2人の舌戦は長い間続かなかった
正しい記憶を持つヒロと偽りの記憶を刻まれたエマの舌戦はヒロが圧倒的有利で進んだ
エマの記憶を尽く訂正しその存在を明確にしていく
「………………ユキ……ちゃん」
「月代ユキ、私達の同級生、そして……もう1人の親友の名前だ。エマ、君はイジメの被害者では無かった」
「ボクは……被害者じゃなかった…………ボクは傍観者だった…………それがボクの罪だったんだ」
エマの翼から骨の翼が現れた
22.【魔女 桜羽エマの運命】
「さぁ、用意したぞ、十三人の魔女と儀礼の剣。姿を見せてもらうぞ…………大魔女!!」
ヒロが宣言すると裁判所の中央に赤黒い液体が現れる。それは次第に大きくなり溢れる様に血の柱が起こると1人の純白の少女を形成した
「私の復活はすなわち絶望…………何を期待していたのですか?良い結末などあり得ません」
そう言い大魔女が笑う
「さぁ、共犯者になりましょう」
「こ、これが……大魔女ですの?」
「普通の女の子みたいだけど…………」
「つーかオメェらの姿、戻ってねぇか?」
「1人戻ってない子もいるみたいだけど♪」
マーゴの言葉に自然とユリカに視線が集まる
「マジで?やっぱりこうなるの?」
「クッ!!何故、何故ユリカ君だけが!!」
「何でがっかりしてんだよ」
「賑やかですね。あなたのお友達は」
「…………どうして、どうして君なんだ、ユキちゃん」
「知りたいですか?」
「聞かせてもらおうか。私達には知る権利がある」
「良いですよ、でも…………」
ユキがそう言うと同時に地面が揺れる感覚が走る
「魔女の島は再び飛び立ちました。この屋敷もまた、過去のあるべき姿へと戻る。そして今から世界を巡るんです。全ての人間に死を与える、福音を振りまく天の使いとして」
「なっ!?」
「お話、しましょうか、この世界から人間が居なくなるまでの、僅かな時間だけ…………ですが」
審問開始
「人は罪を背負っています。よってこれより、刑を執行します…………全人類の処刑、これは決定事項なんです」
「いきなり出てきたと思ったら…………何言ってんだよテメェ!!」
「人間全滅させるって言ってる!?そんなことできんの!?」
「残念だけれど、大魔女にはそれが可能よ。彼女にはそれを実行出来る力がある」
「物わかりが良くて助かりますよ、ナノカ。大丈夫です。あなたのお姉さんもずっと一緒ですからね。既に人類への執行の猶予は十分に与えました」
「「異議あり!!」」
「その刑の執行…………もうちょっと待ってもらえないかな!」
「それはどうしてですか?」
「ユキ、君は今、人類に執行の猶予期間を与えたと言った。だがそもそも、その判決に正当性はあるのかな?」
「…………」
「し、執行猶予が与えられたって事は判決が下されたって事だと思うんだけど…………その裁判、不当判決じゃないかな!!」
ヒロとミリアはユキに判決の正当性を問う
「オメェら何言ってんだ?化物の親玉にそんな理屈通じるわけねぇだろ」
「いや、それはどうかな?」
「はぁ?どういう意味だよ…………」
アリサの最もな意見にユリカが待ったをかけ煙草に火を付ける
「彼女は判決や執行猶予、刑と言った裁判を想起させる言葉を使っていた。ただいたずらに力を振るう化け物じゃないと言うことだね。なら対話によって説得が出来るって事だ」
「ユキ、始めようか。私達の魔女裁判を」
「……………………良いですよ、さっきも言った通り人間が滅びるまでの僅かな間ですが」
ユキはそう言いニッコリと笑った