到来の前夜。

 俺はほむらから事のすべてを聞いた。

 

───鹿目まどかを魔法少女にさせないのは、魔女になりたくないという彼女の願いを守るためだということ

 

───以前話していた地球を10日で滅ぼす魔女というのは鹿目まどか本人であること

 

───インキュベーターの目的は感情エネルギーの採集であり、最も効率が良いのは魔法少女が魔女となる時に生じる希望から絶望への相転移なのだと

 

───そして、鹿目まどかが魔女となればキュウべえの目的は達成されるのだと

 

 

「……今思えば、もっと早くにこのことを話しておけばあんなことには…」

「結果論だよ。暁美ほむら、お前の判断は少なくとも間違いじゃなかった。……知らない方が幸せなことだってあるだろう」

 

 珍しく後悔するような言葉を零すほむらに、間違いではなかったと言ってあげる。

 これは励ましじゃない、俺も本当にそう思っている。

 

 魔法少女の行きつく先が魔女だなんていう特級の地雷案件を隠そうとするのは自然な感情だ。

 彼女にとって、あの場にいた全員は仲間だから。苦しんで欲しくないし、知らないまま幸せでいて欲しいとも思っているはず。

 そして、彼女の態度から察するに、過去にすべてを明かしたことはあるのだと思う。そして、その言葉が信用されることはなかった。

 

 何が真実かなんて誰も分からない。

 だから、人は自分が信じたいと思う情報を信じるようになる。

 

 未来から来た。キュウべえに騙されている。魔女の正体は魔法少女………こんな言葉を誰が信用するというのか。

 

 すべてを明かしておけばよかったというのは結果論に過ぎない。

 時間を繰り返すことができるのだから、虱潰しに最善手を模索していけばいいという考えは、あまりにも人の感情を軽視している。

 

 そんなことを抜かす奴は思考がキュウべえと同じだ。

 合理的で効率的な見方しかできていない。当事者意識が欠落していて、客観視し過ぎるあまりひどく不気味に見える。

 冷静な面をして盤面を見据えているように見えて、その実、1人称の視点が完全になくなっていて、人間の心理というものを完全に度外視している。

 

 人間は感情を持った生き物だ。

 その力は強く大きく、時にその情動に突き動かされる。

 それを無いものとして考えるのは、心がない思考をしていると自覚した方がいい。

 

 自分ならもっとうまくできる、というのは、彼女に対する最大級の侮辱だ。

 

「お前がやったことは間違いではないさ。鹿目まどかは魔法少女の契約をしていないし、美樹さやかも巴マミも佐倉杏子も命を落としていない。結果も悪くないだろう」

 

 俺はそんな風にはなりたくない。

 

 

 

 

 

 

 ワルプルギスの夜到来の日。

 テレビでは突如現れた巨大な積乱雲(スーパーセル)の出現に伴い、避難指示警報が発令されていた。

 

 何度も言うが、魔女は一般の人間には見えない。

 突発的に発生した異常気象や原因の分からない怪奇現象として処理される。

 ワルプルギスの夜は結界を持たない魔女なので、それが出現すると超特大の台風か何かとして観測されてしまうわけだ。

 

 既に、見滝原市の住民の避難は概ね終わっている。

 避難所───やたらとガラスの主張が激しいそれは本当に雨風を凌げるのか不安に思うが、そもそもその元凶をここまで到達させなければ良い話。

 

 ワルプルギスの夜を倒せるか倒せないか。

 見滝原市の住民の命を守れるかどうかは俺達の手にかかっているということだ。

 

「ほむらちゃん! さつきちゃん!」

 

 と、そんなことを考えていると見覚えのある声が聞こえてくる。

 鹿目まどか。俺達の方へと小走りで駆けてくる。そして、その後ろをキュウべえも付いてくる。……肩には乗せてもらえなかったのか。哀れなことだ。

 

「2人とも、これから戦いに行くんだよね。……勝てるよね?」

 

 不安げな様子で尋ねてくる。

 その姿はまさに何も力を持たない女の子といった感じだ。

 

 とてもじゃないが、鹿目まどかが強い魔法少女になるなんて言われても信じられない。

 俺はなんとなく因果の大きさを感知することができたから本当だと分かるが、他の魔法少女は俺ほど感じ取ることができないそうだ。現に、暁美ほむらは一切感知できないと言っていた。

 

「勝てるよ」

 

 そして、俺は迷うことなく答えた。

 ワルプルギスの夜がどれくらい強いかは分からないが、初めて自分の魔法に向き合ったことで練度は確実に上がった。

 これで勝てないならもう仕方がないと思うほどには、強くなったと自負している。

 

 

「やれやれ、水を差すようで悪いけれど、キミたちではワルプルギスの夜には勝てないよ」

 

 と、まったく悪気がない様子で口を挟んでくるのはキュウべえ。

 口を挟むな、と一蹴するのは簡単なこと。しかし、忘れてはならないのはキュウべえが嘘をつくことはないということ。

 

 明言を避けたり表現を誤魔化したりすることはあるが、嘘は言わない。

 そんなキュウべえが明確に”勝てない”と言い切った。

 

「勝てない? どういう意味だ?」

「そのままの意味だよ。ワルプルギスの夜には今までたくさんの魔法少女が挑み、そしてやられてきた。いくらさつきでも勝てないよ」

「それはおかしな話だな。キュウべえ、お前は言っていただろう? 僕の因果の強さは鹿目まどかに次いで2番目だと」

「そうだね。キミが何故それだけの因果を持ち得ているのか分からないけれど、まどかの次に因果が強いというのは間違いじゃないよ」

 

 真面目な話をしているというのにキュウべえはごろごろと転がり猫のようにくつろぎながら、毛繕いをするような仕草で話してくる。

 

 ………なんか腹立つなコイツ。うっかり踏みつけてやろうか。それとも、丸めた新聞紙で思いっきり叩いてやろうか。

 

「それは理屈が通らないなキュウべえ。僕が2番目に強いのなら、それ以上に強い魔女など存在するわけがない」

「個人の話ではそうだね。でも、ワルプルギスの夜は複数の魔女が集まってできた魔女なんだよ」

「……魔女の集合体?」

「そう。彼女の呪いはどんな魔法少女の祈りも届かない。……鹿目まどかを除いてね」

「っ! させない! 絶対に契約なんてさせない!」

 

 まどかの方を振り向くキュウべえの前に、ほむらが立ち塞がる。いつの間にか魔法少女の姿にも変身し、盾を構えてまどかの前に立つ姿は……なるほど。さながらお姫様を守るナイトのようだ。

 

「キュウべえ。鹿目まどかを契約させるのは僕も反対だ。必要以上に魔法少女を増やす必要はない。あんな真実を聞かされたらなりたくもないだろう」

「だったら、どうやってワルプルギスの夜を倒すんだい? このままでは見滝原の街は無事じゃ済まないよ」

「そんなことはない。好き勝手にこの街を荒らさせはしないさ。いつだって条理を覆すのが魔法少女というものだ」




【キャラ紹介】(作者の自己解釈マシマシ)

『鹿目まどか』
 基本的な流れは本編と変わらないが、マミさんがマミらなかったりさやかちゃんが魔女化しなかったのでSAN値はセーフ。しかし、どっちも危ない橋を渡ったことには変わりないので、魔女と戦うことは怖いことというイメージはある。
 原作主人公でありながらほとんど出番がないことで有名であり、この作品でも()()()()()大した出番はなく、まどまどしているだけだが……。


『美樹さやか』
 今作ではマミさんに憧れて魔法少女になりマミさんの弟子になった。
 師弟仲は良好で、ワルプルギスの夜に向けて魔女との戦闘をいくつか経験する。マミさんの適切な指導もあり実力をめきめきと伸ばしていく。
 問題が起こったのはさやかの願いで上条恭介が退院してからのことで、友人である志筑仁美に例の《私は明日告白するけどあなたは?》という発破をかけられ、めちゃめちゃ悩んでまどかやマミさんに相談した結果、仁美ならいいやという気持ちになり身を引くことを決意する。
 これからは魔法少女1本でやっていくんだと意気込んでいたところに志筑仁美の告白が成功したという知らせが届き、同じクラスであることも相まってそれを毎日見ることになり…。さらには、向こうも気を遣ってそそくさと教室を去っていくのが余計にさやかの心を抉り、魔女退治に支障をきたすほどにメンタルが不安定になってしまう。
 そんなところに佐倉杏子が尋ねてきてズバズバと言われたくないことを言われ、挑発に乗って戦うということを何度か繰り返した結果、ソウルジェムの真実を知ることとなる。


『巴マミ』
 今作ではマミられなかった人。
 恐怖で怯むようなメンタルではなく、実銃を向けられても平然としているようなキャラクターだが、自分の信じていたものに裏切られると途端にメンタルが脆くなるといった印象。
 作者的にはメンタルが弱いとは思っておらず、魔女化の真実を知ってもなお魔女化さやか(オクタヴィア)と戦いきったのは切り替えができる何よりの証。
 実はほむらと同じで、自分のやってきたことが無意味だったのではないかと自覚したときに錯乱したり絶望したりするのではないかと思っている。

 巴マミが信じていたのは”魔法少女”であり、強くて優しい正義の味方を誰よりも信仰し、そうなるよう振舞ってきた。
 作中で彼女は寂しかったと零しただけで家族についての話は交通事故で亡くなったという話だけしか出てこなかったが、自分だけ生き残ったことに罪悪感のような感情は持っており、その感情への埋め合わせとして理想の魔法少女を演じていると思われる。

 美樹さやかが魔法少女になる選択をしたことには納得していないが、弟子ができたことは素直に嬉しく、寂しいと思うことは無くなった。
 ソウルジェムの真実を知ってからは「死ぬしかないじゃない…!」をしてしまうが、その時の判断能力はあまりにも的確。今作では魔法少女契約を結ぶことができるキュウべえを真っ先にやり、続いてさつきを狙い、それが無理と分かると杏子を狙った。正気を保ったまま狂うとはこのことである。


『佐倉杏子』
 今作では出番があまりなかった人。
 巴マミの元弟子で、ワケあって巴マミとは袂を分かっていたが、ひょんなことからまた弟子をとったと聞き見滝原へと視察に来る。
 しかし、そのあまりのメンタルの不安定さに居ても立っても居られなくなり、ズバズバとモノを言った結果さやかを追い詰めてしまう。根っこの気質は同じなのに仲良くなれないのはもはや呪いなのかもしれない。
 ソウルジェムの真実を聞かされて魔法少女の行きつく先は魔女だと言われてもソウルジェムが真っ黒に染まることはない圧倒的なメンタル強者。
 メンタル不調な巴マミや美樹さやかのカウンセリングをしているうちに、父親はこんな気持ちだったのかと思いを馳せた。
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