キュウべえ「ボクと契約してTS魔法少女になってよ」   作:フェレーデ

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4:ほむらちゃんイメチェンしたの?

 ここが魔女結界の中だと気づいてから、私はいろいろな記憶を取り戻した。

 まるで霧が晴れるように、忘れていた記憶が溢れてくる。

 

(思い出したわ。私の祈りはまどかとの出会いをやり直すこと。まどかを救い出すために、同じ時間を何度も繰り返した)

 

 病院で目覚めて転校をしてまどかたちと出会う。

 その流れに引っ掛かりを覚えたのは、やはり何度も時を繰り返したことを魂が覚えていたからだろうか。

 

 ぎゅっと紫色のソウルジェムを包み込む。

 これは、本来の私そのもの。長い長い繰り返しを歩んだ私を形作る魂の宝玉。世界も記憶も信じられないこの空間で、本物を見つけ出す唯一の道しるべ。

 

(でも、どうして魔女が現れたの? まどかの願いで魔女が生まれることはなくなったはず。佐倉杏子の言っていた通り、すべての魔法少女は魔女になる前に消え去るはずなのに…)

 

 円環の理。

 まどかの願いで生まれたすべての魔法少女を絶望から救済するシステム。

 それにより、世界の法則は書き換えられ、魔女が生まれる前に魔法少女は消滅するようになった。

 

 それなのに魔女結界が生成されているということは魔女が存在しているということ。

 矛盾しているが、紛れもない事実。

 

(駄目ね。どうして魔女がいるかなんて、考えても分からない。そもそも情報が足りなすぎる)

 

 単なる直感ではあるが、まだ記憶をすべて取り戻したわけではないと思う。

 これはそういう類の空間だ。忘れているという事実になかなか気づくことさえできない。

 

(……何にしろ、魔女のいる世界はあの子の望むことじゃない。あの子の祈りを無駄にしないためにも、何としてでも魔女を探さないと…!)

 

 私の願いはまどかの意思を守ること。

 それが、あの子のいなくなった世界で私が建てた誓い。

 

 

 

 

 

 

「わぁあ! ほむらちゃんイメチェンしたの?」

 

 翌日、登校をしたらちょっとした騒ぎが起こった。

 これではまるで転校初日の再現だ。ほむらの周りには生徒がたくさん集まり、質問の嵐を浴びせていた。

 

 皮切りになったのはまどかの言葉。

 教室に入ったときは困惑した雰囲気が流れていたのに、まどかの言葉を皮切りにしてドッと生徒が押し寄せた。

 

(髪をほどいて眼鏡を外しただけなのに何でなの…!?)

 

 そして、当の本人は何にも分かっていなかった。

 跳ね除けるわけにもいかないので適当な言い訳を探そうとするが、頭に浮かぶのは「気分が悪いから保健室に」という何度も使った常套句だけ。

 あれは元々まどかと接点を持つために使っていた言い訳だったので、今は特に使う気は起きない。根が真面目なほむらは、基本的に嘘をつくことが苦手だ。

 

「うわー、相変わらずすごい人気だね。今度からほむらのこと転校生って呼んでやろうかな」

「やめなよさやかちゃん。ほむらちゃんがかわいそうだよ」

「にひひ、冗談だって」

 

 そんなほむらの様子をまどかとさやかは見ていた。

 まどかはほむらに真っ先に話しかけたが、押し寄せる人の波に抗えずに流されてしまった。魔法少女になって身体が丈夫になったはずなのに、どうして力負けするのかは永遠の謎だ。

 

「でも、ほむらがイメチェンするなんてなぁ。なーんか、殻を破ったって感じ?」

「なんか雰囲気もいつもと違う気がする。ほむらちゃんがほむらちゃんじゃなくなっちゃったみたいな」

「ふむふむ、優しくて控えめなメガネっ子からクールでイケイケな美人さんに早変わり。くーっ! これが萌えか! 萌えなのか!」

「もうさやかちゃん、そんなのじゃないってば。ほむらちゃん困った顔してるし…」

 

 困った顔、とは言ってもさやかには澄まし顔をしているようにしか見えない。

 まどかには分かるのか、なんて思いながら見ていると、まどかがふと疑問の声を漏らした。

 

「それにしても、何でほむらちゃんはイメチェンしたんだろう?」

「そりゃあこっちのほうがモテるからじゃないの? ほむらもそういうお年頃だし」

「そうかな? わたしは前のほむらちゃんもかわいくて素敵だと思うけど」

「ちっちっち、時代はクールだよまどか。かっこいい女の子はモテるんだよ。まどかのお母さんだってそうでしょ?」

「うーん、ほむらちゃんはママとは違う気が…」

 

「心境の変化でもあったんじゃないの?」

 

 すると、いつの間にか近くに来ていた杏子がそんなことを言った。

 

「きっとあいつなりに思うところがあってやってるんだ。最近あいつは調子悪かったからな。ここらで心機一転思い切ったことをしてみるのも悪くないんじゃねえの?」

「なるほどぉ。まずは形からってことね」

「そうそう。まあ、あたしはあっちの方が好きだよ。堂々としてて素の自分を曝け出してるって感じがして」

「ほうほう、杏子がクールぶってるのもそれがカッコいいと思ってるからかな?」

「そ、そんなんじゃねえよ!」

 

 

 

 

 

 

 放課後。

 さやかと杏子はそれぞれ用事があるということで、私とまどかと巴さんの3人で下校していた。

 

(美樹さやかはともかく、杏子は調べごとをするためでしょうね。違和感に気づくことができるのは、記憶に深い場所や人に触れたとき。彼女は元々風見野で活動をしていたから、そっちに行けば何か思い出すきっかけを作れるかもしれない)

 

 何か気づいたことがあったら連絡を取り合うようにはしている。

 だが、ここが魔女結界の中ではないかという推論はまだ共有していない。

 

 その理由は、この空間があまりにも異質だから。

 確かに魔女結界であることは間違いないが、肝心の魔女は見当たらないし使い魔の姿もない。

 さらには魔女結界特有の歪な世界も形成されておらず、あるのはありのままの見滝原の街。多少違うところはあるが、誤差の範疇だ。

 

 記憶の中にある魔女結界とは構造がまったく違う。

 だからこそ、きちんと確信を持ってから共有したい。記憶を改竄された空間で先入観を持ってしまえば、それこそ違和感に気づくチャンスを失ってしまうことになりかねないから。

 

 

「それにしても、暁美さんかなり印象変わったわね。見た目もそうだけど、纏う雰囲気が変わったというか…。何というか、ベテランの魔法少女の風格があるわ」

 

 巴さんが私のことをまじまじと見ながら話してくる。

 彼女からそういった視線を向けられたのは初めてなので、ちょっぴり居た堪れない気分だ。

 

「そうですか? 私はあまり変わった気がしないですけど」

「本人は分からないものよ。私は今の暁美さんも堂々としていて良いと思うわ。そうやって心を強く保つことは魔法少女にとって大切なことだから」

 

(強く保つ……ね)

 

 巴マミ。

 彼女は私にとって恩師であると同時に、いくつもの時間軸で敵対してきた。

 

 魔力の扱い方などの魔法少女としてのノウハウは彼女から教わったし、銃の扱い方も彼女の戦い方を参考にしている。

 それでいて、その精神はどこまでも高潔で正義感に溢れていて、強く正しい在り方は心の底から尊敬することができる。

 

 その反面、精神は人一倍繊細で傷つきやすい。

 強がって無理しすぎて、辛くて苦しいはずなのにそれを全部抱え込んでしまう。

 

 私はそんな彼女のことが少し苦手だった。

 それはきっと同族嫌悪にも似た感情。一人で抱え込めることなんて高が知れているのに、あれもこれもと背負い込む。魔法なんてものがあるから何でもできると錯覚して、それができないと知って深い深い絶望の沼に嵌る。

 

(えぇ……そうね。認めるわ。私も巴マミも結局は同じ苦しみを味わっていたのね。誰かに頼ることを諦めて、勝手に一人ぼっちになって。だから、私はあの人のことが苦手だった。まるで、鏡を見ているような気分になるから)

 

 一度記憶を失って、それを再び取り戻して…。

 そうして整理していくうちに、自分の中にあった漠然とした感情に名前が付けられていく。

 

 まさかこんな形で自身の過去と向き合うことになるなんて予想外だった。

 私にとってこの記憶は、大切なものであると同時にあまり正面から向き合いたいものではない。今回のことがなければ、こうして向き合うことはなかっただろう。

 

(感謝……とは違うわね。でも、悪くはないわ。おかげで大切な気持ちを思い出すことができた)

 

 どんな理由であれ魔女を許すことはできない。

 感謝なんてしてやらない。だが、こうして過去を振り返るきっかけをくれたことは、良かったと思う。

 

 

「さて、着いたわ」

「今日は新作のケーキを焼いたんですよね?」

「そうなの。前々からリクエストは貰ってたんだけど、中々うまくできなくて。やっと納得のいくものができたから、みんなにも是非食べてほしいの」

「リクエスト…?」

 

「マミお姉ちゃん! 待っていたのです!」

 

 すると、巴さんの部屋の前に一人の少女が待っていた。

 

 腰まで伸びた長い白髪。

 黄色い瞳にフリルとレースのついた桃色のワンピース。

 黒いアンダーウェアとタイツを履いた外見年齢10歳ほどの少女。

 

(……だれ?)

 

 少なくとも、ほむらの記憶にはない。

 忘れているだけの可能性もあるが、妙な既視感のようなものも感じないため、本当に初対面ではないかと思う。

 

「わぁあ可愛い! マミさんの妹とかですか?」

「うふふ、違うの。彼女は私のお隣さんで…」

「百江なぎさなのです」

 

 

 

 

 

 私と巴さんとまどかと百江なぎさ。

 4人で巴さんの部屋にお邪魔したが、狭いと感じることはなくむしろまだ入るといった広さだった。

 

「なぎさはチーズが大好物なのです」

「てぃひひ、そうなんだ。わたしもチーズは好きだよ」

「なら、なぎさはもっともっとチーズが大好きなのです」

「そうだね。マミさんのチーズケーキ楽しみだね」

 

 リビングではまどかと百江なぎさが仲良くソファの前に座って話していた。

 髪の色や瞳の色は違うが、雰囲気はまさしく姉妹そのもの。巴さんも保護者のような目で2人のことを見ていた。

 

「巴さんもご近所付き合いとかするんですね」

「えっ?」

「一般人とは一線をしている印象があったので。あんな小さい子と関りがあったなんて意外です」

 

 ほむらは珍しく思ったことを素直に口にした。

 時を遡り始めてからは、話して良いことと話してはダメなことを選別するようになっていたから素直に話す機会はなくなっていたが、今回に限ってはほむらにとっても初めてのケース。取り立てて隠す必要はないと思ってのことだった。

 

「あぁ、なぎさちゃんのことはそれだけじゃないの」

「それだけじゃない?」

「あの子、魔法少女の素質があるから」

「え、ということは──」

「そう、キュウべえのことも見えているわ」

 

 ……なるほど、だとしたら納得だ。

 巴マミは魔法少女じゃない一般人とは一定の距離をとるようにしている。

 それは恐らく、彼女なりの線引き。一般人を魔法少女の世界に巻き込まないための境界のようなもの。

 

 そのため小学生と関わりを持っていることを不思議に思ったが、魔法少女候補ということなら話は別だ。

 

「もちろん契約は控えるように言っているわ。魔法少女としての活動は危険を伴うから…。せめて、中学生になってからそれでも叶えたい願いがあれば」

「……そうね、それがいいわ」

 

 魔法少女なんてなるものじゃない、というのはほむらの持論だ。

 もちろん自分が魔法少女になったことには一切の後悔はないと言い切れるが、誰にでも務まるものではないと思っている。

 それこそ人生をすべて投げうってでも叶えたい願いがなければ、精神が押しつぶされて絶望してしまう。ほむらが今まで絶望せずにやってこれたのは、何としてでも叶えたい願いがあったからだと自負している。

 

 それから巴さんは昨日の夜に作り置きしておいたというチーズケーキを取り出し、切ってテーブルに並べる。

 いつものホイップクリームとスポンジを使ったケーキとは異なるが、納得のいくものができたというだけあって、店頭に並べてあっても不思議に思わないくらいの出来栄えだ。

 実際に口にしてみると味も美味しかった。この人ケーキ作りが本職なんじゃないかと思ってしまうほどに。

 

「ほら、なぎさちゃんもっとゆっくり味わって食べないと」

「十分ゆっくり食べてるのです!」

「ふふふ、こうして見ると鹿目さんもすっかりお姉ちゃんね。いつもは末っ子みたいなのに」

「わ、わたしも家ではお姉ちゃんですよう。弟だっていますし…」

「あら、でもその弟さんって3歳くらいじゃなかったかしら。だからそんなに面倒見がいいのね」

「むぅ、なぎさはそんなに幼くないのです!」

 

 そうして、穏やかな時間はあっという間に過ぎていった。

 ほむら自身も会話の中で特に大きな違和感を感じることもなく、巴マミに対する感情を整理できただけ良かったと思っていた。

 

 しかし、事態は急転する。

 まどかがした一つの何気ない質問によって。

 

「そういえば、マミさんとなぎさちゃんはいつ頃出会ったんですか?」

「いつ頃…。そうねぇ、たしか1年半くらい前のことだったかしら。病院でナイトメアが発生して、その時にこの子が巻き込まれちゃって」

「それは…」

「その時は何とかなって、なぎさちゃんとはそこでお別れしたんだけど、後から部屋が隣だということが分かって交流をするようになったの」

「そうだったんですね。無事でよかったです」

 

 本当に何気ない質問。

 だが、ほむらは確かに違和感を感じていた。

 

(……ナイトメアの空間は魔女空間と違って一般人が迷い込むことはない。それなのに、百江なぎさがそこに迷い込んだのはなぜ?)

 

 ほんの些細な違和感。

 しかし、こういうのを見過ごすわけにはいかない。

 こういう細かい違和感が記憶を取り戻すきっかけになるのだから。そうして考えを巡らせていると、ポケットに入れていた携帯が鳴った。

 

「すみません、電話がかかってきたので……」

 

 一言断って部屋を出て着信を見ると、杏子からだった。

 何か進展があったのだろうか。そう思いながら、電話に出る。

 

「ほむら、あんたに確認したいことがある」

「なに?」

()()って覚えているか?」

「……えぇ、もちろん覚えているわ」

「だったら、あたしたちが相手にしてるナイトメアって何だ?」

 

 ナイトメアは、人の悪感情から生まれる夢に乗じて現れる怪物。

 だが、杏子が聞きたいのはそういうことではない。

 

「分からないわ。私もそれについて今調べているところ。それに私も、杏子に聞きたいことがある」

「何だ?」

「魔女、という言葉に聞き覚えは?」

「何だそれは? もしかしてそれも覚えてなきゃまずい事か?」

「………いいえ、覚えていなくて正解よ」

「おい何だそれは!? ちゃんと説明しやがれ!」

「魔獣のことを覚えているのなら知らなくて当然のことよ。むしろ覚えていなくて安心したわ」

 

 ピッと電話を切る。

 

「………」

 

 扉越しにまどかと巴さんの声が聞こえる。

 明るくて、眩しくて、ずっとずっと求めていた声。

 こんなにも近くにある平穏が、どうしようもないほど遠くに感じる。

 

(………どうして、私が…!!)

 

 私は逃げるようにその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 かつて、魔女という存在がいた。

 魔法少女が絶望した成れの果ての姿。それを、消滅という形で救済したのがまどかの祈り。

 

 まどかの祈りで改変された世界で、行き場を失った呪いは魔獣という形で具現化した。

 たとえ魔女が生まれなくなっても呪いそのものがなくなるわけではない。魔女に取って代わる形で世界には魔獣が跋扈した。

 

 そんな世界に再び魔女が現れた。

 既に結界は生成され、気づいた時には私は中に取り込まれていた。

 結界の内側に生成された世界は精巧に作られた見滝原の街。本物であることを疑わないレベルで、世界が形成されていた。

 

 魔女結界の内部は、基本的に魔女の望む世界が形成される。

 素体となった魔法少女の記憶と祈りをもとに、その魔法少女にとって居心地のいい世界が作られる。

 

 では、肝心の魔女はだれか?

 

 それは、魔女の存在を知るものしか有り得ない。

 佐倉杏子は魔女を知らないと言った。ナイトメアに疑問を感じて魔獣の存在に行き着いていたが、魔女のことは知らないと。

 

 当然だ。まどかの改変によってほとんどの人間から魔女の記憶は消え去った。そして、同時にまどかの存在も。

 

 そんな世界に存在し得ないものを再現しているとなれば、それをやった魔女はまどかのことをよく知る人物でなければならない。

 

 

 

 ………そんなのは()しかいない。

 

 

 

 

 

(ソウルジェムの効力が及ぶのは、せいぜい100メートル)

 

 紫色のソウルジェム。

 それを道沿いの席に立てて置き、そのままバスに乗り込む。

 停車していたバスが出発して1秒、2秒、3秒………私は意識を保ったままだった。

 

「そう、つまりはもう……私は魔法少女ですら…!!」

 

 手持ちの盾から銃を取り出し、躊躇う事無く発砲する。

 狙いは正確。万が一にも外したりなんてしない。威力も十分。

 

 ソウルジェムを粉々に打ち砕くはずのそれは───

 

 

 

 

「───なぁにバカなことやってんのさ!」

 

 突如現れた美樹さやかにより防がれた。

 突然のことに呆気にとられる私をよそに美樹さやかは私のソウルジェムを掴むと、彼女に似合わない精悍な顔つきでこちらを見つめてくる。

 

「……それを返して」

 

 絞り出すように紡いだ声は少し震えていた。

 恐怖か、緊張か……いいや、どっちでも関係のないことだ。

 

「返したらどうするの? また砕こうとするの?」

「それは…」

「どんな事情があるにしろ、自殺しようとする友達を放っとけないよ。魔法少女にとってこれがどれだけ大切なものか分かるでしょ」

「それでも…! 私は今ここで死ななきゃならないの! だって私は───」

「──魔女だから、とでも言いたいわけ?」

 

 その言葉に思わず私は息を飲んだ。

 誰も知らないはずの言葉を美樹さやかが知っていることに。

 

「あなた、どうしてそれを……」

「それはまだ言えない。でも、これだけは信じてくれないかな? あたしはあんたを助けたい。そのためにここに来たから」

「でも、私はもう──」

「──早とちりして一人で突っ走るのはあんたの悪い癖だよ、()()()

 

 この世界では、美樹さやかは私のことをほむらと呼ぶ。

 転校生なんて他人行儀な呼び方はしない。

 

「早とちりって、貴女何を…」

「安心していいよ。ほむらは魔女なんかじゃない。このソウルジェムは、あんたが繰り返してきた記憶と想いが詰まった大切なものだから」

 

 そう言って、美樹さやかは私のソウルジェムを返してくれる。

 

「だから、大切にしないと」




さやか「早とちりして一人で突っ走るのはあんたの悪い癖だよ」
ほむら「貴女にだけは言われたくないわ」
さやか「なにおう!」



【ほむらのマミさん評】
-叛逆の物語にて-
「思い出したわ巴マミ、私はあの人が苦手だった。強がって無理し過ぎて、そのくせ誰よりも繊細な心の持ち主で、あの人の前で真実を暴くのはいつだって残酷すぎて、辛かった」

 この評価に落ち着いたのはやはり3周目の時間軸だと思われる。
 2周目の時間軸で魔法少女としてのノウハウを教わり、純粋に尊敬できる先輩として巴マミと接する。
 そして、3周目ではほむらが「みんなキュウべえに騙されている」と言い始めたことで仲間内で対立が発生し、その仲を取り持ったのはマミさんだったんじゃないかと思われる。
 そんな中、例の事件が発生し、取り乱したマミさんの姿を見たほむらは、マミさんが相当な心労を抱えていたことを察し、だれにも頼らず一人でやりきるという発想に至る。こんな流れじゃないかと。(訳:誰か書いてください)

 マミさん視点では、杏子と決別してから数か月後に魔法少女仲間ができて嬉しかったところに、キュウべえに騙されているとほむらに言われ、困惑。曲がりなりにも願いをかなえてくれたキュウべえが悪いわけがないと思い反論するが、ほむらは聞いちゃくれない。
 そんなこんなでさやかが魔法少女契約をしたり、杏子と接触したりする中でギスギスした雰囲気はどんどんと大きくなっていき、マミさんの求める魔法少女の在り方からは大きく乖離。間を取り持つマミさんの心はだんだんと疲弊していくことになる。
 それでもいつかは手を取り合って頑張れると信じていたところでさやかが魔女になり、ほむらの言っていたことが真実だと発覚。
 自分の求めていた魔法少女には絶対になることができないこと、そしてそんな道に後輩を勧誘してしまった負い目から死ぬしかないという発想に至る。



『考察好きの皆様のために』
 展開予想のコメントをしたいけどガイドライン違反になるから駄目だ、というお悩みを抱えている人のために考察の魔女の憩いの場という考察スペースを作りました。
 作者自身は展開予想合戦や作品への考察も含めてその作品の面白さだと思っているので、感想欄ではできないことをやってもらえればと思います。
 もし、このやり方が何らかのガイドラインで禁止されていた場合は、予告なく取り潰しする可能性があるとだけ留意しておいてください。


次話『夢で見た本当のこと』
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