全員が席に着くとゴクチョーが【魔女裁判】についての説明を始める。それをユリカは聞き流す
「それては、魔女裁判、開廷です」
ゴクチョーが開廷を宣言しレイアが司会進行する
「それじゃあ始めようか。メルル君を殺した犯人…………魔女を決める裁判を!!」
「つーか、何か話すことあるん?」
「と言うと?」
「そりゃあ現行犯何だしさ。犯人なんて決まってるじゃん」
ココの言葉に自然とヒロに視線が集まりヒロは歯噛みする
「それは分からないよ」
ユリカは煙草に火を付け煙を吐く
「はぁ?お前馬鹿じゃねぇの?現行犯だっつてんだろ。脳みそ入ってるか?」
「では聞くが、この中で氷上メルルの死の瞬間を見た人は?」ユリカが尋ねるが声を上げる者も挙手する者も居ない
「ほらね?」
「は?何が?」
「つまり、【二階堂ヒロが氷上メルルを殺す瞬間を見た者は居ない】と言う事だよ。状況証拠だけでは二階堂ヒロは犯人足り得ない、もっと決定的な証拠がないと」
「確かに、ユリカ君の言う通りかも知れないね。それに、仮にヒロ君が犯人だとしても何が起こったのかは明らかにするべきじゃないかな?」
「賛成です!!ヒロさんがどうやってメルルさんを殺したのか、お話を整理してみましょうか!!」
シェリーがそう言いヒロと目が合ったユリカはバレない様にウインクで合図するとヒロは何も言わず目を閉じた
「では、まずは現場の状況を私から説明しよう。現場では被害者の氷上メルル君の死体が発見された。発見当時、二階堂ヒロ君がいた…………間違いないね?」
「間違いないよ、私はそこにいた」
「これはその時、ココ君が撮った現場写真だ。写真通りメルル君の横にはヒロ君が倒れており、周囲に他の人の足跡は無かった」
(カラクリは簡単だけど、まだ話すべきじゃないかな?)
「次に凶器だ。これはメルル君の胸に刺さっていた剣だろう。これについて、ヒロ君から何か弁解はあるかな?」
「知らないな。見たことも無い物だ」
「成る程、関与を否定するんだね。確かにその方が賢い選択かもしれないけど」
「御高説痛みいるよ」
「最後にメルル君の死体についてだ。勝手ながら、少し体を調べさせてもらったよ。死体の状況から言って、死後20分以上は経過していたね。ただ、亡くなったのは1時間以内だろう。勿論ちゃんと調べる設備もないのでおおよその時間だけどね」
「検死したのか?」
「以前役作りの時にちょっと勉強したことがあってね。あくまで素人の真似事だが、間違ってはいないはずさ、死因は見ての通り、胸の刺し傷だろうね。後、これはまだどう言う事なのか分かってはいないんだが、彼女の瞳は義眼の様になっていたんだ。目が鉱物の様に変化していた」
「……………………成程」
「オメェ何か知ってんのか?」
(言うならここだな)
アリサに問われたユリカはそう確信し持っている情報を開示する
「魔女を殺す薬【トレデキム】の効果だね、魔女を殺すのと引き換えに…………というのもおかしいけど兎に角その薬を使うと魔女の目が宝石の様になる」
ユリカがそう言うとヒロが反応する
「【トレデキム】?その名前は確か…………」
ヒロがそう言うと全員の視線がココに向く
「ウッ、そ、そうだよ。あてぃしが見つけた魔女を殺す薬だよ」
「何でそんな物が使われた形跡があるんだろうね?」
「ウッ、そ、それを言うならそっちこそ何で【トレデキム】の効果知ってんだよ!!そっちのほうが百倍怪しいじゃん!!」
「私の魔法は複製、スロットにあるものなら何でも複製出来る」
「はぁ?それが何だってんだよ」
「その中に【死に戻り】と言う魔法があってね。この牢屋敷での生活は
「じゃあ、ユリカ君はココ君が殺したと?」
「いや、全然」
ユリカの当然の様な答えにレイアはズッコける
「じゃあ誰が犯人だと?」
ユリカはゆっくりと指を差した、氷上メルル殺人事件の犯人 宝生マーゴへと
(さて、人を惑わす魔性の女……………………その仮面を引っ剥がすとしようか)
ユリカは自身の吐く煙草の煙の向こうにいる宝生マーゴを鋭い視線で視た