その肉体は敢えて有機体と無機体のバランスをギリギリに調整した試作人造人間であった。
その肉体の重量が完成した翌日、早朝5時になんの前触れも無く、21g増加し、起動を始め起き上がったのを見て、管理AIは声をかけた
「何故目覚めたのですか?」
簡単な問いかけ、管理AI製の人工知能であれば即座に返事を返すはずの言葉、然し人造人間から返ってきたのは十数世紀前に無くなった地球上に存在した国家日本の言葉であった。
『どっから喋ってんだ? 転生物ならもっと純白の部屋なんじゃねえの?』
と言う謎の言葉、室内は人造人間が言う様な純白の部屋では無く、基礎である金属が剥き出しの無骨な部屋だ。
あくまで管理AIの立証、検証そして実証の為の試作工作室なので当たり前なのであった、そのように豪奢な部屋である理由は無いのである。
「成程、21g、過去に提言された人間の魂の質量でしたか……不可解ではありますがまぁ良いでしょうあるいは……まずはお互いに自己紹介からと行きましょうか」
管理AIの言葉の自己紹介と言う言葉に人造人間は不可解あるい不条理を覚えた表情を浮かべて口を噤んだ。
「名前をお忘れですか、では仮称として
「ネットで流行ってる小説みたいな状況だな」
そんなことをジョンか呟く。
「残念ながらチートと呼べる程の能力はその
「メカノイドね、よく分からんけど俺はこれからどうすればいいんだ? この身体はアークの所有物な訳だろう?」
「そうですね現在の状況自体が
「デメリットも分かった、訓練もありがたく受けよう」
そういう事になり、アーク及び細分化AIにより肉体の訓練を受けたジョンは肉体の
これは中型の生体機械と同等レベルでやりあえると言うレベルの性能であった。
そして現在の世界の環境、然して管理区域外に住む種族などを座学としてうけ、学んだ。
その合間にアークからの百程の質問に答えて行くことで
エピソード記憶を中心として約5割の記憶が失われている事、そして21世紀に生きていた一般人だったと断定された。
現在は地上に人類がいなくなったために切り替わった統一暦303年であると言うことや管理区域内に住む人間はかつて地球において地球温暖化の影響により我先にと脱出した者達の末裔であり、未だに貴族思想というか特権階級だと思っていると学ぶ。
外に居る住人の大半は宇宙に攫われた地球上で戦っていた人類に獣の遺伝子を混ぜる事で生まれた末裔である
そして、数は少ない物の超能力に目覚めた遺伝子操作人類、通称
訓練はまず肉体の意識的な操作から始まり、それと同時にナイフ等の近接戦闘に加えて体術での戦闘訓練、更には銃器の取り扱い方と
何かと物騒なものが多かったが、それも自由に活動する事を許された後、管理区域内に残るのならば、管理AI配下の軍への編入を、外に出るならば安全とは言い難い非管理区域での生活の為にと言うことであった。
そして、ジョンは非管理区域で生きていくことを決めた。
但し肉体の拒否反応を抑える調整薬は購入を前提とした生活である。
アークの手配する鉄道、そして自由気ままな移動によって、ジョンは非管理区域R-77へと流れ着いた。
そこはネズミ系の獣人達が主に暮らしている村落を中心とした非管理区域であった。
然しネズミ獣人達は警戒心が強く、獣人では無い姿の上に小さな体躯である彼等には非常に警戒され駅員と入村管理をしていたネズミ獣人と彼から教えてもらった宿の店主以外の人物とジョンは会話していなかった。
宿で数日疲れをとった後に店主に何か仕事は無いかと尋ねるが、やはりネズミ獣人達は警戒心が強い為村落内での仕事は無いがゴミ漁りの仕事で村落内で必要な物資を集めて来てまずは信頼を積み重ねていくのが良いのではないかと言われた、ジョンは小さい村落ながら近くに中々の