世界は平和になった、一人の異分子と全ての魔女因子を犠牲に
だが、平和=ハッピーエンドとは限らない
ユリカの死後、最初にして最大の障壁として日本政府の月代ユキに対する嫌悪的な意見があった
『本当に魔女因子を全て失ったのか』
『真田ユリカを使いそういうふうに見せただけでまた人類全滅を企んでいるのではないか』
『信用出来ない』
そんな言葉の前に立ったのは二階堂ヒロと宝生マーゴだった
勿論他の少女達も全員が月代ユキを庇ったが主だったのはこの2人だ
「月代ユキと真田ユリカはこの牢屋敷での出会いが初対面だった、結託するのは不可能だ」
「それにユキちゃんの計画は数百年前から始まっていた事よ♪ユリカちゃんがそれ程長生き出来たとは思えないのだけれど♪」
とまぁそんな感じで二階堂ヒロは正々堂々正面から政府側の意見を潰しマーゴは口八丁で言いくるめユキの生存権を勝ち取った
それから少女達は世間に戻る者と牢屋敷に残る者とで分かれた
そんな中家に帰ることを決めた一人、紫藤アリサは未だ政府側の帰す準備が出来ていない為暫く牢屋敷に残る事になったのだが
「………………………………」
ユリカが寝ていた布団の前に佇んでいた
「またここに居たのね」
そこにマーゴが現れアリサに話し掛けるとアリサは一瞥もせず息を吐く
「もう一回、アイツと煙草吹かしたかった」
「…………アリサちゃん、それは」
「分かってるよ、ここで起こった事じゃねぇってんだろ。そんな事うちも良く分かってる」
アリサはそう言いユリカのベットに倒れ込む
「まだアイツの煙草と酒の匂いが少し残ってる気がする、たった1日しかここに寝てねぇのにな」
「そういうものよ」
「なぁ宝生、アイツの声を……………………もう魔法ねぇんだったな。忘れてくれ」
アリサはそう言うとその場を離れた
1週目・2週目・3週目を通してユリカと最も長い時間を共にしたのはアリサだった、2人の間に言葉は少なかったが煙草と酒を共に楽しむ時間をアリサは表情に出しこそしなかったが本当に楽しんでいた
「ああ、貴女に必要かどうか分からないけど、これを渡しておくわ」
マーゴがそう言いアリサが振り返るとマーゴの手に1枚の紙切れが握られていた
それを受け取り中を確認すると中には住所らしき物が書いてあった
「これは…………」
「ユリカちゃんのご実家の住所よ」
「お前…………これ、どうやって」
「個人情報だから中々渋られたわ♪まぁ、多少体に聞いたりもしたけれど♪」
「お前…………なんでそこまで…………」
「強いて言えば皆が心配しているからかしらね、自覚があるのか分からないけれど。あれから貴女ずっと暗い顔をしてたわ。皆貴女を心配しているの」
マーゴはそれだけ言うと何処かへ向かった
「………………………………」
アリサも手の中にある紙を握り締め前を向き歩き出した
そしてアリサが世間に帰る日
政府のヘリコプターが迎えに来るとヘリポートで降ろされ無数の手続きの末解放された
解放されたアリサは家に帰る前にユリカの家に向かい歩き出す
様々な人に住所の場所を聞きながら進み辿り着いたのは
「ここ……………………だよな?」
ボロボロの廃教会だった
ここからの主役はアリサちゃん