(宝生マーゴ、彼女を魔女化させるのは意外と簡単、【愛】を示せば良い、だがそこまでの道筋は結構面倒臭い、まず彼女の心をかき乱す必要がある)
「魔女、魔女裁判、大魔女、おおよその話はこれまでのお話から推察できるわ?でも私がヒロちゃんに聞いておきたいのは【真実の担保】ね。貴女は何を持って自分の言葉が真実であると保証するのかしら?」
「ここまで君が見聞きした現象では、満足出来ないということかな?」
「全く信用していないとは言わないわ。これまで色々な現象も見せてもらったしね。けれど…………オールイン出来るほど信用はしていないの。極端な話、今までの話が全部ドッキリだったなんて事だってあるかもしれないわ」
「君ならそんな事はあり得ないと理解出来ると思うけどね。」
「貴女に私の何が分かると言うの?」
「分かるさ、君は、【愛】故に殺した」
「…………何ですって?」
「私と真田ユリカが経験した世界で、君はある人物を殺した。そして君は、処刑される寸前そう答えたんだ【愛しているからこそ殺したのだ】と」
ヒロの言葉にマーゴはユリカの反応を見る
「言ってたね、そんな事」
「…………成程ね、確かに私なら言いそうね。でも、そんなの話術の域を出ないわ。愛憎と殺人は密接に関わっているんだもの。愛は人を殺す、所詮は一般論よ。でも、そうね。ヒロちゃんとユリカちゃんの話が嘘じゃないとも思っているの。嘘を付く時って、クセが出るものだから。だから、ヒロちゃんの話を詳しく聞かせて欲しいのよ」
「…………………わかった、なら説明しようか、私達が経験した記憶を」
審問開始
「私と彼女、真田ユリカは今朝目覚める前までこの牢屋敷で君達と生活していた、今と同じ様に連れて来られた虜囚としてね」
「それで私が殺人事件を起こした…………貴女はそう主張していたわね」
「そうだ、私が体験した中では4つの事件が起こり5人が死んだ。その中で殺人を起こしてしまった1人が君だマーゴ」
「被害者については配慮として隠しているのね」
「察してくれて助かるよ。私達魔女候補の少女は次第にその思考が凶暴化し排他的になっていく」
「簡単な話相手を殺したくなっちゃうの、そしてそれを実行してしてしまう」
「だが、それではいけないんだ。我々は全員が生きたまま魔女にならなくてはならない。そうでなくては生き残れない、だから私達に協力して欲しい」
「手放しに信用出来る話じゃないわね。もし貴女が言う事が正しいのなら、貴女自身はどうだったのかしら?誰もが殺人衝動を抱くのであれば貴女も人を殺したくなったと言うことでしょう?」
「私は殺すには至らなかった。そして最後は自らの手で命を絶ったんだ」
ヒロがチラリと一瞬ユリカを観たのをマーゴは見逃さなかった
「あらそうなの、ヒロちゃんはそう見たいだけど、ユリカちゃん、貴女はどうなの?」
(ここでユリカに標的を変えたか!!)
「殺したよ…………だから私はここに居る」
「…………なら、人殺しの話を信用しろと?」
(不味い、完全に流れが変わった!!確かにマーゴには下手な嘘は通用しない、だがここまで正直に言わなくても……)
「別に信用は求めてないよ」
「…………どういう意味かしら?」
「私は確かに人を殺した……でも、それを引き合いに君は私達の話を信じない程愚かじゃない事を知っている、だって君は人を【愛】で判断するんだから」
「っ!!」
「それは私も一緒だよ、私達は皆を【愛したい】、その中に自分は含まれていないとでも?」
(良く分からないが【愛】と言う言葉を乱用する事でマーゴを撹乱しているのか?なら)
「ああ、マーゴ私もユリカと同じ気持ちだよ。敢えて言おうマーゴ」
「「私達は君を【愛している】」」
「っ!!嫌!!」
「マーゴちゃん?」
「もう止めて、私が何をしたっていうの!!もう止めて!!私を愛さないで!!」
その言葉と共に宝生マーゴの体にヒビが入り爪が伸びる、同時にユリカがメルルの魔法で心を癒す
「私も詐欺師の才能あるかも」
「貴女達意地悪ね、後少しで殺しちゃう所だったわ、覚えてなさい何時か後悔させてあげるから」
(さて、残り8人)
14.【魔女 宝生マーゴの運命】