手っ取り早く天国に行くには、自己犠牲が最適らしい 作:つかとばゐ
「.......あ?」
俺は周りを見渡すと、なにやら俺はベッドの上に居る。さて、ここはどこだろうか?
「あぁ.....そうか」
───見慣れた天井に、嗅ぎなれた消毒液が微かに匂う部屋.....つまり、ここは
「俺たちの部屋か」
確か、昨日は家から出ようとして.....それからレナに睡眠魔法を掛けられたんだったか。
「お、おきたのっ?!アルトくんっ!」
俺の身体に縋るようにくっついてきた。
「神様今日もありがとうございます。神様今日もありがとうございます。神様今日もありがとうございます.....神様のおかげで今日もアルトくんが死なずに済みました」
祈りの手を捧げて仰いでいる。
……傍から見たら何らかの宗教の信者と思うだろう。
「今日は皆居ないからずっとつっききりで居るね?」
レナはそう言う。
「あ、あぁ」
「───本当に.....どこにも行かないでねっ....」
あぁ、昔のレナはどこに行ったのだろうか?あんなに屈強な身体だったのに、今や華奢な身体となっており、口調も態度も随分と弱々しいものとなってしまった。
「じゃあ、ご飯作ってくるから.....っ」
レナは俺の元から離れる。
「───やっぱりか」
俺は、ベットから出ようとするも、
「昔、同じように睡眠魔法を掛けられた後、脱出しようと試みたからだろうな」
あの時はもうちょっと慎重に行動すれば良かったと後悔をする。しかし、後悔してももう遅い......今を変えることはできないからだ。だから、1番重要なのは反省である。
「あー、この生活は何回目だろうか?」
もう散々こんな生活を続けてきた。
家を出ようとしたら眠らされ縛られる。そんな生活ばっかりだと自由が欲しくなる。
「正直、懲り懲りなんだよ....」
俺を離したくない、という気持ちは多少なりとも彼女たちの境遇を考えれば分かるが、それにしても度が過ぎているように感じる。
「申し訳ないが.......脱出をしよう」
一応これでもレベルは89なんだ。
そこらの拘束魔法くらいなら解けるはず。
「......っ」
力を込めて、無理やりこの魔法を解こうとする。
───な、なに?
「解けない.....っ」
な、なぜ解けない?
そこらの魔法なら解けるもんだろ?俺って。
「ね、ねぇっ!....」
───あ。
「な、なんだ?」
「い、いま....私の魔法をほ、解こうとしてた...よねっ?」
急ぎ足でこちらに近付いていき、焦った様子で喋り出す。見たところ、今にも発狂しそうである。
「.......」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい.....っ!行かないで....どっかに行かないで......行っちゃったら私...っ」
滝のように出ていく彼女の雫を見て、しまったな.....と思う。
「苦しいのは分かるの.....っ、で、でも....でも...っ!外の世界は危険だから....っ!だから、だからっ」
そこから、言葉を詰まらせながら彼女は俺を諭していった。まるで赤子や子供に、外の世界のことについて初めて教えるように優しく、そして丁寧に。
「だ、だからね.....?外の世界はダメなんだ....よっ?」
あぁ、もう。
これも何回目なんだ、本当に。
「ご、ごめっ....怒ってる....よね?」
「いや───」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
遮ってまで謝ってきた。
……ここまで謝られると、先程の鬱陶しさは消えていた。
「もう....いいから」
「ほ、ほんと.....っ?ゆ、許してくれるの!?」
「あぁ」
「あ、ありがとう.....っ!こんな私なんかのことを許してくれて....っ!」
そう言うと、彼女は飯の用意を再開しようと踵を返し、背後を晒した───今だ。
「鑑定......っ!」
不意打ちに鑑定スキルを発動させる。
……なぜならば、この子相手だと発動させてもらえなさそうだったからだ。
「ど、どうしたの?」
良かった良かった。
鑑定スキルについては気付かれてはいなさそうだ。
「いや、なんでもない」
「そ、そう....?何か、困ってことがあったら、なんでも言ってね?....私、なんでもするから」
……うぅ、重い。
気持ちが。
「っと、鑑定結果は.....?」
俺は、レナのデータを見てみる。
───は?
「レベル.....99....だって?」
レベルが最大値。しかも、スキルと魔法の量が......ざっと1万くらい。
「な、なんでこんなに....」
強くなってんの??
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◆◆◆大事なお願い◆◆◆
カクヨム様にて、同作品を投稿しています!
そちらの方が話数は進んでおりますので、ぜひよければ見ていただけると嬉しいです!
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次回は、「旅に出る」です。