「それじゃあ、君の事を聞こうか」
食後、ヒロに引っ張られる様な形で食堂から出たユリカはヒロに詰められていた
何故二階堂ヒロの魔法を知っているのか
何故彼女が自分の魔法を知っていて当然の様な態度なのか
「私としては知らない方がおかしいんだけど、まぁ、
「君はさっきから1人で納得して何を考えている?情報を共有して欲しいのだが」
1人で納得するユリカにヒロは少し苛立った様に尋ねる
「納得はしてないけど、仮説は立ってる。貴女が前にいた時間に私は存在しなかった。違う?」
「………………………………そのとおりだ」
ユリカはヒロの返事にやっぱりねと心の中で零し続ける
「つまりこういう事、君は【真田ユリカが存在しない1週目】からこの時間に来た、そして私も【二階堂ヒロが看守に殺されてない1週目】からこの時間に来た。ただそれだけ」
「平行世界から互いに来たと言いたいのか?」
ヒロは不審なものを見るような目でユリカを見る
「まぁ有り体に言えばそういう事」
「それが事実だとして、私には君がここにいる理由が分からない、君の魔法は【複製】と言った所だろう。それでどうやって私の様に……………………いや、そういう事か」
「察しが良いね、多分同じ事考えてる」
「私の【死に戻り】の魔法を【複製】したのか」
「まぁ、そんな所。完全に偶然の産物だけどね」
ユリカはそう言い自身の房に戻り眠りに付いた
翌朝
今日の分のハムサンドを生み出しハムサンドからライターに変えようとしてもう1つの異変に気付く
恐らく1週目で複製したもう1つの運命
「……………………」
ライターを複製しようとしたが好奇心に負け城ケ崎ノアの運命をスロットに置き複製する
「……………………??」
しかし特に何か起こるでも無くため息を吐きながらユリカは煙草を取り出した
「何だったんだ……………………はぁ、無駄に交換しちゃった。紫藤さ〜ん、火頂戴」
「だからマッチなり何なり探せよ!!ていうか今日はハムサンドとライター交換するとか言う話じゃなかったか!?」
「そうしようと思ったけど間違えちゃったよ、お願い火貸して?」
「………………………………チッ、ウチにも1本寄越せ」
アリサはそう言い指先から火を灯すと2人で煙を吹かした
夕飯
「……………………それ良く食べられるよね、もしかしてハムサンド嫌い?」
「いや、確かにここにある料理を食べるより君の作り出したハムサンドを食べる方が何倍もマシだろう、だが、口に合わないからと言って折角作ってもらった料理を食べ無いのは正しくない」
「堅いねぇ〜」
ユリカはそう言い紅茶を飲もうとして何かが引っ掛かった
「………………………………まさか」
そう言い試してみると紅茶が人型に変わった
「わぁ〜ノアと同じ魔法!!」
「同じ魔法を使う者もいるのか…………」
「………………………………」
【城ケ崎ノアの運命】
「そういう事ね」
ユリカは魔法を解除し林檎を齧る
「ぎゃあああああー!!」
食堂の外から悲鳴が聞こえ外に出る
廊下を出ると看守が何人かの少女達に向け暴れていた
「誰?看守にちょっかい出したの」
「言ってる場合か!!兎に角止めないと」
「もう止めなさい!!これ以上は許しませんよ!!」
ゴクチョーの声が一瞬安心するがそこにいたのはゴクチョーでは無くマーゴ、しかし騙されたと知った看守はマーゴに向けて鎌を振り下ろした
「マーゴ!!」
ヒロがマーゴの元に走り寄りユリカも近寄る
「クッ!!どうすれば」
「誰か綺麗な布持ってきて!!早く!!」
何人かの少女がバタバタと走り去っていきユリカはウイスキーを複製し近くにあった棒を取る
「本当はちゃんとした消毒用アルコールの方が良いんだけど、仕方無いか」
「み、皆を助けようとしたのだけれど…………」
マーゴの脇腹に纏わりつく部分の服を引き裂きマーゴの口に棒を咥えさせウイスキーをぶっ掛ける
「グッ!!ウウウウウウウウウウ!!」
悲痛な叫びがマーゴの口から漏れるが構わず一瓶全てを振りかけ終えるとメルルがその傷を治療する
「兎に角医務室に運ぼう」
レイアが声を上げメルルとヒロと共に医務室にマーゴを運び終えるとユリカはため息を吐いた
「……………………ハァ」
ため息を吐きウイスキーを生み出し中を煽る。手に付いた血を洗い流し酒に浸り眠りに付いた
複製可能な物
1.二階堂ヒロの運命→城ケ崎ノアの運命
2.ウイスキー(愛用の銘柄)
3.ハムサンド